鬼滅の刃〜縁壱さんは持ち霊です〜   作:ちゃんエビ

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芽衣の持ち霊 

継国縁壱 原作最強の剣士 最終選別では見せ場があるのか?
芽衣関係者での常識人だがどこか達観しておりツッコミが少ない為か影が薄い

継国巌勝 縁壱のお兄ちゃん!芽衣の持ち霊になって以降変化が見られ
時折現代用語を使う

スピリット・オブ・ファイア 火を司る五大精霊 最終選別では芋を焼かない芋焼き係



麻倉芽衣 温泉大好きポンコツ少女 その規格外さとユルさで周りから突っ込まれるが本人も突っ込むポンコツ少女

玉藻 本名 玉村玉藻 芽衣のお友達で炭治郎ともお友達、キャライメージは修験者番長巫女の玉村たまお 白い浴衣に芽衣と同じくふんばり温泉の羽織を着ている




第6話 修験の極み!最終選別キマシタワー

「わぁ!ホントに藤の花が咲き乱れてるね!これ眺めながら温泉浸かれたら最高だね」

 

そう言いながらキョロキョロと藤の花を眺める芽衣、そんな芽衣に呑気だなと内心思いつつ輝利哉は

 

「そうですね、藤の花に囲まれてると安心します」

 

そう返すと芽衣は

 

「そういえば輝利哉君女装似合ってるね!女の子にしか見えないよ」

 

そう言いながらケラケラと笑う芽衣に輝利哉は

 

「僕も恥ずかしいですよ!元々は産屋敷家の男性が呪いのせいで短命だから女性として育てられるのが産屋敷家の習わしだったんですけど、芽衣さんのおかげでその必要も無くなったのに・・・母上も趣味が悪いですよ」

 

そう愚痴る輝利哉、芽衣が産屋敷家の呪いを跳ね返したから輝利哉は女性として育てられる必要は無くなったのだが、あまねは輝利哉の女装が可愛いからとあえて女装姿で最終選別へと向かわせたのだった

 

「でも可愛いから輝利哉はそのままでいいと思う」

 

そんな輝利哉の愚痴にクスクスと笑いながらかなたがそう言うと輝利哉は

 

「かなたまで⁈」

 

かなたにもそう言われ輝利哉も驚くと芽衣とかなたは笑い出し輝利哉は

溜息をつくのだった

 

そうして歩いてるうちに木々が開けた場所に辿り着いた芽衣達、観光に訪れた人達なのだろうか人が集まっているなと芽衣は不思議そうにその光景を眺めていた

 

その頃炭治郎達は〜

 

階段を登りきり広間に辿り着くと炭治郎と同じように最終選別を受ける為に集まった者達が待機しており炭治郎は周りを見渡していると

 

「皆さま今宵は最終選別へお集まりいただきありがとうございます」

 

先程芽衣と話していた時のように砕けた感じではなく産屋敷家の者としてキッチリと喋りだす輝利哉とかなた、そんな二人の後ろに立っている芽衣は

 

(最終選別?何それ?いっぱい人集まってるし何かの行事?)

 

と今から行われる事について訳が分からないと一人首を傾げていた

 

そんな中、輝利哉とひなたに視線が集まり集まっていた者達は二人の話を聞いていたがその中の一人から熱烈な視線が芽衣に向いていのだが芽衣は気付かないでいた

 

やがて輝利哉とかなたの説明が終わり最終選別が開始すると待機していた者達はぞろぞろと山に入って行き炭治郎も気を引き締め山へと入ろうとしていた

 

「玉藻見送りありが『芽〜〜衣〜〜〜‼︎』とう・・玉藻⁈」

 

見送りに来てくれた玉藻にお礼を言おうとした炭治郎だったが玉藻は大きな声で芽衣の名を叫ぶと炭治郎をすっぽかし一目散に芽衣の元へ全力ダッシュ!

 

「芽衣〜‼︎芽衣!芽衣!芽衣!芽衣‼︎」

 

ひたすら芽衣の名を連呼する玉藻、喜びが溢れ出んばかりの笑顔で芽衣へとダイブする玉藻に芽衣は

 

「ほい!巫門遁甲‼︎」

 

玉藻を受け流した

 

「酷いよ芽衣!愛しの玉藻ちゃんの熱い抱擁を受け流すなんて〜!」

 

顔面から地面にダイブした玉藻は涙目で顔をさすりながら芽衣にそう言うと芽衣は

 

「あれ?・・玉藻じゃん!ゴメン‼︎変質者が飛び付いて来たのかと」

 

「・・変質者・・」

 

「縁壱急にどうした⁈」

 

玉藻を変質者と間違え受け流した事を謝る芽衣、縁壱は以前芽衣から変質者呼ばわりされガチ逃げされた事を思い出し落ち込みだすと巌勝は縁壱の急変に驚き縁壱を心配しだす

 

三者三様の様子を見ながら玉藻は再び芽衣に飛び付いて

 

「芽衣〜会いたかったよ〜!修行も頑張ったんだよ〜芽衣褒めて褒めて〜!」

 

喜びを爆発させ芽衣に甘えだす玉藻、そんな玉藻の頭を撫でながら芽衣は

 

「修行頑張ったんだねー偉い偉い!んでミッキーは?」

 

ほぼ棒読みで玉藻を褒める芽衣、さっさと話題を切り替えてミッキーという者について玉藻に尋ねる芽衣(夢の国のミッキーではない)

 

「お師匠様は私を狭霧山に預けたらどっか行ったよ?」

 

と芽衣に答えると

 

「弟子をほっぽり出してまた放浪してるの⁈あの変態仮面は!」

 

怒りを滲ませながらそう言う芽衣、玉藻は苦笑いしながら

 

「あはは、変態仮面って・・否定はしないけど芽衣のお父さんだよ?変態仮面は否定しないけど」

 

変態仮面は芽衣のお父さん!一応気遣うが変態仮面!自分の師匠を庇うようで全く庇ってない玉藻に芽衣は

 

「そんな事より!なんで玉藻がここにいるの?」

 

変態仮面より玉藻がここにいる理由が気になる芽衣はそう尋ねると

 

「ん〜とね、炭治郎君の見送りに来たんだよ!炭治郎君最終選別受けるから」

 

と芽衣に答えると

 

「炭治郎君?誰それ?それに最終選別って何?さっきから気になってたんだよ」

 

芽衣は玉藻にそう言うと

 

「炭治郎君は最終選別に行った・・・ゴメン!まだいた!こっち見てる!凄くそわそわしてる!」

 

炭治郎はもう最終選別に行ったと思っていた玉藻だったが炭治郎はまだ動いていなかった、玉藻がいきなり大声で叫び全力ダッシュからの顔面ダイブという奇妙な行動に唖然とし動けないでいたのだ!

