対魔忍世界に転生したのに何でまだ処女なんだ?!   作:ごんざれす

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主人公とアサギは同い年の友達
結構飲みに行ったりとかしてる仲

登場人物の年齢は一応設定してます、公式の情報とは若干変えてます。でないと色々整合性が取れないからね
対魔忍以外のエロゲ―キャラが出ます

では、どぞ


同い年の女たち

翌日、私は対魔忍の里、五車町に数年ぶりに訪れていた。

時代錯誤な古びた街並みを通ってきたけど正直懐かしさなんてものはほとんどない、今ではすっかり対魔忍の町になってるけど、私たちの時代は隠れ里が各地にあって特に対魔忍全体の本拠地みたいなとこはなかったんだよね。

 

ここ10年ぐらいかな~対魔忍が集まりだしたのって。

きっかけは完全に13年前のふうまの反乱の時だな。対魔忍の利権を争って当時の2大派閥だったふうまと井河が争ったやつ。

今の総隊長がアサギになった通り井河が勝利、そこでようやく本格的に対魔忍が1つにまとまりだしたって感じ。

 

ともかくその頃からほぼ五車にいなかった私はこの町も普通の古びた町程度にしか感じられない。

その古びた町も今は何となく慌ただしい感じがする。まあそれが呼ばれた原因でもあるわけだけど。

 

 

私は五車学園の何者かの襲撃があったと感じさせるボロボロの校長室兼総隊室のソファーに腰かけて優雅に側近が淹れてくれた紅茶を飲んでいた。

盛大に冷や汗が背中を流れているけどそれを隠して。

 

 

「どうなの、答えてちょうだい」

 

 

そう問いかけているのは目の前にいる対魔忍総隊長井河アサギ。私の上司であり友人でもある『最強の対魔忍』井河アサギだ。

その目には少しの懐疑と責めるような感情が含まれている。

………まあ昨日あんなことがあった後だし気持ちも分かるけどそんな詰め寄らないでよぉ、あんた綺麗だけど顔怖いのよ。

 

 

今日私がここに呼ばれた理由は昨日、この五車学園でかつてのふうま八将の一つである二車家の反乱があったから。

反乱と言ったら懲罰部隊の領分だからね。過去に起きかけた反乱の時は、事前に懲罰部隊が情報をキャッチしてそれを本隊に伝えて事前に潰した過去があるから今回は事前に情報をキャッチできなかったのか、とかそれ以外にも何か情報は無いのかとかそういった用件で呼ばれたわけよ。

 

情報ねぇ…………はい、正直な所知ってました。それも1週間も前に。

 

いや待って欲しい、確かに情報は聞いたけど「あるかもしれない」ぐらいのあやふやな情報で、1週間前は割と大き目な案件抱えてたから情報収集に行かせることが出来るような人員もいなかったし!

本隊の方に情報投げてもどうせ「懲罰部隊の言うことなんか聞かねーよ!」ってな感じでどうせ大した調査もしなかっただろうし!

ぶっちゃけ鉄華院家がいない二車なんか雑魚だから反乱起こしたところで大したことにはならないだろうって思って後回しにしたら忘れちゃったんだよ!はい私が全て悪うございます、すみませんでした!

 

でもそんなしょうもない理由で謝ることはできないじゃん!

今まで完璧に仕事をこなしてきてアサギから信頼してもらっているっていうのに、忘れてました~☆だって?!言えるわけないだろ!

しかも情報を聞いたとき部下たちにも「放っておきなさい」ってドヤ顔かましたもんだから側近が2人後ろについてるっていうのに言えるわけない!

 

こうなりゃそれっぽいこと言って切り抜けるしかねえ!

部下たちの前だから知らなかって嘘つけないし、アサギからの信頼も損なわない様に……無理じゃね?

 

 

「知っていたわ、勿論ね」

 

 

あーーーーー言っちゃった言っちゃったーーーーー!!

