真・エルフ転生TS ‐エルフチルドレン‐ 作:やきなすいため
〇月※日
昨夜はトーマスとの初めての夜について思い出してしまい、ついめちゃくちゃむらむらして一人で高ぶってしまっていた。
そのせいでこの日記も三日坊主になりかけてしまったのだが、まあ出来るなら続けて書いていきたいと思っている。
記録を残すのは大事だし。
さて今回個人的に記録としてまとめたいのは私自身の発情期についてだ。
昨日書いた通り、私は恐らく邪神の手によってなぜか突然発情する体質にされてしまっているらしい。
そのせいでトーマスというまだまだ年端もいかない純粋で幼気な少年を襲うという蛮行に出てしまった。
そのため、私は自分が背負ってしまったこの呪われた体質についてもっと知らなければならない。
この日記を書いている今から数えるとトーマスを襲ったあの日から今日で一年近く経つ。
その間にいろいろと試して分かったことが二つある。
まず一つ。
結論だけ先に書くと私は夜に男を視認すると発情する性質があるらしい。
あの日以降、時折トーマスが私の小屋へと遊びに来るようになった。
この時の私は森の木の実を集めたり、捕まえた動物を生かさず殺さず飼育していたりと、普段から一人寂しく会話のない日々を過ごしていたので話し相手が出来たのは個人的に嬉しいことではあった。
時々あの日の夜を思い出して少しばかり罪悪感に駆られたり、またトーマスを襲うようなことがあったらどうしようと思っていたのでちょっとだけ不安ではあったが、何度か会っていてもあの日の夜のように起きたような発情の兆候がなかったため、しばらくは別に問題ないだろうと判断した。
だがしかし、私はまた発情した。
その日はトーマスがなかなか自分の村に帰りたがらなかった日だった。
どうやらトーマスは村の中で最も幼いらしく、遊び相手がいないらしい。
村の子供はある程度歳を取るとそのほとんどが町の方へ出稼ぎに行ってしまうらしく、村には大人と、出稼ぎに行かずに村に残った大人に近い青年しかいなくなってしまうらしい。
トーマスはほかの子供たちと少しばかり年が離れてしまっていたため、これまで遊んでくれていた相手がみんな村から町へと出て行ってしまったらしく誰も遊んでくれなくなってしまったということだった。
つまりトーマスはこの時の私と同じく話し相手に飢えていたということらしかった。
親との交流はどうしたと思いもしたが、やはりなかなかどうしてうまくいかないらしい。
私の血の効果でトーマスのお母さんのダリアは少しずつ回復に向かっていったらしくベッドで寝込む日もなくなったそうだ。
トーマスの父、ジョルジュもそれを喜んでまた私に会ってお礼を言いたいと言っていたそうだ。
けれどダリアは寝込んでいた分、村のみんなに世話をかけたのだからとはりきって村の仕事に精を出しているらしく、これまでのように遊んでくれなくなったらしい。
ジョルジュはジョルジュで元気になったダリアや世話になった村人たちに美味しいものをたくさん食べてほしいと以前よりも多くの獲物をとろうとして普段より遅くまで狩りに出ているらしかった。
現代人の私——この時だと俺だが——の価値観だと少しばかり育児放棄では、とも思いもしたのだが別に交流が全くないわけではないらしく、ちゃんと食事は家族みんなでとっているらしいし仲が悪いわけでもないらしい。
ただ単純に昼間の間に遊んでくれる相手がいなくなってしまったのだというだけらしかった。
それならまあ、まだ日も落ち切っているわけではないし、落ちたとしても私が送っていけば済む話だと思い、私は無理に家に帰れとは言わなかった。正直私も寂しかったし。
どうやらトーマスも私のところに遊びに行ってくると村の人に声をかけてから出ているらしいので両親にもそれほど心配はかけないだろう。
しかし、まあ、それがいけなかった。
すでに結論を知っているだろうこれを読んでいる者にはこの後何が起こるのかは予想出来るだろう。
案の定、私は発情した。
ちょうど日が落ちて遠くの空に月が綺麗に浮かび上がってきた頃だった。
流石にそろそろトーマスを村に帰した方がいいだろうと、そう思ってトーマスに声をかけた。
私たちはかくれんぼの真っ最中で、今は私が鬼だったので隠れているだろうトーマスに呼びかけるために出来るだけ大きな声でトーマスを呼んだ。
「トーマス! 暗くなってきたしそろそろ帰ろうか! 俺が送っていってあげるから!」
そう言うとトーマスは私の小屋の陰からひょっこりと顔を出して駆け寄ってきた。
私には、俺にはソッチのケもショタコンでもなかったはずだというのに、この、トーマスの仕草というか、行動が妙にかわいく感じてしまって困ったものだ。