 

「炭治郎君〜‼︎」

 

玉藻は大声で炭治郎を呼ぶと

 

「玉藻煩い‼︎須磨さんか‼︎」

 

芽衣にへばり付いたまま耳元で叫び出した玉藻に、大声からのビンタがお約束の須磨さんを思い出し突っ込みを入れる芽衣

 

「えへへ〜♪芽衣の抱き心地たまらないよ〜・・んん?ふぁ⁈芽衣胸大っきくなったね〜♪どれどれ♪」

 

「ぴぎぃぃぃ⁈」

 

芽衣の突っ込みなどお構いなしに抱き付いたまま胸に顔を埋める玉藻は2年前より芽衣の胸がデカくなったと言いながらいやらしい目付きで芽衣の胸を触ると芽衣は声にならない悲鳴を上げ体を硬直させてしまう

 

「縁壱・・これがてぇてぇというものか」

 

「何処でそんな言葉を覚えたのだ⁈兄上」

 

芽衣とイチャつく玉藻を見ながらホッコリする巌勝と聞き慣れない言葉に戸惑う縁壱、二人が見守る中芽衣は玉藻からのセクハラを受けながら

 

「ちょっ⁈玉藻いい加減に!ぴぎぃぃ⁈ヤダってば!」

 

「ふふ♪2年の修行の成果!全集中の呼吸!この時の為に頑張ったようなものだよ」

 

嫌がる芽衣をよそに全集中の呼吸を使いセクハラしまくる玉藻、努力の方向性を踏み外した玉藻の執拗な攻めに芽衣は

 

「玉藻‼︎これ以上やると嫌いになるからね‼︎」

 

そうビシッと玉藻に告げると玉藻は

 

「ゴメンなさい‼︎もうしませんから最後にペロペロさせてください!」

 

即座に芽衣から離れ土下座をしながら謝る玉藻、謝りつつも欲望を抑える事が出来ない玉藻に芽衣が

 

「怖っ!玉藻怖いよ⁈修験の成果は?煩悩丸出しだよ!」

 

玉藻にドン引きしながらそう言うと

 

「玉藻‼︎」

 

玉藻に呼ばれた炭治郎が芽衣達の元に走って来ると

 

「ちょ⁈玉藻‼︎あの狐の面をしてる男の子何⁈何でこっち走って来るの⁈はっ!まさか玉藻の淫猥な行動に便乗して私の胸を揉みしだくつもり⁈あわよくばそのままナニするつもりなんだ!このヤロー‼︎」

 

こちらに走って来る炭治郎、玉藻に呼ばれ走って来ただけの炭治郎、見送りのお礼も言えず一言お礼を言おうとしただけの炭治郎、そんな炭治郎を盛大な勘違いで変質者扱いし逆ギレして自ら炭治郎に突っ込む芽衣

 

シャーマンとしては規格外の芽衣だが肉体は体力が無駄に多いだけのショボい体、対して炭治郎は2年の修行を経て肉体を鍛え上げた隠れマッチョ、当然芽衣が炭治郎に敵うはずもないのだが・・・

 

「我流麻倉式巫術 巫門遁甲ちゃぶ台返し‼︎」

 

壊滅的なネーミングセンスで付けた芽衣独自の技、単にちゃぶ台返しを再現しただけの技と呼ぶには大袈裟なショボい技を炭治郎にかける芽衣

ショボいのだが巫力の流れを読み取り受け流す事の出来る巫門遁甲を併用し炭治郎をひっくり返す芽衣、だがこの時芽衣は誤った!逆ギレしていた芽衣は忘れていた・・炭治郎はシャーマンではなく普通の人間!巫力を持っていない炭治郎に巫門遁甲など意味がなく・・・

 

「へあっ⁈」

 

「うわっ⁈」

 

某特撮ヒーローのような声をあげる芽衣と普通に驚く炭治郎、ショボい体の芽衣が放つただのちゃぶ台返しが炭治郎を綺麗にひっくり返す事など出来る筈もなく・・・

 

「痛てて・・何だったんだ⁈あの娘?俺をひっくり返そうとしてたみたいだけど・・・・ん?柔らかい・・何だ?」フニフニ

 

芽衣のちゃぶ台返し不発で盛大にこけた炭治郎、さっきのは一体何だったんだと思いながら顔をあげ、掌に感じる柔らかな感触を確かめていると

 

「・・・・・ぴ・・・ぴぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ⁈」

 

炭治郎の真下から芽衣の絶叫が炸裂し、炭治郎はハッと真下に芽衣がいる事に気付く

 

「ああ!ゴメン!下敷きに・・・え?えぇ⁈えぇぇ⁈」

 

芽衣を下敷きにしていた事に気づいた炭治郎は直ぐに芽衣に謝るが炭治郎は自分の手が何を触っているのか理解して大慌てで飛び退き

 

「すいませんでした‼︎不可抗力とはいえ胸を触ったりして、本当にすいませんでした‼︎」

 

毎日練習していたのかと思わせる程の素早いジャンピング土下座で芽衣に謝る炭治郎、そんな炭治郎に芽衣は

 

「はぁはぁ・・やっぱり・・やっぱりそうだった!私の胸を触りに来たんだ!押し倒して大人の階段も登ろうと‼︎」

 

自分から仕掛け失敗したのに盛大な勘違いで炭治郎を変質者扱いする芽衣、その一部始終を見ていた縁壱と巌勝は

 

「胸を触られたのは不憫だが自業自得というか・・あの少年おいたわしや」

 

「そもそも芽衣は何をしたかったのだ?私には理解に苦しむ」

 

芽衣の行動に酷評を出していた

 

 

 

 

 

「あ〜えと・・その・・ゴメンなさい‼︎私の勘違いで変質者扱いしてホントにゴメンなさい‼︎

 

