鬼滅の刃〜縁壱さんは持ち霊です〜   作:ちゃんエビ

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芽衣の持ち霊 

継国縁壱 原作最強の剣士 濃いキャラ達に呑まれ存在感が希薄

継国巌勝 縁壱の兄 元十二鬼月最強の上弦の壱 月の呼吸の継承者がいない事が最近の悩み

スピリット・オブ・ファイア 葉王が芽衣に貸し付けた五大精霊の一体
内心葉王より芽衣の方が良いと思っている





麻倉芽衣 一言で表すならポンコツ でもシャーマン能力だけは規格外

玉村玉藻 一言で表すなら変態 コイツも結構な規格外

竈門炭治郎 原作主人公 一言で表すなら石頭 石頭だけは規格外

竈門禰豆子 炭治郎の妹 一言で表すなら鬼 自力で無惨の呪いを外した精神力は規格外




第8話 汚い泥水!絶対行きたいふんばり温泉

天狗小屋に全員が集合し一同は囲炉裏を囲みながら暖をとる中、芽衣は涅槃像のような格好で鱗滝が淹れたお茶を呑みつつ煎餅をバリバリと貪って1人のんびり寛いでいた

 

その配置は鱗滝とミッキーが隣同士、その対面に炭治郎と玉藻、炭治郎達から見て左側に芽衣、その芽衣と向かい合う形で禰豆子という配置だが何故家主である鱗滝を差し置いて禰豆子が1人でいるのかというと

 

それは芽衣のせいである!涅槃像のように寝転ぶ芽衣、座布団を3枚も敷き詰め寝転ぶ芽衣、その芽衣を見て同じ真似をした禰豆子、座布団を3枚敷き詰め涅槃像のように寛ぐ禰豆子、竹筒を咥えてる為お茶や煎餅は食べられないが終始ご機嫌だった

 

(あの娘は鬼の筈・・稀血である芽衣を前に興奮しないとは・・ふむ)

 

そんな異様な光景を見ていた巌勝は鬼である禰豆子が稀血である芽衣に反応しない事を不思議に思い首を傾げ

 

「縁壱、鬼は例外なく人間を襲う筈だ!あの娘は何故芽衣を前にして何も反応しないのだ?」

 

そんな疑問を隣にいる縁壱に聞く巌勝、縁壱は巌勝の質問に対し

え?そんな事知るわけないじゃん?むしろ兄上の方が詳しい!何でも私に聞くのはどうかと思う!と内心思いつつも口には出さない縁壱は

 

「芽衣だからな」

 

そう一言だけ巌勝に返す縁壱、もう自分達の知識や常識とは違う出来事は芽衣だからという謎理論で片付ける事にした縁壱、実際には禰豆子自身に理由があるのだろうが芽衣だからと結論すれば全ての疑問が解決する、その方が楽だと考えた縁壱に巌勝もまた

 

「なるほど」

 

その思考停止とも言える発言に巌勝も納得し、禰豆子が芽衣に反応しない疑問は解決?する

 

禰豆子は自身の自我により鬼としての本能を抑え人間を家族、鬼を敵だと思う暗示で人間に害さない存在なのだがそれとは別に本来人間を喰う事で成長する鬼の特性を眠る事で代用している禰豆子、無論鬼としての本能で芽衣が極上の餌だという認識はあるが、禰豆子の自我と無意識ではあるが鬼としての本能を上回る、この世に生きる生物としての生存本能が芽衣に手を出すと危険と訴えており禰豆子は芽衣に反応しないのだが他の鬼は芽衣の稀血に反応する!

 

芽衣の稀血に反応する鬼、十二鬼月を始めとする強者の鬼達を除き大半の鬼は過酷なサバイバル生活を送るサバイバーである

 

鬼殺隊という敵に遭遇しないように立ち回り獲物を狩る彼等も必死なのだ!基本群れる事なく一人で活動する彼等、同族は獲物を横取ろうと仲間意識はなく、獲物を狩れなければ上司からパワハラを受け、獲物を狩れば敵が襲いに来る!彼等の日常は常に生存本能が危険を訴えており

芽衣に手を出すと危険とか追加されても今更でもあり寧ろ稀血を喰えば

敵に命を脅かされる心配もなく上司のパワハラも回避出来る!ならば喰うしかない‼︎

 

そんな理由があるのだが、彼等の上司は芽衣に手を出さない!獲物を狩れなくてもパワハラを受けない上司、そのパワハラを執行する上司の生存本能は芽衣に手を出すと危険!と訴えているが部下はパワハラも受けるので互いに生存本能が食い違っていたりする

 

もし上司がブラックではなくホワイトならば、パワハラをしない優しい上司なら部下は芽衣には手を出さなかっただろう、だが上司はパワハラをする!部下の不運は上司の不運!一蓮托生連帯責任!上司は自らの行いで図らずも芽衣に手を出しているのだがそれを知る事はなかった

 

 

 

 

それはさておき鬼にとっての危険人物、麻倉芽衣の現在はーー

 

「ご飯が出来るまで寝ます!」

 

初対面の鱗滝、その住処である天狗小屋に初めて上がったにもかかわらずまるで家主のような行動をとる芽衣、ゆっくりするなら寝るしかないよね?と自論を振りかざし微妙な空気の中、お構いなく眠るのだった

 

 

「・・・いや〜娘がすみません鱗滝さん」

 

そう鱗滝に謝るミッキー、謝るのは当然だが娘である芽衣に注意しないミッキー、修験の旅に出てるとはいえ娘を放任していたミッキーは親らしく芽衣に注意しようものなら芽衣から非難されるだろう、何より娘に嫌われるのが恐ろしい!それ故に芽衣を注意出来ない!ミッキーはこのまま芽衣を寝かせてあげようと見守ることしか出来なかったのだ

 

「いや・・疲れてるんだろうゆっくり寝るといい」

 

そう言って芽衣を労る鱗滝、芽衣が所持していた日輪刀や支給された隊服が詰まった鞄から芽衣も最終選別に参加し生き残った参加者だと理解を示し気遣っていた

 

とはいえ芽衣が上がり込むやいきなり寛ぎ出したのは鱗滝も面を食らっていたが、ある意味大物!麻倉葉王の再来と言われたのも頷けると解釈し容認していたが飯が出来るまで寝ると言われたのは予想外だった

 

そんな芽衣を放置して鱗滝は炭治郎に最終選別の話を振るのだが炭治郎は苦笑いをしながら芽衣をチラチラと見て最終選別の出来事を話していく、鱗滝一門に執着した手鬼や兄弟子である錆兎と真菰との共闘、芽衣の無様な醜態、玉藻や芽衣が暴れ回り初日で鬼が全滅し残りの日程をのんびり過ごしていた事等を伝えると鱗滝は

 

「話の内容が儂の常識の範疇を超えておる、何と言えば良いか・・・して気になるのだが錆兎や真菰は今も一緒にいるのだろうか?」

 

鱗滝とてシャーマンの存在は知っている、イタコや霊媒師は世間に古くから知れ渡る存在でもあるが鱗滝が知っているのはミッキーを筆頭にその弟子であり自らも手解きをした玉藻であり、ある程度の能力は把握していたがよもや鬼を初日で全滅するとは露にも思わない鱗滝、本来最終選別は七日間生き延びる事が条件であり鬼を全て倒す事など必要ないのだが最も簡単にそれをやってのけた芽衣と玉藻に最早言葉などかけようもなかった鱗滝は、話に出てきたかつての教え子錆兎と真菰が芽衣と共に戦ったという話が気になりつい口にするのだが

 

「鱗滝さーん‼︎今芽衣ちゃんと合体してるよー」

 

「真菰、俺達の声は鱗滝さんに聞こえないはずだぞ」

 

未だ芽衣と憑依合体してる真菰が元気よく叫ぶもその声は鱗滝に届かず錆兎がそれを真菰に教えると

 

「鱗滝さん、真菰ちゃんは芽衣の中に、錆兎君は芽衣の後ろに座ってるよ」

 

そう鱗滝に教える玉藻、それを聞いた鱗滝は芽衣に振り向くと

 

「錆兎!真菰!済まなかった!儂のせいでお前達は」

 

鱗滝が現役時代藤襲山に閉じ込めた手鬼、鱗滝に恨みを抱く手鬼が鱗滝一門を執拗に狙う事、最終選別に向かう大切な教え子に生きて帰って欲しいと願い渡した厄除の面が逆効果だった事、もし厄除の面を渡さなければ違う結末があったのかもしれない、そう思うと悔やんでも悔みきれない鱗滝は涙を流し錆兎、真菰に謝り出すと

 

「鱗滝さんは悪くないよ‼︎泣かないで!鱗滝さん泣かないで」

 

「俺達は鱗滝さんを誇りに思っている」

 

そんな鱗滝に必死に呼びかける真菰と錆兎、二人の姿が見えない鱗滝にその声は届かず見かねた玉藻は何とかしようとすると

 

