逆行妖精譚   作:くまはっち

2 / 13
前の続きです。スローぺースの為投稿するのすごく遅いし少ないですが楽しんでいただければ幸いです。
それではどうぞ。


第一章ファミリア
第一話とりあえず拠点決めようぜby神


(マジで治安悪いなー)

 

オラリオに入ってリューの主神が一番に思ったことはこの一言であった。そこら中にいる人間は疲れてた様子で落ち込んでいる。「キャー」という悲鳴は入って数分でもはや三回は聞いた。警邏しているファミリアとも数えるのが面倒になるほど遭遇した。極めつけはさっき目の前で盗みの現場に遭遇してリューがひねり上げた事である。犯人は連行されて行った。おかげでもう大分疲れた。

さっきから嫌な視線も向けられて気分も急落下中である。自分が思っていたより酷い現段階ではもう逃げたいとも思っていた。今だけはガネーシャの所の眷属がいて良かったと感じた。

後ろから見張るように自分たちを見る女性を一瞥し、ため息をはく神であった。

 

──────────────

 

「は~~~~~~~~~~~」

 

「大丈夫ですか?」

 

「何でリオンは平気なんだ?」

 

オラリオに入ってとりあえず安全な場所で気を抜きたかった為シャクティに安全な場所を聞いて今はとある酒場にいる。勿論監視は同伴しているが。各々注文をして今に至る。

 

「まさかここまでとは……」

 

「すまないが今のオラリオは我々の力不足でもあるが治安は悪い。鴨として入国してきた者を狙う輩もいる」

 

「神に悪戯するとかロキとか悪戯好きの奴だけかと思ってたけどなぁ」

 

イラついて神威使って黙らせようとしたのがリューにばれて力技で投げられたのはのは余談である。

 

「とりあえず拠点を探しましょう」

 

今まで黙っていたリューが急にしゃべりだした。

 

「拠点ねぇ……」

 

モグモグと運ばれた飯を食べながらこれからどうするか考え始めた。

拠点は大事である。安心安全はもちろんのことファミリア(零細だけど)の活動拠点の中心の為利便性も重要である。ただもはや安心安全が約束されているところが無いというのが目下の課題である。

 

「もし見つからないようならガネーシャファミリアのホームでも構わないとガネーシャが言っていた」

 

「それはありがたい像神の杖(アンクーシャ)

 

像神の杖(アンクーシャ)とはシャクティの二つ名である。天界の神々のお遊びでレベルアップすると面白可笑しくつけられる。たまにかわいそうと思うほど酷いものもある。

あくまで保護という形なのだろう。こんな零細ファミリアすぐに潰れてしまうだろうという考えだとは思うが今はそれがありがたかった。

 

「しかしガネーシャファミリアにいつまでも迷惑はかけられません。できれば早めに決めてしまいましょう」

 

「もう外の方が安全では?」

 

「却下です」

 

自分の意見は即刻切り捨てられた。意外と容赦の無い眷属である。

 

「外から毎回入るのは面倒です」

 

全く反論はできなかった。正論にはいくら何を言っても切り捨てられるだけである。

 

「少しいいだろうか?」

 

とシャクティがいぶかし気な様子で尋ねてきた。

 

「はい。何でしょうか? 像神の杖(アンクーシャ)?」

 

「シャクティでいい。それで質問なのだが、お前たちは何をしにオラリオに来たのだ?」

 

「……」

 

これ正直に言っても良いの? という視線をリューに送った私は悪くない。

 

「ダンジョンでレベル上げをしに来ただけだよ」

 

無難な答えをしておいた。ここで変に警戒されるのも面倒である。嘘は言ってない嘘は。真の事も言ってないが。

そういうとさらにシャクティが不思議がるように尋ねてきた。

 

「ダンジョンに一人で行くのはやめておいた方がいいと思うぞ? 特にリオンはまだ幼いのではないか?」

 

「それに関しては大丈夫だと思うけどなぁ」

 

