デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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絶望なんてどうでも良いんだよ。アンタが敵だってことに変わりないはないから

絶望したエクストリームガンダムにイライラする三日月


第七話

移動の最中、突然吹き荒れた強風は、瞬く間にその規模を増し、激しい嵐となった。

こうなっては悠長に歩いていられない。来禅高校二年生の面々は、教諭たちの指示のもと、空港からほど近い位置にある資料館に避難した。────だが。

 

「士道・・・」

 

分厚いガラス窓を軋ませる凄まじい風に、折紙は拳を握りしめながら声を発した。

館内に避難した生徒の中に、士道の姿がなかったのである。きっと道中どこかではぐれ、外に取り残されてしまっているに違いない。

無論士道を捜しに外に飛び出そうとはしたものの、すんでのところで教諭たちに止められてしまった。

否────もし仮にあそこで外に出られていたとしても、この暴風の中ではまともに進むことすらできなかっただろう。

 

「く・・・・」

 

今の折紙には、士道の無事を祈ることしか出来なかった。無力感がやり場のない焦燥となって身体中を巡り回る。

 

「・・・おい、なんだか、空が晴れてきてないか?」

 

と、窓際にいた男子生徒が、不意にそんな言葉を発した。わらわらと生徒たちが窓の方に群がり、空を見上げ始める。

折紙はその声に弾かれるように顔をあげると、生徒たちの間を縫うようにして資料館の出入り口へと走っていった。

 

「あ・・・!と、鳶一さん!まだ危険ですよぉ!」

 

珠恵の制止を振り切り、扉を開ける。そしてそのまま外へ出───ようとしたところで。

 

「・・・・?」

 

折紙は不意に足を止めた。

資料館の前に、既に折紙の探し求めていた人物の姿があったのである。

 

「ああ、アンタか」

 

折紙に気づいたらしく、士道が口を開いてくる。風のせいだろう、髪や服は乱れていたが、幸いどこにも怪我はなさそうだった。

だが折紙は、安堵するよりも先に眉をひそめ、視線を鋭く研ぎ澄ました。

士道の様子がおかしい・・・というか、士道に変なオプションがついていたのである。

まず、士道の背に背負われた十香だ。どうやら気を失っているらしい。

まぁ、これはいい。いや、よくはないのだが、まったく予想出来ない事態ではなかった。

問題は────

 

「どうだ士道。夕弦などより我の方が魅力的であろ?我を選んだならば、我の身体を好きなようにしてもいいのだぞ?」

 

「誘惑。夕弦を選んでください。いいことをしてあげます。もうすんごいです。耶俱矢なんて目じゃありません」

 

左右にそれぞれ瓜二つの顔をした制服姿の少女が立ち、何やら馴れ馴れしく士道の身体に触れながら、やたらと士道を誘惑していることだった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「い、五河くん?その左右の女の子はどちら様?見たことないけど・・・」

 

「え?現地の娘をなっナンパしてコスプレイ?五河くん女子の制服持ち歩いてんの?」

 

「いいバイトを考えついたぞ五河。『一分千円で殴り放題』って看板掲げて学校中を練り歩くんだ。きっとすぐに家が建つ」

 

「それ、来たやつ全員返りうちにされないか?」

 

ざわざわと生徒たちがどよめきだす。

士道としてはとんだ迷惑話だったが、無理もない話だ。何しろはぐれたはずの自分が見知らぬ二人を連れて来たのだから。

ただえさえ面倒くさいというのに、更に事を大きくするといくら士道でも嫌な顔をするのは当然だった。

と、クラスの面々の先頭に立った折紙が、耶俱矢と夕弦に目を這わせてから、静かに口を開いてくる。

 

「士道、その人たちは、だれ?」

 

「勝手についてきた」

 

士道は短くそう答えると同時、生徒達の後方から眠たげな声が響き渡った。

 

「・・・ああ、待っていたよ。“転入生”の八舞耶俱矢に八舞夕弦・・・だね」

 

そこには村雨令音が、ゆらゆらと頭を揺らしながら立っていた。

 

「転入生?」

 

折紙が問うと、令音が「ああ」と首肯した。

 

「・・・本来なら休み明けに転入してくるはずだったのだが・・・是非修学旅行に参加したいというものでね、現地で合流する手はずになっていたんだ」

 

結構無茶な事を言っている令音だったが、その言葉に珠恵がキョトンと目を丸くする。

 

「え?て、転入生?村雨先生、私そんなの聞いてないんですけど・・・」

 

「・・・急な話でしたから、きっと連絡が間に合わなかったのでしょう」

 

「は、はぁ・・・」

 

珠恵が困惑した顔を作りながら引き下がる。確かに、担任である自分ではなく、副担任である令音が転入生のことを知らされていたとなれば、そんな顔にもなる。

折紙が訝しげな目で令音を見てから、士道の方へ視線を戻してきた。

 

「本当?」

 

「俺がそんなの知るわけないでしょ。それに眠そうな人がそう言っているならそうなんだろ」

 

士道は折紙にそう答えると令音に言った。

 

「ねえ、眠そうな人。十香が飛んできたゴミ箱が当たって起きないから寝かせられるところ無い?」

 

何時までも十香を担ぐわけにもいかず、士道がそう言うと、令音は棒読みの調子で言って手招きをする。

 

「・・・そうか、それは大変だ。こちらへ来たまえ。転入生の二人も、いろいろと注意事項を説明しておこう。一緒に来てくれ」

 

士道は周囲からの視線を集めながら、令音についていき、資料館の奥へと歩いていった。




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実は男娼経験もあるマッキー。
それ知るとまあ、ああなるよなと思いますわ。
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