そういえばトーマスの見た目についてだが、洋画に出てくるような可愛らしい少年といった感じとだけ書いておこう。
こう、髪の毛が少しクセっ毛気味でふわふわしていて、くりっとしたグレーの瞳が自分の方へと向けられるのだ。
麻で作られただろう服と狼の毛皮をまとって少しばかりもこもことしていて、実に可愛らしい。
そんな少年がひょこひょこと近づいてくるのだ。
今でも思い出すだけでどきどきとして顔がにやけていってしまう。
トーマス、ああ、トーマス……
……危ない。
想像だというのにむらむらしかけてしまった。
いや、大丈夫か私。
この後のことを書くには当然トーマスとのあれこれを思い出さないといけないわけだけど……まあ、大丈夫だろう。
その時は席を立てばいいし。
話を戻そう。
どこからだったか……そう、トーマスが私の呼びかけに応えて姿を現してくれたところだった。
すでに暗くなってきていたし、トーマスの姿も黒い影に変わっていたのだが近づいてくるにつれてどんどんとその姿がはっきりとしてきた。
ここで私は発情した。
ゾクリとした感覚が腰から背骨を伝って頭まで登っていくような刺激が走っていき、私の脳のスイッチを切り替えるようだった。
お腹の奥が熱を持ったように疼き、その熱が血液に乗って全身を駆け巡っていくようにどんどんと体温が上がっていく。
明るい場所であったなら、私の肌の血色がよくなりうっすらと桃色になっていたことが丸わかりになっていただろう。
息が苦しくなったような気がして、途端に足に力が入らなくなってしまい、その場で腰砕けになってしまった。
トーマスはそんな私を心配するように駆け寄ってくれて、こう、覗き込むように私の顔を見てくれた。
「おねえちゃんっ、だいじょうぶっ? またびょうき? いたい?」
ああ、思い出してしまう。
トーマスが心配そうに私の顔を見つめてくる顔を。
くりっとした瞳でこちらを見ていて、こう、背中をさすってくれたりしたのを覚えている。
きっとダリアがまだ病気の時にもこうして背中をさすってあげたりしていたのだろう。
お母さん思いの優しい子なんだなぁ。
そんなことを考えて気を散らそうとしたり、いろいろ努力をしてみたりはしたのだけれど、トーマスが背中をさすってくれている、その手付きが、それ自体が気持ちよすぎてより強く発情してしまったんだ。
いや、トーマスは悪くないんだけど、悪い。
そんなことされると欲しくなっちゃっても仕方がないだろう。
だから私は悪くない。
トーマスが悪い。
可愛くて健気なトーマスが悪いんだ。
「はぁ…、ん、大丈夫、トーマス、大丈夫、だから……ちょっと、先に……ンッ、……小屋に戻っておいて。俺も、すぐに戻るから……」
「でもぼく、おねえちゃんがしんぱいだから……」
トーマスが優しくて涙が出そうだった。
「おねえちゃん、あれ、またあれしたらなおる?」
トーマスは胸の中がだいばくはつしそうなそんなことを言って私のことをぎゅっとしてきてくれて、
だめ。
ちょっと続きはまた後で書く。
はい。
続きかきます。
この後私はトーマスを小屋の中へと連れ込んでまたおそいました。
ごちそうさまでした。
けど今回は前みたいに乗ったりしてないからセーフ。
搾りはしたけど子作りはしてないからセーフです。
そういうことにしておいてください。
トーマスの頑張りの甲斐あってか、私の理性がギリギリ留まってくれたおかげか、この時は前回のように一晩丸々使ったりせず、一時間ほどで何とかする事が出来た。
まあ、当然搾られてしまったトーマスは遊び疲れもあってぐっすりと眠ってしまったわけだけれど。
ほんと、発情が抜けて理性を十割取り戻す事が出来るとやってしまったという感情だけが残る。
それもこれもあの邪神が悪い。
とはいえこのままトーマスを寝かせたままにしておくのは問題だし、以前のように私が背負って送ることにしようと思った。
幸いこの日は雪も降っておらず、暗いとはいえ月明かりもあって地面もはっきりしていたし背負って帰ってもそれほど時間はかからないと判断したのだ。
私は自分とトーマスの身なりを整え、トーマスを背負っていざ村へ、と思った矢先に小屋の扉がノックされた。
正直びっくりした。
この小屋の場所を知っているのは私とトーマスくらいのはずだったからだ。
少しばかり警戒しつつ、扉をゆっくりと開けて隙間から顔を出す。
「どちらさまでしょうか……」
「ああ、やっぱりここがエルフさんの家だったか。よかったよかった。」
扉の外にいたのはトーマスの父、ジョルジュだった。
