対魔忍世界に転生したのに何でまだ処女なんだ?!   作:ごんざれす

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全体的に説教臭くなってしまった……

今回独自解釈盛沢山
蛇子ファンに怒られちゃうかも

自分も蛇子好きなんで許しください!

では、どぞ


遠のく男の影

そのビデオさっきの『かけっこ』撮ってたものだよね?

何で今も撮ってんの?録画してるだけ?それとももしかしてどっかに中継してる?だとしたら誰が見てるんだ?もし実働部隊の面々が見てたら私が手を抜いたことがばれて、後々めんどくさいことになりそうな………

いやでも中継してるって確定してるわけじゃないし、もしかしたら普通に録画してるだけかもしれないじゃん、だとしたら後で録画データを消したらいいだけだし……いや、今までそんなことしたことないのに急にデータとか消しだしたらおかしいよね?

 

あーーーーーどうしよ!手を抜いて攻撃を受けて部隊に参加するか……それとも次の課題をクリア出来ると信じて手を抜かずに攻撃を防ぐか!

あーーーーーー!!

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――ですが、少し足りませんでしたね」

 

「――――あっ!!」

 

 

ごめん鹿之助君!防がせてもらう!部下たちに手を抜いたのをバレるわけにはいかないんだ!次の課題もっと簡単にするから許して!

 

 

鹿之助君の手首をカップを持ってるのとは逆の手で掴んで、そのまま蛇子ちゃんが落ちてくる2人を待ち構えてる所に落とす。あ、ちなみに足が椅子に触れてるから椅子からは離れてないよ

私もこのまま落ちちゃったらその勢いで水を零してしまいかねないから、蛇子ちゃんが2人を回収しようとタコ足を伸ばしている所を私も使わしてもらって、タコ足を踏んで落下の勢いを殺して、更に膝のばねも使ってかなり高い所から落ちたのに音もなく着地する。

そして改めて椅子を設置して、優雅に座って足を組んで3人に微笑む。と同時に

 

 

「5分経ちました。終了です」

 

 

2つ目の課題終了の合図が聞こえてきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわ~~申し訳ねえわぁ……

3人共めっちゃ落ち込んでるし……「俺がもっと早く跳べていたら」「私がもう少し低く投げられていたら」「俺がもっと確実性のある作戦を立案で来ていたら」という3人それぞれが自分を責めて、それをそれぞれが否定するという最悪なループが……まあでも反省するのは大事だし、私はまずあのビデオのことを聞かないと!

 

始める時と同じように椅子をもとのテーブルの所に2人掛かりで運んでいる所に、悪いなーと思いながらも問いかける

 

 

「ねえアネット、リリアナ。どうしてまだサスケはビデオを撮影しているの?もしかしてどこかに中継しているのかしら?」

 

「いいえ、中継はしておりません。ただ録画をしているだけです」

 

「麗華さまより頼まれて撮影しております。何やら七ハ様の動きを見ることで懲罰部隊全体の鍛錬に役立てようとしているそうです。………ご迷惑でした?」

 

 

迷惑じゃないよ、ただ驚いただけ!

……しかし鍛錬のためかぁ、だったら消して欲しいなんて言えなかったな。となればさっき手を抜かなくてよかったぁ、鍛錬に使うんだったら実働部隊全員が見る筈だし、まず手を抜いていたらバレることになっていたし……さっきの判断は正しかった、よし!

 

………それにしても何で黙って撮影してたんだろうか?

別に普通に言ってくれれば快くOKしてたのに……なんか変なことに使うんじゃないよねぇ?

まああの真面目な麗華だしそんな変なことに使う訳ないか。たぶん私の自然体な動きを見たかったとかそんなところだろう。せっかく撮ったんだし部隊のために使ってくれよな

 

 

さぁ、ビデオの話はこれで終わり。

改めて課題の話ね、話をするために3人に声をかける

 

 

「さぁ、反省はそこまでにして座ってください。最後の課題を行います」

 

「え、座るのか?」

 

「ええ、次の課題は実技ではありませんので」

 

「てっきり次は『鬼ごっこ』だったり『かくれんぼ』なんかをやらされるのかと……」

 

「私はそれでもかまいませんが、今の貴方たちにそのようなことが出来ますか?」

 

 

『かけっこ』の疲労に加えて、この『椅子取りゲーム』でも体を動かしたんだしもう動くのはしんどいんじゃない?