しばらくして冷静さを取り戻した芽衣は縁壱や巌勝から先程の顛末を説明され、あれ?これ完全に私が悪いじゃん!胸触られたのは別だけど!それだけは別だけど‼︎ と反省?して炭治郎に謝ると

 

「いや!こっちこそゴメン!胸を触ったりして・・柔らかかったとか思ってないから・・あ、いやそうじゃなくて!」

 

炭治郎もまた芽衣に謝り直すと

 

「麻倉芽衣・・私の名前、麻倉芽衣」

 

そう炭治郎に自己紹介する芽衣、炭治郎もまた芽衣に

 

「俺は竈門炭治郎、芽衣よろしく」

 

そう言いながら炭治郎は握手をしようと芽衣に手を差し出す

 

「・・・・うん」

 

芽衣は炭治郎との握手に間を置き少し考えてから握手をすると

 

「芽衣は不思議な匂いがするね、暖かくて優しい匂いと冷たくて悲しい匂いが混じってる不思議な匂いだ」

 

人の感情を匂いで嗅ぎ分ける炭治郎は芽衣から感じた匂いを芽衣に伝えると

 

「芽衣!私は昔から芽衣の味方だよ!芽衣があの時助けてくれたみたいに今度は私が芽衣を助けるから!」

 

炭治郎から言われた芽衣の匂いに何かを察した玉藻は芽衣に駆け寄ると心配そうに芽衣を眺めそう言うと芽衣は玉藻を見つめて優しい笑顔で

 

「うん、玉藻がいてくれて嬉しいよ!頼りにしてるからね」

 

そう言って玉藻を抱きしめると

 

「縁壱・・・これはてぇてぇと言うべきなのかキマシタワー!というべきなのか私にはわからぬ、どうすればいい?」

 

「兄上・・おいたわしや」

 

そんなやり取りを見ていた縁壱と巌勝、巌勝からの問いかけに訳がわからないと嘆く縁壱は巌勝を不憫に思っていた

 

そんな二人はさておき芽衣が何故最終選別の地、藤襲山にいるのか気になっていた玉藻は

 

「気になったんだけど芽衣はどうしてここにいるの?最終選別を受けに来たとか・・じゃないよね?」

 

まさか最終選別受けないよね?と不安にしていた玉藻はそう芽衣に聞くと

 

「藤の花が一年中咲く山があるから観光に来ただけだよ?ほら後ろにいる輝利哉君とかなたちゃんと一緒に観に来たの」

 

ここにいるのは観光です!後ろに連れもいるんですよと輝利哉とかなたの二人に目を配らせる芽衣に玉藻は

 

「輝利哉君とかなたちゃん?・・・輝利哉ちゃんとかなたちゃんね芽衣言い間違いだよ?」

 

後ろにいるのは二人の女の子、男の子なんていないから芽衣の言い間違いだと指摘すると

 

「輝利哉君だよ?輝利哉君は『芽衣さん‼︎』」

 

言い間違いじゃなく輝利哉君は男の子、正確に言えば男の娘!そう玉藻に伝えようとするが、黒歴史になりかねない女装をバラされたくない輝利哉は慌てて芽衣を呼び止めると芽衣は

 

「あーー輝利哉ちゃんだったね、私の言い間違い!」

 

黒歴史だもんね!バラされたくないよね?私も黒歴史あるから分かるよ!と輝利哉の内心を勝手に解釈し誤魔化す芽衣、そんな芽衣に玉藻は

 

「芽衣・・この山最終選別の場所だよ?藤の花が一年中咲いてるのは山の中に鬼を閉じ込めておく為、観光に来る所じゃないよ?」

 

そう芽衣に説明すると

 

「え?鬼?・・不思議生物の?・・それに最終選別って!さっきから最終選別最終選別って言うけど何なの?」

 

ちょっと意味がわかりません!内心そう思いながら芽衣は玉藻に最終選別について聞いてみると

 

「芽衣、鬼殺隊って知ってる?」

 

最終選別の話をする前に玉藻は芽衣が鬼殺隊を知っているかを確認する

と芽衣は

 

「うん、それは知ってる」

 

そう芽衣は答えると玉藻は

 

「最終選別はね、その鬼殺隊に入る為の入隊試験なの、鬼が閉じ込められたこの山で1週間生き延びる、それが合格条件」

 

玉藻は芽衣にそう説明すると

 

「へぇ〜そうなんだ・・大変だね」

 

説明を聞いた芽衣はあっさりとした反応を見せる、私は鬼殺隊とは関係ない、観光に来ただけだと思ってる芽衣に玉藻は

 

「芽衣!行こう‼︎修験の成果を見せたいし、芽衣の持ち霊の実力も知りたいな」

 

と芽衣の腕を掴み山の中へと連れて行こうとする玉藻、炭治郎を見送り帰るつもりだった玉藻は芽衣がこの場にいるとは思わず、まさかの再会に修験の成果と芽衣の持ち霊の実力を見てみたいと全集中の呼吸を使い

芽衣を拉致するのだった

 

そんな玉藻に拉致された芽衣は

 

「ちょ⁈玉藻⁈分かったから離して!」

 

芽衣は玉藻にそう言うが離せば絶対行かないと分かってる玉藻は芽衣を無視して強引に芽衣を山の中に引き摺り込むのであった

 

そんな玉藻の暴走を見ていた縁壱と巌勝、なんとかして芽衣を最終選別に参加させたかった二人は色々と思案していたが玉藻の暴走があっさりと解決した為、内心玉藻に感謝しながら二人でハイタッチをすると芽衣を追っていくのであった

 

そして炭治郎は・・・

 

「玉藻〜!芽衣〜!」

 

置いてけぼりをくらい完全に出遅れていた

 

 

「かなた・・・芽衣さんの関係者って」

 

「うん・・変人しかいないね」

 

そう言いながら連れ去られて行った芽衣を見送る輝利哉とかなたであった

 

 

 

「ヒャッハー‼︎久しぶりの人肉だぜ!」

 

「しかも女が二人だぜ!ヒーハー‼︎」

 

「それに一人は稀血でござるよ!デュフフ!」

 

