対魔忍世界に転生したのに何でまだ処女なんだ?!   作:ごんざれす

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お久しぶりです…
だいぶ間が開いてしまった
でもあまり話が進まないという……申し訳ない

では、どぞ


恐ろしい配下

「理由をお聞きしても宜しいですか?」

 

「ああ、俺達3人で話し合ったんだが七八は部隊に参加してくれる事にはなったがあくまでメインは懲罰部隊の方だ」

 

「ええ、そうですね」

 

 

まあ流石にね。

二車を追うのは重要な任務だと言ってもこんな学生ばかりが集められた部隊に懲罰部隊の隊長の私が本格的に参加するのは色々とややこしい事が起こるかもしれないし

 

懲罰部隊の方は後継者も決めてちゃんと教育もしてるからあまり支障をきたす事はないと思うけど。

私がこの子達と任務に取り組んでいることで外野から懲罰部隊って暇じゃねぇの?とか言われて私達の力が弱まったらようやく落ち着きを見せてきた対魔忍全体がまた反発してきたらとても面倒くさい

二車の反乱があった後だから余計にねぇ……

 

と言うわけで、威厳うんぬんの他にもこの部隊にガッツリ参加出来ない理由があるんだよね

 

 

「だから七ハがこれから色々舞い込んで来るであろう任務に参加出来ない事もあるだろ?その時に七ハにばっかり頼っていたらどうなるか分かったものじゃない。だから今日の初任務は俺が指示を出すまで口出しも手出しもせずに見ていてくれ。

そして今日の俺達の動きで足りない所や覚えるべきことがたくさんあるだろうから任務後に教えてくれ、必要であったら鍛錬もつけてくれると助かる。忙しいとは思うが……」

 

 

いいね

ちゃんと現実が見えてる。私がずっと部隊にいられないことも、自分達がまだまだ力不足だと言うことも理解している

鹿之助君と蛇子ちゃんも頷いているから異論も無いようだし、意思統一もしっかりしている。若い子なら手助けなんか必要ないって突っぱねそうな所、鍛錬を望むところもポイント高い

 

いいじゃーん、こういう現状把握が出来るチームは伸びるよ。しかもその指導係が私ときたら……最強チーム作り上げるかぁ

 

まあもともと鍛錬はつけようと思ったし丁度良かったな。嫌がる奴に色々教えようとしたら手間だし、任務に手出ししないのも元々しようと思ってたし

 

 

「なるほど、理解しました。では私は指示があるまでは待ちに徹しましょう

鍛錬についても了解しました。私が直接教示するのは都合によっては難しいかもしれませんが、部下に任せてメニューは私が考えましょう」

 

「すまん、助かる」

 

「ありがとうございます!」

 

「懲罰部隊の隊長に教えてもらうって、凄いことだよな!」

 

「ただし、二車との決戦はそう遠くないでしょうからキツめで設定しますのであしからず」

 

「「「は、はい……」」」

 

 

 

と、こんな話しを終えてようやく本格的に米連の基地らしきものに潜入する任務が始まった

いきなり鹿之助君がワイヤートラップを踏んづけて兵士達にバレて追われることになったけど、主に蛇子ちゃんが倒していってそれなりに逃げることが出来た

 

マダムに依頼されたデータを抜き取るために端末がある部屋を探すために、鹿之助君の電遁の術をソナーみたいに使って部屋を見つけて、データを抜き出すために必要な時間を蛇子ちゃんと鹿之助で稼ぐことになった

 

ここぐらいは手伝っても良かったんじゃないかと思ったけど、お館様から指示がなかったから取り敢えず自分の身を守ることだけをしていた

 

データを抜き終えると本格的に米連の連中も力を入れてきてマシンなんかも出してきた

3人の力ではマシンと兵士を突破出来ないから、逃げて奥に奥に進むことになった

基地の奥に進むと真新しい施設から、廃棄されたらしい古いトンネルに出た

 

逃げ切ったかと安心した矢先、どうやら罠だったようで数え切れない程の蜘蛛型のマシンが暗闇から現れた

一体一体は大したことないけどその物量に3人の力では対処出来ず絶体絶命になった

 

その様子を見て流石に手を出さそうとしたとき、突然空間から這い出るように亜麻色の髪にピンクのボディスーツが特徴的な美少女が現れ、アンドロイドになっている両腕からマシンガンをぶっ放して3人に群がっていた蜘蛛型のマシンを蹴散らした

 

……あー、着いてきてるのは知ってたけど出てきちゃったか。

まあ、マダムからもしもの時は手助けしてやれって言われてたんだろうけど……

あの子も私がいるから大丈夫って分かってただろうに、大方お館様が私を動かさないからしびれを切らして出てきたって感じかな

現に凄い怒ってるっぽいし

 

 

「な、何だお前は?!」

 

「アスカよ、それよりーーー」

 

 

アスカと名乗った少女はおもむろにお館様に近づき

 

ビシィッッ!!

