デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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投稿!!

冬休みに入ったので投稿は劇的に落ちますが、時間があれば投稿していきます!

タカキ達も頑張ってるし、俺も頑張らないと

ライド・マッス


第十話

「な、ななななななぜこんなところにいるのだシドー!」

 

十香が慌ててあたふたと両手を動かし、バッと胸元と下腹を覆い隠す。

 

「いや、それ俺が聞きたいんだけど?それにこっちは男湯じゃ無かったっけ?」

 

「何を言っている!ちゃんと皆に教わったとおり、赤い方に入ったぞ!」

 

「は・・・?」

 

十香のその言葉に、士道は一つの答えが浮かび上がる。

 

「なあ、もしかしてアンタら・・・」

 

士道はそう言って左右に目をやると、耶俱矢と夕弦がキョトンとした様子で返してきた。

 

「うむ、士道が入る前にのれんを入れ替えておいた。さすが我。策士よの」

 

「質問。もしや、何か問題がありましたか?」

 

「・・・やっぱりか」

 

二人の答えに士道は確信した。

だが、今はそれどころではない。士道は十香に言った。

 

「ごめん、十香。この二人に騙された。すぐに出てく」

 

「あ・・・シドー!」

 

立ち上がって出ていこうとする士道に、不意に十香が手を取ってきた。まるで、士道を引き留めるように。

 

「なに?十香」

 

「いや・・・そちらは、まずいと思うぞ」

 

「へ?」

 

士道が目を点にすると同時、またも引き戸が開き、女子のご一行様が入ってきた。

 

「・・・・チッ」

 

士道はすぐさま岩陰に隠れる。

 

「やー、広いじゃなーい!海そこじゃーん!」

 

「あ、転入生さん、もう入ってたんだ。はやーい」

 

「あれ、鳶一さんお風呂入らないの?」

 

「────私には、やらねばならないことがある」

 

「そ、そう・・・がんばって」

 

女子たちの甲高い声が聞こえてくる。このままでは見つかるのも時間の問題だろう。

 

「十香、ごめん。少しだけ時間稼げる?」

 

「う、うむ!任せろ!」

 

士道は十香にそう言って、何時でも海へと飛び込めるように体勢を整える。

 

「あー、十香ちゃんはっけーん!」

 

「どうしたの?こんな端っこで」

 

「ていうかうっわ、肌きれー。揉ませろコラー!」

 

十香の前方に、亜衣麻衣美依トリオが現れた。

 

「ひ・・・・っ」

 

「い、いや、なんでもないぞ!気にするな!」

 

十香がそう言うも、亜衣麻衣美依は興味津々の様子だった。このままでは、十香の背後にいる士道の存在にも気付かれてしまうだろう。

だが、士道にはその短い間に自身の脚力で岩縁から海へと飛び込んだ。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

士道はあの後、どうにか海から上がり令音の部屋まで辿り着き、予備の浴衣を借りた後を、湯飲みに注がれたお茶を飲み干してから令音に言った。

 

「ごめん。助かった」

 

「・・・いや。災難だったようだね」

 

言って、令音が小さく肩をすくめる。

 

「別に騒ぎになる前に出れたから良いよ。で?〈フラクシナス〉と通信は出来たの?」

 

問うと、令音が無言で首をふった。

 

「・・いや、駄目だ」

 

「そっか。なら早く繋がるといいね」

 

士道がそう言うと、令音が別の事なら分かったと言ってノートパソコンを操作し始めた。

そして画面を士道へと見せる。

 

「・・・・?」

 

士道はノートパソコンの画面を見ると、望遠で撮影された風の中に躍る二つの人影の姿が写し出された画像と文字列が表示される。

 

「これ・・・もしかしてあの二人か」

 

「・・・ああ、恐らくね」

 

士道の言葉に令音は小さく首を倒した。

 

「・・・実は、彼女らは我々の間ではちょっとした有名人でね。風の中で二人組の精霊を見たと聞いた瞬間から、なんとなく目星はついていたんだ」

 

「へぇ、あの二人結構有名人だったんだ」

 

士道がそう言うと、令音は唇を開く。

 

「・・・彼女らは〈ベルセルク〉と呼ばれている。君も見たように、風を伴う精霊だ」

 

「・・・ふーん」

 

「世界各地で現界が確認されている二人組の精霊だ。こちらに現れては、常に二人でじゃれ合っているだけなのだが・・・その規模が問題でね」

 

「規模?」

 

士道の言葉に令音は頷く。

 

「各地で起きている突発性暴風雨の何割かは、彼女たちのせいだろう。その上、目撃情報も非常に多いときている」

 

「それもそうか」

 

士道は令音の言葉に納得する。

あんな暴風雨が急に現れて、そんな中で二人が勝負していたら目撃情報も多いに決まっている。

 

「しかも、彼女たちによる被害も甚大だ。加えて、その姿を何度も衆目に晒してしまっている。精霊の存在を秘匿しておきたい組織にとっては悩みの種だ。故に〈ラタトスク〉でもASTでも優先目標にされているが・・・彼女らに接触できた者は殆どいない」

 

「は?」

 

「・・・彼女らの移動範囲とその速度のためさ。現界してから追っていては、誰も彼女たちに追いつけないんだ。だから君が二人に遭遇できたのは、僥倖といえる」

 

「つまり運が良かったわけか」

 

士道の言葉に令音は頷く。

 

「だが今は、〈フラクシナス〉との通信が途絶え、〈ラタトスク〉からのサポートが受けられない状況だ。私も今ある機材だけでは、十分な解析は行えない。このまま攻略するのは非常にリスキーだろう」

 

そう言う令音に士道は口を開いた。

 

「別にいらない」

 

「・・・理由を聞いてもいいかな」

 

士道の言葉に令音が口を開く。

 

「別にアンタ達を信用してない訳じゃないけど、変なことを吹き込まれるとさっきみたいな面倒な事になるから要らない。だから“今回の件は俺一人でやる“。令音は十香達の心配だけしてて。後はこっちで何とかやる」

 

士道の言葉に令音は黙ったままだったが、少しした後、ため息を吐いた。

 

「・・・ふむ。シンがそこまで言うなら私は何も言わない。だが、一つだけ言わせて欲しい」

 

「・・・なに?」

 

「必ず“二人同時にキスをするんだ“。二人が同一の精霊である以上、何らかのパスが繋がっている可能性が高い。片方ずつやって仮に封印が出来たとしても、片方が暴れられたら被害のデメリットが大きくなるのはお互いに望まないことだろう?」

 

令音の言葉に士道は言った。

 

「なら、俺はそうならないよう頑張るだけだよ」

 

士道はそう言って部屋から出ていった。

 




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