そう叫びながら歓喜する3人の鬼達、どこぞの世紀末に出てきそうな頭髪をしたヒャッハー鬼、毛根が心配な小太りのヒーハー鬼、眼鏡はないのか!オタ鬼が最終選別に巻き込まれた芽衣達に襲いかかろうとしていた

 

水の呼吸 肆の型 打ち潮

 

流れるような太刀捌きで三人の鬼の首を斬り飛ばす炭治郎

 

「玉藻!芽衣!無事か?」

 

そう言いながら2人を心配する炭治郎、一足先に森へと足を踏み入れた芽衣達に先程の鬼が襲いかかり合流した炭治郎が2人を守ろうと修行の末習得した型を繰り出し鬼を撃破すると

 

「炭治郎君!折角芽衣に修験の成果を見せようと思ったのに!」

 

そう言いながら膨れっ面をする玉藻、さっきの鬼を相手に修験の成果を芽衣に披露しようとしていた玉藻は炭治郎の介入で見せ場をなくし少し怒っていた

 

「ああ、ゴメン玉藻!玉藻は刀を持ってないから戦えないんじゃないかと思って」

 

そう謝る炭治郎、玉藻は鬼殺隊に入らない為鱗滝から日輪刀を渡されておらず手ぶらであった、そんな玉藻を心配して助けた炭治郎に玉藻は

 

「でもありがとうね炭治郎君」

 

そう炭治郎にお礼を言うと玉藻は

 

「隠れてないで出ておいでよ錆兎君、真菰ちゃん」

 

そう言いながら玉藻は近くの岩影を見つめると

 

「やはり気付かれていたか」

 

「玉藻ちゃんは気配を探るの上手だからね」

 

そう言いながら玉藻達の前に姿を見せる錆兎と真菰

 

「違うよ、2人に気付いていたのは芽衣、炭治郎君を見守る狐面の2人は誰って」

 

そう2人に告げる玉藻、それを聞いた錆兎と真菰は

 

「芽衣・・玉藻が顔をニヤつかせてよく話していた親友の芽衣か」

 

「あの時の玉藻ちゃん、ちょっと・・ううん結構気持ち悪かったよ?」

 

玉藻に辛辣な2人の反応に玉藻は

 

「気持ち悪いって・・芽衣〜!私気持ち悪い?そんな事ないよね〜」

 

そう言いながら芽衣にすり寄る玉藻、それに対する芽衣の反応は

 

「いや・・気持ち悪いっていうか・・・昔より接触が濃厚過ぎてちょっと戸惑ってる」

 

そう玉藻に返す芽衣

 

芽衣と玉藻は小さい頃からの親友だった、小さい頃から仲は良かったが玉藻は甘えん坊な所はあっても拗らせてはいなかった、5年前までは

 

5年前玉藻は一度死んだ、その玉藻を蘇生したのが当時の芽衣、それ以降玉藻は芽衣を崇めるように感謝して芽衣に執心し拗らせ始めた

 

それでもまだ玉藻は普通だった、芽衣は私の全て、命に変えても芽衣は守るという思いはあってもレズっぽくなかった

 

変わったのは2年前、一度死んで以降芽衣と同様に霊が見えるようになった玉藻、シャーマンとしての素質を見出され芽衣の父、修験者である変態仮面に弟子入りするとその才能をメキメキと伸ばしていた

 

そして2年前、変態仮面の知り合い、修験の道中に立ち寄った狭霧山で出会った仮面仲間、鱗滝に預けられ芽衣と会えない日々を過ごす玉藻

その恋慕が次第に拗れ芽衣限定の煩悩修験者へと変貌していった

 

「我慢する!一日一回一揉みで我慢するから!あ、やっぱりペロペロも追加で!それで手を打つから!」

 

困惑する芽衣に全く自重していない自重をすると言い出した玉藻、そんな玉藻に芽衣は

 

「交渉の余地がどこにも見当たらないんですけど⁈」

 

何も譲歩出来る所がない提案に芽衣はそう突っ込むしかなかった

 

「玉藻が気持ち悪い人だったって事は分かった!そんな事より!錆兎と真菰がいるって!」

 

素直で純粋な炭治郎はオブラートに包む事もなく玉藻を気持ち悪いとハッキリと言うが、そんな事より自分の鍛錬に熱心に付き合ってくれた錆兎と真菰がこの場にいるという事が気になり玉藻にそう聞くと

 

「炭治郎君の言葉が刃のように突き刺さって心が痛い・・うん、いるよ錆兎君と真菰ちゃん!炭治郎君が心配で付いて来たんだと思う」

 

玉藻が炭治郎にそう告げると

 

「錆兎!真菰!ありがとう‼︎俺は必ず最終選別を突破するから‼︎ありがとう!本当にありがとう‼︎」

 

修行していた時にはハッキリと見えていた錆兎と真菰、今はもう姿を見る事が出来ない2人にこれまでの感謝の気持ちを伝えると錆兎と真菰の2人は少し安心した表情を見せるも何か払拭出来ない様子でいた

 

 

そんな中、何処からか悲鳴が聞こえ炭治郎達は悲鳴がした方に駆け寄ると森の奥で蠢く巨大な鬼の姿を見つけ炭治郎は若干青ざめながら木の裏に隠れ様子を見るとその鬼は最終選別に参加していた少年を追っていて

巨体から生えた無数の腕を伸ばし少年を捕まえようとする

 

「うわーあの鬼デカイね!芽衣」

 

「デカイというよりデブ?なんか腕もいっぱい生えてるし鬼ってホント不思議生物だよねー」

 

この状況で割と呑気な芽衣と玉藻、そうしてるうちに少年は鬼に捕まり捕食されそうになると

 

水の呼吸 弐の型 水車

 

少年を助ける為に勇気を振り絞り果敢に鬼に斬り込む炭治郎

 

「炭治郎君がデブに突っ込んだ!」

 

「芽衣、私達も行こう」

 

芽衣達はそう言うと炭治郎の後を追ってデブ鬼もとい手鬼に突貫していった

 

 

突っ込んだ炭治郎に腕を斬り落とされた手鬼、斬り落とした張本人炭治郎に目を向け炭治郎の頭部の狐の面を見るとニヤリと笑い

 

「また俺の可愛い狐が来た」

 

手鬼は炭治郎を見てそう言うと

 

