戦姫絶唱BLACK SHADOW 作:ロヒシ&かづ えい子しょうゆ味
理由と致しましては、執筆担当のえい子氏がこの4月から新生活を送るにあたって、慣れるまでは投稿はお休みしようという事になりまして、読者の皆様には予告なくお休みしてしまった事を謝罪致します。
今月から投稿を再開させていただきます。
それから、一つアンケートを取らせていただこうかなと思います。
それは、ふらわーのオバちゃんの名前についてです。
予告でも登場する時があるので、流石に名前がないとキツイかなと考えるようになりました。
「クリスちゃぁぁぁぁぁぁん‼︎」
夜空の中、立花の絶叫が木霊する。
私達が戦うべき敵、終わりの名を持つ謎の女フィーネの正体は、私達と共に戦ってきたはずの櫻井女史だった。
櫻井女史ことフィーネは先史文明期の巫女で、己が遺伝子に細工をし、何度も輪廻転生を繰り返しては暗躍を続けてきた。
その目的は、人類の相互理解を妨げるバラルの呪詛と呼ばれるものの源である月を破壊すること。
それを同じ適合者でありながらフィーネに協力し、しかしその後は私達の仲間となった雪音 クリスがフィーネの建設した巨大兵器、カ・ディンギルの一撃を命を賭して阻止した。
奏者の命を蝕む絶唱と共に放たれた彼女の一撃はカ・ディンギルから放たれた荷電粒子砲の軌道を逸らし、月は僅かに砕かれる程度に留まった。
だが、その代償として彼女は命を落としてしまった。
ようやく彼女と心を通わせられたと喜んでいた立花の悲しみは計り知れない。膝から崩れ落ち嗚咽を漏らしている。
幾度となく刃を交えた私も彼女の死に思わず目が熱くなる。
だが……
「ふっ、自分を殺して月への直撃を阻止したか……ハッ、無駄な事を」
フィーネはそんな彼女の姿を嘲笑うかのように評した。
私は怒りに震えながら剣を向ける。
「笑ったのか?命を燃やして大切な物を守った者をお前は無駄とせせら笑ったのか⁉︎」
フィーネが言った言葉は雪音 クリスだけではない。奏の、私の大切な友をも侮辱していた。
その時だった。
「ソレガ……」
地の底から響くような低い声が聞こえてきた。
「ユメゴトイノチヲニギリツブシタヤツノイウコトカァァァァァァァ‼︎」
その声のする方に視線を向けると、立花の様子が豹変していた。
身体が黒い何かに覆われ、目は不気味な光を発し、まるで獣のような雄叫びをあげる。
これはまさか、ギアの暴走⁉︎
すると立花はまるで狂った獣のようにフィーネに襲いかかった。
だが、破壊衝動のみに駆られ、信念なき拳が通じる筈がない。立花の攻撃は簡単にいなされてしまった。
「立花!」
「ガァァァァァァァァッ‼︎」
奇声を上げ、獣となった立花がさらにフィーネに襲いかかった。轟音と共に土煙が上がる。
それが収まると、立花の一撃はフィーネの身体を切り裂いていた。
しかし、その身体は血飛沫を上げる事ない上にフィーネは不敵な笑みさえも浮かべていた。
そして驚くべき事に切り裂かれたフィーネの身体が突然再生を始めた。これはもしやネフシュタンの鎧の力?
だが今はそれよりも立花のことだ。
「止せ立花!これ以上は聖遺物との融合を促進させるばかりだ!」
すると、まるで肉食獣が獲物を見つけたかの如く立花の瞳が不気味な光を発しながら私を捉える。そして、奇声を上げながら突進してきた。
「ハハハハハッ、良かったではないか!その女と戦う…お前が以前望んだ事だろう?」
そう言って、不敵な笑みを浮かべるフィーネ。
たしかに、私は以前立花に刃を向けた。
しかしそれは、奏のギアを立花が何の覚悟もなく
私の心が未熟だった事もある。だが、私は好んで誰かとの戦いを望んでいるわけではない!
「止めろ立花!止めてくれ!」
私は立花の攻撃を防ぎながら必死に彼女に呼びかける。だが、彼女に私の声が届く事はなかった。
私は、どうしたら良いのだ……こんな時、奏や南さんがいてくれたら……違う!何を弱気になってるんだ私は!
私は誓った筈だ!もう二度と大切なモノを失うまいと!
その時だった。沈黙していた筈のカ・ディンギルが突如として再び動き出した。
まさかカ・ディンギルは……!
「如何にカ・ディンギルが強大な力を持っているとはいえ、たった一発しか撃てないなら兵器としては欠陥品だろう?その為に、エネルギー炉心には無限のエネルギーを発するデュランダルを使用しているのだからな!」
フィーネが勝ち誇ったかのように高笑いをあげる。
これでは雪音 クリスの死が無駄になってしまうではないか。
私は、深く息を吐くと決意を胸に立花の瞳を見据える。
そして、立花が私に向かって思い切り突進してきた。
彼女の手が私の胸を貫く。激痛と共に鮮血が滴り落ちる。だが私は決して苦痛に顔を歪める事なく、又声も発する事はしなかった。ただ優しく彼女の身体を抱きしめた。
そして、脚部から小刀を取り出すと彼女の影に向かって影縫いを放った。
「立花、この手は誰かと手を繋げるための手だろう?奏から受け継いだ力を、こんな風に使わないでくれ」
優しく諭すように私は立花に告げた。
立花…思えば貴女とは色々とあった。最初は反りが合わず、関係もぎくしゃくしていた。
でも今の貴女は、決して奏の代わりなんかではない。立派な私の…大切な『仲間』だ。
「立花、貴女なら必ず元に戻ってくれると私は信じている。だからそこで聴いていて欲しい。私の……最期の歌を」
立花から手を離すと、私はフィーネに向かって剣を向ける。
「どこまでも剣として生きるか」
「今日に折れて死んでも、明日に人として歌うために……風鳴 翼が歌うのが、戦場ばかりでないと知れ!」
私はフィーネに向かって駆け出し、高く跳び上がる。
ギアを展開させ、巨大化させた刃から
しかし、フィーネはその斬撃を涼しい顔で弾き返す。やはりコレが完全聖遺物と聖遺物の欠片作られたギアの性能の差が。
しかし、私には技がある。幾つもの戦場、幾度の戦いに於いて培った経験と技が!