「ゆっくり眠れないよ!真菰ちゃん!錆兎君!鱗滝さん!この際だからちゃんと話そう!言いたい事全部話してスッキリしよう!そして私もスッキリ寝たい!」

 

憑依合体していた為真菰の声がガンガン響いていた芽衣、ゆっくり寝るつもりだった芽衣は3人の状況を放置して寝ても落ち着かないのでまずは3人がスッキリして芽衣も自己満足しながらゆっくり寝たいと思いそう提案し錆兎も自身に憑依させると芽衣は鱗滝と話す時間を作り出した

 

 

 

「ところで君達、芽衣に憑依した時変な事はしてないだろうね?」

 

芽衣に憑依した錆兎を見てミッキーは縁壱、巌勝にそう尋ねる

シャーマンである以上霊を肉体に憑依させるのは分かるが霊だとしても性別は男性、自分の娘に霊とはいえ男性が憑依するのは父親として複雑な心境のミッキーだが

 

「芽衣の父上、私が憑依するのは鬼が現れた時のみ、案ずる事はない」

 

「芽衣の父上殿、我が子を想うその心に私達は応えてみせよう」

 

そう落ち着いてミッキーに答える縁壱と巌勝、芽衣に下心があって持ち霊となったわけではないので動揺する必要も焦る必要もなく堂々としている2人だが、巌勝は芽衣の持ち霊となる前、縁壱と再会した際に芽衣の尻をガッツリと触っていた!だがそれは生前の黒死牟であり精霊へと昇華した巌勝ではないと開き直っていたのであった

 

そんな2人とは対照的にマズイ!と体を硬直する炭治郎、ミッキーに見られたら何がマズイ言ってみろと言われるのは明白であり、正直に白状すると物凄く怖い事になると本能で理解した炭治郎はこの場を切り抜けようと立ち上がり未だ涅槃像のように寛ぐ禰豆子の姿勢を正そうと動き出す

 

だがその炭治郎の足は産まれたての小鹿のように震えており一歩踏み出した途端力なく倒れ込んでしまい

 

「ぴぃぃぃぃぃぃ⁈」

 

隣に座っていた玉藻へダイブする炭治郎、このパターンなら炭治郎のラッキースケベが発動し玉藻に覆い被さっていただろう、だが今回は違った!倒れ込む炭治郎が振り下ろす凶悪な頭部、鬼さえも怯ませる石頭が見事に玉藻の頭部にクリティカルヒットし玉藻は悲鳴を上げながらその意識を手放すのだった

 

 

 

慌てて玉藻を介抱する炭治郎だったがかなり焦っていてあたふたしているとこの状況に笑いを堪えていたミッキーが玉藻を担ぎ隣の寝室として使っている部屋に連れて行くと炭治郎は手早く布団を敷き詰め玉藻を安置するとミッキーは「弟子の面倒を見るのは師匠の役目」と玉藻と同じ布団に潜り込み添い寝を開始するのであった

 

 

その一方で芽衣を通して鱗滝と会話をする錆兎と真菰、今までの事、最終選別での事、鱗滝と話したい事が尽きず色んな話をし鱗滝も自らの想いを語り2人のマシンガントークを一生懸命にキャッチしていた

 

その鱗滝の表情は天狗の面で隠れていたが、孫の話を嬉しそうに聞くお爺ちゃんのようにホッコリしていたらしい

 

因みに炭治郎達のドタバタ劇には気づいていたがそんな事より話がしたいと玉藻の心配はあまりされていなかった

 

 

 

そんな時間を過ごし芽衣達が到着した夕方から夜になると

 

「飯の時間だが、グッスリと寝ておるな」

 

そう言いながら隣の寝室を覗く鱗滝、気を失い眠る玉藻とその布団に潜り込み添い寝をするミッキーに何も突っ込まないあたり鱗滝もミッキーはまあミッキーだからと触れずにいたが

 

「・・・・これ禁人呪殺案件だよね?」

 

この状況を見た芽衣は体をプルプル震わせながらそう言ってミッキーに近づいていく

 

年頃の女の子の布団に潜り込むとか有り得ない!しかも褌一つのほぼ裸!玉藻は変態だけど煩悩修験者だけどそっち系ではない!いやこの場合のそっち系は本来なら正常なんだろうけど玉藻はそっち系じゃなくあっち系、あ!私の被害考えたらそっち系の方がいいです!うん!ならこの構図も・・・はっ!師匠と弟子の真夜中の淫夢!布団の中の絡み稽古!・・・はうあ⁈何考えてたの私!玉藻は親友でミッキーは父親!複雑!凄く複雑‼︎

 

そんな事を頭の中で思考していた芽衣、この状況を打破しようとした芽衣は

 

「寝ます!」

 

鱗滝一門のファミリートークで結局寝れなかった芽衣、この状況を打破しようと考えたが何も思い付かなかった芽衣、そんな芽衣のとった行動は寝る、芽衣曰く寝れば大抵の事は何とかなる!らしく芽衣は玉藻の隣に・・・身の危険を感じた芽衣は玉藻の隣ではなくミッキーの隣、ミッキーを玉藻と芽衣で挟み込む形だが玉藻の隣よりマシだと思って寝る事にした

 

因みに芽衣は玉藻ミッキーペアと同じ布団ではなく隣に布団を敷いて1人で寝ている、芽衣曰く寛ぎの温泉と安らぎの睡眠は誰にも邪魔されたくない‼︎らしい

 

 

そんなこんなでその日の夕餉は鱗滝と炭治郎の2人だけで食べる事になり色んな話をした後、2人もまた就寝するのだった

 

 

 

 

二週間後〜

 

芽衣は未だ産屋敷邸には帰らず天狗小屋に寄生していた

 

理由は2つ、普段放浪して会えないミッキーと一緒に過ごせる事、炭治郎に届けられる日輪刀の色が変わる所が見たい事、その理由で天狗小屋に寄生していたのだが鱗滝は一度家に帰る事を芽衣に薦めていた

 

父親が一緒にいるとはいえミッキーは放浪者、芽衣の家の者も芽衣がいつまでも帰らないのは心配だろうとの配慮だったが

 

「実家?爺ちゃんから産屋敷家に居候しろって言われて今は産屋敷家に住んでるよ?皆友達なんだ」

 

そう芽衣に言われた時は鱗滝も目が飛び出る勢いで驚いていたが、産屋敷家に烏を飛ばし輝哉から芽衣をよろしく頼むと返ってくるとそれ以上何も言えなくなりそのまま二週間が経っていた

 

その間、芽衣もこの山の酸素濃度に慣れていき今では真菰の憑依がなくても普通に呼吸が出来るようにはなっていたので多少の成長はしたのだろう

 

 

そして今日は待ちに待った炭治郎の日輪刀が届く日、炭治郎は自分の刀が届くとワクワクしていたがそれ以上に芽衣がワクワクしていた

 

そんな2人が外で待機していると遠くから鈴の鳴る音が聞こえ始めその鈴の音は徐々にこちらに近付いて来るのが分かる、そうしてるうちに編笠を被った1人の男性の姿が見え、鈴の音はその編笠に飾り付けられてる鈴だったと理解するも芽衣は鈴の音に興味はないので

 

「シャリンシャリン煩いなぁ」

 

そう言ってブツブツと文句を言ってると

 

その男性は猛ダッシュ‼︎芽衣に向かって猛ダッシュ‼︎

 

地獄耳なのだろうか、芽衣はあ、ヤバ!聞こえちゃった?と申し訳なさそうにしていると

 

「芽衣‼︎刀は折ってないだろうな!折ってないだろうな‼︎」

 

と叫び出し芽衣は

 

「アレ?鋼鐵塚さん⁈わ〜久しぶりだね〜!もちろん又宗は折ってないよ」

 

そう言って再会を喜ぶ芽衣、そんな芽衣に鋼鐵塚は

 

「あ?又宗?お前に渡した刀は雲黒斎、まさか折ったんじゃないだろうなぁぁぁ‼︎」

 

そう言ってキレそうになる鋼鐵塚、雲黒斎から又宗に改名してる事など知る由もない鋼鐵塚は名が違う事から芽衣が刀を折ったんではないかと思い行動に移すのだが

 

「折ってないよ?縁壱さんと巌勝さんが雲黒斎って名前が嫌だって、だから又宗に改名したの」

 

そう説明する芽衣に鋼鐵塚は

 

「あ〜アレ臭そうな名前だったからな!自分の研いだ刀とはいえ触りたくないと思った刀はアレが初めてだ」

 

鋼鐵塚は刀を大事に扱ってくれれば文句はなく、持ち主が変な名を付けようとそれは持ち主の勝手だと割り切っていたが芽衣の付けた名前からあの刀は触りたくないと酷評を受けていた

 