 

っと、アンドロイドアームでお館様に思いっきりデコピンをかました

 

うわぁ〜……あれは痛いぞ〜。アンドロイドって結局鉄だからさ、思いっきり鉄でおでこ小突かれたのと変わらないからね

ほら、お館様吹っ飛びはしなかったけどメッチャ悶絶してるじゃん

 

そんなお館様の状態も知らんぷりでアスカはもう一度マシンガンをぶっ放してマシンを蹴散らすとお館様に向き直って口を開く

 

 

「あんた何やってんの!七……あんな強そうな人がいるのに全然手出しもさせないで!あんたがリーダーだって言うなら自分の持っている戦力を上手く使いなさい!……折角カッコいい姿が見れると思って勝手に着いてきたのに、あんたのせいで全然見れなかったじゃないの!」

 

 

ちょい、後半本音出てるぞ

っていうかマダムに言われて着いてきた訳じゃないのね……後で怒られても助けてあげないからね、まったく……

 

しかし「見れなかった」か、どうやらここから脱出出来るまでもうちょっとみたいだな、となれば尚更手を出したほうが良さそうだね、私の力と能力は顔合わせのときに説明したけど、実際見た方が早いし

 

額を真っ赤に染め上げたお館様が涙目になりながらアスカに向き直る

 

 

「いっつ……色々聞きたいことはあるが、確かにお前の言うとおりだ。七ハに良いところを見せようとし過ぎてたみたいだな、すまん七ハ、頼めるか?」

 

「かしこまりました。では雅蠱七ハ、参ります」

 

 

さあ、じゃあ始めようか!

こういう殺さない様に手加減しなくていいヤツを相手にするのは久々だし、暴れさせて貰うよ!

 

3人の後ろに控えていた私は、3人の前に飛び出ると両腕を振るった

すると周りを取り囲んでいた蜘蛛型マシン10体程が真っ二つになって機能を停止した

 

 

「さあ、どれぐらい楽しませてくれるのかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スッゲェ……」

 

「凄い……」

 

 

七ハが踊るように体を翻し、そして腕を振るう度に蜘蛛マシンが面白い様に破壊されていく

その光景に蛇子と鹿之助は驚嘆して、俺の隣にいるアスカと名乗った女はうっとりとしている

 

……いや本当に誰なんだコイツは

隠してるみたいだけど七ハと知り合いみたいだし、このうっとりとした表情から憧れというか、何かしら深い関係なのか……?

 

それにこの場に現れたのも気になる。ここに俺達が来るのを知っているのは俺達本人と、あのマダムと呼ばれている女だけだ……、となればアスカはマダムの手のものと考えるのが妥当だろうし、そのアスカと繋がりがあるであろう七ハは……

 

まあ、繋がりがあったとしても特におかしい訳じゃない……か。懲罰部隊というのは悪に手を染めた対魔忍を相手にするわけだから、闇の住人の根城である東京キングダムの情報屋と知り合いであってもなんら不思議なことじゃない

気にはなるが今は考えることじゃないな、今はとにかく目の前の光景をよく観察して、少しでも自分達の糧に出来るように務めるのが先決だ

 

しかし、初めて顔を合わしたときに配下たちを拘束したのを見たが、戦闘になると更に凄いな

今も俺達が苦戦した蜘蛛マシンがまるで玩具の様に真っ二つにされていく、まさかこれが―――――

 

 

「糸だって言うんだから信じられないよなぁ」

 

「ああ、特別製らしいはらしいがそれでもとんでもないな。マシンも真っ二つだぞ……」

 

「確か、特別製の糸+七ハさんの怪力+七ハさんの能力でああいうことが出来るんだっけ」

 

「そうよ!七ハさんの能力”硬化の術”で糸を更に強化するからこそできる芸当よ!!」

 

 

