デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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見せてみろよ。お前の力。

三日月・オーガス


第四話

今日の夜の五河家はかなり賑やかだった。

 

「十香さん。卵を五つほど取ってください」

 

「卵だな!!少し待っていてくれ!!」

 

十香はそう言って冷蔵庫の棚を漁り始める。

 

「四糸乃さん。皿を用意してもらえますか?数は・・・そうですね。五つ用意して下さい」

 

「は、はい・・・!」

 

四糸乃はそう言いながら食器棚を開けて皿を一枚ずつ取り出していく。

 

「琴里さんは・・・落ち込んでいる暇があるなら手伝って下さい。後で話は聞くので」

 

落ち込んでへこんでいる琴里を真那は立ち直させる。

カチャカチャと菜箸で卵を溶きながら真那は熱したフライパンに流し込む。

ジュワアアアアアと油と卵が音を立てながらフライパンの表面に広がっていく。

そして四糸乃が用意した皿に真那はオムレツを乗せると真那に言った。

 

「四糸乃さん。その皿を机に並べて下さい。それと・・・もうそろそろ兄様を呼んできてくれませんか?多分・・・中庭にいると思うので」

 

「・・・はい!」

 

士道を呼んできて欲しいという真那の言葉に、四糸乃は首を縦に振って窓の外からサンダルに履き替えて士道を呼びにいく。

よしのんと一緒に四糸乃は首をキョロキョロと振っていると、庭の隅に士道はいた。

 

「ふっ・・・!ふっ・・・!」

 

短い呼吸の声と共に両腕で身体を鉄棒の上へと上げる。

真剣な表情のまま、身体のあちこちから汗が溢れ出ているのを四糸乃は遠くからボーッと眺めていると、“よしのん“が口をパクパクと開きながら四糸乃に言った。

 

『あれぇ?四糸乃もしかして、士道くんに見とれてる?』

 

「えっ・・・と・・・うん」

 

よしのんの言葉に四糸乃は恥ずかしそうに小さく頷くと、よしのんは口もとをニィと吊り上げる。

 

『やー、四糸乃も士道君に声をかけないで隠れて見るなんて、四糸乃は悪い子だねー』

 

「・・・何が悪い子なの?」

 

「・・・・!?」

 

『あり?』

 

いつの間にか四糸乃とよしのんの前にいた士道に四糸乃は目を見開いて顔を赤くする。

よしのんは小さな手を腕を組むように合わせていた。

じっと見つめる士道に四糸乃は目を逸していると、軽く息を吐いて顔を離す。

 

「飯の時間で呼びに来たんでしょ。皆が待ってるから行くよ」

 

「・・・はぃ」

 

小さく消えそうな声で四糸乃は答える。

それでも士道に視線を向けない辺り、自分が聞いてはいけない事なのだろうと士道は察して部屋に歩き始めた。

 

「シドー!!早く来るのだ!!私はもうお腹がペコペコだぞ!」

 

「うん。って何で琴里はへこんでんの?」

 

士道の疑問に真那が洗い物をしながら答える。

 

「なんでも、ユージンさんに修学旅行の護衛を断られたみたいでして。あの手この手でやっても、結果ズバズバ言われてこんな有様みたいです」

 

「まぁ、ユージンは副団長やってたし、そういうこと結構言うからね。大体ユージンに言われたんでしょ。人を引っ張っていくの向いてないって」

 

「・・・グフッ!?」

 

士道の正論が琴里の胸に突き刺さる。

ただ、比較対象がオルガや名瀬という人望やカリスマ性がある人間が彼等の対象の為、彼等を超えるという意味では難しいだろう。

 

「早く飯にしようか。冷めるし」

 

「うむ!そうだな!」

 

「・・・はい。いただきます」

 

「・・・・そうね。いただきます」

 

「元気出してくださいよ。辛気臭いですよ?」

 

そんな五人の会話が食卓に広がる。

そんな中、真那が思い出したかのように口を開いた。

 

「そういえば・・・前に鳶一さんの件に話しましたっけ?」

 

「・・・?謹慎処分の話かしら?」

 

真那の言葉に反応したのは琴里だ。

 

「ええ。その時にですけど、アイザック・ウェストコットとエレン・M・メイザースが法廷に居たんですよ」

 

「?」

 

「なんですって!?」

 

「!?」

 

「・・・急にどうしたのだ!?琴里!?」

 

「・・・!ごめんなさい。なんでもないわ」

 

真那の言葉を聞いてびっくりした十香達に琴里は謝罪を入れて真那と話を続ける。

 

「それで?なんでその二人が来たのか知っているかしら?」

 

その言葉に真那は言った。

 

「さぁ?私も知らねーです。ただ・・・予想を立てるとするならですが・・・」

 

「十香達と士道・・・でしょうね」

 

「ええ。間違いなくその辺りかと」

 

二人がそう話す中、士道も話に入り込む。

 

「あのさ、一つ聞いていい?」

 

「聞きたいこと?なんですか?」

 

士道の言葉に真那がそう言うと、士道は言った。

 

「ソイツ等って強いの?」

 

士道のその言葉に真那は頷く。

 

「ええ、もちろん。特にエレン・M・メイザースはウィザードの中で最強と言われてますよ」

 

「・・・へぇ。そうなんだ」

 

士道はそう言って、十香達を見る。

十香と四糸乃、よしのんは笑顔のまま食卓で話合っている。

士道はそんな三人を見て、今度は鉄華団の時のように悲しませないように守ると思いながら、冷めたスープを飲み干した。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「ほう・・・彼が〈デーモン〉かい?」

 

画像のバルバトスを見て、ウェストコットがそう呟く。

 

「はい。他の精霊と接触している謎が多い“精霊“です。他の個体と違い、全体的に機械じみている事から精霊と断定していいか決めかねますが・・・」

 

巨大化したバルバトスの画像や他の精霊と変わらないサイズに伸縮している画像まで。ありとあらゆる画像や映像がテーブルの上に広げられていた。

 

「戦闘能力に関してですが他の精霊とは違い、明らかに戦い慣れている行動が目立ちます。それもあってか、隊員の何人かは〈デーモン〉との戦闘で死亡、もしくは戦線復帰が出来ないくらいに精神面をやられている方が何名かいます」

 

「それはそれは────」

 

パラパラと資料を捲り────ウェストコットは唇の端を歪めた。

 

「────なあエレン、最近精霊を相手にしていなくて身体が鈍っているのではないかね?」

 

「・・・・・」

 

言うと、エレンはピクリと頬を動かした。

精霊は気まぐれで神出鬼没である。最強の戦力を用意した所で都合良く出現してくれるとは限らないし、仮に追い詰めたとしても、消失されては意味がない。

だが、その所在がわかっているなら、話は単純だった。

 

「この件は君に任せよう────エレン。エレン・ミラ・メイザース。世界に二人と並ぶ者のない、人類最強の魔術師よ。君なら出来る筈だ。たとえ相手が、世界を殺す彼の悪逆の精霊だったとしても」

 

エレンは、一拍おいてから答えてきた。

 

「もちろんです。相手が何者であろうと、私は負けません」

 

予想通り、期待通りの返答である。ウェストコットはくつくつと、愉快そうに笑った。

 




因みにこの最強さん、相手がハシュ○が相手だとリンチにされます。
マッキー相手だと近距離戦では勝てません。
三日月だったらどっこいどっこいの実力ですが(リミッター解除は除く)。
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