そんな芽衣と鋼鐵塚の会話を聞いていた炭治郎、2人は何故知り合いなんだ?と思っていたがそれよりも雲黒斎!確かに臭そうな名前ではあるがだからといってそのような臭いはしない、問題は芽衣のネーミングセンスだと思い炭治郎は

 

「芽衣、雲黒斎という名前は良くない!発音を少し変えればその」

 

そう言ってやんわりと指摘する炭治郎、炭治郎も最後まで説明するのは抵抗があり言い淀んでいたが

 

「だから‼︎今は又宗だよ!私の実家にいる猫の名前‼︎」

 

そう言って今は違うと指摘する芽衣、年頃の女の子が復唱するにはあまりにも下品なその名を芽衣が言わなかったのは良いが、この手の話が出た時点で既に手遅れだった

 

何故なら天狗小屋では

 

「お主達、アレが聴こえてまだ食欲はあるか?」

 

「僕は大丈夫だよ」

 

「流石お師匠!全く羨ましくないけど!私は無理」

 

鱗滝、ミッキー、玉藻の3人はお昼ご飯の最中であった

 

 

そんなやり取りがありつつもなんだかんだで時は流れ、いよいよ炭治郎の日輪刀がお披露目される事になり

 

「私の予想が正しければあの刀は黒く変色するだろう」

 

「ふむ、私は私のような刀に変色してほしいものだが」

 

そう話し合う縁壱と巌勝、縁壱は炭治郎がヒノカミ神楽と名は変わってはいるが日の呼吸を継承している事から彼の適正呼吸は日の呼吸だろうと予想し巌勝は自身の使う呼吸の継承者がいない為、炭治郎に月の呼吸の適正があればと願っていたのだが

 

あれ?もしかして兄上はあの目がギョロギョロとした気持ち悪い刀が色変りでどうにかなるとか思ってない?無理だよ?アレ、日輪刀じゃなく兄上の肉体から出来た刀でしょ?無理だよ?絶対無理だからね!

 

縁壱は正論ではあるが割と失礼な考えをしながら巌勝に暖かい眼差しを向け

 

「兄上・・芽衣に何とかしてもらおう」

 

縁壱は敬愛する巌勝にあの気持ち悪い刀は無理だと言う事が出来ず、無理っぽい事は芽衣に押し付け、もとい任せれば何とかなると腹黒い一面を見せていた

 

そんな思惑をよそに鋼鐵塚から日輪刀を受け取った炭治郎は鞘から刀を引き抜き刀身を見つめていると

 

「おぉぉぉぉぉ‼︎刀が黒く、黒く染まっていくよ‼︎」

 

炭治郎の日輪刀が徐々に黒く染まり出し芽衣は興奮気味に解説すると

 

「むきぃぃぃぃぃぃ!俺は鮮やかな紅い刀身が見れると思ったのにぃぃぃぃぃ‼︎」

 

そう言って発狂する鋼鐵塚、炭治郎が赫灼の子である事から炎の呼吸、すなわち紅い刀身が見れると期待していた鋼鐵塚は刀が黒く染まった事で期待を裏切られ腹いせに炭治郎に関節技を決め出すと

 

「やはりあの少年は日の呼吸の適正があるようだ」

 

「どうやらそうみたいだな」

 

炭治郎が鋼鐵塚に関節技を決められてる事を完全にスルーしながらそう話し合う縁壱と巌勝、嗜める炭治郎が年齢を聞き37歳という鋼鐵塚の年が公開されるも割と重要な事でもないので誰もが触れずにいた

 

そうしてるうちに天狗小屋に3匹の烏がやって来て

 

「カァーー!竈門炭治郎ォ!北西ノ街ヘ向カエェ!鬼狩リトシテノ最初ノ仕事でアルゥゥゥ!心シテカカレェェ!」

 

「カァ!玉村玉藻!俺ハ若村幸之助ェェ!ジャクソント呼べェェェ!」

 

「カァー!ジャクソンダナンテ!異国被レノ恥ズカシイ烏デスワ!麻倉芽衣サン、私ハ小山田まんの子ト申シマスワ」

 

炭治郎、玉藻、芽衣の担当になった3匹の鎹鴉、炭治郎に初の指令を告げた烏の名は天王寺松衛門、玉藻に自己紹介をした異国被れの烏は若村幸之助、お嬢様口調で喋るが名前がセンシティブな烏は小山田まんの子

 

炭治郎は初の指令という事でグッと気合いを入れ任務に意気込もうとするがジャクソンだのまんの子だのふざけてるとしか思えない名前にその気合いを抜かれ

 

「なんて癖の強い烏達なんだ」

 

と苦言を漏らしていた

 

そんな癖の強い烏達が担当になった玉藻と芽衣、玉藻は自分の担当の烏

ジャクソンに

 

「宜しくねジャクソン」

 

そう挨拶しながら頭を撫で始め、芽衣はまんの子を見つめながら

 

「うわー!壊滅的な名前だね誰が名付けたんだろ?顔が見てみたいよ」

 

まんの子というセンシティブな名前に芽衣は可哀想な名前だなと言うような表情をしていたが

 

え?嘘だよね?それお前が言うの?お前のネーミングセンスも壊滅的だぞ?自覚ない?うん!絶対ないよね?その烏の名付け親とお前のネーミングセンス同レベルだからな!類は類を呼ぶって言うけどまさにこれだな!と言うような表情を浮かべ芽衣を白い目で見つめる炭治郎、縁壱、巌勝、鋼鐵塚の4人だったが

 

「ん〜炭治郎君の烏は指令を伝えたけど私達の烏は自己紹介だけだったね」

 

そう言ってキョトンと首を傾げる玉藻、そんな玉藻にジャクソンは

 

「玉藻ト芽衣ハ鬼狩リデハナイ!指令ハ出ナイ」

 

そう玉藻に説明するジャクソンに芽衣は

 

「じゃあゆっくり出来るね、温泉入りたい」

 

最早鬼殺隊など他人事、そんな事より温泉に入りたい芽衣はそう言って

温泉モードに切り替わると

 

「芽衣サン、ココカラ一番近イ温泉ハフンバリ温泉デスワ!私もフンバリ温泉デ羽ヲ伸バシタイデスワ」

 

と言い出したまんの子、現在地から最も近い温泉の案内はもちろんあまり知られていない秘湯までも網羅している温泉大好きなこの温泉烏に芽衣は

 

「ふんばり温泉‼︎私の行きつけ憩いの温泉‼︎」

 

そう言ってワクワクドキドキが止まらない芽衣と

 

「美肌効果!艶ヤカナ毛色!乙女ノ味方!」

 

烏に美肌など意味があるのか分からないがとにかくテンションが上がるまんの子、温泉大好きな芽衣とまんの子は互いに見つめ合うと

 

「「ふんばれ(フンバレ)ふんばり(フンバリ)温泉チーム」」

 

意気投合し温泉同盟を結ぶのであった

 

そんな光景を見せつけられていた残りの面々は

 

(なんだ?コイツら)

 

もう意味が分からんと呆然としていた(玉藻を除く)

 

 

その後、天狗小屋からふんばり温泉の方角は北西だという事で芽衣と芽衣に寄生する玉藻は炭治郎と共に向かう事になり炭治郎は支給された隊服に着替えると日輪刀を腰に差して準備を終わらせると

 

「着替えたよ!私の新たなふんばり衣装」

 

そう言って支給された隊服を披露した芽衣、芽衣曰く私は鬼殺隊ではないので新しい温泉衣装すなわちふんばりスタイルだとドヤ顔をしていると

 

「おほー(о´∀`о)」

 

それはもうホッコリとした顔で芽衣をガン見する玉藻、そんな玉藻を他所に目のやり場に困るミッキー、炭治郎、鱗滝、鋼鐵塚の4人は

 

「色々と露出が多い格好で父さんとしては複雑だよ」

 

「そ、そうですね」

 

「儂のような歳には刺激が強すぎるのう」

 

「あんな格好でまともに戦えるのか?俺の刀折ったりしないだろうな」

 

と言いながら芽衣をチラチラ見たり見なかったりしていた

 

 

そんな出発劇がありつつ芽衣達はふんばり温泉に炭治郎は初指令の為に北西の町へと歩き出すのだった

 

因みに玉藻も芽衣と同じ隊服だったのだが小さな子供を見守る微笑ましい反応に玉藻はドアパンして八つ当たりしていた

 

 

 

「じゃあ私達は早速ふんばり温泉に行くね!炭治郎君頑張って」

 

北西の町に着くや芽衣はそう言って炭治郎と別行動をとる、目的地は同じだが目的は互いに違うので別行動は頷けるが別れを惜しむ事なくそそくさと離れる芽衣、芽衣としては今生の別れでもないし目的地であるふんばり温泉にいるという情報を炭治郎に言ってるわけで用があるなら炭治郎がふんばり温泉に来るだろう、そして何より炭治郎は鬼殺隊として来てるわけで巻き込まれたくないと思いさっさと別れたのだった