リューは普通の子供より大分強い。エルフの里で訓練していた。と聞いていたがたった6歳程度の子供がする戦闘とは思えないほど駆け引きがすごかった。でなければ盗人を退治できる訳はないのだ。それはシャクティも見たはずだが、ほっとけない性分なのだろう。将来あのガネーシャの扱いに苦労しそうだなぁと感じた神であった。

 

「先ほどの手際は見事だったが、力や基本的な能力はまだ未熟だ。それに付け加えるとダンジョンは危険な場所だ。まだこんな歳の子を一人で行かせようなど正気ではないと思うが?」

 

これにも一理ある。ダンジョンが危険なことなんぞこの神は知っている。昔いたころに死亡者が大量にいた。

しかし、リューのスキルを知ってる手前あまりパーティを組むのも得策とも言えない。

そして、そのことをまだあって間もない他のファミリアの眷属に言うのもはばかられた。

 

「……」

 

「特に策が無いなら無暗やたらとダンジョンに潜るのはやめた方がいい」

 

「貴方は昔から変わりませんね」

 

「は?」

 

リューが思わずといった感じにつぶやいた一言に反応を示したシャクティだがそのあとすぐに何でもありませんと言ったリューが追及してくれるなという雰囲気を出していたのでシャクティも追及はしてこなかった。

まあつまるところ

 

「シャクティはお節介なんだな」

 

「は?」

 

シャクティは困惑した。シャクティは自分がお節介だとは思っていなかった。自分の妹の方がお節介である。監視対象からお節介などと言われるなんて思ってなかったので驚いたのである。

 

「じゃあお節介お姉さんや」

 

「おい、誰がお節介お姉さんだ」

 

「まぁまぁ、心配してくれたんだよな自分たちも大変なのにありがとう」

 

「はぁ、貴方も不思議な神だな」

 

何故自分がそんな不名誉なことになったのかわからないが、自分でも天界に居たころより性格は変わったと感じていたからまあいいかということにした。人から見たら不思議な性格なのだろう。よくわからないけれど。

 

「こんなにも人間っぽい神は初めて見た」

 

「私そんなに人間っぽいかなぁ?」

 

「まあな今のオラリオでは貴方のような神の方が少ない」

 

「私の主神大丈夫だろうか?」

 

「オイ、どういうことだ!」

 

こいつら(特に自分の眷属)ひどくないですかねぇ。こちとら人間に怖がられた事の方が多いはずなんだが。

 

「はあ、とりあえずシャクティの言う事を今は聞いておくよ。ダンジョンにはしばらく行かない。それで良いよな? リオン」

 

「……」

 

「分かりました。後シャクティ、そんなに心配しなくとも大丈夫ですよ。私はそこらにいる冒険者よりは強いので」

 

そう自身満々に言うリューと納得できていないシャクティが子供の我儘に困り果てる母のようで微笑ましいと思った事は二人には内緒だ。

それからは拠点探しも兼ねた町の探索に繰り出した。

シャクティの案内の元東西南北の危険エリアや一応安心エリアに目星を付ける。

そしてそれが終わるころには既に日が陰っていた。拠点となりそうな場所が無かった為今日はガネーシャの所にお邪魔する事になった。

 

「ただいま戻りました」

 

「おかえり! お姉ちゃん。大丈夫だった?」

 

「ファミリア内でその言い方はやめろアーディ」

 

そういって奥からシャクテと同じ青い髪をしたリューと同じかそれより年上らしき少女が出てきた。出て来た途端リューがが目を見開いていたがすぐに無表情に戻った。ついでにガネーシャも出て来たので世話になる、と言い来客用の部屋に案内された。

二つのベッドと机といす、クローゼットまで付いていた。

 

「やったぜ、フカフカベッドだ」

 

「子供ですか貴方は」

 

自分の眷属は呆れた様子で旅支度を解いている。

私も風呂入ろうと思い旅支度を解いた。初日から疲れた。

 

「そういえば」

 

