戦姫絶唱BLACK SHADOW 作:ロヒシ&かづ えい子しょうゆ味
次回は来週の土曜日を予定しております
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「トァッ!」
夕焼けに染まる町外れの場所で俺は今日もノイズと戦闘を繰り広げていた。
ノイズーーこの世界において突如として現れた認定特異災害。ゴルゴムと同じで人類を破滅へと追いやる存在だ。
奴らは炭素変換能力というのを持っていて、触れられたものは全て炭となってしまう。
そしてどういうわけか、通常兵器による攻撃が効かない。
以前、自衛隊がノイズと交戦しているのを見た事があるが、彼らの攻撃は全てノイズの身体をすり抜けてしまっていた。
そんな恐るべき能力を持つノイズに対し、俺は触れても身体が炭素化せず、又攻撃もすり抜ける事はなかった。
それは、俺が改造人間である事が関係しているのかと思ったが、どうやら俺の体内に宿るキングストーンの力のようだ。
そのおかげで俺はノイズと戦える。
そして、俺の他にもう一人ノイズと戦える力を持った人間がいた。
風鳴 翼という女の子だ。
彼女は不思議なプロテクターを纏い、歌を口ずさみながら剣を振るい、ノイズと戦っていた。
どうして名前を知ってるのかって?
それは、響ちゃんが彼女の大ファンだからだ。
彼女は有名なアーティストで、興奮しながら響ちゃんが話しているのを何度も聞いていた。
だから顔を知っていたから分かったんだけど、どうやら俺と同じでノイズと戦っている事は世間には知られていないらしい。
だから俺も、俺自身が仮面ライダーである事を秘密にしているように、彼女がノイズと戦っている事は響ちゃん達に話す事はなかった。
「ライダーパンチ‼︎」
俺の放った拳を受けて、最後のノイズが炭となって砕け散った。
戦いを終え、炭の塊の山を眺めながら俺は考えていた。
どうも最近ノイズの出現頻度が上がってきている。
俺が初めてノイズと対峙したのは2年前。それからも時々現れる奴らと戦ってきたが、ここまで頻繁に現れるような事はなかった。
何か嫌な予感がする。
その時だった。500m先の囁き声も聞き取れる俺のセンシティブイヤーに微かに少女の叫び声が聞こえてきた。
まさか、別の場所にノイズが⁉︎
俺はロードセクターを呼び、声のする方へ向かおうとした。
「ッ⁉︎何だあの光は?」
工場地帯の方から空に向かって光の柱が伸びのが見えた。
あそこで何が起きているのだろう?
俺は急いでロードセクターを駆った。
「ッ⁉︎アレは…響ちゃん⁉︎」
ロードセクターを駆り、工場地帯に着いた俺は目の前に広がる光景を見て驚いた。
響ちゃんが風鳴さんと同じようなプロテクターを纏い、小さな女の子を抱き抱えながらノイズから逃げていた。
まさか彼女もと思ったが、響ちゃんがおっかなびっくりしながらノイズから逃げているのを見て、彼女が以前からノイズと戦っていたわけでないと気づく。
いかん、そんな事よりも今は2人を助けないと!
「トァッ‼︎」
俺はロードセクターから跳び、2人を守るようにしてノイズ達の前に立ち塞がった。
「大丈夫か⁉︎」
「は、ハイ!……って、あなたはもしかして……仮面、ライダー……?」
「その子の手を離さないで、ノイズは俺が倒す!」
女の子を響ちゃんに託し、俺はノイズ達と戦闘を繰り広げるが、数がいかんせん多い。
ここまでノイズが大量に出現する事は今までなかった。
本当に何か嫌な事が起き始めているんじゃないだろうか?
そんな疑念を抱きつつも、俺はノイズ達に向かってベルトの上部に両手を当てる。
「キングストーンフラッシュッ‼︎」
ベルトから発せられた閃光がノイズ達を包み込み、奴らの身体を次々と崩壊させていく。
全てのノイズを一掃し、一安心した時だった。
10m以上もある巨大なノイズが響ちゃん達の背後に現れた。
いかん!そう思った時だった。
Imyuteus amenohabakiri tron……
俺達の耳に歌声が聴こえてきた。
刹那、空から巨大な剣がノイズの身体を貫き、奴を炭の塊へと変えていった。
その巨大な剣の先には凛とした瞳で俺達を見下ろす風鳴 翼の姿があった。
「あの…ありがとうございました!」
「ありがとう、仮面ライダー!」
戦いが終わると、響ちゃんと女の子がお礼を言いに駆け寄ってきた。
「大丈夫?怪我は無かったかい?」
「ハイ!ライダーさんのおかげです!」
「お姉ちゃんもライダーもカッコ良かったよ!」
どうやら2人とも本当に無事なようだった。
するとそこへ風鳴さんと彼女の仲間らしい人間が次々に現場へ押し寄せてきた。
その中にいるある人物の姿を見て、俺はさらに驚愕した。
(何で友里さんが…⁉︎)
そう。押し寄せてきた人間の中に友里さんの姿を見つけたからだ。
彼女、公務員じゃなかったのか?
いや、彼らが自衛隊の一種だと考えると間違いじゃないのか?いや、それにしても……じゃあ、この間慌ただしく帰ったのは、ノイズが現れたからで……
色々な事が俺の頭の中をぐるぐると駆け巡る。
すると、いつの間にか俺達の周りを大勢の黒服の男達が囲っていた。
「えぇっと……これはどういう事なんでしょうか?」
「あなた方をこのまま帰すわけにはいきません。特異災害機動部二課まで同行していただきます」
「えぇ⁉︎何でですか⁉︎」
響ちゃんが叫び声を上げた瞬間、一人の男が彼女の両手に手錠をかけた。
「すいませんね、貴女の身柄を拘束させていただきます。それから貴方も……」
と、優しそうな雰囲気の男の人が俺の手にも手錠をかけようと近づいてくる。
俺は自分の正体を知られるわけにもいかなかったのでロードセクターを駆り、直様その場から退場した。
響ちゃんの事が心配だったが、友里さんがいる組織だ。妙な事や手荒な真似はされないだろうと思った。
その時、俺は気付いていなかった。
月明かりの中、遠くから俺達を見ていた存在に。
「フフフッ、見つけたぞ仮面ライダー……必ず貴様に復讐してやる」
次回予告
光太郎は夢を見ていた。かつて自分を兄の様に慕ってくれていた少女の夢を。
そして、流星雨が降り注ぐ時、またしてもノイズの魔の手が……
急げ仮面ライダー、駆けろロードセクター!
だがしかし、光太郎の前に思いもよらない人物が姿を見せる。
次回、戦姫絶唱BLACK SHADOW
第3話『過去からの復讐者』お楽しみ!