FGORPG ノンケがエンジョイプレイ   作:秋の自由研究

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愛憎の洞 その一

 皆さんこんにちは、ノンケ(魔術師殺し)です。バレンタイン、短いけど結構彼のシナリオ好き。

 前回は、ステンノ様がいろいろ引っ掻き回してくれました。お陰で藤丸君のヤレヤレゲージがマックスです……じゃあそんな藤丸君に代わって、ここはホモ君が出撃してくれるぁ! まぁガリア制圧戦、今回のステンノ様遭遇、悉く後れを取ったから、その分を取り返す為にも多少はね?

 

「――という訳で、ダンジョン制圧! この暗さ松明は必須、緑の(たくみ)に湧かれればそっこうでお陀仏! これにはキャットも怒りの直下掘りなのだな?」

 

>因みに足元は砂である。こんな所を掘っても掘り切れないだろう。足元の条件は最悪という事なのだが……取り合えず、前衛後衛は揃っているのだ。そこまで恐れる必要も無いだろう。

 

『それにしても、暗いねコレは……視認性は最悪だ』

「ダ・ヴィンチ様、危ない場所等のサーチ、くれぐれもお願いします……マスター、先程のダメージも残っているでしょうし、足元お気をつけて」

 

>>ありがとう。でも大丈夫だよ。

>>済まぬ香子……迷惑をかけるな。

 

 何時からそんな雄々しくなった君……? 当然選択肢は上……いや待て、ここまで良い所無しなんだからちょっとくらいカッコつけてもええじゃないか(明治時代)

 

「いえ、そんな……マスターの事を支えるのがサーヴァントですから」

「うむ、愛を確かめ合うのは良いが、腹八分目にしておくが良い。満腹にするのは我らではなく目の前のお客である」

 

>そう言って、キャットが爪をシャキリと立てる。獣の嗅覚が嗅ぎ付けたのか、それとも単に相手が隠す気がないだけなのか……何れにせよ、その言葉の直後に、唸り声が闇の中に響き渡った。

 

『タマモキャット、見た目とは裏腹にすごいね。エネミー反応、数は……数えるのも面倒になって来る位いるよ!』

 

 っと、エネミーのお出まし……何ですけどちょっと待ってください、些か暗すぎませんかコレ。シルエットしか見えねぇじゃねえかお前んちぃ! ステンノ様がここに暮らしてるとかホームレスか何か? 遠からず。

 

「灯りを……!」

「それはいかぬ。キャットは分かる、灯りとは獣にとって激推しアイドル、一度見つければ猫まっしぐら、あっと言う間にキャットタワーの出来上がり」

 

>迂闊に灯りを付ければ命取りになりかねない、という事だろうか。実際、この暗がりでは灯り一つでも完璧に目印、いやむしろ的になりかねないのだろう。となればこの暗がりの中で、戦うしかない。

 

「ふふん、いきなりの縛りプレイ、夫婦の営みにスパイスだワン!」

「あ、キャット様!」

 

 という事でキャットが真っ先に飛び出して戦闘開始です。敵の表示は全部『???』となって居ます。何となくシルエットを見るに、大分数は多いようで。月明りもない真っ暗な中で殴り合いですが……と言っても相手はそこまで強くもないエネミーなので、苦戦すら論外だと思われます。

 

【暗がり】:回避率、命中率が低下する。(アサシンの場合上昇する)

 

 だからってバフを容赦なくつけるなお前FGORPGオォン?! セプテムまでは基本的に昼間、もしくは明るい場所で戦えていたので付かなかったんでしょうけど……流石に第二特異点、地形デバフ迄付いて来るようになるとは。難易度が上がりましたね。

 

「ふふん、キャットの五感は良い五感……獣の匂いを嗅ぎつける程度は余裕、すなわちこのバトルはランチタイムと同義なのだな!」

 

 なおキャットには暗がりデバフは付いておりません。流石は獣、暗さ程度では全くもって行動の制限などされませんね。さては……キャット体験クエストじゃな?

 となれば全力で叩き潰すならキャットを主軸に。イクゾー

 

「にゃははははっ! 先ずは三枚おろしから!」

 

 キャット選手、先ずは見えにくい敵に向かって切り込んだ! アレは……シルエット的にはスケルトン! ブチ砕いてカリッと焼いて骨煎餅にするのが一番の頂き方ですがさて! とか実況しておいてなんですけど食べたくはありません(全ギレ)

 ……しかし流石バーサーカー、暴れ具合はピカ一。敵が四方八方に吹き散らされるその姿、サツバツ!

 

「叩いてネギトロめいたマッポー調理! クローンヤクザもこれには潔くハラキリしつつ昇天! んー! グッドナイトなのだな」

 

 というか何だったらキャットに任せてさ、終わりで良いんじゃない?(圧倒) 敵がおもちゃみたく弾け飛んでるんですよ。こんなの戦いじゃないわ、唯の処理よ! だったらさっさと終わらせればいいだろ!