特に『椅子取りゲーム』なんて5分ていう短い時間だけど、動き回ってるし実際の戦闘に近い動きって言うのは体だけじゃなくて精神も疲弊するからね。今の3人の実力じゃもう結構な疲れが出てるんじゃないか

 

3人もそれを分かっているようでそそくさと椅子に座り始めた

その様子をみたらこの課題をクリアーする気はあるようで安心する。こんなキツイ課題出してくる女なんかと一緒に働きたくねーよ!とは思ってないみたいで

……まあアサギに部隊として実力が足りてないっていう報告をさせないためかもしれないけどさ

ネガティブに考え始めたら切り無いからポジティブにいくよ!3人共私と一緒に働きたいと思ってる、それでOK!

 

 

「次の課題は、私が1人に1つずつ質問をします。その質問に答えられたら、もしくは私が納得すれば合格です」

 

 

課題の内容に3人は驚いたような、拍子抜けのような顔をする

さっきまでの課題とは全く違うからしょうがないね。でもそうじゃないとまた実技の課題だったらクリアー出来るか分からないじゃん!さっきのもだいぶ加減したつもりだったけど出来なかったし、実技課題って出来るギリギリを見極めるの難しいんだよ!しかもまだまだ実力にむらがある学生だからねぇ、余計に

 

だから次の課題はある程度私のさじ加減で決めれる質疑応答!異論は認めない!

まあだからと言って部下の目もあるし突拍子もない返答をしてきたら合格には出来ないけどさ。

それに一応私もこの3人に聞きたいことはあるし、それを聞いてちゃんと納得出来たら合格にする、流石にそこは曲げられない。

だからしっかり言葉を選んで返事してよね……!

 

という訳で早速いこうか!まず最初はお館様。組織のリーダーとしては当然のことを聞くんだからしょっぱなから合格頼むよ!

 

 

「ではまずお館様から」

 

「お、おう!」

 

「この独立遊撃隊の最終目的は二車骸佐、もとい二車家を捕らえてこの五車の里に連れ戻すということでよろしいですね?」

 

「ああ、必ず俺が骸佐の野郎をぶん殴ってから連れ戻して、この反乱で迷惑をかけた皆に頭を下げさせる。それがこの部隊の目標だ!」

 

 

なるほどなるほど、何か熱血って感じでいいね

正直ノマドと手を組んでまで反乱を起こした二車の連中を、気性が荒くて恨み深い対魔忍が許すとは思えないけど、まあいいでしょう。

 

 

「分かりました。では、二車を連れ戻したその先は?」

 

「え?」

 

「ですから、二車を連れ戻したその先に貴方は二車の連中、もといふうま一門をどのように纏め、そして導くのですか?貴方はふうま一門当主としてそれを明確にする必要があります。さぁ、答えてください。私を納得させる答えを」

 

「……まだ部隊が動き出してもいないのにか?」

 

「ええ、私をはじめとした懲罰部隊も動くのです。もう二車確保は成功したといっても過言ではありませんので」

 

「凄い自信だな…………まだ骸佐達が何を目的に動いてるのかも分からない。だからそれが分かった後に……」

 

 

んーーー?

おいおいお館様、それはただの先延ばしだよ

 

 

「では二車確保までは何も決めずに動くと?ならば実際に二車確保の時、貴方はどうするおつもりですか?自分はこのような考えだからついてきて欲しいという風に説得する訳でもなく、ただ暴力という力で押さえつけて反省させると?