フィーネがネフシュタンの鞭を振るう。私はそれを難なく躱し、脚部のブレードを展開させ旋風蹴りを放った。
「クッ…⁉︎」
顔を歪ませ、鞭を引き戻して防御するフィーネだが……遅い!
ブレードが防がれた瞬間、私は体勢を入れ替え奴の懐に飛び込み一閃を放った。
虚を突かれたフィーネはその一撃を受けてカ・ディンギルに激突する。
それを見た私は天高く跳び上がり、剣をフィーネに向かって投げ放つ。
放たれた剣が巨大化し、ブースターを稼働させて剣の柄に向かって蹴りを放った。
その一撃をフィーネはネフシュタンの鞭を網の目状に展開し、盾の形を作った。
三層の盾を剣が貫いていくが、狙いが外れて地面に刺さってしまった。
それを見て不敵な笑みを浮かべるフィーネだったが、私の狙いは奴ではない。
私は2本の剣を手に巨大化した剣を踏み台にして高く飛び上がった。
ブースターを起動させ、両の手に持つ剣が炎の翼となる。
そう。私の目的はカ・ディンギルの破壊だ。
ここでフィーネを倒しても、カ・ディンギルが発射されてしまえば意味はない。
だから私はカ・ディンギルに対して捨て身の特攻を試みた。
しかし、そうはさまいとネフシュタンの鞭が背後から私に襲いかかってきた。
激痛が走り、私の身体は地上へと落ちていく。
やはり、私ではダメなのか?そう諦めかけた時だった。
『諦めるのか?こんな所でお前は諦めるのか?』
何者かの声が聴こえてきた。いったい、誰……?
南さんとは違う…だけど、同じような優しい温かい声……
『お前の力を、お前の夢を信じている者がいるのに、お前は諦めるのか?』
だが、もう身体に力が……
その時だった。
『翼』
かな…で……?
『何弱気な事言ってんだ。翼らしくないじゃないか』
奏…でも、もう私一人では……
『私が一緒に翔んでやる。言っただろう?私とアンタ、両翼揃ったツヴァイウィングなら……』
どこからともなく奏の声が聴こえてきた。
幻聴なのだろうか?それでも、その声は私の身体に再び力を与えてくれた。
剣に炎を灯し、私は翔び立つ。
そうだったね奏。私達、両翼揃ったツヴァイウィングならどこまでも遠くへ飛んでいける!どんなものでも越えてみせる!
あとは任せたぞ立花。貴女ならきっと……私は信じている。
「立花ぁぁぁぁぁぁっ‼︎」
立花に想いを託し、私の意識は光の中へと消えていった。
⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎
轟音と共に私の意識は暗い闇の中から戻ってきた。
手には翼さんの身体を貫いた嫌な感触が残ってる。
私はいったい何をしているんだろう?
クリスちゃんはみんなを守るために絶唱を歌った。
翼さんも、暴走した私を元に戻そうと傷ついて、カ・ディンギルを破壊するために命を落とした。
それなのに私は……
でも、私が守りたいものはもうどこにもない。
クリスちゃんも翼さんも死んで…学校もこんなに壊れてちゃ未来やクラスの子達だってきっと助かっていない。
それに、了子さんは言ってた。
光太郎さんもあのビルゲニアとかいうゴルゴムの怪人に倒されたって……もうどこにも私の大切な人はいない。
そう思ったら、身体に力が入らなくなっちゃった。
カ・ディンギルが壊されて了子さんが怒りに震え、私の身体を投げ飛ばす。
身体中に痛みが走るけど、私はもう立つ気力も無くなっていた。
だって、守る物なんてどこにもないのに……
『諦めるのか?』
その時だった。私の耳に誰かの声が聴こえてきた。
誰?誰なの?
『お前が守りたい者は、お前の友だけなのか?近しい者だけなのか?お前がその力を使う覚悟を決めたのは、お前の知る者だけを助ける為なのか?』
違う……そんな事ない。
私、私が守りたいモノは……!でも、身体に力が入らない。立ち上がる事ができない。
その時、バキンっていう大きな音が聴こえたかと思ったら大きな背中が私の前に立った。
それを見て私は嗚咽を漏らす。
だって、だって……
「立ち上がるんだ響ちゃん!」
その背中は死んだと思っていた私の大切な人、南 光太郎さんのものだった。
次回予告
クリスと翼が命を落とし、響も絶望の淵に立たされた。
その現実は学院の地下にいた者達にまで恐怖と絶望を掻き立てる。
そんな中、希望の光を灯す為に光太郎は立ち上がる。
響の為に、みんなの想いが一つとなってリディアンの地に歌が鳴り響く。
そしてその時、不思議な事が起こった。
次回、戦姫絶唱BLACK SHADOW
第19話 『響け、生命の歌』お楽しみに!
今作のヒロインをどう思いますか?
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姉さん女房な友里さんでしょ!
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いやいや、ツンデレなクリスだ!
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ここは一つ、ふらわーのオバちゃんで!
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ヒロイン要らなくね?