「狐を御所望ならこの子をどうぞ!」

 

そう言いながら炭治郎の元に駆けつける玉藻は式紙を取り出すと

 

「憑依合体”天狐”オーバーソウル‼︎白面金毛九尾の狐」

 

玉藻の持ち霊の狐の神霊”天狐”を玉藻は式紙に憑依させオーバーソウル

某忍者漫画の主人公がツンデレ狐さんを解放したような見た目のオーバーソウルを具現化すると

 

「「は?」」

 

炭治郎と手鬼共に唖然、巨大なガチな狐が出てくるとは思いもしなかった手鬼と炭治郎に玉藻は

 

「これが修験の成果!芽衣〜褒めて〜♪」

 

と目の前の手鬼に目もくれず芽衣に甘え出す玉藻、そんな玉藻に芽衣は

 

「もふもふだー‼︎尻尾がもふもふだよ玉藻!偉い!玉藻偉い!」

 

と玉藻のオーバーソウル、白面金毛九尾の狐の尻尾にモフりながら玉藻を褒める芽衣、そんな芽衣に玉藻の持ち霊天狐は少し困惑気味に

 

「くぅ〜ん」

 

玉藻に助けを求めていた

 

「いや、狐は狐だがそんなガチな狐じゃなく狐の面の・・・稀血⁈稀血がいるのか‼︎これはついてる、狐の小僧と稀血を喰えるなんて俺はなんてついてるんだ!」

 

玉藻のオーバーソウルに戸惑う手鬼だったが、芽衣の稀血の匂いに気づいた手鬼は喜びに震え歓喜すると

 

「あ、ちなみに今明治何年?」

 

とついでに年号を聞いてみると炭治郎は

 

「今は大正だ」

 

と手鬼に答えると手鬼は

 

「年号が⁈年号が変わってるーー‼︎あーまた年号が変わってる!許さん鱗滝!鱗滝ーー‼︎」

 

と怒りで暴れ回り芽衣は

 

(喜んだと思ったら今度は怒りだした、情緒不安定な不思議生物なのかな?)

 

と他人事のように手鬼を見ていた

 

そんな芽衣の背後では・・・

 

「兄上・・」

 

「図体だけ膨れ上がった雑魚の分際が芽衣に手を出せると思わない事だ!その奢り私達が斬り捨ててやろう」

 

と芽衣の稀血を狙った手鬼に怒りを示し手鬼を睨む2人の更に背後では

 

「錆兎・・アイツ・・私やっぱり悔しいよ!炭治郎に託したけど悔しいよ‼︎」

 

「真菰・・俺も同じだ!だが今の俺達ではどうする事も出来ない!」

 

手鬼を睨みながらそう話す錆兎と真菰、この2人も炭治郎と同じく鱗滝の元で修行をし最終選別に参加したが2人共手鬼に喰われ悔しい思いをしていた

 

そんな2人に

 

「お前達はあの鬼に喰われたのか?」

 

「仇を前に何も出来ない無力感、さぞ辛いだろう」

 

そう話しかける巌勝と縁壱に錆兎と真菰は

 

「ああ、情けないがその通りだ」

 

「アイツ!鱗滝さんの弟子を!私達の兄弟子を執拗に喰べて!仇を討ちたかった!でも駄目だった!悔しい!悔しいよ‼︎」

 

手鬼を前に何も出来ない錆兎と真菰、錆兎は無力感を噛み締めながら静かに肯定し、真菰は号泣しながら悔しさを滲ませると

 

「錆兎君と真菰ちゃんだっけ?悔しいよね、辛いよね!・・・よし!錆兎君!真菰ちゃん!私達であのデブを倒して仇を討とう!」

 

縁壱達と話す錆兎と真菰の元に歩み寄った芽衣は2人にそう話すと

 

「仇を討つ?俺達は『芽衣!私の名前、麻倉芽衣!大丈夫!私を信じて!私達の気持ちを重ねたら何とかなるよ!』・・何とかなるか」

 

「芽衣ちゃん!どうするの?」

 

「憑依合体!錆兎君と真菰ちゃん、私と合体してあのデブを討つ!」

 

「そんな事出来るの?」

 

「出来る!それがシャーマン!私の力!」

 

「やる!皆の仇を討ちたい!助けて芽衣ちゃん!」

 

「芽衣だったな、俺からも頼む!仇を討たせてくれ!」

 

「うん!錆兎君!真菰ちゃん行くよ‼︎」

 

芽衣・錆兎・真菰の3人はそう話すと手鬼を見ながら

 

「憑依合体!錆兎・真菰」

 

芽衣は錆兎と真菰を魂魄形態に変化させると2人の魂を自身に憑依すると

 

「わぁ‼︎錆兎‼︎合体したよ!」

 

「ああ、だが俺の意志で体が動かせないのだが!」

 

「うん、体は一つだからね!右見ながら同時に左は向けないように私も2人同時には無理かな?お互いに主導権を切り替えていこ?」

 

そう芽衣は説明すると

 

「縁壱さん、巌勝さん!良いよね?」

 

今からこの2人と一緒に戦うけど、大丈夫?と聞いてみると

 

「芽衣がそうしたいのなら芽衣のやりたいようにやれば良い」

 

「芽衣の助けたいと思う行動に無意味な事などない!私がそうであったように・・思うようにやれば良い」

 

と芽衣を激励すると

 

「うん!よ〜し‼︎錆兎君!真菰ちゃん!デブに突貫でドッカンするよ」

 

「ああ!」

 

「うん!」

 

芽衣の号令に錆兎と真菰は頷くと芽衣は手鬼に向かって走りだし

 

「炭治郎君!炭治郎も一緒にあのデブを倒して!」

 

「炭治郎やるぞ!男ならやると決めたらやり抜け!」

 

「一緒に行こ?炭治郎」

 

芽衣の口から次々と発する言葉に炭治郎は

 

「錆兎⁈真菰⁈芽衣!今のは⁈」

 

「話は後!デブを倒してから!」

 

炭治郎の疑問に芽衣は話は後からと言うと

 

「芽衣!私を忘れちゃ駄目だよ〜!」

 

と玉藻もやる気を見せると

 

「玉藻も行くよ!」

 

と玉藻に言うと

 