「ジョルジュさん? どうしてここに……トーマスから?」
「ああ。前にどの辺りに住んでるのかだけは聞いていたんでな。近くを通りかかったもんだから改めて挨拶と礼でもと思ってよ。ほら、今日獲ったばかりの新鮮なやつなんだが、受け取ってくれ。この間の薬の礼だ。」
ジョルジュはそう言ってその手に掴んでいた鳥を私に差し出してきた。
鳥。黒くて大きい、カラスをそのまま大きくしたようなやつだった。
「この鳥の名は?」
「ん? エルフさん知らないのかい? こいつはおおがらすってんだ。」
そのまんまだった。
「おおがらす、ですか。」
「おう。なんでもこいつとそっくりだが小さいからすって鳥が南の方には棲んでるらしくてな。そっちから来た人間がおおがらすおおがらすっつーんで自然とそうよばれるようになっちまったらしい。」
俺はからすを見たことないがな、とジョルジュは笑っていた。
私はおおがらすの調理方法やらを考えながら、とりあえず小屋の中へと置きに行こうと振り返ると、そこにいたトーマスのことを思い出した。
「あん? トーマスじゃねえか。まーだアンタのとこから帰っとらんかったんか。寝とるようだし。」
ジョルジュが私の肩越しにトーマスを発見したらしい。
すみません、わたしのせいです。
「ああいえ、その、俺が引き止めてしまって。少し寂しいからもう少しいてくれると嬉しいって。けど安心してください。これから村へ送り届けようと思っていたところだったんで。」
「ん、そうかい? アンタがそういうなら別にいいけどよう。ああ、送るってんなら俺が背負っていくから気にせんでくれ。」
ジョルジュはそう言ってトーマスを簡単に背負ってしまった。
狩りの後でいくらか獲物も背中に吊るしていたというのによく鍛えられているなと思ったものだ。
「それじゃあエルフさん、またなんかあったら村に遊びに来てくれ。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
「いやいや、礼を言うのこっちの方だ。いつもトーマスの相手をしてくれてありがとよ!」
そういって親子は村へと帰っていった。
というのがこの日の終わりだった。
この日のことを後から振り返って気づいたことなのだが、この時私はジョルジュのことを見ても発情したりはしなかった。
何故だろうと思い、後日狩りで森に入ってきていたジョルジュを遠くから眺めたりしたのだが、夜になる頃に見たらちゃんと発情した。
このことから、どうやら私はどことは言わないし、どこでもいいのだろうけれど、体の内に男の精が入っている状態だと発情しないようになっているようだった。
これがわかったことの二つ目だ。
ほかの男の精と混ざったりしないようにだとかそういうことなのだろうかとか、精関連のことを考えると正直エルフというよりサキュバスなのではないかと、あの邪神はエルフを何だと思っているのかとつっこみたくはなったが、この二つの仕組みを理解したおかげでなんとか村に遊びに行っても発情しないで済む時間がわかったので助かった。
いや、以前から村へは行きたいと思っていたのだがこの発情がいつ起こるかわからなかったので一人寂しく過ごすことを余儀なくされていたのだ。
とはいえだからと言って村に住むつもりはなかったし、現に今も森の小屋に住んでいる。
もしまかり間違って発情して、村の男を襲ったりしたらこう、いろいろとまずいし。
思い返せばもしもこの時、先にトーマスから搾り取っていなかったらきっと私はジョルジュを襲うことになっていただろう。
トーマスを襲ってしまったのは問題ではあるが、子持ちの妻帯者であるジョルジュを襲わなかったのは不幸中の幸いだった。
いつかあの邪神にあうことがあれば真っ先にこの発情の呪いを消せと言ってやる。
今日はここまで。
日記としてこれを書いてはいるけれどこのままだと回想録になってしまいそうだ。
現実の時間に追いついたらちゃんと日記として機能するはずだし、しばらくはこのまま今日に至るまでを書いていくこととする。
まあでも正直代わり映えのない日々を過ごしているし、そんなに時間もかからず今に至るだろうけれど。
前回も書きましたがR-18は気が向いたら書くかもしれませんし書かないかもしれません。
ただ僕はトーマス君が可愛いと思っているので可愛いトーマス君を愛でたいとは思っています。
ジョルジュさんにも襲われたいし襲いたい。
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読んでいただきありがとうございました。
2024/1/23 改行など若干加筆修正