デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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オルガと三日月、耶俱矢と夕弦ってなんか似てません?
お互いが大事だから片方を生かそうとする。
三日月の場合は耶俱矢と夕弦と違って、押しが強すぎなんですが

死ぬまで生きて────命令を果たせ


三日月・オーガス


第十ニ話

「ふぃー」

 

士道は短く息を吐きながら、海辺に設置されているベンチへと座った。

あの後、点差ギリギリで勝利を勝ち取った士道は、運動後の休憩の為に座っていた。

 

「・・・・・」

 

遠目で、夕弦が十香達と話をしているのが見える。

耶俱矢は手洗いにいくと言って別行動をしているので、その間、夕弦は十香達と待つ事になっているらしい。

士道はそんな十香達を見つめた後、空を見上げた。

青空の中に太陽の光がジリジリと照らす。

 

「────────」

 

そんな空の下で士道は海へと視線を変えて眺めていると、ふと誰かに見られているような感じがして顔を横へと向けた。

そこにいたのは手洗いから帰ってきた後なのだろうか?耶俱矢が此方へと歩いてくるのが見えた。

 

「あれ?皆の所に行くんじゃないの?」

 

そう言う士道に耶俱矢が言う。

 

「くく・・・まぁ、なに。ただ話をしに来ただけだ」

 

「ふーん」

 

士道は短くそう答えてベンチの半分を譲った。

そして耶俱矢はその隣に座ると、士道に言った。

 

「感謝するぞ」

 

「別に気にしなくていいよ。で?話ってなに」

 

耶俱矢の感謝の言葉に対し、士道はそこまで気にすることなく本題へと入ろうとする。

士道のその言葉に、耶俱矢は「ああ」と首肯し、喋り方を元に戻してから唇を開いた。

 

「なんか、あんたの前だと調子狂うからこのままで言うけどさ、今私と夕弦は、あんたを巡ってバトルしているわけじゃん?それで、明日にはその決着もつく」

 

「・・・まぁ、そうだけど。それがどうかした?」

 

耶俱矢にそう言う士道に、耶俱矢は思ってもみなかった台詞を吐いた。

 

「────士道。あんた明日───“夕弦を選んでよ“」

 

「・・・は?」

 

士道もその言葉を聞き、視線を耶俱矢へと向ける。

 

「は?じゃなくてさ」

 

耶俱矢が肩をすくめながら続けてくる。

 

「悩むポイントなくない?だって夕弦、超可愛いじゃん。ちょっと愛想はないかもしんないけどさ。選ばない手はないでしょ。だから────」

 

そう言う耶俱矢に士道は言葉を遮るように言った。

 

「それってさ、俺が夕弦を選んだら耶俱矢は消えるよね」

 

「うん、そーね」

 

「だったらなんで、わざと負けようとするの?」

 

士道の言葉に、耶俱矢は頭をかきながら困ったように笑った。

 

「んー・・・そりゃ私だって消えたかないけどさ。でも、それ以上に────私は、夕弦に生きて欲しいの。もっともっといろんなものを見て、思いっきりこの世を楽しんで欲しいの」

 

そう言う耶俱矢に士道は黙ったまま耶俱矢の話に耳を傾ける。士道のその様子を見て、耶俱矢は構わずに話を続けた。

 

「っていうか、あの時にあんたさえ乱入してこなきゃ全部済んでたんだからね。あそこで派手に激突して負けて終わりだったのに」

 

そう言った耶俱矢に士道は口を開く。

 

「それで、夕弦が幸せになれると思う?」

 

「は?何言って────」

 

士道の言葉に耶俱矢が表情を変えながら答えるが、士道は言葉を続ける。

 

「別にさ、それが駄目って言う訳じゃないよ。“俺だって同じようなもんだし“。けど、そんなんで負けて夕弦を勝たせた所で────きっと夕弦は喜ばないし、絶対に後悔する」

 

「ちょっと・・・なんでそう思うのよ」

 

そう言う耶俱矢に対して、士道は言った。

 

「自分が一番大切にしてた奴が無くなると、自分がちゃんとやっていれば良かったって思うようになる。“俺や昭弘”だってそうだよ。“大事な家族”が居なくなって後悔した事だってある」

 

昭弘は大事な人がいた。昌弘とアストン。そしてラフタ。大事な家族が死んだ。

士道は三日月は────自分が行けなかったばっかりにオルガを死なせた。

 

「だから、二人にはそうなって欲しくないだけ。俺や昭弘みたいな事は嫌だからさ」

 

きっと、耶俱矢が消えていなくなったら、夕弦も同じことを思うだろう。自分達とは違い、たった一人で────その思いを胸に抱えこんだまま。

士道はそう言ってベンチから立ち上がると、耶俱矢に言う。

 

「俺はオルガは居なくなったけど、俺は止まらない。十香達を守らないといけないし、“オルガの命令が俺の中に生きている“からすぐに死んでオルガに会う訳にもいかないしね」

 

だから自分が本当にどうしたいのかちゃんと考えてみたら?と耶俱矢に言って、士道は十香達のもとへと歩いていった。

そんな士道の後ろ姿を見て耶俱矢は呟く。

 

「何よそれ・・・私が間違ってるみたいじゃん」




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