もう後戻りできないぞ!ない頭を使って必死に言葉絞り出せ私ぃ!

 

 

「じゃあ、どうしてその情報がこっちに回って来なかったか教えてくれるかしら?思ったより被害は少なかったけどそれでも損失はあった。いつもの貴女だったら対魔忍の損失を考えて先に反乱を潰したはずよ、今回はなぜそれをしなかったの?」

 

「そうね、……どうしてだと思う?」

 

 

必殺!質問に質問で返す攻撃!

まどろっこしくて申し訳ない!でもごめん!時間稼がせてくれ!

 

 

「貴女はいつもそうやってのらりくらりとかわそうとするが今回は事が事です、はぐらかさないで貰いたい」

 

 

私に釘をさすのはアサギの後ろに控えている青髪ポニーテールの八津紫。尋常じゃない再生能力から繰り出される怪力で闇の世界でも名が轟いてる強者で、真面目一徹な頑固者。私と割と仲良くしているけどこういう場ではちゃんと弁えてる辺り好感が持てる、私相手じゃなかったらな!

 

 

「そうね……今回の反乱、いつものものとは少し違う所があったわよね、それが理由……といった方がいいかしら?」

 

 

必殺その2!なんかそれっぽいこと言うヤツ!

質問に答えるふりして実は投げかけてるんだよねこれ!最悪かよ!

 

 

「違うこと……?分かんなーい。ってゆうか反乱がいつものって何か面白いよねぇ」

 

 

この完全に場違いな感想を述べたのはアサギの妹である井河さくら。姉の陰に隠れてはいるけど実力者で戦闘に関しては天才的だけどこういう場ではアホが際立つ。助かります。

 

 

「笑い話ではない馬鹿者!今は重要な話をしているんだ、ふざけるなら部屋から出ていけ!」

 

「えー、むっちゃんひどーい!私だって真剣に考えてるけど、隊長さんの話っていつも難しいんだもん。良く分かんなくなっちゃうよ」

 

「それはそうかもしれんが………違う…一体何のことなんだ」

 

 

さくらと紫が考えに耽ってくれた、よし!

アサギも考えてるようだしもうちょい時間稼げそう―――――

 

 

「主、もしや違いとは反乱を援助している者の存在ですか」

 

 

まさかの裏切り

ちょっと待って!後ろから刺さないでよ!主が必死に時間を稼いで答えを導こうとしているのに答え導き出さないで!でも乗れば何かしら答えが出るかも!よし、優秀。大好き。今夜いっぱい可愛がってあげる!

 

援助、援助………なんのことだ……あ、そういや今回の二車の反乱は裏であのノマドが手を引いてたんだっけ、昨日確かに聞いたわ。

となればノマドをおびき寄せるための反乱の情報を伝えなかったってことにしておこう!どうやら被害も少ないみたいだしそれで納得してくれるでしょ!

 

 

「………ふ、流石ね麗華。その通りよ、流石は私の『六華』ね」

 

「滅相もございません。1週間前のあの忙しい最中でそこまでの情報を掴まれるとは……一体どのように?」

 

 

知らないよ!

え?これなんて答えたらいいの?

………そういえば、もう半年ぐらい前だけど一瞬ノマドが妙な動きを見せるかもしれないっていうメチャクチャふわっとした情報が流れてきたことがあったからそこで感づいたことにしよう!エスパーかよ!!

 

 

「ちょっと待って、二車を援助……ノマドのことよね?じゃあ情報を伝えて来なかったのはノマドをおびき寄せるため?」

 

 

ナイス横槍!

 

 

「正確には違うわ、ノマドの情報がほんの少し入ってきたことがあってね、それがずっと喉に引っかかっていたんだけど。そこで二車の反乱の情報が入ってきたから、どうにもきな臭いと思ってね、それで泳がしたという訳よ。そうしたら案の定出てきた、という訳ね」

 

 

どんな天才だよ

身体能力とか強さは確かに群を抜いてるけど、頭は一般人なんだよ!そんなことできるか!