 

 

 

そんな芽衣達は町の隅、少し小高い丘に構える小さな旅館ふんばり温泉に辿り着くと暖簾を潜り戸を開け元気な声で

 

「おばちゃーん‼︎温泉入りに来たよーー‼︎」

 

そう叫ぶ芽衣、常識で考えれば迷惑極まりないがこれが芽衣のふんばりスタイル、ふんばり温泉でのルーティンだが

 

ーースパーン‼︎ーー

 

旅館の中に乾いた音が響き渡り

 

「相変わらず煩いわね、まぁゆっくりしていきなさい」

 

そう言って現れたのは芽衣達と歳は変わらない少女、手には自作で作った和紙の扇を持っており、パタパタと扇ぎながら芽衣達にそう告げる

 

「杏奈ちゃんも相変わらずだね、その扇前より良い音出るね」

 

そう言ってにこやかになる芽衣、先程響き渡った音の正体は杏奈なる少女が持つ自作の扇、現代でいうハリセンで芽衣の後頭部を叩いた音であり芽衣がふんばり温泉に来る度に扇で叩く、この一連のやり取りがこの温泉での定番となっていた

 

「より大きな音が出るよう改良したもの、自信作よ」

 

そう言ってフフンとイキる杏奈、そんな杏奈に

 

「うぅ〜2年ぶりだね〜杏奈ちゃぁぁぁぁん‼︎」

 

そう言いながら杏奈に抱き着こうとする玉藻に

 

ーーバチーンーー

 

「ぴぃぃぃぃぃ⁈」

 

マキヲさんも脱帽する杏奈の唸るライトハンドが玉藻の左頬にクリティカルヒットして玉藻は悲鳴を上げながらベーゴマのように激しく回転しそのまま昏倒してしまう

 

「うぅ〜杏奈ちゃん酷いよぉ」

 

そう言いつつもどこか嬉しそうな玉藻、修験で2年間会えずにいたが玉藻も芽衣と同じふんばり温泉の常連でありこのふんばり温泉の若女将杏奈とは旧知の仲であった

 

そんな杏奈は玉藻にたいし

 

「何だか身の危険を感じたわ、久しぶりね玉藻」

 

そう言いつつも懐かしい再会に嬉しそうな顔をする杏奈、立ち話をするのも他の客に迷惑になると杏奈は芽衣達をさっさと温泉に促し芽衣達は温泉に浸かりに行くのだった

 

「アンタは駄目よ」

 

「カァ!俺モ風呂ニ、ジャクソン風呂ニ入リタイ」

 

「あら?ならアンタには厨房のお風呂に入れてあげる、熱熱で気持ち良いわよ」

 

「カァカァ!ジャクソン鍋嫌ァァァァァ!」

 

ただしジャクソンは駄目だった

 

 

 

 

芽衣達が温泉を満喫するかも一方で炭治郎は

 

「この町で鬼が出たんだな、早く解決してあげないと」

 

この町では齢16になった少女ばかりが次々に行方不明に、町の住人は自分の娘もそうなるんじゃないかと不安を募らせていた、鬼殺隊としてやって来た炭治郎はその原因が鬼の仕業だと分かっているからこそ、その元凶を取り除き町の人達を安心させてあげたいと意気込み任務にあたるのだった

 

 

そんな炭治郎が町中を歩いていると町の住人の御近所トークが聞こえて町の住人達はここ最近起きた行方不明事件の話をしていたようで何か手掛かりになればと炭治郎は聞き耳を立てていた

 

そんな時炭治郎とすれ違うように歩いてくる青年、目に生気はなく虚な表情をしながらフラフラとした足取りに炭治郎は視線を移していると

御近所トークの話題はその青年へと切り替わる

 

その青年は和巳というらしく、つい先日一緒にいた婚約者である里子という少女が消えたと聞こえ炭治郎は和巳という青年に声をかける

 

炭治郎の呼びかけに立ち止まり振り返る和巳、炭治郎は和巳に先日の出来事を聞きたいと話し和巳は里子が行方不明になった場所へと炭治郎を案内するのだった

 

「ここで里子さんは消えたんだ、信じてもらえないかもしれないが」

 

そう炭治郎に話す和巳、常識で考えれば人が急に消える事はあり得ない

和巳自身も神隠しのような出来事を話してもそれを間に受ける人はいないと理解していた、里子の両親に先日の出来事を説明しても当然信じて貰えず殴られた和巳、和巳も同じ立場なら当然そんな話は与太話だと否定すると思い食い下がらなかったが消えたのは事実、信じて欲しいと思いつつも信じて貰えないと諦め半分の和巳に炭治郎は

 

「信じます!信じますよ!・・・信じる‼︎」

 

そう力強く信じると宣言した炭治郎、鬼の存在を知らない一般の人ならともかく炭治郎は鬼を狩る組織の一員、この一連の事件の真相が鬼だと知る炭治郎は鬼の痕跡を辿る為自慢の鼻で地面を嗅ぎ出す

 

そんな炭治郎を見て困惑する和巳、信じて貰えないような話にも関わらずその話を信じ一生懸命な姿を見せられて平然としてられる程和巳は冷淡な人ではなかった

 

もしこの場に芽衣がいたら芽衣も平然としていなかったであろう

まるで犬の様に這いつくばり匂いを嗅ぐ炭治郎、芽衣の心の声は

 

え?炭治郎君何してるの?犬?犬の真似?・・は!炭治郎君は公衆の前で披露したい性癖、そうか!自ら犬になって公衆の前に・・・アレ?だとしたら私って炭治郎君を飼うご主人って皆に・・・いやいや!ない‼︎ないから‼︎私そんな趣味ないから‼︎どちらかといえば犬より猫派だから!実家に猫いるから!着物着て帽子被ってキセル咥えてるけど猫だから‼︎猫又だけど猫だから‼︎

 

そんな事を思いながら芽衣は炭治郎と他人のフリをしていたであろう

 

 

当の本人は炭治郎とは裏腹にふんばり温泉で寛ぎ中だが、まさか炭治郎が犬の様真似をしているとは思いもしないであろう

 

その炭治郎は引き継ぎ犬真似をしながら鬼の痕跡を辿っていた

いつまで嗅ぎ続けるのか和巳には分からないが、何か手掛かりが見つかればと和巳は願っていた

 

恐らく炭治郎は手掛かりが見つかるまでは嗅ぐ事を辞めないだろう、火の中水の中は無理だが草の中や森の中は嗅いでいくに違いない、辞めるとしたら事案であるあの娘のスカートの中、憲兵に取り押さえられ任務どころではないのでそれはないだろうが炭治郎はいつまでも嗅ぎ続ける

 

そう思わせる程長い時間炭治郎は町中を嗅ぎ回っていた

そうしてるうちに日は暮れていき次第に夜になると

 

「まだ続けるのか?」

 

「はい!」

 

「もうこんな時間だ僕の事を心配してくれるのは嬉しいが後は明日にして少し休んだ方が」

 

長い時間自分を信じて動いてくれる炭治郎を心配した和巳は少しでも休んで欲しいと願うが炭治郎はその場に屈み込んで

 

「アイツらは夜活動します、だから休みわけにはいかない!ここら辺にも新しい匂いを見つけました、必ず近くに居るはずです」

 

そう和巳に話す炭治郎は周囲を見渡し鬼の気配を探っていると

 

「アイツら・・君はまさか・・本当に」

 

炭治郎の様子から和巳は噂で聞いた鬼を狩る組織鬼殺隊が実在し炭治郎がその一員だと悟る

 

 

 

炭治郎達が町で鬼の痕跡を辿っている中、その鬼はというと

 

「はいお母様、ではおやすみなさい」

 

町のとある邸宅、行方不明が続く事件に外出を控えるよう促す母親に従い就寝前の挨拶をする少女、廊下を歩き自室へと向かう少女の背後

 

ーーズズズーー

 

黒いモヤのような何かが少女を追いかけていた

 

少女は自室に入り羽織を脱ぐとすぐに布団に潜り込み行方不明になった少女達を心配しながら眠りにつくと少女の真下、布団を丸ごと飲み込む程の黒いモヤのような何かから腕が飛び出すと少女の口を塞ぎつつ少女をその黒いモヤのような何かの中へと引き摺り込んでいく

 

これこそがこの一連の事件の真相、狙いをつけた少女をハイレベルのストーキング技術もとい血鬼術で付き纏い自らのテリトリー沼の中に引き摺り込み捕食する鬼、沼鬼の手口であった

 

その沼鬼だが沼鬼は1体ではなく3体、正確には分裂した存在であるが3体の沼鬼はストーキング対象のターゲットを探すには3体の方が効率的とそれぞれでターゲットを物色していた

 

この少女も沼鬼の一体にロックオンされた一人であり不幸な命運ではあるが不幸な命運にあるのはこの少女だけではなかった

 

 

 

「鬼の匂い!鬼が動いたんだ‼︎」

 