最早隠す気のないアスカの言葉の通り、七ハの対魔忍としての能力は”硬化の術”で

七ハが触れたもの何でも固めることが出来るシンプルだが、それ故に強力な術だ

目の前の光景の通り糸を更に硬化して攻撃力を高めたり。人に触れたら肌を固めて動けないようにしたり。場合によっては水や血液などの液体を固めて攻撃にも防御にも使える様に出来たり

そしてなんと空気を固めて空中に浮くことも出来るという……羨ましい限りだ

 

 

アスカも含めた4人が七ハの攻撃に見とれていると、数分で周りに群がっていた蜘蛛マシンのほとんどが破壊されていた

 

 

「手応えがないわね。まあ、マシンだったらこんなものね」

 

 

あれ程の数のマシンを破壊したというのに息一つ乱れていない七ハに改めて感嘆し、この窮地を打開してくれたことに感謝を述べようと近づこうとしたら

 

ガシャン、ガシャン、ガシャン

 

と数えきれないくらいの蜘蛛マシンが暗闇の中から現れた

俺達からしたら絶望の光景なのだが、七ハは面倒くさそうに息を吐いた

 

 

「面倒だから一気に片付けましょうか」

 

 

そう言って糸を引っ込めると、七ハがおもむろに人差し指を立てる。すると指先から青白い光が生み出されパチパチと音を立て始めた

その光が野球ボール程の大きさになったところで七ハは手首だけを使ってヒョイと蜘蛛マシンに向かって放り投げた

 

その光はそのままこちらに向かってきている蜘蛛マシンの先頭にいる個体に触れると、その瞬間

 

バチバチィッ!!

 

と音を立てて蜘蛛マシンが動きを停止した

それだけじゃなくて、停止したマシンから更に近くにいたマシンに向かってさっきと同じ様な青白い光が迸り、近くにいたマシンもバチバチと音を立てて機能を停止した

その現象は止まらず、マシンからマシンに青白い光が広がっていき暗闇で見えなかった奥の方までビッシリと群がっていた蜘蛛マシンの最後尾まで広がり、たった1回の攻撃で数え切れない程いた蜘蛛マシン全てが機能を停止して、ただの鉄屑になっていた

 

 

「………ぜ、全滅」

 

「……七ハ、今のがお前の魔族としての力か?」

 

「ええ、私の母は雷を操る鬼族だったので、それを引継ぎ私も雷を操る事が出来る……と言うよりは、雷は私にとって体の一部と言う方が正しいですね

今のも生み出した雷に’近くの電気に反応して、過剰に電気を増幅させる’という性質を加えることで奴らを一掃しました」

 

「自分が生み出した雷以外にも作用するのか」

 

「ええ、この世の雷、電気と呼べるものは全て私の支配下にあります

なのでこのようなことも――――」

 

 

七ハが俺たちを照らしている蛍光灯に手を向けると、すっと明かりが無くなりあたりは暗闇に包まれた

 

 

「もしかして、蛍光灯に供給されている電気を止めたのか?」

 

「ええ、そのとおりです。戻すのもこの通り」

 

 

そう言うと蛍光灯への電気供給を再開させたようで明かりがまた灯された

 

強すぎる

反則もいい所だ。”電気を意のままに操る”ということは今現実に存在する電気で稼働する全ての機械を無効化するということだ。

鉄くずと化した蜘蛛マシンも、俺の隣でうっとりと七ハの戦いぶりを見ているアスカのアンドロイドアームも、全てが七ハの前ではごみ同然になるんだからな

 

 

「さぁ、それでは行きましょうか。………アスカ、そろそろ戻りなさい。もし誰かに見られでもしたら面倒なことになるでしょう?」

 

「えーもうちょっと見てたかったのにぃ。でも見られたらまずいのは確かだし、しょうがないか」

 

「ちょっと待ってくれ。七ハ、このアスカとかいうのとどういう関係なんだ?」

 

「ふっふっふっふ………よくぞ聞いてくれたわね!私の名前は甲河アスカ!『鋼鉄の死神』と恐れられる最強美少女で!そしてぇ……七ハさんの一番弟子よ!!」

 

 

本人は自信満々みたいだが、後ろで七ハが手で顔を覆うのが見える

こんな簡単に素性をばらしてよかったのか?