 という事で香子さん、援護オナシャス! 護衛は当然ホモ君で。

 

「え、援護……しかしマスター、この暗がりの状況でどうやって援護を。当たるかどうかも分かりませんし、キャット様の近くに撃つにしても……」

 

>――誤射の可能性が頭を過る。迂闊に撃つのは折角の協力者を失う危険を招きかねないのである。となれば……

 

>>キャットの動きをよく見て、地道に打ちこむしかない、か?

>>狭い空間内に大量の敵、キャットを避けて適当撃っても割と当たるのでは?

 

 さては天才か? 成程、数撃てば当たるとは言いますが、この空間でドバーッっと出していけば避けるスペースもそう無いですし、数撃った分だけ直撃するってもんです。さてはフィーバータイムか?

 という事で選択肢は下だ下だ下だ(速攻)

 

「……成程、そう言われれば」

 

グミ撃ちはフラグと言いますけど、それはDB世界だけだから……Fate世界では一斉砲火は切り札、ディンギルもそれを証明してます。

 

「キャット様! 取り敢えず出鱈目に打ちこんでみますので、一旦動かないでいただけないでしょうか!」

「うむ? 野菜王子の再現か! キャットはニンジンの如く泰然自若なのだな!」

 

 キャットが一歩下がって、さあ撃つスペースが出来上がりました。香子さん出番です! すーっ、えー、八割くらい……いやちゃんと全力でやって貰わないと駄目みたいだと思います……

 

「こ、こうなったらヤケ、という奴です! えいえいえーいっ!

 

 さあ無数にばら撒かれる黒光りの太い棒! 墨色なのでまぁ画面の暗がりに混ざってしまって映えない事映えない事。本来は暗がりで光の光線って派手な光景の筈なんですけど、何という例外の光景か!

 

「当たっているのか外れているのか……うーむシュレディンガー」

『確実に数は減ってるね。命中は確実にしてるみたいだけど、何という力技』

 

 傍から見ると香子さんがパタパタ手を振っているだけの様にも見えるという。物凄いカワイイ! 尚真正面から見ようとするとホモ君の頭蓋がトマト染みた事になる模様。欲望に身を任せるのには気を付けよう!

 

「こ、これで……どうでしょうか……」

『……良し、数も減ってきたかな。そろそろ良いんじゃないかい? 後は……』

「うむ。平安ガール、そろそろストップ。後はキャットがケツを拭く、ケツはケツでも真っ赤なエネミー共の血だワン! しかしゴーストが出血とはコレ如何に!」

 

 ちょっと顔を赤くしつつ、ふぅふぅ息を吐く香子さんが愛おしすぎて……取り合えず後で動画で只管に切り取るとして、そこだ行けキャット! 残党狩りだ! 最後の一発までくれてやるよオラァン!!

 

「にゅっふっふっふー……さぁ、いよいよメインディッシュ。丁寧にさばいて食卓に上げるとしよう、テーブルマナーは御覧の番号のオンライン教室にお電話なのだナ!」

『――一匹、デカい反応が残ってるみたいだしね。来るよ!』

 

>暗がりにキャットが飛び出し、暗がりからキャットに向けて何かが飛び掛かる。一瞬キラリと光るのは、キャットと似通った獣の爪……だが、その爪牙が同じなのは、僅かに見た目のみ。

 

「殴っ血KILL!」

 

>そのネコ渾身の振り下ろしは……あっさりと洞窟の奥から突っ込んで来た影の前足らしきものを切り落とした。

 

 あぁっと キメラくん きりとばされた!

 

「ふふん、流石に野生。猫パンチにアングリーシャウト、講〇社から発売中」

 

>痛みから怒りの咆哮を上げる、獣に向けて……キャットはあくまで自然体。畏れることなく真っ直ぐに向き直り、そのまま腰を落とし、腰だめに二つの獣手を構える。その手の内に灯るは紅い、紅い、紅蓮の輝き!

 

「しかし売れ行き微妙故即打ち切りである……悪く思うな若人よ、恐み恐み──『呪層・猫日照』!」

 

 そして機動力の落ちたその体では避けられまい……お前はもう完全に『出来上がって』いるッ! トドメだ喰らえ、メ タ リ カ ッ!(キャットのEXアタック!) ルビが無理矢理過ぎると思うんですがそれは……

 

>紅い焔は空気を引き裂き、着弾。圧倒的な熱と光をまき散らしながら、大柄な獣の影を一瞬洞窟に浮かび上がらせる。しかし、一瞬。一瞬で獣の影は炎の中に溶けて消え……一瞬の後、湯気の他には、最早そこに何も残って居なかった。

 

『うーん出鱈目なパワーだ。彼女が本気でさっき暴れて居なくて本当に良かった』

「ひえ」

「ガッチャ! なのだな」

 

 キャットが楽しそうで何よりです。

 と言った所で、今回は此処まで。アレ? ホモ君活躍、出来ましたか? 出来ませんでした(小声)……ま、まだどうくつこうりゃくおわってないし(震え声)

 次回こそ、RPG主人公の面目躍如を。ご視聴、ありがとうございました。

 




原作ではこの章で会う中ボスがキメラだったんですよ。
それが前座として出てくる……つまり?

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