といい聞いてみたかった事を聞いてみた。

 

「私まだリューの目的知らないんだけど教えてはくれないのか?」

 

「……」

 

また黙り込んだ。こいつは自分にとってもやましい事なのかしゃべりたがらない。まあそれはいい、喋りたくないこともあるのはわかっている。だが自分も神で一応主神なのだ。たった一人の眷属が抱えている事が気になるのは無理もないだろう。できれば話してほしいがこの調子だとだめだろう。今回もダメか……とあきらめかけた時

 

「……詳細は言えませんが、とある方達を守ることとあるファミリアを壊滅させることです」

 

「お~随分物騒だなぁ」

 

まるでさっきの奴と別人のようになってしまった自分の眷属を少し哀れんだ。ただそれを表には出さないようにはしたが。

 

「じゃあ一つだけ答えろ」

 

一応私は下界では物騒なものを司る神として(本当は違う)復讐者のようになった眷属に聞いた。

 

「その行動に義はあるのか?」

 

「……」

 

沈黙が辺りを支配した。重苦しい空気が立ち込めそういう雰囲気が苦手なこの神はこうなることが分かっていたかがこれだけはハッキリさせたいと慣れないことをした。

その言葉に対して詰まっているのはリューの方だ。いずれにしても言う事にはなってただろうからそれが早まっただけだ。しかし、昔自分がやった行動に義があったと言えば違うだろう。私怨で暴れまわり無実の人も巻き込んだ。今回だってそうなるかもしれない。

___それでも足掻くだけ足掻こうと時間が戻ってきたときに決めた_____

 

「義があるかと言われれば恐らく無いと思います。それでも……」

 

そこで一旦言葉を区切った後恐ろしい程危ういと思うほどまっすぐな意思の籠めた目を向けて自らの眷属はこう言った。

 

「どれほど辛くとも傲慢でも私は変えたいと思ったんです」

 

「……」

 

我が眷属ながら危なっかしい奴だ。主神としては周りに頼れと言うべきなのだろう。一人で抱え込むなというべきなのだろう。でも私は善の神でも無い。それにそれを言うのは私の役目ではない気がした。

 

「分かったよ。話しにくい事話してくれてありがとな」

 

「いえ、今まで黙っていてすみません」

 

「いいっていいって、気にしないよ。すまなかったな、答えにくい質問した」

 

はい、これでおしまいとばかりに手を叩いて、重たい空気を追い払う。せっかくゆっくり休めるのだ、休める時に休む、旅の基本である。だが

 

(おまえにも遠慮とか建前とか取り繕う事なく真に信頼できる仲間ができるといいな)

 

そう考えてしまうこの神も大概甘い神である。

そして、

 

(私はコイツの背中を押していけば良い。それで良いよな)

 

神としてファミリアの主神としてそう決めた神であった。

 

 

 

 




主神の名前いつ出そうかなと考えている作者です。
わかっている方も多いと思います。出来るだけ早く出します。
ガネーシャのところは都市の憲兵としての役割があるためどうでも良いことで追放された主神でも警戒して見張りぐらいはつけると思いシャクティをつけました。まあまあガネーシャとの仲は良い方です。シャクティはまだ団長では無いという設定ですがまぁいずれは団長となり引っ張っていってくれるでしょう。
リューさんの復讐については本人がすごく悔やんでいた描写があった為義は無いと答えてます。しかし、不謹慎ながら作者的には人間らしいと思うし、色々収束したのだから良くね?とも思ったのですがね…。義憤といえば義憤だし。まぁやり過ぎたわけですが今回はどうなるのか?
シャクティが会ったばかりなのに馴れ馴れしく無い?とか心開き過ぎじゃない?とか考えないでください。リューさんは馴染みがあったし、主神は細かいこと気にしないタチなので。シャクティもまだ若かったということで。まぁ大きかったのはリューさんが盗人を捻り上げた事ですが。
今回も読んでいただきありがとうございます。次回があったらまた読んでくれると嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。