「錆兎君と真菰ちゃんの為に‼︎私の温泉の為に‼︎ゆっくりと過ごす為に‼︎」

 

とほぼ自分の願望を曝け出しながら手鬼に突っ込む芽衣、そんな芽衣に手鬼は

 

「来た来た!稀血が喰われに自ら突っ込んで来た!」

 

ニヤリと笑いながら手鬼は芽衣を捕まえようと無数の腕を伸ばすと

 

「芽衣を触っていいのは私だけ‼︎汚い手で芽衣に触らないで‼︎」

 

そう言いながら玉藻は白面金毛九尾の狐の尾を伸ばし手鬼の腕を弾き飛ばすと

 

「いや玉藻にも触って欲しくないんだけど⁈」

 

「煩悩まみれだな」

 

「玉藻ちゃん気持ち悪いよ」

 

駆け抜けながら3人は辛辣な反応を玉藻に見せると

 

「芽衣ちゃん!錆兎!私から行くね」

 

真菰は2人に声をかけて芽衣の肉体の主導権を切り替えると

 

水の呼吸 参の型 流流舞い

 

素早いステップを刻みながら手鬼を斬り刻んでいく真菰

 

「ちょこまかと!あの時のガキみたいに鬱陶しい奴だ」

 

まさか真菰本人が戦っているとは思わない手鬼はかつての真菰を思い出すが

 

「真菰交代だ!」

 

そう錆兎が言うと今度は錆兎が主導権を握り

 

水の呼吸 捌の型 滝壺

 

宙高く飛び上がった錆兎の渾身の一撃が手鬼の腕を纏めて斬り落とすと

 

「炭治郎‼︎行け‼︎」

 

錆兎は炭治郎にそう叫び炭治郎は

 

「うぉぉおぉぉ‼︎」

 

声を張り上げながら手鬼に突っ込む炭治郎

 

「どのみちアイツに俺の首は斬れない、斬り損ねた所を叩き潰してやるあの時のアイツのように」

 

手鬼はそう言いながらかつての錆兎を思い浮かべほくそ笑むと

 

「芽衣!最後はお前が決めろ!炭治郎と共に!」

 

「芽衣ちゃん頑張って!」

 

と2人に任された芽衣は

 

「嘘でしょ⁈」

 

まさかの出来事!そんな連携プレーいらないと内心思いつつもこの状況で無理ですとは言えず芽衣は

 

「この豚ヤロー‼︎」

 

手鬼に逆ギレしていた

 

「芽衣大丈夫だよ、俺がついてる」

 

そう言いながら芽衣をフォローする炭治郎、あらやだカッコいいとか内心思った芽衣は

 

「よーし‼︎我流麻倉式 何かの呼吸 とりあえず何かしらの型 振り下ろし!」

 

とりあえず見様見真似で呼吸を使った芽衣、しかしただの深呼吸、型でも何でもない素人丸出しのただの素振りを手鬼に当てると

 

「痛い〜〜‼︎」

 

当然手鬼の体など斬れる筈もなく岩にぶつけたような衝撃が芽衣を襲い痛みにのたまう芽衣、そんな芽衣に炭治郎・錆兎・真菰は

 

「「「ええぇぇぇぇぇ⁈」」」

 

その日一番の驚きを見せる3人、しかし炭治郎はそんなポンコツなどほったらかし手鬼に突っ込んで

 

水の呼吸 壱の型 水面斬り

 

芽衣の奇妙な行動に呆然としていた手鬼は炭治郎の振るう刃にあっさりと首を斬り落とされるのだった

 

今まで戦って来た最終選別者の中で歴代最弱、首を断ち斬る事はおろか切り傷すらつけれないポンコツ、刀を叩きつけただけのど素人、自滅の刃で歴代最高の反応をする珍妙な芽衣に呆気にとられた手鬼、もし芽衣がもう少し強ければ、もし芽衣が腕を斬り落とす程度の実力があれば

手鬼はここまで呆然としなかっただろう

 

だが芽衣は弱かった!圧倒的に弱かった!そもそも芽衣と遭遇しなければ手鬼はこんな恥ずかしい死に方をしなかっただろう!だが手鬼は芽衣と遭遇した!玉藻に巻き込まれた芽衣と遭遇した!芽衣の不運は手鬼の不運、手鬼はそんな情けない死に方に悔し涙を流し消えていくのだった

 

 

「・・・・わ、私が隙を作って炭治郎君が斬る!・・・作戦通りだね」

 

そう強がる芽衣、結果的にはそうなのだがただの偶然!寧ろ自滅した芽衣にとって不幸中の幸い!だが芽衣は認めない!あくまでも作戦!醜態を誤魔化す芽衣にその場にいた一同は

 

「絶対嘘だーー‼︎」

 

声を揃えてそう叫ぶのだった

 

 

「芽衣ありがとう!かなり微妙な結末だがアイツを討つ事が出来た」

 

「うん、芽衣ちゃんありがとう!多分炭治郎だけで良かった気がするけどありがとう」

 

そう芽衣に礼を告げた錆兎と真菰、芽衣の醜態に炭治郎だけで良かったんじゃないかと思う2人だが芽衣が2人に戦うチャンスをくれた、それだけは感謝していると

 

「稀血〜‼︎稀血だーー‼︎」

 

「黙れ!稀血は俺のモンだ‼︎」

 

「あ?俺が喰うんだよ!」

 

「稀血は拙者が頂くでござるよ!デュフ」

 

「稀血は儂がペロペロするんじゃ!誰にもやらんぞい!」

 

「芽衣は私がペロペロするの!誰にも渡さないよ」

 

「稀血は私が貰っていくわ、貴方達にはよこさないわ」

 

芽衣の稀血に惹かれた鬼達がぞろぞろと集まり芽衣達の周りにはもう沢山の鬼達が並んでいた

 

皆大好き稀血少女芽衣、この鬼達は芽衣のファンなんだろう芽衣を血走った目で見て涎を垂れ流し熱烈なラブコールを芽衣に投げかけていた

 

一匹何かが混じってはいるが

 

「こんなに鬼が⁈芽衣!玉藻!」

 

「これ全部芽衣の集い?モテモテだね芽衣」

 

「いや・・不思議生物にモテても嬉しくないというか」

 