後ろの2人は感嘆の声を漏らしてるし、もうなるようになれぇ。

 

 

「ノマドが後ろにいるかもしれないっていう未確定情報を確かめるために今回の反乱を起こさせたということ?」

 

「まあ、そうなるわね」

 

「ふざけないで、確かに貴女の悲願は知っているし、協力していくつもりよ。それでもこんな勝手なことをされたらたまったものじゃないわ!一体どれだけの被害が―――!」

 

「ちょっと待ちなさいよアサギ……様。被害って言ったって今回死人は出てない。そうでしょ?」

 

 

案の定怒り始めたアサギを止めたのはまさかの麗華の横にいた『六華』の一輪、トワコだった

 

 

「そうだけど……それでも重傷者は出ているわ」

 

「だとしてもアンタ等にそこの紫…さんに引っ付いて回っている魔界医がいるでしょ。それに言うけど、今回の反乱死人が出なく済んでるのって私達のアネさんのおかげなんだよ」

 

「……え?」

 

 

え????何それ初耳なんだけど

 

 

「……どういうことかしら?」

 

「ちょうど2日前、懲罰部隊の腕利き3人に急にアネさんが言ったんだよ、「休暇をあげるから五車の里に行きなさい」ってな。

そりゃ急だったから何でか分からなかったけど今確信したね、アネさんはこの反乱での被害者を少なくするために3人を行かせたってな。はっきり言わないところにアネさんの意地悪さを感じるけど、それでもアネさんはアネさんなりにアンタらに気を使ってんだよ。それなのにそんな怒鳴られる筋合いはねーよな」

 

 

ごめんなさい筋合いあります。

確かに2日前に加奈、夏鈴、蘇芳の3人を五車に行かせたけど。

それはただ単に昔馴染みには会っといたほうが良いよっていうだけだし、天涯孤独の身の蘇芳に至っては将来的には五車に住むんだから見といたら?ぐらいの軽い感じなんだってぇ。

 

 

「そ、そうだったの……」

 

 

一応理解はしてくれたみたいだけど納得はしてくれてないみたい。

そりゃそうだよね、気持ちわかるよ。なんせ張本人である私が一番納得してないからね!

しかも罪悪感がやべぇ、これ友達騙してるのと一緒だからね、我ながら最低だわ。

 

 

「黙ってて悪かったわね。貴女を信用していないわけじゃないけど情報って言うのはどこから漏れるか分からないもの」

 

「ええ、分かってるわ。情報と言うのは知っている人が少ない方がいいものね。でもこれはひとつ貸しよ。

………それで早速だけどこの貸しを使わせてもらうわ」

 

 

………ん?

ちょっとまて貸しだって?いやいやいや何言ってんの?

こちとらどれだけアンタに、というかアンタ等3人に貸しがあると思ってんの?

 

 

「ちょっと待って。……聞き間違いかしら。今貴女貸しと言ったかしら?」

 

「ええ、言ったわ。友達の私にとても大事な情報を隠していたんだもの。貸しでしょう?」

 

「そうね、それは事実よ。でも貴女私にどれだけ貸しがあると思っているのかしら?私の貸しを一つ無くすならまだしも私に貸し?おかしいと思わない?」

 

「思わないわ、確かに私は貴女にほんの少ーし貸しがあるわ。でも今回の貸しの大きさで全部相殺されて、プラス1個お願いを聞いてもらえることになるはずよ」

 

 

はぁ?何言ってんだコイツ

こっちの貸しが一回でなくなるわけねーだろ!