それでは必ず遠くない未来にまた反乱は起こるでしょう。それに何より、暴力で力を見せつけるのは二車の連中が行ったと反乱となんら違いがないように思います」

 

「ふ、ふうまちゃんはそんなこと思ってません!」

 

 

蛇子ちゃんが思わずと言った風に立ち上がって声を荒らげる

分かってるよ蛇子ちゃん。勿論お館様はそんな風には思っていない。けれど思っていなくてもやっぱり組織には何らかの指標が必要なんだよ

 

指標がなければ組織何て言うのはただの烏合の衆になり果てる。というか今のふうま一門そのまんまだよね。

お館様に飛びぬけた実力、もしくは人を惹きつけるカリスマ性があればそこまで指標は気にしないでいいかもしれない。

けど残念ながらお館様にはそのどちらもない。となれば明確な指標、もしくは目標、言い方を変えれば叶えたい夢が必要になる。それを考えないで組織として動いていこう何て言うのは明らかに無理があるからそこはちゃんとハッキリさせないといけない

 

 

「お館様がそのようなことは思っていないと分かったうえで聞いているのです。ふうま宗家に代々仕える相州家として思ったことはありませんか?一体主は自分たちをどのように導くのだろうと。もしくは主は何をしたいのだろうと」

 

「そ、それは………」

 

「お館様。貴方は当主としての責から目を背けていたと言ったそうですね。では責に目を向けている今の貴方は何を思い、何を望みますか?」

 

なんか尋問みたいになっちゃったけど、結局ところお館様は何をしたいのかっていう話。

強い組織にしたいのか、それとも正義にこだわる組織にしたいのか。そういう個人的な望み、欲望を聞きたい。

まあ今とっさに考えたようなこと言われても分かるし課題クリアーにはしないけどさ

 

 

「俺は………俺、は……………………すまない、答えられない。」

 

「そうですか、いつかは聞けることを願っています」

 

 

そっかぁ、答えられないかぁ……

色々考えてそうだからちゃんとした指標を持っていそうと思ったんだけどなぁ

まあ答えられないのは仕方ない、ちゃんと考えときなよ。これは人生の先輩としてのシンプルなアドバイス。ちょっときつい感じになっちゃったけどこれが考えるきっかけになってくれたらいいかな

………っていうかこういうのって教育係やら何やらが考えさせたりするもんなんだけどな……あの執事共と秘書は一体何してたんだ?

これは一回ちゃんと話さないといけないかもね、ふうまの配下としてじゃなくて、懲罰部隊、隊長の雅蠱七ハとして

 

ともかく、学生に未来のことは難しかったか……?、なら今度は今の自分の現状をしっかり把握できてるかだ!これなら答えられるでしょ!

 

 

「では次に、相州蛇子」

 

「は、はい……!」

 

「貴女は優秀な対魔忍です。学園においても座学、実技で優秀な成績を収めています。足をタコに変化させる忍法も奇怪ではありますが、様々な能力がありそれを使いこなしてもいますね。またクラスでは学級委員を務め皆からの信頼も厚い」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「その優秀な貴女が今まで任務に配属されたことがない……貴女はその理由を何だと思っていますか?」

 

 

そう、『かけっこ』の合間に少しだけ3人の情報を見たんだけど、この3人共今まで一切の任務経験がなかった。正直お館様と鹿之助君については分かる。けど蛇子ちゃんにも全く任務の経験がないって言うのはハッキリ言っておかしい。

対魔忍って言うのは常に人員不足だから、優秀だったら学生であろうとかまわず任務に就かされる。……正直どうかと思うけど

 

それなのに優秀で、皆から頼りにもされている蛇子ちゃんは全く任務経験がない。

その理由については情報についても書いてあったし、今日の課題での動きを見ても私も分かった。それを自分がちゃんと理解をしているのか、それを答えてもらう

今度はちゃんと答えがあるやつだよ!もし答え以外でも私が納得出来たら合格だから!頑張って!

