妹と仲良くしたいと願ったら女になってしまったのですが!?   作:akatsuki4612

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嫌な奴と出会ってしまった夜

目の前には男性が立っていて、奴はずっと志穂の方を見ていた

 

「久しぶりですねー志穂さん……1年ぶりぐらいでしょうか?」

 

「ひっ……!」

 

怯えた様子で俺の背後に隠れる

 

「おやおや、どうしてそんなに怯えてるんですか?」

 

「……志穂は男性恐怖症なんだよ」

 

「男性恐怖症……もしかしてあの事件でそうなったんですかぁ?」

 

ニヤニヤと笑いながら1歩ずつ近づいてくる。

 

「わかってるなら何処かに行ってくれ、もしくは近づかないでくれないか?」

 

俺は男に不愉快さを抱きながらも、そう言う

 

「ぅ……うぅ……っ」

 

志穂が自分の服をギュッと掴んでくる

 

「志穂……あいつは誰なんだ、知り合いか?」

 

背後にいる志穂に声をかける

 

「……ゎ、私、を……襲ったひ……ぅ……」

 

とても怯えていて僅かに聞こえるような小さな声でそう言ってくれる

 

「襲っ……貴様が……志穂を!?」

 

こいつが志穂を襲って……こいつが! こいつのせいで!!

 

「ははははっ……だって志穂さんが悪いんじゃないか。僕がああいったのに断るから仕方なかった」

 

ケラケラと笑いながらも赤穂は1歩ずつ近づいてくる

 

「それ以上近づくな!!」

 

志穂は陰に隠れて、ずっと服を掴んでくる。

 

「志穂さん……会ったのも何かの縁ですし、もう一度チャンスを与えましょう」

 

「志穂さん、僕のものになりませんか?」

 

「ぃ……い、や……っ」

 

志穂は首を横に振る

 

「はぁ……志穂さん……貴方は何もわかっていない、今のこの状況が」

 

「貴方が断れば、その女性がどうなるか分かりませんよ?」

 

「さぁ、もう一度聞きます。僕のものになりませんか?」

 

「だ、ダメ……! お姉ちゃんには、手を……出さないで。……私が行ったら、お姉ちゃんに手を出さないって、約束してくれる……?」

 

「ええ、約束しますとも」

 

「志穂!? 駄目だ、行くんじゃない!!」

 

「おねえ、ちゃん……。っ……」

 

 

志穂は掴んでいた服を離して、赤穂の所へ行こうとするが、こちらを振り返ると足を止める

 

「あいつの言いなりになるんじゃない! 行きたくなければ断ればいい! 俺はあんな奴に負けやしないんだ! だから……はっきりと言ってやれ!」

 

「……いや。私は、お兄ちゃんが好きなのっ。貴方なんか、好きじゃない……!」

 

志穂は意を決して、泣きながらも赤穂に言い放つ

 

「……ふふ、はははっ このクソ女ァ!!」

 

それに対し怒ったのか拳を握りしめ、志穂に放とうとする

 

少ししてから、鈍い音が響く

 

「……おいおい、妹を守るなんて、いい姉妹愛なんだろうねぇ!」

 

「志穂が勇気を出して言ったんだ……俺が今度は勇気を出す番だよ」

 

「そうかそうか……じゃあお望み通りにしてやるよぉ!!」

 

何度も何度も赤穂は俺の顔を殴りつけてくる

 

殴られているうちに、口の中はもう血の味しかしなくなった

 

「どうだ志穂!お前のせいだからな! お前が僕を拒むから!!」

 

「お姉ちゃん……! や、やめて……っ。お姉ちゃんに手を出さないで!」

 

志穂は全力で赤穂にぶつかる

 

想定外だったのか赤穂はふらつくもすぐさま体制を整える

 

「てめええ!!邪魔すんじゃねえよ!」

 

赤穂が志穂の服を掴む

 

「まずはお前から黙らせてやろうか!」

 

赤穂が志穂に向かって怒鳴り、顔を叩く

 

「っ!」

 

志穂は地面に倒れ込む

 

あいつが……1度ならず2度も志穂を傷付けた……あいつが、あいつが全部悪いんだ……!!

 

「志穂をよくもやったなぁああ!!」

 

右足に力を込めて、蹴りあげる

 

「がっ……ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

右足は赤穂の弱点、いや男なら誰だってある弱点の場所に当たり、その場で蹲る

 

「お前がっお前がぁぁ!!」

 

さっきまでのやり返しと言わんばかりに、何度も何度もその場所へ蹴りを入れる。

 

すると赤穂は気絶したのか、何も言わなくなってしまう

 

「はぁ、はぁ……志穂大丈夫!?」

 

俺は赤穂への興味を無くし、すぐさま志穂の元へ駆け寄る

 

「おねえ、ちゃん……お姉ちゃん……!」

 

志穂は泣きながら、抱きついてくる

 

「ごめんね……怖い思いさせて……でも大丈夫、あいつはもうやっつけたから」

 

「早くここから離れよう」

 

「うん……っ」

 

志穂と一緒に急いで離れる。浴衣のせいでとても動きにくいが、一生懸命走っていった

 

「ここまで来れば……大丈夫かな」

 

辺りを見回し、安全を確認する

 

「そ、そういや志穂……さっきのお兄ちゃんが好きって言ってたけど……あれって……」

 

「……えっ。そ、その……そのままの、意味です……」

 

志穂が顔を赤らめる

 

「そ、そのまま……え、あ、……あぁ、兄として好きってこと?」

 

「えっ? え、っと……愛してる、って方の意味、で……」

 

「ふ、ふぇ?……ほ、本当なの?」

 

「……うん」

 

「そ、そうなんだ……」

 

「……お、お兄ちゃんは? どう……? 私のこと、好きかな……」

 

不安そうな顔で尋ねる志穂。俺が志穂に言うべき言葉は

 

「……うん、好きだよ」

 

「……っ。う、嬉しい」

 

志穂が抱きしめてくる

 

「好きじゃなきゃあんなことしないよ……はは」

 

こちらも応えるように抱きしめ返す

 

「いいのかな、兄妹でこんな感情持ったりして……」

 

「……別にいいよ。だって、好きなんだから」

 

「そうかなぁ……ねぇ志穂。俺が元に戻ったとしても好きでいてくれる?」

 

「……うん。元々、お兄ちゃんは好きだったから。元に戻っても、ずーっと、好きなままだよっ」

 

「……志穂っ!」

 

力強く抱き締める。もう離さないと言わんばかりに

 

「ふぇっ。そ、その……うぅ……」

 

恥ずかしそうにしながら抱きしめられる志穂

 

「祭りはちょっとアレだったけど……まあ今こうしてられるからいいか」

 

「……お兄ちゃん。また、守ってくれる?」

 

俺の胸に顔を埋めながら話す志穂

 

「……あぁ、何度でも守ってやる。志穂がやめてと言ってもずっと守ってみせる」

 

「……うん、ありがとう。お兄ちゃん」

 

「さて……早く家に帰らなきゃ、多分心配してるだろうし」

 

「うん、だね。……帰ろっか」

 

手をぎゅっと握られる

 

「よし、行くぞー!」

 

そうして俺たちは家に帰ったのだが、顔が痣だらけだったのでめちゃくちゃ心配された

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