鬼が少女をゲットした事で炭治郎の嗅覚センサーに引っかかった沼鬼、

炭治郎はその匂いのする場所へと一目散に走り出すと和巳は炭治郎の足の速さ跳躍力に驚きつつも必死に炭治郎の跡を追いかけていくのだった

 

 

鬼の匂いが濃い場所、炭治郎はこの場に鬼がいると確信し日輪刀を引き抜くと最も鬼の匂いが濃い場所、地中の一点に日輪刀を突き刺した

 

すると日輪刀を中心に沼鬼の展開する沼が広がっていき、沼の表面に女性らしき着物が浮かび上がるのを見て炭治郎はそれを掴み一気に引っ張り上げる

 

炭治郎が引っ張り上げたのは沼鬼の一体に拐われた少女であり気を失ってはいたが命に別状はなく炭治郎を追って駆け付けて来た和巳にその少女を任せ炭治郎は沼鬼と対峙する

 

沼鬼は沼から半身を出した状態で炭治郎を睨み歯軋りをしていると

 

ーーガシッーー

 

突如沼から現れた手、沼鬼は背後から伸びて来た手に頭を鷲掴みにされるとそのまま沼へと引き摺り込まれてしまう

 

「え⁈」

 

突然の出来事に呆気にとられる炭治郎、沼を展開する事から鱗滝が言っていた異能の鬼、最終選別の鬼より手強い鬼だと覚悟をしていたのだがまさかの出来事、炭治郎は沼を見つめていると

 

ーーザバァッーー

 

沼から1人の少女が這い上がり自力で脱出すると

 

「全く随分と舐めた事してくれるじゃない、最近の神隠しは鬼の仕業だったというわけね」

 

そう言いながら濡れた浴衣を絞り出す少女、再び現れた沼鬼の一体が激しく歯軋りをしていると

 

「アンタさっきから煩いのよ」

 

ーーパアァァァァァァン‼︎ーー

 

そう言いながら少女は左手で沼鬼にビンタ、炭治郎でさえビンタの初動も見えなかった幻の左は沼鬼にクリティカルヒットし沼鬼は10m程弾き飛ばされてしまう

 

「・・え⁈・・ええ⁈」

 

まさかビンタ一発で鬼がぶっ飛ぶとは思わなかった炭治郎、鱗滝との初対面で炭治郎はビンタを貰ったが結構痛いだけでぶっ飛ぶわけではない

だが目の前の少女はビンタ一発で鬼をぶっ飛ばした、炭治郎は何か恐ろしい物を見るような目で少女を見ていると

 

「アンタ何見てるのよ」

 

炭治郎の視線に気付いた少女は不機嫌な態度で炭治郎にそう言うと

 

「若女将は相変わらずだね」

 

そう少女に話しかける和巳、少女は和巳を見て

 

「そうよ!私はどんな時でも私よ」

 

そう自信たっぷりにドヤ顔する少女、和巳は炭治郎に

 

「この人はふんばり温泉の若女将杏奈だ」

 

そう言って炭治郎に紹介する和巳、炭治郎はそれを聞いて

 

「ふんばり温泉⁈それって芽衣が言っていたあのふんばり温泉の」

 

ふんばり温泉と聞いて炭治郎は芽衣達が日中ふんばり温泉と言っていたのを思い出しそう言うと

 

「あら、アンタ芽衣達を知っているのね、じゃあアンタが芽衣の言っていた炭治郎ね、鬼殺隊がどうとか言ってたわ」

 

そう言って炭治郎をチラッと見る杏奈、ふんばり温泉で芽衣達から炭治郎という鬼殺隊の少年と一緒に来たと聞いていた杏奈は目の前の少年が炭治郎なんだと理解すると

 

「そんな事よりさっきの鬼、まだ死んでないわよ」

 

そう言ってビンタでぶっ飛ばした沼鬼に視線を戻す杏奈、炭治郎も慌てて沼鬼に視線を戻すも沼鬼は強烈なビンタで痙攣しピクピクしていた

 

「えっ⁈」

 

これには炭治郎もビックリ、自慢の石頭をぶつけても鬼は怯む程度だが杏奈のビンタは痙攣している、芽衣の知り合いだけあってコイツもなんかおかしいと杏奈に戦慄していると

 

「ホント迷惑よね、コイツらのせいで客が減ったじゃない」

 

沼鬼を睨みながら憤慨する杏奈、ここ最近の行方不明事件のせいで客足が遠のき売り上げが落ちた事でイライラしていた杏奈はこの事件の真相を調べようと密かに動いていた

 

そんな杏奈だが沼鬼に引き摺り込まれたわけではなく、ふんばり温泉内でターゲットを物色していた沼鬼の沼を見つけ自ら飛び込んでいた

 

そんな中炭治郎達に迫るもう2匹の沼鬼、背後からこっそり仕掛けようとした沼鬼に

 

「後ろから鬼の匂い!」

 

背後から迫る沼鬼の匂いを嗅ぎとった炭治郎、体を翻すと

 

水の呼吸 弐の型 水車

 

弐の型による迎撃で2匹の沼鬼を蹴散らす炭治郎、ようやく鬼殺隊としての活躍を見せた炭治郎に

 

「アンタ邪魔よ!」

 

そう言って炭治郎に辛辣な態度を見せる杏奈、杏奈自身も背後の沼鬼に気付き幻の左を炸裂させようとしていたが炭治郎が先に攻撃した為不機嫌になったいた、そんな杏奈は

 

「ふんばり温泉の売り上げの邪魔する奴ば例え鬼だろうと人間だろうと容赦しないわ」

 

そう言いながら炭治郎が蹴散らした2匹の沼鬼に歩み寄ると沼鬼達は沼に潜り込んでいき

 

「よくそんな汚い泥水の中に潜れるわね、まあ陰湿な鬼にはお似合いだけど」

 

杏奈は攻撃から口撃に切り替え、沼鬼達を罵倒すると

 

「貴様!汚い泥水だと?俺の血鬼術を汚い泥水だと言ったのか‼︎」

 

「落ち着け!もう1人の俺、アレは挑発だ」

 

杏奈の口撃にキレる沼鬼Bにリーダー格であろう沼鬼Aが挑発に乗るなと言うと杏奈は

 

「アンタ何格好付けてるのよ、不細工のくせに」

 

もう1人の俺とかコイツ頭沸いてるんじゃないかと思った杏奈は沼鬼Aにそう言うと

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ⁈」」

 

これには沼鬼Aも憤慨、長髪に忍装束の俺イケメンじゃね?とか密かに思っていた沼鬼Aのプライドを刺激した杏奈、キレやすい沼鬼Bも俺も同じ顔だから俺も不細工じゃねえかとキレて2匹同時に杏奈に襲いかかると

 

「危ない‼︎」

 

そう言って杏奈を抱き抱え沼鬼達の攻撃を回避する炭治郎は杏奈に

 

「不細工に不細工と言うのは良くない!『顔が優れてないようだが大丈夫か?』と気を遣うべきだ」

 

とフォローしてるようで全くフォローしてない炭治郎に杏奈は

 

「アンタも大概ね」

 

そう言って炭治郎に白い目を向ける杏奈、気を遣ってるようで全く遣ってない、むしろより屈辱感が増す発言をサラッと言う炭治郎、炭治郎は嫌味ではなく本気で心配してそう言うあたりタチが悪いと杏奈は思っていた

 

「杏奈さん!あの鬼達は俺が斬ります!」

 

そう言って炭治郎は鬼殺隊としての仕事を全うしようと意気込むと

 

「アンタ鬼殺隊だったわね、ならさっさと倒してちょうだい!ふんばり温泉の売り上げの為に」

 

そう言って沼鬼達を炭治郎に任せる杏奈、杏奈が鬼を追って来たのはあくまでもふんばり温泉の売り上げの為、その鬼がいなくなるのなら手段は選ばない、寧ろ自分が労力を使わないで解決するならそれに越した事はない、そんな理由で炭治郎に任せたのであった

 

そんな炭治郎、沼鬼達が攻撃の際にしか沼から現れないのなら自分から沼に飛び込めと考え今まで背負っていた禰豆子ハウスを降し沼へとダイブしていく

 

炭治郎が沼に飛び込んだ時、今まで痙攣していた歯軋りの激しい沼鬼Cがようやく復活し杏奈達に襲い掛かろうとしていたが炭治郎が置いた禰豆子ハウスから禰豆子が出てくると禰豆子は沼鬼Cに豪快な蹴りをお見舞いする

 

ギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチ

 

蹴り飛ばされた沼鬼C、歯軋りの激しい顔面バイブレーションは禰豆子に狙いをつけ再度襲いかかると

 

「アンタ、良い蹴りね!なら次は左手で思いっきりやりなさい」

 

そう禰豆子にアドバイスする杏奈、禰豆子はコクンと頷くと左手で沼鬼Cに強烈なビンタを炸裂する

 

ーードォォォォォンーー

 

禰豆子の荒ぶる左手が沼鬼Cの顔面バイブにヒットすると何故か沼鬼Cの顔面バイブが爆発し赤紫の炎が激しく燃え上がる

 

禰豆子が放ったのは左手のビンタだがただのビンタではなかった、この2週間天狗小屋に寄生していた芽衣、ゆっくり過ごしてはいたが全く何もしなかったわけではない、日中は憑依した縁壱の指導の元炭治郎に日の呼吸の手解きを、夜は巌勝が禰豆子に血鬼術は気合いと根性で何とかなると指導?し竈門兄弟を鍛え上げていた、その禰豆子が放った左手のビンタ、自ら発現した血鬼術“爆血“を纏った爆血ビンタが沼鬼Cの顔面を燃え上がらせていたのであった

 

だがここで終わらせる禰豆子ではなかった!

