FGORPG ノンケがエンジョイプレイ 作:秋の自由研究
調査を続行する。
それが、想定外の事態に対する、ダ・ヴィンチの回答だった。
『一度撤退して態勢立て直して……っていうのがベターだとは思うんだけどね。流石にフォーリナーの反応を見逃すって訳にはいかない。その唐突なアルトリウム反応と、関連が無いとは言えないし』
「当然です! フォーリナーを狩ればボーナスが出ますし!」
フルアーマーを解除し、眩しい笑顔を浮かべるXXに、いやそれは君だけだと思うよ。と、康友は思っていたが……口にする事はしない。お賃金の為に身を粉にして働く、というのは社会人として立派な心掛けであり、それを口に出してどうこう言う、というのは流石に宜しくない。
「しかし、狩るにしても少々厳しいかもしれんな。さっきまでの魔術師連中に関しては情報もあったが……そのフォーリナーとやらは情報も一切なしと来た」
「ふふん、そこはフォーリナーハンターたる私にお任せを! 初見相手なんてそれこそ幾らでもあったので、慣れていますとも!」
「それで今まで通じて来たのが不思議なくらいだな……」
腐っても鯛、だらしないOLでも上位者狩りである。通常でもその出力は相当だが、更に専門の仕事となればその頼り甲斐は凄まじいものがある。
「実際、ルルハワの黒幕を打ち倒したのはXXだし、頼りになるよ」
「……すげーな、XXさん。だらしないOL、とか言われてるけどやっぱ只者じゃねぇんだな。そりゃそうか、凄いロイヤルな顔してるし……俺みたいな地味なのとは格が違うよなやっぱり」
「はいはい、マンドリカルドは変に拗らせないの。その援護を私達がするんだから」
そうでしょうとも! と胸を張るXXだが……確かに彼女の能力は頼りになる。だが万が一、という事もあり得るので、一応信長にその視線を向けた。
「まぁ十中八九いける。万が一あ奴が破れたとして、ワシが時間を稼いでいる内に全員の宝具を叩き込めばまぁ大丈夫じゃろ。じゃからあのマハトマキャスター以外は単体宝具で固めてある」
そういわれれば。マンドリカルド、テル、ジャック。どれも単体を相手取るタイプの宝具だ。数で押して来る、という訳でないのなら、この編成は正に完璧と言えた。
「後は……集めたこ奴らの全力攻撃で仕留め切れる事を祈るしかないのう」
……突然姿を……いや、アルトリウムを発見した時点で、彼女の異次元的な勘が捉えていたフォーリナー。その実力は、未だ未知数だった。
「あ……あぁあ……こ、こっちくんじゃねぇええええ!」
「またですか! そぉい!」
「あひゅい!?」
フォーリナー反応の方に足を向ければ、それに比例するかのように敵の数が増えていった。そして……同時に、通路に転がっているアルトリウムの量も。どうやら信長の邪推、ダ・ヴィンチの想像は見事バチ当たりしてしまったようだった。
間違いなく、フォーリナーと不法アルトリウム、この両者は何らかの形で関わっている、と。
「ほーぐ、使わなくていいの?」
「ジャックはこの先で思いっきり暴れて貰うかもしれないからな。温存温存」
「……なんでXXさんのアホ毛がこんなに転がってんだ……? これがアルトリウム……だとしたらアルトリウムっていったい……?」
「考えるな、感じるのじゃ、マンドリ」
マンドリカルドの両手には、一応サンプルとして持って帰ってきてもらう用のアルトリウムが。そんな風に雑に回収しても構わない程に、アルトリウムは無数に、雑に放置されていた。
「……しかし、可笑しいな」
「何がかしら? ウィリアムさん」
「いや、敵が来たら警戒するのは自然、だとは思うんだが……幾らなんでも
そう言ったテルの視線の先、件のアルトリウムを蹴散らしてズンズンと進むXXは確かに遭遇する敵に、敵に、兎に角過剰反応されていた。見ただけで悲鳴を上げて襲い掛かってくるなんて言うのはザラで、見ただけで逃げ出した者まで居る。
「まるで……見た事がある、みたいな?」
「そんな感じだな」
「……因みに俺も見られただけで腰抜かされたけど、さっき」
「そりゃあマスターの顔のせいだろうな。うん。暗がりで見たらお前さんの顔、迫力倍増してると思うぜ」
テルに冗談めかして言われ、康友は音もなく崩れ落ちた。昔からさらに顔の傷は増え、もう完全に堅気には見えない顔になってしまったので、もう何も言えないのである。
「……つらい」
「ヤスのかお、怖くないよー? むしろかっこいい!」
「ジャックには一杯ご飯買ってあげような……!」
――と言ったような茶番を挟みながらも、貴方達はズンズンとフォーリナー反応へと突き進み……そこへたどり着いた。どの場所より明らかに広く、そしてどこよりもアルトリウムの溢れた、大部屋に。
「……なんです? アレ」
「黄金の巨人……か?」
「というかミッチーが変状したアレの黄金バージョンにしか見えんのじゃが、じゃが?」
広い広い空間の中心……そこに蹲っていたのは、黄金に輝く巨人。ボタリ、ボタリと黄金の雫を零し、それがばらける度にアルトリウムに変わっていく。
「あ、アルトリウムを生み出してるわよアレ!?」