尋常じゃない鬼の数に炭治郎は怯みつつも立ち向かう決意する中玉藻と芽衣はあまり意に関していなかった

 

「芽衣!この数を切り抜けるのは骨が折れるぞ!俺と真菰をもう一度合体させてくれ」

 

「せっかくアイツに勝ったのに生き残れなかったら同じだよ!芽衣ちゃんも炭治郎も死なせたくない」

 

「真菰ちゃん、私は?」

 

「玉藻ちゃんは狐さんいるし、まだアレ使ってないでしょ?」

 

錆兎と真菰は芽衣を死なせたくないので芽衣ともう一度憑依合体をするよう提案し玉藻がまだ力を隠している事を指摘すると

 

「この場は私達が引き受けよう」

 

「このような雑魚幾ら群れようがとるに足らん」

 

そう言いながら芽衣達の前に出てくる縁壱と巌勝、暇を持て余した2人はストレス発散のチャンスはここしかないと即座に行動、この場は譲らないと強い眼差しで一同を見ると

 

「芽衣の持ち霊の実力見たいし任せるよ」

 

「錆兎!あの2人強いよ!私達なんかよりずっと」

 

「ああ!俺達と天と地程の差がある!」

 

玉藻・真菰・錆兎の3人はそう言うと2人にこの場を任せると

 

「「芽衣!」」

 

「うん!縁壱さん、巌勝さん2人同時憑依合体するよ」

 

芽衣はそう言うと魂魄形態になった縁壱と巌勝を同時に憑依、主導権が縁壱に移ると

 

「赫灼の少年!お前に見せたいものがある」

 

と縁壱は炭治郎に告げ鬼達に向かい歩き出す

 

「芽衣の匂いが変わった・・より暖かくまるで日の光のような」

 

炭治郎は縁壱が憑依した芽衣の匂いが変わった事を言いながら縁壱を見ていると

 

一閃!縁壱の振るう刀、縁壱の流れるような動作、一切の隙のない構え

全てが噛み合い美しい神楽を舞っているかのような錯覚を覚える炭治郎

 

日の呼吸を使い型を次々に繋げていく縁壱、芽衣を襲いに迫りくる鬼達を屠る姿に炭治郎は戦う事を忘れ縁壱に魅入っていた

 

縁壱には生前炭吉という知り合いがいた、その住吉との別れ際に縁壱は自分の耳に付けた耳飾りを託し日の呼吸を見せていた

 

その耳飾りと同じ柄の耳飾りを付けた少年“竈門炭治郎“住吉と同じ竈門性、縁壱は炭治郎が炭吉の子孫ではないのかと判断し炭治郎に日の呼吸と型を披露していた

 

見た目は芽衣だが戦っているのは縁壱、炭治郎はそんな芽衣を見ながら

 

「ヒノカミ神楽・・父さんが舞っていたあの神楽と同じ・・」

 

炭治郎は自分の父が生前、舞っていた竈門家に伝わる神楽と芽衣の舞うような戦い方が同じだと気付きそう呟くと

 

「芽衣!芽衣はヒノカミ神楽を知っているのか⁈」

 

そう言いながら炭治郎も戦いに参加し芽衣と共に鬼を斬っていく

 

「ヒノカミ神楽?何それ?」

 

「あ、いや、芽衣が舞っているようなその動きがヒノカミ神楽と同じで」

 

「そのヒノカミ神楽がなんなのか知らないんだけど」

 

「ヒノカミ神楽は俺の家、竈門家に伝わる神楽で毎年年初めに無病息災を祈りヒノカミ様に捧げる神楽なんだ」

 

炭治郎と芽衣はそう話ながら鬼を斬り結んでいると

 

(芽衣、この少年の言うヒノカミ神楽は私が生前少年の先祖に伝えた日の呼吸とその型だと思う、名は変わっているが代々受け継がれていたのだな、ありがとう炭吉)

 

(そうなんだ、なら後で炭治郎君と話したら?お互い話したい事、聞きたい事あるでしょ?)

 

(そうだな、芽衣済まないが頼めるか?」

 

(縁壱さん!堅い事は言わない!もっと気楽に!私達相棒でしょ?)

 

(ありがとう芽衣)

 

芽衣と縁壱は心の中でそう話すと

 

「炭治郎君、詳しい事は後で!今はこの場を何とかするよ」

 

「ああ!今は生き残る事に集中しよう」

 

そう言うと2人は迫りくる鬼達を次々に斬っていくのだった

 

 

(芽衣!縁壱!私もそろそろ)

 

巌勝がウズウズしながら2人に話しかけると

 

「あっ!次は巌勝さん!」

 

芽衣はそう言って主導権を巌勝に移し

 

「血鬼術は使えぬが問題ない!芽衣を狙う不届き者には死あるのみ」

 

そう言いながら巌勝は次々に型を繰り出し豪快に鬼を蹴散らしていくのだった

 

「芽衣の匂いと動きが変わった⁈」

 

先程の匂いとヒノカミ神楽のような美しい動作から全てを薙ぎ払うような力強い動きに炭治郎は驚くがあまりよそ見は出来ないので目の前の鬼を斬る事に集中し水の呼吸と型を繰り出していくのだった

 

 

そうしてるうちに集まっていた鬼が全滅すると

 

「稀血ーー」

 

芽衣のファン達がまた押し寄せ、芽衣の集い第二回公演が始まるのだった

 

「芽衣の持ち霊の2人やるね!よし、私も見せちゃおう修験の成果!修験の極み!」

 

縁壱と巌勝の実力に感嘆した玉藻はテンションが上がり自分もやるぞと張り切ると

 

「オーバーソウル!大天狗‼︎」

 

そう言いながら玉藻最強の持ち霊大天狗をオーバーソウル、その圧巻の巨体から豪華なパンチを鬼達に振り下ろし

 

「修験の極みを!修験の極みを!修験の極みを!」

 

そう言いながら大天狗の怒涛のラッシュが鬼達を次々と殴り飛ばしていく

 

「大天狗⁈玉藻大天狗まで使役したの⁈いや、それは凄いよ尊敬する」

 

そう芽衣に褒められた玉藻は

 

「よっしゃぁぁ‼︎芽衣に褒められたぁ‼︎」

 

玉藻、芽衣に褒められテンションMAXからの

 