禰豆子は右手を天に伸ばし重心を低く構えると腕を引いて右手の甲を前方に向けるようかざし

 

「むむむむむむむむっむむむむむぅぅ!むぅむむむむむむむむむむむむむぅぅぅ‼︎」

 

やたらむぅむぅ叫ぶ禰豆子、杏奈や和巳はおろか大ダメージを受けた沼鬼Cでも何を言ってるのかさっぱりだが、禰豆子曰く私の右手が真っ赤に燃えるぅ‼︎的な某キングオブハートな気合いを入れて爆血を右手に纏い沼鬼に突進、そして禰豆子の右手は顔面バイブを掴み

 

「むぅむむぅぅぅぅ」

 

禰豆子曰くヒートエンド、華麗なフィニッシュを飾るつもりだったが顔面バイブの高速振動がちょっと気持ち良くてうっかり手を離してしまう

 

それでも爆発する沼鬼Cの顔面、爆血の影響で再生出来ないのか沼鬼Cの顔面は酷い有様だったが

 

「アンタ良かったじゃない、不細工に拍車がかかってるわよ」

 

そう言って沼鬼Cに追撃として口撃を仕掛ける杏奈、沼鬼Cは杏奈の口撃に怒り狂い歯軋りをするが禰豆子の爆血!禰豆子フィンガーで歯が無くなっていたのでフガフガしていた

 

一方で炭治郎、沼の中を泳ぎ回る沼鬼ABの攻撃を躱していると沼の奥に何かがいる事に気付き攻撃を躱しながらその何かの元へと泳ぎ出す

 

(なんだ⁈コイツも鬼なのか⁉︎」

 

炭治郎が見たのは今まで炭治郎が見てきた鬼とは全く異質の存在、だが明らかに鬼のような姿、伝承や物語で見た鬼のようだと思いながらその鬼を見ていると

 

(何か抱えてる・・・!女の人だ!あの鬼は女の人を守ってるのか⁉︎)

 

炭治郎が見たのはその鬼と思われる存在が少女を抱き抱え守っているようであの鬼は他の鬼とは違う鬼なのかもしれないと考えていると

 

「昨日攫った女、ソイツのせいで食えない!ああぁぁぁ!女は16歳が最高に美味いんだ!16歳を過ぎれば鮮度が落ちてくる‼︎」

 

そう言って発狂する沼鬼A、16歳という事に固執する理由は定かではないが炭治郎は

 

ああ、コイツは不細工を理由に16歳の女の子に振られたんだろう!と杏奈の影響でそう解釈して憐みを沼鬼達に見せると

 

「貴様ァァ!何だ!その憐みは!」

 

「自分の顔が優れてるからって見下してんじゃねぇぇ‼︎」

 

沼鬼達から向けられるヘイト、リア充爆発しろとでも言いたげな沼鬼達

地上では禰豆子、杏奈という美少女に囲まれたリア充な沼鬼Cは爆発したのだがそんな事は知らない沼鬼AB、一刻も早く謎の鬼を何とかして少女を喰べたい沼鬼達はまずは邪魔者の炭治郎を殺そうと取り囲み同時攻撃を仕掛ける

 

炭治郎は沼の中では地上のように身動きが取れない、だけどこんな状況だからこそ発揮する型があると日輪刀を構え

 

水の呼吸 陸の型 捻れ渦

 

体を捻り回転しながら迫る沼鬼ABを斬りつける炭治郎、沼鬼ABは炭治郎の攻撃によってバラバラになり頸も斬られた事で沼の中で消滅していった

 

 

 

炭治郎が沼鬼ABを撃破した頃杏奈達は〜

 

「夜明けも近くなってきたしそろそろ帰るわ、あの娘朝風呂に入れなかったら不機嫌になるもの」

 

そう言って空を見上げる杏奈、空は既に夜から早朝に差し掛かりうっすらと赤みを帯び始めていた、杏奈は朝の一番風呂に入れなかったら不機嫌になるあの娘、芽衣の事だが目の前の顔面バイブより不機嫌になった芽衣の方が面倒くさいとその場を立ち去ろうとしていた

 

「一つ言い忘れてたわあの娘まだ生きてるわよ、私の式神が守ってるもの」

 

そう和巳に向かって話す杏奈、和巳は杏奈が何を言ってるのか一瞬理解出来ないでいたがそれが行方不明になった婚約者里子の事だと察すると

 

「里子さんが・・里子さんが生きてる・・杏奈さんそれは本当なのか」

 

和巳にとってあまりにも嬉しい話だが未だ半信半疑の和巳、自分でも信じられないが噂程度でしか知らなかった鬼が実在し行方不明の真相がその鬼の仕業だと分かると里子の無事を信じたいがきっと駄目なんだろうという諦め半分だったので杏奈の話に里子の無事の確信が持てず恐る恐る杏奈に確認すると

 

「だからさっき言ったじゃない、私の式神が守ってるって!同じ事を何度も言わせないでちょうだい!」

 

そう和巳に言って少し不機嫌になる杏奈、同じ事を何度も言いたくない

寧ろ一回で理解しろ!と言いたげな杏奈は

 

「アンタ達、昨日・・もう夜が明けたから一昨日ね!ふんばり温泉に来たじゃない、あの娘の後ろに怪しい影、まぁそこの不細工の仕業だけど

影がついて回ってたのよ!だからこっそり私の式神を付けてたの」

 

そう和巳に話す杏奈、和巳と里子の2人は里子が行方不明になるその日ふんばり温泉で温泉デートをしていて杏奈は里子の跡をストーキングする沼鬼の影を見つけこっそりと里子に式神の護衛を付けていたのだった

 

「あぁ・・ああぁぁぁ‼︎里子さんが生きてる‼︎里子さんが‼︎」

 

そう言いながら泣き崩れる和巳、杏奈はそんな和巳に

 

「アンタ達ふんばり温泉の常連だし、あの娘が行方不明になったらもうふんばり温泉に来れなくなるじゃない」

 

そう言いながらフッと笑みを浮かべる杏奈、ふんばり温泉の常連客であるこの2人がふんばり温泉に来れなくなる、つまり売り上げが下がる!

だがこの雰囲気で売り上げ云々の話をするのは野暮だと杏奈は常連客を大事にする美少女若女将な自分をこっそりアピールするのであった

 

その杏奈は沼鬼Cに視線を移すと

 

「そういえばアンタって鬼だったわね・・鬼も舐められたものね!まぁいいわ!アンタに本物の鬼がなんなのか教えてあげる」

 

杏奈は沼鬼Cにそう言うと浴衣の裾から人形を取り出し

 

「オーバーソウル!前鬼!」

 

と自身の持ち霊の一体である前鬼を人形に憑依させオーバーソウル

青色の1本角の鬼、気合いと根性で乗り切るギガドリルに出てきそうな

前鬼が沼鬼Cの前に立ち塞がると

 

ーーフガフガフガフガフガフガフガフガフガフガーー

 

歯が無くなり歯軋り出来ない沼鬼Cは前鬼に怯え震え出し、歯があればガチガチと歯を震わせていたのだろうが歯が無い為フガフガするしか出来なかった沼鬼C、慌てて沼に飛び込み逃げようとしたが

 

「鬼は殺す!それがワシらの役目」

 

そう言いながら沼に逃げ込む沼鬼Cを引き摺り上げ、容赦なくボコボコに殴り潰す前鬼、霊を具現化したオーバーソウルでの攻撃は物理的な破壊もそうだが本来が霊体であるため対象の霊体、つまり魂にも影響を及ぼし沼鬼Cは前鬼の攻撃によって原型を留める事なく肉体も再生される事なく息を引き取った

 

「所詮は作られた偽物の鬼、本物の鬼には到底敵わなかったみたいね」

 

そう言いながらオーバーソウルを解除する杏奈、自身が使役する本物の鬼に偽物が通用するわけない、さも当たり前のように言い放つ杏奈は和巳と禰豆子に視線を移して

 

「アンタ達も帰るわよ、朝風呂の準備してもらわなくちゃいけないんだから」

 

