俺の彼女が何人もいるのだが。   作:月島柊

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お待たせしました!長編です!
ですが最終話となります。短かったけど楽しんで頂けたら幸いです。
今回の登場人物
西宮紗由理
姫宮結菜
西条有希
白水百合花
ギジル
月島咲良
月島柊
月島暁依
以上8人


第一長編作品 第8話 最終話 赤い空

俺たちが転移したときは咲良、暁依(あきより)共にリビング、自室(じしつ)にはいなかった。となると、寝室しかないと思い、俺は寝室のある2階への階段を上り始める。ミサもあとに続いてやってくる。

2階の通路が見えた途端、左から右へ向かう人影があった。顔までは確認できなかったが、身長から見ておそらく暁依だろう。

俺は2階に足を踏み入れる。そのとき、横からドンと俺にぶつかったなにかがあった。物ではなく、暖かみのあるなにかだ。

「ごめん!暁依!って、お兄ちゃん!?」

ぶつかったのは咲良だった。怪我はしていなさそうだが、なにか焦っている。

「どうしたんだ」

下を見ると銃のようなものを持っていた。その銃はかなり細長く、狙撃用っぽかった。

「咲良、銃なんか持ってどうした」

「あそこに私たちを狙ってる人たちがいるの!」

窓の外を見ると確かにこちらに銃口を向けている人が2人ほどいた。

「あいつら、なにしてんだ」

「なんか調べたら殺人グループの一員とかいってるよ」

殺人グループの一員か。

俺は1人心当たりがあった。今から8年前の女。自分から殺し屋だとか言っていて怪しかった。8年前は15歳でまだ中学3年だった。だからかあまり興味はなかったが、その女に百合花と俺の関係を切られた。「貸せ」とたった2文字の言葉を言い、咲良から銃を奪う。