 

 

「理由……それは私に実戦経験がないから…」

 

「そんなことを言い出したら対魔忍になれるものはいなくなりますよ。勿論違う理由です」

 

「そ、それなら……」

 

 

蛇子ちゃんはちらりと横目でお館様を見る

 

……はぁーーん、これは気が付いてるな。

でも2人の、特にお館様の前だと言い難いと……青春だねぇ

けどこれはあくまで課題なんだからちゃんと答えて貰わないといけない。蛇子ちゃん、頼むよ

 

 

「わ、私おっちょこちょいだから任務に就いたら何か失敗して―――――――」

 

「――違います。……本当に、分かりませんか?相州蛇子」

 

 

私は少しの威圧を込めて蛇子ちゃんを見つめる

蛇子ちゃんは少しビクリと身体を震わせる

 

ちょっと怖いかもしれないけど、理由を分かってるんだったらちゃんと言ったほうが良いよ。これは女子の先輩としてのアドバイス。後はシンプルに対魔忍としてのアドバイスでもある

私はそんな思いで蛇子ちゃんの言葉を待つけど、蛇子ちゃんの口から出た言葉は――――

 

 

「……分かりません」

 

「…………そうですか。では、貴女も不合格です。理由については後日伝えるのでそれまでにしっかりと考えておきなさい」

 

「はい……」

 

 

異様な雰囲気にお館様と鹿之助君は頭の上にクエスチョンマークを浮かべている

……この子たちは案外鈍感みたいね

後ろのアネットとリリアナは蛇子ちゃんが言えない理由を察して少し同情するような顔をしているというのに

 

 

さて、蛇子ちゃんが任務に就くことが今までなかった理由。それは簡単に言うと”恋”だ

勿論恋のお相手はお館様。もし理由を言っちゃったら思いがバレちゃうからね。

 

蛇子ちゃんは間違いなく優秀な対魔忍だ。けれどそれ故に任務についてしまって、もし結果をだしてそれ以降も任務に就くことになれば、決して学生の間に任務に就くことがないであろう”目抜け”のお館様と疎遠になってしまうことを蛇子ちゃんは恐れていた。

 

だから蛇子ちゃんは試験では結果を出しつつも、普段の授業ではわざとチョンボをやらかしたり、たまに遅刻などをして上層部からの信頼を恐るべきバランス感覚で調整していたというわけだ。

 

わざと信頼を損なうようなことをしていることに教師陣は感づき始めている。けれどもしそれで強引に任務に就かせて、どこかでチョンボをやらかして任務を台無しにしてしまったらと思うと、任務に就かせることが出来ない。ということで蛇子ちゃんは今まで任務に就いたことがないという訳だ

……気持ちは分からんでもないよ、けどね蛇子ちゃん。それは自分のためにならないし、何より絶対にお館様のためにもならない

 

今日だって『かけっこ』の時、本当は蛇子ちゃんだけだったらギリギリ合格してたんじゃない?

私は『かけっこ』の合格条件を”3人全員”なんて一言も言ってないし、それに蛇子ちゃんは気づいてた。

けど、今日の課題がアサギに実力を報告する目的も兼ねていることで、もしかしたら自分は他の部隊に組み込まれてしまうのではないかというのを恐れて、お館様と鹿之助君のペースに合わせて自分も遅くしたと………一緒の部隊に配属になったから手を抜くことは無いだろうけど、後で個人的に一応釘刺しておくか。後は気持ちは伝えた方がいいとかそういうの

 

………処女のお前が言うなとか言うなよ!むしろ私だからこそ実感してるんだろうが!

 

 

 

 

それにしてもまずいな~まさかこの課題でも2人が答えられないとは……!

残るは鹿之助君か……何聞けば答えられる?

将来的なことは鹿之助君当主とかじゃないし、あんまり意味ないだろうし。現状についてはぶっちゃけ実力不足としか言いようがない。となれば…………

 

 

シンプルな疑問かな

 

もしこれで納得できるような答えが返ってこなかったら、潔く鹿之助君は諦めて変わらず懲罰部隊で頑張ってエドウィン・ブラック討伐に力を入れよう………はぁ、いつになったら男できるのかなぁ……




これが私の蛇子の解釈
普通に遅刻とかしてるし意外と強かというかやんちゃというか
そういうイメージ

次回で課題編は終わって、主人公の設定に入っていきたい

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