これには和巳も禰豆子もポカン

 

自分達はいつからふんばり温泉の従業員になったんだと呆気にとられる

2人、そんな時沼から這い上がって来た炭治郎・・・は下から這い上がって来た杏奈のもう一体の式神後鬼に

 

「早く上がれ!小童!」

 

そう言われ炭治郎は後鬼の手によって押し上げられ、沼からピョンと飛び出して来る

 

「あら、アンタの事忘れてたわ」

 

沼の中で人知れず活躍したのに完全に忘れられていた悲しき炭治郎、そんな不憫な炭治郎を慰め頭をヨシヨシする優しい禰豆子、ホッコリする光景だが杏奈も和巳もそんな炭治郎達には目もくれていなかった

 

「里子さん!里子さん‼︎」

 

そう叫びだした和巳、炭治郎に続いて這い上がって来た後鬼に抱えられていた少女里子に駆け寄ると嬉し涙を流し里子に擦り寄っていく

 

これには炭治郎や杏奈もニッコリ、自分の手で誰かを助ける事が出来た

大切な命が失われないで済んだ、常連客が1人減らないで済んだ、売り上げが減らないで良かった2人の心中は違えど互いに嬉しそうであった

 

「ほらさっさと帰るわよ!もうすぐ日が昇るわ!その娘鬼でしょ?早く屋内に入らないと大変よ、その娘もお風呂に入れてあげないと」

 

そう言ってふんばり温泉に帰ることを急かす杏奈、禰豆子が鬼であり日が昇る前に屋内に避難させたい事と里子を温泉に浸からせてあげたい事

その理由があって先程禰豆子と和巳に朝風呂の準備の話を切り出していたのだが

 

「勿論入浴料は貰うわよ」

 

金取るんかい‼︎何処までも守銭奴な杏奈に和巳はそう心の中でツッコミを入れていた

 

そんなこんなでふんばり温泉にやって来た炭治郎達

 

「あっ!さっきの鬼達に鬼無辻の事聞けなかった」

 

そう言いながら少しガッカリする炭治郎、鬼の首魁である無惨の事や禰豆子を人間に戻す方法を聞きたかった炭治郎だったが結局聞けずじまいで戦いは終わった為何も情報は得られなかったが

 

「鬼無辻・・・鬼の首魁ね、芽衣なら知ってるんじゃないかしら」

 

そう炭治郎に告げる杏奈に炭治郎は

 

「何で芽衣が鬼無辻を知ってるんだ?」

 

そう言って不思議そうな顔で杏奈を見る炭治郎に杏奈は

 

「それは本人に聞きなさい」

 

そう言いながら杏奈は朝風呂の準備する為にその場から立ち去ろうとすると

 

「杏奈さん!君は一体何者なんだ?」

 

杏奈が芽衣の知り合いだと言うのは知っている、オーバーソウルを使える事から芽衣達と同じシャーマンだというのも理解出来る、だが彼女は恐らく鬼無辻の事を何かしら知っている、芽衣もまた鬼無辻の事を知っていると言うような口ぶり、シャーマンと鬼無辻は何か関係しているのか?仮にそうならば目の前の杏奈は一体何者なんだと疑問に思う炭治郎は杏奈にそう聞くと杏奈は

 

「ふんばり温泉の若女将よ」

 

私はふんばり温泉の若女将それ以外の何者でもない、そう言うニュアンスを含めた口調で炭治郎に告げると杏奈はその場から立ち去って行った

 

一同キョトンとする中和巳は未だ気を失っている里子を温泉に浸からせてやろうと杏奈を追いかけ炭治郎と禰豆子はその場に立ち尽くしていると

 

「ふぁ〜良き寝心地だったね〜」

 

「ふんばり温泉に入って寝るって最高の贅沢だよね」

 

「カァー!オカゲデ肌モツルツルデスワ!」

 

「カァ・・ジャクソンハ風呂嫌イ!風呂怖イィ」

 

そう話しながら朝風呂に入ろうとした芽衣達とバッタリ出会す炭治郎

 

「芽衣!玉藻!」

 

炭治郎の呼びかけに気付いた芽衣達は

 

「炭治郎君おはよう、炭治郎君達も朝風呂入りに?」

 

「ここの温泉は最高だよ」

 

それはもうホッコリとした顔で話す芽衣と玉藻の2人に炭治郎は

 

「芽衣!杏奈さんは一体何者なんだ?それに芽衣が鬼無辻の事を知っているって」

 

真剣な顔付きで芽衣に話しかける炭治郎に芽衣もホッコリ顔から真剣な顔付きに変わり

 

「炭治郎君・・・朝風呂に入れないじゃん!それ話すと長くなるから朝の一番風呂に入れないじゃん!よし!お風呂で話そ!温泉で腹割って話そ!」

 

「え⁉︎ちょ⁉︎芽衣?」

 

どうしても朝の一番風呂に入りたい温泉大好き芽衣、入りたいあまり長い話は温泉に浸かりながら話すと言い出した芽衣、炭治郎と混浴する事になるとは全く考えてなかった芽衣、芽衣の唐突な提案に狼狽える玉藻だったが

 

「ほら!炭治郎君早く!禰豆子ちゃんも!早く温泉入って話するよ」

 

「いや!芽衣⁈ちょっと待って!」

 

「芽衣!一番風呂は里子さんが入ってるぞ」

 

あくまでも温泉、一番風呂に入る事に執着する芽衣は後先考えず炭治郎と禰豆子を引っ張って行き、玉藻がさらに慌てると炭治郎が芽衣にとって衝撃的な一言を言い放ち芽衣は

 

「・・・里子さん?・・・は?・・またアイツかぁぁ!ふんばり温泉常連の通称一番風呂の里子!」

 

そう叫び悔しがる芽衣、行方不明になっていた里子はふんばり温泉の常連、朝一番の一番風呂をこよなく愛する芽衣にとっての朝風呂ライバル

そんな里子に先を越されたと嘆く芽衣、ライバルとはいえ芽衣と里子は仲が悪い訳ではない、寧ろ温泉大好き仲間であり芽衣の心許せる友人の1人でもある

 

「芽衣!里子さんは鬼に拐われて行方不明だったんだ!鬼が作り出した沼の中にいたけど幸い杏奈さんの鬼が守っていてくれて」

 

そう芽衣に説明する炭治郎、その説明に芽衣は

 

「何それ・・私知らなかった・・里子ちゃんがそんな大変な事になってたって知ってたら私も一緒に・・」

 

そう言いながらもの凄く落ち込みその場にへたり込む芽衣、大切な温泉仲間が大変な目にあってた中自分は温泉を満喫していた、知らなかったとはいえ何も出来なった事で無力感に襲われる芽衣、そんな芽衣に

 

「芽衣!だったら今の芽衣に出来る事をしよ?今出来る事を出来る限りやれば後は何とかなる!でしょ?」

 

そう言いながら芽衣を励ます玉藻、炭治郎は芽衣にどう声を掛けたら良いか悩んでたが玉藻は芽衣にアッサリと励ましの言葉を掛ける、長年芽衣の良き理解者として過ごしてきただけあって流石だなと炭治郎は玉藻に感心していたが、でも変態なんだよなって内心思っていた

 

そんな玉藻の励ましを受けた芽衣、玉藻の顔を見て変態だけど玉藻は私の良き理解者で最高の親友だと笑顔を見せると

 

「そうだね、今の私に出来る事をやれば何とかなるよね!エッヘッヘ」

 

そう言いながら笑うと芽衣は里子がいる風呂に全力ダッシュしていくのであった

 

「玉藻・・芽衣の笑い方って独特だな」

 

「うん、独特だね」

 

そんな事を話しながら芽衣を見送る炭治郎と玉藻、炭治郎は一旦外に出て里子達が落ち着くのを待っていようとしたら

 

「炭治郎君・・私も知ってるよ・・私が話そうか?」

 

そう言いながら炭治郎を追いかけて来た玉藻、炭治郎は玉藻に

 

「玉藻も知っているのか・・でも玉藻も一緒に行かないのか?」

 

炭治郎はてっきり玉藻は芽衣に着いて行くと思っていたので思わずそう言うと

 

「うん・・別に芽衣が話しにくい内容とかじゃないんだけどね、私も芽衣の役に立ちたいからさ!それに禰豆子ちゃんも芽衣を追いかけていったから炭治郎君1人じゃん?たまには炭治郎君と2人きりっていうのも悪くないかなって」

 

玉藻そう言いながら炭治郎を追い抜き振り返ると

 

「ほら!鬼退治終わったんでしょ?初任務の達成祝いしよ」

 

そう言って玉藻は炭治郎の手を取り朝の町中に溶け込んでいくのだった

 

 

一方、一番風呂に浸かる里子は杏奈の付き添いで体を温めていると

 

「里子ちゃん‼︎」

 

「むぅむむぅ」

 

