そのため、私の趣味全開のストーリーとなっております(基本的に原作に沿ってしまっていますが)。
それでも読んで頂けると嬉しいです!
これはまだ何も起きてなかった頃の話――。
冬の冷たさと暖かい風が交差する季節。
桜が美しく花を舞い散らしていた。
桜を思い浮かべると、卒業、入学という言葉が浮かんでくる。
もうひとつ、一番定番と言えるものがあった。
――告白
蒼髪の美少年が緊張した顔を浮かべながら、桜の木の下で誰かを待っていた。
見た目からしてモテそうな面だが、彼にとってこれは初めての告白にして、初恋。
待ちに待っていた初恋の少女が現れた。
少年の鼓動が速くなる。
少年にとって少女は桜よりも美しく、世界中のどの宝石より輝いて見えている。
少年は緊張を表に出さないよういつも通りの自分でいようと言い聞かせた。
そして覚悟を決めた少年は――
「初めて会ったその日から、ずっとあなたのことが好きでした! 僕と付き合ってください!!」
恋に不慣れな彼の精一杯。
少女は戸惑いつつ、返答する。
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――」
少女は笑顔で立ち去った。
少年は優しい顔で見送る。
…………少女が見えなくなった頃合い。
少年は堪えた。だが本心に抗うことは出来ない。
少年の瞳から涙が零れる。
少女が出した答えを、すんなり受け入れることが出来なかった。
少年の恋はこうして幕を閉じる。
本人も、そう思っていた――
※
約二年後――
「…………」
蒼髪の美少年と似た顔をしている赤髪の少年が、学校の古びた教室で腕立て伏せをしていた。
何かを紛らわすように、黙々と。
回数も時間も数えず、力尽きるまでやろうとしていた。
「――――それでね!」
少し離れた場所から、少女が誰かと話している声が聞こえ始める。
その声を耳にした少年は腕立て伏せをやめ、教室を出て声がした方へ歩いて行く。
「今日は皆で菜園の整備をしたんだよ! ここ最近雨が酷かったけど、今日やっと止んだから、きれいにしたんだ!」
小柄な少女は、非常口の扉に話していた。
扉越しに誰かと話しているようにも見えるが――――
「…………」
少年は腰から懐中電灯のようなものを取り出し、強く握りしめる。
(こうなっちまったのは俺の責任だ……だから、何があっても俺は……!)
「それでね! くるみちゃんが――」
「……ゆき」
少年が、少女に優しく話しかけた。
「あっ!
声に反応した少女は彼の方を向き、満面の笑みを見せる。
「そろそろお昼だし、部室に行こうぜ!」
「うん!」
二人は横に並んで廊下を歩き始める。
「あっ」
「?」
何かに気づいた少女が立ち止まり、それに合わせて少年も立ち止まる。
「窓開いてる」
そう言って、少女は開けっ放しにされた廊下の窓を閉めた。
「…………」
少年は、少女を優しく見守る。
彼女の行動が無意味だと、言える訳がなかった。