アスカの言葉が本当なら、七ハとはよく知っているのは間柄の様だし

そしてアスカのこのアンドロイドアーム……明らかに米連の庇護下にあると考えるのが妥当だろう

 

となれば。七八とマダムは特にお互いを知っている様な素振りを見せなかったが、知り合い……いや、それ以上の関係であっても不思議ではない…のか?

それを何故隠したんだ?というかアサギ隊長は知っているのか?

 

俺が少し考える素振りを見せると、何かを察した七ハが口を開いた

 

 

「ご安心を。お館様のお考えの通り私はマダムと交友があります、彼女経由で少々米連とも繋がりがありますが、ちゃんと総隊長も知っているものですので。

あの応接室で互いに知らない振りをしたのは余分な会話をしない様にです、私達も、彼女も暇ではありませんから、気遣いの様なものだと思ってくだされば

他にもありますが、大体はそのような理由になります」

 

 

……戦闘能力だけでなく、俺の考えをまるで知っているかの様に…本当に恐ろしい配下を持ったものだな

なんのことか分かっていない蛇子と鹿之助は頭にクエスチョンマークを浮かべているが、俺に考えさせた張本人であるアスカは自分が不味いことをしたと気が付き顔を青くして冷や汗を流している

 

 

「そうか……と言うことはアスカの言葉は正しいってことでいいのか?」

 

「ええ、1番かどうかは置いておいて教え子であるというのは確かです」

 

 

冷や汗を流していたアスカであったが、七ハの言葉を聞いて更に顔色を変えて、七ハ飛びついた

 

 

「ちょっと!私が1番じゃないの?!」

 

「そうねぇ、確かに教えていた期間はそれなりに長いけど、期間の長さも、早さも1番ではないわねぇ」

 

「そうかもしれないけど!あの時は寝食を共にして四六時中一緒にいたんだから濃さで言ったら私が1番でしょう?!」

 

「それを言ったらあの子の方が……今する話じゃないわね。ほら、そろそろ戻りなさい。貴女ここにいるのがバレたら色々まずいでしょう」

 

「んん〜〜!……ちゃんと私が1番だって認めて貰うからね!」

 

 

アスカは地団駄を踏んでいたが、七ハの言葉通り、どのような方法かは分からないが姿を消そうとしたが、何かを思い立ったのか俺たち3人に向き直ってビシィと指をこちらに向かって突き立てる

 

 

「アンタ達!七ハさんに教えを受けるなんて超超超光栄なことなんだからそれをちゃんと理解しなさいよね!

それにアンタ!七ハさんの主で、今は上司かも知れないけど分を弁えて!精々足を引っ張らない様にしなさいよね!」

 

 

俺達3人、と言うよりは俺に言いたいことを言ったアスカはスッと姿を消し、騒がしいのが居なくなり静寂が訪れる

 

 

「………失礼しました」

 

「ああいや、アイツの言うことは本当だ。俺はまだまだ力不足だから。お前に手助けしてもらわないでも様々な場面に対応出来るようにならなければならないからな、そのために、頑張ってもらうぞ蛇子、鹿之助」

 

「もちろんよ!頑張りましょうねふうまちゃん!」

 

「俺も、雅蠱さんみたいに強くなるぞ!」

 

「「それは無理」」

 

「オイぃぃぃ!!」

 

 

そんな俺達の様子を微笑ましそう見つめていた七ハは、俺達の準備が整うと俺達を導くように歩き始めた

トンネルを覆い尽くす蜘蛛マシンを七ハの糸で除けながら歩いていくとついにトンネルの出口に到達した

 

ようやく開けた場所に出れて一息つこうとしたら、七ハの声で何者かが上空から降ってくるのに気が付いた俺達はその場から飛のくと、そこには鉄の塊とも言える様な強化外骨格が現れた

 

焦る俺達とは対象的に相変わらず落ち着き払った七ハは自分の力を俺達に教えるには丁度いい相手だと思ったようで悠然と構えて口を開いた

 

 

「さて、流石に私でも糸でこのような鉄の塊を切断する事は出来ません。…武器は別ですが」

 

 

七ハの言葉の通り、糸が数回攻撃を仕掛けても表面に傷がつく程度で有効打にはなりえそうになかった

しかし防御に特化していない、戦車が積んでいてもおかしくないほどの大きなガトリングガンはかまぼこか何かのようにあっという間に輪切りになった

突然のことに強化外骨格の中の人物は驚いた様ではあるが、七ハの攻撃では本体は破壊されないと分かり、直接攻撃しようと近付いてきた

 