里子を心配して風呂に乗り込んで来た芽衣と芽衣を追いかけ来た禰豆子の2人と1匹の温泉烏、既に入浴準備は万全ですと言わんばかりの格好つまり裸で風呂場に突入するとまずは掛け湯、どんな時でも入浴マナーは守る!これ大事‼︎温泉大好き芽衣は入浴マナーを守ります!を実践すると芽衣と禰豆子とまんの子は温泉に浸かり「はぁ〜(むぅ〜)『カァ〜』」とホッコリ顔・・からの

 

「里子ちゃん大丈夫⁈」

 

ホッコリ顔から心配そうな顔への切り返し、そんな芽衣に杏奈は

 

「アンタ何がしたいのよ」

 

と芽衣の珍妙な行動に割と辛辣な態度になる杏奈、命に別状はないとはいえ流石に直ぐには目覚めないだろう里子を見ながら杏奈は

 

「死んでないからそのうち起きるわ、アンタが心配するのは分かるけど

ゆっくり休ませてあげなさい」

 

そう言いながら里子から芽衣へと視線を移す杏奈は

 

「炭治郎っていってたわね・・彼は鬼殺隊・・アンタも同じ格好だったけどまさか入隊した訳じゃないでしょうね」

 

そう言いながら芽衣に厳しい視線を向ける杏奈、芽衣はそんな杏奈の言葉に

 

「ううん私は鬼殺隊には入らないよ、ゆっくり過ごしたいし」

 

と芽衣は杏奈に返すと杏奈は

 

「そう・・ならいいわ、アンタが一番分かってるでしょうし・・私達の本当の敵が誰なのかを」

 

そう芽衣に話す杏奈、芽衣は杏奈の発言に暫くの間黙り込み

 

「うん・・分かってるよ・・・分かってる」

 

そう言いながら芽衣は再び沈黙して

 

「葉王の馬鹿」

 

芽衣は杏奈にも聞こえない小さな呟きを漏らすのだった

 

 

 

そんな芽衣達とは裏腹に炭治郎と玉藻の2人は朝から賑わう市場で色々買っては食べ買っては食べの大正グルメツアーを満喫しひと段落すると近くの川土手に座り玉藻は炭治郎に芽衣と鬼無辻の関係を話すのだった

 

「玉藻教えてくれて有難う!そっか、芽衣と鬼無辻が直接関係してる訳じゃなかったんだな、それにしても麻倉葉王・・芽衣の先祖はあの有名な麻倉葉王だったなんて正直驚いたよ」

 

そう話す炭治郎、玉藻は炭治郎に芽衣が希代の大陰陽師麻倉葉王の子孫である事、その葉王が1000年前鬼無辻に鬼の力を分け与えた事等を話し芽衣と鬼無辻の関係を教えると

 

「あと杏奈ちゃんはふんばり温泉の若女将!・・ってだけじゃ納得しないよね、別に悪い人じゃないよ?私の味方だし!」

 

玉藻はそう炭治郎に話し杏奈の事はあまり触れたくないようだが

 

「杏奈さんが悪い人じゃ無い事は俺も分かるし信じられるよ、色々と怖い人だったけど」

 

そう言いながら炭治郎は苦笑いをすると玉藻は

 

「杏奈ちゃんは怒らせると凄く怖いし怒らせなくても怖い最恐若女将だからね!」

 

そう言って玉藻も苦笑いを浮かべると

 

「ねえ?炭治郎君・・私鬼殺隊には入らないって言ったよね?何で入らないか分かる?」

 

そう炭治郎に質問する玉藻、その質問に炭治郎は

 

「芽衣を守る為だったね」

 

そう返した炭治郎に玉藻は

 

「何から?鬼?鬼なら私鬼殺隊に入っても問題ないんだよね、いや芽衣に逢えないのは大問題だけど」

 

そう話しながら空を見上げる玉藻、そんな玉藻を見つめながら炭治郎は

 

「鬼以外に何かいるのか?」

 

そう真剣な表情で聞き返す炭治郎、玉藻も真剣な表情で

 

「いるよ・・私達の敵!鬼なんかよりずっと厄介な私達の敵が」

 

空を見上げていた玉藻はそう炭治郎に話すと炭治郎に視線を戻し

 

「麻倉杏奈だよ!杏奈ちゃんの名前・・芽衣の従姉妹なんだ!」

 

そう炭治郎に話すと玉藻はもう話す事はないよと言うような顔になり炭治郎も杏奈が芽衣の従姉妹だと分かると色々と納得出来る部分もあり

それ以上に追求はしなかったが

 

「玉藻・・最後にするけど玉藻達の敵って一体何なんだ?杏奈さんと何か関係してるのか?」

 

炭治郎は最後の質問として玉藻に玉藻達の敵について聞いてみるが

 

「杏奈ちゃんは関係ないけど全くの無関係じゃないというか・・ゴメン!私から話しといて悪いけどこれ以上は言えないや!」

 

そう言って申し訳なさそうにする玉藻、炭治郎は玉藻のその表情でこれ以上追求したら駄目だと察し

 

「いや!俺も無理に聞いて悪かったよ、とりあえずこの話はお終いにしてふんばり温泉に戻ろう」

 

そう言って炭治郎は話を切り上げ玉藻と共にふんばり温泉に戻って行くのだった

 

 

 

その後、無事に目覚めた里子は風呂場の大広間で待機していた和巳と再会、涙の抱擁を見せつけると芽衣は里子と幻の秘湯に行く話を、芽衣曰く温泉案内人の和巳とは幻の秘湯に向かうプランを立てると和巳と里子は炭治郎に頭を下げ物凄く感謝の言葉としつこいくらいの温泉同行を提案すると

 

「カァーー!次ハ浅草!浅草ニ向カエェ!」

 

はい!休憩終わり!次の仕事に行こう!と松衛門が次の指令を炭治郎に伝えると

 

「カァ!松衛門ワーカーホリック!ジャクソンソウ思ウ」

 

「カァー!余裕ノナイ男ハ嫌ワレマスワヨ!」

 

そんな松衛門にダメ出しするジャクソンとまんの子、そんなゆるい烏2匹に松衛門は

 

「お前達ハ何モ働イテナイ!働ケェ!働ケェェ‼︎」

 

そんな松衛門を芽衣は鷲掴みにすると

 

「浅草温泉!次は浅草温泉だね‼︎」

 

芽衣の中ではこれは温泉巡り!温泉しか考えていない芽衣に松衛門は

 

「モウ温泉デイイ!」

 

コイツらとまともに付き合うのは疲れると思った松衛門は早々に諦めそう芽衣に言うと芽衣は松衛門を解放すると

 

ーーズボッーー

 

「カァーー!極楽極楽ゥゥ」

 

松衛門、芽衣から解放されるや芽衣の谷間にダイブ!至福の時を感じそう声を上げると芽衣も烏だからとそのまま放置、それを見たジャクソンは

 

「カァ!ジャクソンモ!ジャクソンモ!」

 

そう言って羽根をバタバタさせるジャクソン、玉藻はジャクソンがちょっと可哀想だと思い自分に入る?と聞いてみると

 

「玉藻ハナイ!挟マレナイ!ジャクソン玉藻ジャ癒サレナイ」

 

そう言われた玉藻は大天狗と天狐をオーバーソウル

 

「ジャクソン?どっちに癒されたい?ねえ?どっちに癒されたい?」

 

顔は笑ってるが目が笑ってない玉藻、マジギレした玉藻の提案にジャクソンは

 

「嫌ァァァァ!ジャクソンノ丸焼キモ、ジャクソン煎餅モ嫌ァァァ!」

 

そう言いながらジャクソンは慌てて逃げ出すのだった

 

 

 

 

「杏奈ちゃん!またね!」

 

「芽衣!次はもっとゆっくりしていきなさい!ふんばり温泉の売り上げの為に‼︎」

 

芽衣は杏奈とそう話しながら別れを済ませ一同は次の目的地、浅草温泉へと歩みを進めるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

「巫力70万か・・神クラスじゃない・・流石ハオの再来と言われてるだけの事はあるわね麻倉芽衣」

 

芽衣は知らなかった・・とある誰かに監視されている事を

 

そして後に芽衣を取り巻く環境が大きく変わる事も今の芽衣には知る由もなかった

 

 

 




浅草に訪れた芽衣に迫る最大の窮地、芽衣は一体どうなる?

次回「漂うワカメ!グーたら娘とグータッチ」


今回のゲスト

里子さん 沼鬼に拐われた温泉大好き同盟の会員 通り名は一番風呂の
里子

和巳さん 温泉大好き同盟の会員 通り名は温泉案内人

沼鬼さん リーダーのA すぐキレるB 顔面バイブのCの三体

麻倉杏奈 芽衣の従姉妹 ふんばり温泉の若女将 怒ると凄く怖い 怒らなくても怖い最恐若女将 必殺技は幻の左 守銭奴
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