 

 

「……良く言うわねぇ。悪漢に凌辱されている貴女を救出すること数十回、貴女のクローンの面倒を見ること数回、その他諸々。軽く貸し100は超えてるはずなんだけど?」

 

「し、知らないわね……。それに凌辱から救出何て私にとっては貸し0.1みたいなものよ……」

 

「言っちゃったわねぇ貴女ぁ!!そんなだから仕事のストレス発散のために敵にわざと捕まりに行ってるなんて噂が出るのよ!」

 

「し、失敬な!そんな訳ないでしょう!ただたまたま油断してただけよ!」

 

「何回油断するのよ!それで対魔忍の総隊長っていうだから笑っちゃうわねぇ!」

 

「う、うるさいうるさい!じゃあこれは命令よ!貴女には―――――――――!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後数分間口喧嘩をして、アサギの命令、というかお願いを条件付きで承諾した私は帰りの車に乗り込んだ。めちゃくちゃ疲れた状態で。

全く、あの野郎もう話の途中で私にお願い聞いてもらうことしか頭になかったな?考え事してる様子だったのも反乱のことじゃなくて貸しがどうこうの言い訳だったなあの様子じゃ。怒ってたのも布石か、……まあ半分本気ではあったんだろうけど。

器が大きいというのか、考えなしなのか、計算なのか。流石に組織の長だけあってわりかしずる賢こかったりするのは好印象だけど。

 

 

「お疲れ様アネさん。でも良かったのか。あんな子供みたいな理屈のお願いなんか聞いて」

 

「別にいいわよ、どうせ片手間で出来ることなんだから。

……それに、もう一つアサギに隠していることもあるしね、貸しの前払いみたいなものよ。

麗華、二車の情報は?」

 

「は、こちらを」

 

 

麗華が出してきた端末には今の二車の隠れ場所や戦力などのアサギにとっては喉から手が出るほど欲しい情報が詰まっていた。

昨日情報を聞いてすぐ部下に集めさせたら割と簡単に集まったんだよね。

 

けれど私はこれを伝えなかった。理由は簡単。ノマドの情報を炙り出すためだ。

正直な話、二車の連中なんかこの情報を基に懲罰部隊の半分の戦力でかかれば半日とかからず制圧することが出来る。

けどそれはしない、彼らにはノマドの、ひいては私の最終目標であるノマド総帥、エドウィン・ブラックの情報を一つでも多く吐き出してもらわなければならない。

 

そしてアサギ、ごめんなさい。でもしょうがないの。貴女にこの情報を伝えたら直ぐに部隊を派遣するだろうし、それは私の思うところじゃない。

 

私には願いが、野望がある。それはこの世界の悪の親玉的な存在であるエドウィン・ブラックを私の手で始末して、それで英雄になって。

 

良い男を捕まえて!結婚して!!普通の女性として幸せになる!!!

 

 

その為に悪いけど二車、道化としての役割を果たしてね、知らない連中じゃないから手心は加えてあげる。

 

 

「よし、じゃあ予定通り機を見てあの娘を二車に接触させなさい。傭兵を幹部に迎え入れているくらいだもの、疑いつつも必ず引き入れるわ。それが特大の爆弾だと知らずにね」

 

「了解しました」

 

「それじゃ、アサギのお願いの準備をするためにお屋敷に行きましょう。若様……いえ、お館様に挨拶するためにね」




自分的勘違いもの、もうちょいうまく作りたいけど
まあこんなもんでお願いします


人物紹介

〇トワコ
「陰陽騎士トワコ」の主人公
式神ヴァナルガンドを操る陰陽師。本編ではお嬢様の猫をかぶってるけど今回は素のヤンキー状態
バーテンみたいな服装をしている

〇麗華
トワコの従者で姉のような存在
式神手長を操り四刀流を操る
執事服の男装の麗人

2人ともグッドエンド後にまた悪者に捕まって凌辱されていたところを主人公に助けられて懲罰部隊に入隊したという設定。
主従共に主人公に心酔している

決戦アリーナに2人とも(トワコはカードだけだったと思う)出てたのでいいかと思って出しました。あと見た目がすっげえ好みなので

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