 

「切断は出来ませんが、やりようはいくらでもあります。手始めに……」

 

 

七ハが両腕を動かすと糸が動きを変え巻き付くような動きに変わった、目標は足元だ

 

 

「……………………?!!」

 

 

視界の狭い強化外骨格では何が起きているか分からず、あっという間に足を糸に絡め取られズドンと地響きを響かせて倒れ伏した

 

 

「この様に動きを奪って、更に」

 

 

糸が付近にある剥き出しになった建材を拾い上げて装甲が薄い両手足の関節に突き刺した

貫通はしなかったがバチバチと関節が火花を飛ばし明らかに動きが鈍くなった

 

 

「こうなったらあとはやりたい放題です。このまま逃げてもいいし、頭部を潰して視界を奪ったり、時間をかけて切断してもいい、時間がかかるのでオススメはしませんが」

 

「そ、そうか……」

 

 

圧倒的だな……、俺達では手も足も出ない相手をまるで子供扱いだ、糸とはこれ程までに強いのか……あれ?この相手だったら魔族としての力を使ったら一瞬なんじゃ……

 

 

「な、なあ七八。もし’電気を操る力’を使ったら……」

 

「ええ、このようなことになります」

 

 

七ハが手をかざすと強化外骨格からエネルギー、つまりは電気が抜き出され、あっという間に強化外骨格がただの拘束具に成り代わった

 

 

「「「………………………」」」

 

 

理不尽とも言える様な力に俺達は絶句する他無かった

しかも、それで終わらない辺り七ハも意地が悪い

 

 

「丁度いい的も在りますので、どうせだったら私の全力……とはいきませんが、7割程の力を見せておきましょうか」

 

 

そう言うと、糸を使って強化外骨格の上体を起こさせて、顔を正面に向かせた

その顔に向かって七ハは右手を銃の形にして構える

 

 

「七ハさん何するつもり何だろう」

 

「まあ、あの手の形から雷のビームを放つってところだろ。確かあの水城ゆきかぜも同じ様な事出来るっていう「ち、違う!」……え?」

 

 

隣を見ると鹿之助が驚愕に目を見開いていた

今日何度も見た表情ではあるが、その中でも1番の驚きが含まれていた、最早恐怖を抱いているといったほうが自然な程だ

 

 

「ど、どうしたんだ鹿之助」

 

「お前ら感じないのかよ!とんでもないぞこれ!今まで感じたことない……やばいぞコレ!」

 

「そんなにか?!」

 

「でも私達は何も感じ――――――」

 

「こんなものかしら」

 

 

七ハの言葉と共に右手の指先に突然球体になった電が現れた

大きさはサッカーボール程で音もパチパチと控えめなものではあるが、そこに内包されてる力は計り知れない程だと、実際に目にして初めて分かった

もしあれを生物が食らったら跡形もなく消滅する、そう直感で分かった

 

 

「殺すのは気が引けるから、頭部を狙いましょう。貴方、動かないでね、出来ないと思うけど」

 

 

改めて標準を定めると、小さく「発射」と呟く

瞬間、目の前が光で覆い尽くされた

 

数秒後、目を開くとそこには静寂と頭部が消し飛んだ強化外骨格とえぐれた地面と海面があった

海面が物理法則に従って音を立てて戻ると同時に七八は俺達に振り向き、微笑を浮かべる

 

 

「これが私の力です。どうぞ使い方をお間違えなきよう」

 

 

……………………もしかしたら俺は、この世で1番恐ろしい配下を持ったのかも知れない

 

3人で引きつった笑みを浮かべながら頭の隅で俺は漠然とそう思った




という訳で七ハの能力説明回

〇武器
「特別製の糸」
魔界の蜘蛛の糸とか物質とか色々編み込んだ超特別製うん千万かかったりしているので滅茶苦茶気を遣っている

攻撃用、捕獲用、隠密用と色々種類がある

〇忍術
「硬化の術」
触れたものを固める能力
ふうま一門の連中を拘束したのは糸を巻き付けて硬化させたから動けなかった
強度は正確には分からないがめっちゃ固い

〇魔族の力
「雷を操る力」
名前の通り、全ての雷を操る
米連にとってはマジで天敵


はい、とまあこんな感じで
雷に関してはとある誰かさんの完全上位互換って感じかな
それ関連で絡ませて行けたらなと、思ってます

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