「お兄ちゃん、なにするの」

咲良から聞かれるが今の俺には関係ないことだ。

「死ね」

俺は2人のうち1人に銃弾を当てようとする。引き金を引き、弾が飛んでいく。しかし俺の弾は相手の目の前で消える。

「なんで・・・」

よく見るとそこには薄い防御魔法(シールド魔法)があった。例え色が薄くても、威力はかなり強い方。余裕で銃弾くらい消せる。

すると相手は爆発火炎魔法を使う。俺は覚えているなかの最大防御魔法を使う。

「ぐっ!」

思いっきり弾き飛ばされてしまう。弾き飛ばされた俺は階段の端にある小さな壁に強くぶつかる。

「柊くん!」

「お兄ちゃん!」

それぞれ同時に言う。俺は立てないまま倒れ込んでいた。背中が痛く、苦しい気もする。そこに、ミサが

「私がやる」

と言い出した。俺が吹き飛ばされたから危険だとは思ったが、仮想世界のことを思い出した。ボスを1撃で殺したんだ。

「任せたぞっ」

俺は苦しいからか咳き込む。やっぱりミサに任せるしかなかったんだ。

ミサは銃を持ち、30秒で狙いを定めたあと、引き金を引く。倒れ込んでるから殺したかは分からない。ちゃんと殺せただろうか。

しかしそんな心配はいらなかった。

「殺したよ」

俺の安心する声がした。その返事を待ってたよ。

「ありがと、ミサ」

しかし前1人を殺しただけ。まだ1人残っている。そこに暁依が来て「もう1人殺したさ」と言った。これで周りは安全だから外に出てもいいんだが、まだ俺の体がダメだった。

「一回下降りようか」

俺は必死で立ち、1階に向かう。窓からは真っ赤な空が写っていた。部屋も赤く染まっている。

「回復魔法かけるな」

暁依が回復してくれる。

「魔法使えたのか、暁依」

前までは使えないかと思っていた暁依が使えたのだ。

「まぁな。少しは使える」

「すごいな。もう俺もたてるよ」

俺は銃を念のため持って外に出る。外では銃声や爆発音がそこらじゅうから聞こえてくる。いつの間にか戦場と化していたのだ。

「一回駅に向かおう。仲間がいるはずだ」

俺たちは走って駅に向かう。

向かっている最中も銃を持った住民がたくさんいた。やはりあの殺し屋はこのまちにいるんだ。

駅に着くと人が何人もいた。避難している人や銃を持った人もいる。その中に百合花たち4人もいた。

「柊くん、来てたんだ」

「ついさっきな。」

そのとき、大きな声がして防御線が引かれた。戦闘力のある人が40人ほど列を作り、通れないようにしているのだ。

「こっちも線路から狙撃して協力しよう」

『はい!』

俺を含めた7人はホームに向かう階段を上がる。ホームに着くと線路に下り、銃を構える。

「あそこにいるの敵だよね?」

「あぁ。撃て」

6人一斉に撃つ。俺は下にいる人に向かってグッジョブのサインをする。

「なるべく防衛線より前で殺せ。」

「柊くんはどうするの」

「反対側だ。」

俺は反対側に防衛線が無いためそっちを重点的に守る。あの女はまだいないらしい。

「柊くん、なんか集団来たよ!」

そう言ったのは紗由理だった。こっちにも集団が来ていた。

「そっちはそっちでやってくれ。」

俺は反対側の集団を撃退する。50人は軽くいる。下手したら100人いるだろう。

「柊くん!無理だよ!」

「諦めるな!少しでも倒せ!」

俺はグレネードを投げ、下で爆発させる。

「こっちは大丈夫だ。そっちはまだか」

百合花たちの方向はグレネードを投げられない。防衛線の人を爆発させてしまう。

「少しは減ったけど、まだ全然いるよ」

俺は下を見るが俺がいた方の倍はいる。結構多い。

「少しでも減らそう。」

俺はひたすら撃つ。味方に当たらないようにして慎重かつ大胆に撃つ。

「よし、あと半分!」

 

15分くらいの激闘の結果、全滅できた。赤い空はなおらないが、来る敵の数は減った。

「よし、下に降りよう。家に帰るぞ」

俺たちは家に帰る。一回安全になった今がチャンスだ。

家に着くとひとまずご飯を食べる。

「百合花、まだあの女が」

「わかってる。多分、ここにいればいずれか来る。」

あの女がこの町を支配してるに違いない。俺はここで待つことにした。

 

そしてそのときが来た。

ピンポーン

と呼び鈴の音。最初はただの来客だと思い、何も持たずにドアを開けた。

「久しぶりね。月島柊くん」

あの女だった。俺は口を開けたまま話を聞いていた。息をする間もない。そしてそのまま首を掴まれ、首を絞められる。

「ぐはっ」

俺は血を吐くかのように咳をする。それを聞いてミサと咲良、百合花が来てしまう。

『柊くん!』

俺は来るのを止めるために言う。

「来るな!死ぬぞ!」

「っ!」

百合花も気づいたそうで部屋に向かう。俺には近づかない方がいいんだ。

「さーて、もう死ぬ時間ね。最後の言葉は」

「もう少し生きたかったな」

そういうと女はナイフを首に近づける。俺は初めて命の危機を感じた。もう死ぬんだ。最後くらい、誰かと結婚していたかったな。

そう思っていると、ナイフが急に俺の首から離れた。それと同時に俺は床に落ちる。横を見ると拳銃を持った百合花がいた。

「百合花!」

「柊くん、私がいないと何もやれないんだから!」

「ごめん、百合花」

俺は自分の未熟さに謝った。

「別に、私がついていくから」

百合花がニコッと笑っていった。俺は百合花が投げた拳銃を持ち、女に銃口を向ける。

「今度はこっちのターンだ」

俺は早速引き金を引く。そりゃあ最初は避けられる。俺はすぐに魔法を使う。火炎魔法だ。この魔法は、咲良、咲希、有希、紗由理などの思いを込めた魔法だ。そう簡単には消えない、1番強い魔法だ。

「俺たちの関係を切りやがって」

俺はそう言いながら火炎魔法を使い続ける。

「私に逆らうな!お前1人にくらい、勝てるに決まってる!」

誰も1人で勝つなんて言っていない。俺には1番大事な、大切な仲間がいる。

「百合花!」

仲間全員で勝つんだ。

「たあぁっ!」

俺に仲間がいてよかった。俺は改めてそう思った。仲間がいなければ、ここまでこれていなかったから。

 

1週間たったとき、俺たちは転移前に来ていた川岸に来ていた。

「柊くんこんなところ来てたんだぁ」

紗由理が言った。やっぱり羨ましかったか。

「そうだよ。いまは思う存分楽しもうな」

「あぁっ、それ私が食べたかったやつ!」

咲良が言った。焚き火にあったマシュマロを食べたかったのだろう。

「だったら私が食べる」

咲希だ。やっぱり落ち着いている。

「ずるいよー」

「柊くん、行こ?」

百合花がいった。暑くもなく寒くもない、穏やかな天気でキャンプ日和だった。

「私もいく!」

ミサもピヨをつれてついてきた。

「だったらみんなで写真撮ろうぜ!」

暁依が提案した。

「いいな!撮ろうぜ」

ギジルもここにはいた。俺たちは川を背景にして集合写真を撮る。

「じゃあ撮るぞー」

俺はカメラを覗く。

「柊くんも早く来てね!」

「分かった。いくぞー、はい、チーズ」

俺は走って真ん中にいく。

カシャッ

シャッターがなる。多分よく撮れただろう。

空は青くなり、暖かくなった。あのときとは真逆だ。結婚はまだしていなくて、またデートからだ。

けどある程度候補はある。それは・・・

 

YU・・・

 

 




どうでしたか。3ぶんの1で終わっちゃいましたが。
最後のYU。誰かの名前を指しています。さて、誰だか感想を書く欄やリプで教えてくださいね!
それでは最後までありがとうございました!
2020年7月16日21時09分50秒

この小説2期やった方がいい?

  • いや、やめといた方が・・・
  • 是非やって!

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