「大天狗!“鎌飯縄“ ‼︎天狐!“狐火”‼︎」

 

玉藻はそう叫ぶと大天狗は無数の鎌鼬を飛ばし鬼達を斬り裂き、天狐は口から凝縮した火球を飛ばして鬼達を焼き尽くす

 

そんな玉藻無双を見た芽衣と炭治郎は

 

「芽衣・・玉藻って前から強かったけどあんなに凄かったんだな」

 

「私だってやれば出来るもん!」

 

と玉藻の無双っぷりに驚く炭治郎とちょっと悔しい芽衣、そんな芽衣は

縁壱と巌勝の憑依状態を解除すると

 

「憑依合体!縁壱in叉宗inフツノミタマの剣!オーバーソウル、スピリット・オブ・ソード‼︎」

 

そう言って芽衣は縁壱をオーバーソウルして巨大な叉宗を具現化する

媒介となった叉宗の漆黒の刀身は赫く染まっておりオーバーソウルにもそれが反映されるとスピリット・オブ・ソードの刀身も赫く染まり芽衣はファン達に渾身のパフォーマンスを披露する

 

「我流麻倉式巫術 日の呼吸 輝輝恩光」

 

そう言いながら芽衣は縁壱の型を再現、というよりオーバーソウル状態の縁壱が再現!その巨大な刀から繰り出される縁壱の型は芽衣のファン達を一気に斬り飛ばすと芽衣は

 

「はい次!巌勝さん!」

 

そう言って芽衣は縁壱から巌勝へとオーバーソウルを切り替えその禍々しいスピリット・オブ・ソードで

 

「我流麻倉式巫術 月の呼吸 陸の型 常世孤月・無間」

 

またもや巌勝に再現してもらった型でファン達にサービスする芽衣、オーバーソウル状態の巌勝から繰り出される型は芽衣の巫術により黒死牟の血鬼術も再現されておりそのサービスはより多くのファンに行き届いていた

 

「玉藻!もう一気に決めるよ!温泉に浸かってゆっくりしたい‼︎」

 

芽衣はそう言うとスピリット・オブ・ファイアまでもオーバーソウルすると

 

「芽衣ーー‼︎何で⁈何で五大精霊がいるの⁈」

 

まさか芽衣の持ち霊に五大精霊がいるとは思わなかった玉藻は滅茶苦茶驚くと芽衣は

 

「葉王から借りた」

 

そうあっけらかんと言う芽衣に

 

「・・・芽衣ってそうゆうとこ無茶苦茶だよね」

 

シャーマンとしてのスペックが無茶苦茶な芽衣にそう言うと玉藻は

 

「とりあえず・・・私も芽衣と温泉‼︎あ、ヤバい鼻血出そう!」

 

と芽衣と一緒に入る温泉に興奮、もとい温泉に入る芽衣に興奮し鼻血を噴き出しそうになる玉藻、そんな玉藻に芽衣は

 

「いや・・玉藻とは一緒に入りたくない・・一人でどうぞ」

 

と辛辣な芽衣、玉藻に身の危険を感じた芽衣は玉藻にそう言うと

 

「芽衣!何も!ナニもしないから!」

 

と必死に懇願する玉藻に芽衣は

 

「なんか言葉が怪しかったんですけど⁈」

 

玉藻の発言に妙な含みを感じた芽衣、思わずそう突っ込むと

 

「温泉が大好きな芽衣の安らぎを邪魔なんてしないよ‼︎芽衣が嫌がる事なんて私したくないよ」

 

と悲しげに呟く玉藻、そんな玉藻に芽衣は

 

「玉藻、とりあえずこの場をなんとかしよ?温泉も一緒に入ってあげるから」

 

と玉藻を慰める芽衣、なんだかんだ昔からの親友を蔑ろに出来ない芽衣はそう言ってスピリット・オブ・ファイアでファン達に熱いサービスを開始する

 

その熱いサービスにファン達は熱狂‼︎スピリット・オブ・ファイアの発した炎により一瞬で骨の髄まで残さず焼き尽くされると芽衣はスピリット・オブ・ファイアと共にスピリット・オブ・ソードでその場を殲滅

玉藻もオーバーソウルを駆使して芽衣と共闘して暴れ回る

 

芽衣と一緒に温泉に入る、嬉しさで発狂気味な玉藻はその場だけじゃなく山全体に蔓延る鬼達を蹂躙、スピリット・オブ・ファイアも大天狗達に負けじと鬼達を焼き尽くしながらその魂を捕食する

 

最終選別初日の夜、この日規格外なポンコツとレズの2人によって藤襲山の鬼達が全滅!最終日までの間参加者達は特にやる事もなく暇な時間を過ごしていた

 

芽衣達は最終選別に参加しているつもりはないので帰るつもりだったが炭治郎と共闘、仲良くなった為最後まで炭治郎に付き合ってあげると友達想いの芽衣は決め結局最終日まで藤襲山に残っていた

 

そんな芽衣達の過ごし方は〜

 

「ふぅ〜藤の花に囲まれての温泉は極楽極楽〜♪」

 

「はぁはぁ!芽衣の御神体を眺めての温泉は眼福眼福〜♪」

 

「俺も温泉に入りたい!でも我慢だ!我慢我慢我慢我慢‼︎」

 

オーバーソウル達を駆使して簡易式の露天風呂を作った芽衣達はこうしてのんびりとした時間を過ごしていた

 

 

そして迎えた最終日の朝、芽衣達は最初の広間に戻ると参加者全員が既に集まっており芽衣達を最後に最終選別は幕を閉じる

 

その年の最終選別は奇跡的に全員生存、参加者曰く赤い巨人が鬼を焼き尽くしたとか巨大な天狗が鬼を消し飛ばしたとか九尾の狐が鬼を焼き払ったとか噂され後にこの最終選別は鬼殺隊の中で伝説となるのだがそれは別の話

 

そんな伝説を生み出した張本人、芽衣と玉藻は

 

「あれ?もしかして私達も鬼殺隊に入る感じ?」

 

「え?そうなの?気にしてなかったよ」

 

この2人何も考えていなかった

 

 

 




最終選別を突破した芽衣達、グーたら生活はどうなる?
次回「仮面の集い!変態仮面と天狗のジジイ』

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