「此奴が元凶か……で、ここに居るって事は!」
「アルトリウム不法製造するフォーリナーとかコレは即伐採ですね! 幸い強そうにも見えないので一発で仕留めます!」
それを確認したXXがやったのは、速攻の宝具展開。令呪を必要としない程に魔力を既に高めていた彼女の手、双頭の槍の両側に、エーテルの眩い輝きが灯る。
「ちょ、おい! 大丈夫なのか?!」
「いけます! 万が一カウンター持ちとかでもゴリ押しで切れます! そういう相手も纏めてバッサリして来たんで!」
流石にそれを見逃す事は出来なかったのか、黄金の巨人がそれを止めようとゆっくりと動き始め……同じくらいに巨大な骸骨の腕に迎撃される。信長の宝具の一部を限定展開し、その動きを一瞬止めたのだ。
「未知の敵を速攻で屠るその意気や良し! やれXX!」
「ナイスですノッブ! いきますよぉ! 『
一切の容赦、やり取り、余裕なし。速攻も速攻のXXの全力攻撃。銀河すら両断しかねない、一種の斬撃の極致。輝ける伝説の切り札が……なんともあっさりと黄金の巨人を縦に割った。
「うわスゲェ!? あんな図体のをあっさりと!?」
「……ははっ、こりゃあスゲェ。ハンターってのは、伊達じゃないか」
「キレ―!」
「うーん、もうちょっと観察してみたかったけど……まぁ仕方ないわね」
周りが勝利を疑わない程に、その巨体を軽々と引き裂いたエーテルの輝きを収め、XXはピースサインを浮かべ、此方へと戻ってくる。
「いやーやりました! 出自不明のフォーリナー撃退! これはボーナスにも期待が出来そうですねぇ!」
「いやー流石謎のヒロイン族、一切のストーリーとか、そういうのないのー」
言わんとする事は分かるが、しかしそれがXXの強みでもある。あらゆる攻撃を、一切の油断、様子見無く全力で叩き込める。不意打ち、闇討ちすらも躊躇いない。それでいて明るく溌溂。稀有な人材、と間違いなく呼べるだろう。
今回はそんな彼女のお陰で、あほらしい惨劇を事前に防ぐことが出来た。ありがとう。そう、彼女に声をかけようとして……
「――」
「――XXゥ!! 後ろだ! 避けろぉおおおお!」
叫んだ。咄嗟だった。間に合うかも分からないが跳んだ。彼女に体当たりを決め……何をするのか、といった表情の彼女と目が合って……直後、その真上を、黄金の雷が走り抜ける。まるで、アルトリウムの輝きそのものの様な、そんな輝きが。
「っ!」
「危ねぇ!」
その直線状、もう一人居たのは……ジャック。完全に不意打ち、彼女が雷電を視認した時には既に雷電は目の前に。
しかしその刹那、雷電が直撃するより僅かに早く、少女の前にマンドリカルドが立ち塞がった。その盾と木刀を壁として構え、その雷を凌ぎ切るその姿に、何時もの自信なさげな姿は欠片も見えない。
「っと、大丈夫かジャック」
「ん! ありがと!」
「おう、なら良い」
マンドリカルドが居なければ、瞬間でジャックがやられていた。何という速攻。XXとどっこいだろう。一体、誰が……その視線の先。貴方は、信じられないモノをみた。
「……は?」
「ちょ、マスター君どいてください! なんだか良く分かりませんけど、敵なんでしょう!? ボーっとしてないで……?」
つられて、XXもその方向を見つめ……同じようにその動きを止めてしまう。黄金の巨人の亡骸、そこから現れたその姿は……小柄な体躯だった。黒いフード。色素の薄い、白に限りなく近いブロンドの髪。服に走るラインは、赤から黄金に変わっていて、構える双頭の剣もまた、目に痛い程の黄金。
「……
XXが零した言葉に反応するかのように、少女は真っすぐに駆け出す。その進行方向に居るのは……康友と、XX。
「っ! アブねぇ!?」
「き、緊急離脱! アーヴァロン!」
その言葉に応え、XXの聖槍甲冑が二人の命をギリギリで救う。暫く引き摺られてから、後方で待機していた四騎の元に、二人纏めて転がり込んだ。
「だ、大丈夫!?」
「俺は、なんとか……! 信長は!?」
「ここに居るわい。ったく、ワシの事なんか眼中に非ずじゃからのう、逃げ出すのに苦労は無かったわ」
そう言って、信長が視線を向ける先……僅かな違いはあれど、それは間違いなくかの暗黒の騎士団「ダーク・ラウンズ」に連なる最後の生き残り。付与されし称号はペンドラゴン卿。対・対セイバー用決戦兵器。
謎のヒロインXオルタ。その人の姿をしていた。
「ど、どうしてえっちゃんがここに?! まさか自力で特異点に!?」
「んな訳あるかぁ! ダ・ヴィンチちゃん!」
『確認したよ! 件の文系バーサーカーなら食堂で若かりし頃のフォーリナーハンターと茶をシバイてるよ!』
「それは何よりです!」
……少なくとも、アレはカルデアの文系バーサーカーと人違いである事は確認できた。しかし、では、とXXが困惑した声を漏らす。当然だ。他人の空似というには余りにも、目の前の少女は謎のヒロインXオルタと似通った姿をしていたのだから。
「あれって……誰ですか!?」
でも思いついちゃったんだもん……XXのストーリー……思いついたら書くしかないってハッキリ分かんだね。