戦姫絶唱BLACK SHADOW 作:ロヒシ&かづ えい子しょうゆ味
少しリアルの方がごたつき、精神的に病んでしまっていたのが原因でございます。
読者の皆様と、相方のえい子氏には大変ご迷惑をおかけいたしました。
さて、本日でブラシャドこと戦姫絶唱BLACK SHADOWは最終回となります。
今までお付き合いくださった読者の皆様、ありがとうございました!
巨大な龍の怪物となったフィーネを倒した後、響ちゃんは瓦礫の中からボロボロになったフィーネを助け出した。
たとえ敵であっても救いの手を差し出す彼女の姿に、みんなは響ちゃんらしいと笑みを溢す。
俺はフィーネがまだ邪眼に操られている可能性を考えたが、彼女の額にはもう邪眼の姿は無かった。どうやら、デュランダルやネフシュタンの鎧と共に消滅したらしい。
「私はいったい、何を……?」
どうやらフィーネは邪眼に取り憑かれていたことで記憶を一部失っていた。
勿論、彼女が月を破壊しようとしたのは自分自身の意思で、今回の事件の事も覚えてはいた。それでも、何故その考えに至ったのかは覚えていなかった。
恐らく、彼女が神と呼んでいた存在との交流を断たれた悲しみに邪眼は漬け込んだのかもしれない。
「クライシスの脅威を退けるために、人は神の知恵を借り、ノイズを作り出した。だがクライシスを退けた後、相互理解を失った人類は手を繋ぐ事よりも相手を殺す事を選んでしまった。そんな人類を一つに束ねれば、あの御方は再び私を見てくれる……そう思ったのだ。だから私は……!」
「人が言葉よりも強く繋がれる事、分からない私達じゃありません」
「そう…か………ッ⁉︎」
その時だった。突然フィーネが振り返るとその額に邪眼が浮かび上がった。しまった!奴はまだ生きていたのか!
そしてフィーネが俺達に向かって鞭を振るう。しかし、それは俺達に当たる事なく遥か彼方へと飛んでいった。
狙いを外した?いや、奴の口元に浮かんだその笑みは狙い通りにいったような勝ち誇ったものだった。
「我ノ勝チダァァァァァッ‼︎」
すると次の瞬間、フィーネが思い切り鞭を引っ張る。
先端が何に刺さったのかは分からないが、彼女が苦悶の表情を浮かべながら引いている所から何かとてつもなくデカい物だと思った。
デカい物…?まさか!
「ハーッハッハッハッ!月ノ欠片ヲ落トシテヤッタ!最早貴様ラニハ破滅以外ノ道ハナイ!」
気付くのが遅かった。
フィーネの…いや、邪眼の狙いは砕かれた月の欠片だったのだ。
それをネフシュタンの鞭で引き落とそうとしたんだ。
俺はすかさずフィーネに向かってキングストーンフラッシュを浴びせる。
「ギィャァァァァァァッ‼︎オ…ノレェ……ブラックサン!コレデ終ワッタト思ウナ。我ハ蘇ル…何度デモナァァァァァァァァァ!」
絶叫を上げ、フィーネの身体から引き剥がされた邪眼をクリスちゃんが撃ち抜き、倒れたフィーネの身体を響ちゃんが抱き留めた。
最後の力を振り絞って月の欠片を引き落としたフィーネの身体はボロボロに崩れ落ちようとしていた。
「了子さん!」
「…心配するな。私はフィーネ……永遠の刹那に生き続ける巫女なのだ。この身はここで果てようとも、魂までは消滅しない。どこかの場所…いつかの時代に蘇る」
「じゃあ、どこかの場所、いつかの時代…蘇る度に何度でもみんなに伝えてください。世界を一つにするのに力なんて必要ないって事。言葉を越えて、私達は一つになれるって事。私達は未来にきっと手を繋げられるという事。了子さんにしか伝えられないから…」
「お前……全くもう、放っておけないんだから。胸の歌を、信じなさい」
そう響ちゃんに告げ、俺達を見ながら謝罪の言葉を口にした。
そして……
「了子…」
「私はフィーネだ。お前が知る櫻井 了子ではない。たがそれでも……貴方と過ごした時間、楽しかったわよ。弦十郎君」
そう言って、優しい微笑みを浮かべながら彼女の身体は光の粒となって消滅した。
その最後にみんなが涙を零した。
「軌道計算出ました。直撃は、避けられません」
フィーネ…いや、邪眼が落とした月の欠片の軌道を藤尭さんが割り出した。
それはみんなを絶望させるような一言だった。
そんな中、響ちゃんが意を決した表情で歩き出す。
「響?」
「何とかする。ちょーっと行ってくるから、生きるのを諦めないで」
未来ちゃんに笑顔でそう告げる。それが何を意味しているのか全員が理解した。
すると、同じように翼ちゃん、クリスちゃんが響ちゃんの元へ向かう。
彼女達は歌うつもりなんだ。世界を、みんなを救う為に、生命を燃やす歌ーー絶唱を。
だが、彼女達の決意を止められる者などいなかった。
俺は歯痒かった。改造人間だというのに空を飛ぶ事ができない為に何もできないなんて……
「なーに心配してんだよアニキ!アタシらがこんなとこで死ぬわけないだろ?」
「クリスちゃん……」
俺を心配させまいと笑顔で軽口を叩くクリスちゃん。
なんの慰めにもならないかもしれない。それでも一縷の望みをかけて俺は彼女達に向かってキングストーンの光を浴びせる。
「おぉー、何か身体が軽くなった気がします!」
「あぁ、これならあの月の欠片も対処できそうだ」
「よっしゃあ!いっちょ派手にやってやろうぜ!」
そう言って彼女達は光の翼を広げて
そして歌が聴こえてきた。
とても温かく優しい…彼女達の歌声が……
刹那、空が眩いほどの光を放つと一面を流星が覆った。
その光景を目にして未来ちゃんは大声で泣き叫びながらその場に崩れた。
流星雨が止むまで、誰も空から目を背けることができなかった。
俺は…俺はまた大切な人を守れなかった。
流星雨を見ながら、自分の無力さを呪う事しかできなかった。
それから3週間が経った。
風鳴さん達の懸命な捜査にも関わらず、響ちゃん達は未だに発見できずにいた。
そしてとうとう、彼女達は作戦行動中の行方不明から死亡扱いにされ、郊外に墓が建てられることになった。
その日から未来ちゃんは毎日のようにそのお墓に通っている。
響ちゃんはいないが、そこに行けば響ちゃんを感じられると言って……
俺は街の復興に手を貸していた為、一度も行けないでいる。
時折、友里さんがふらわーを訪ねてくれるが何かを言いたそうにしているが言えないでいるというような歯痒い表情を見せる。
「今日も行くのかい?」
「はい……」
土砂降りの雨の中、未来ちゃんは今日も響ちゃんのお墓に通う。
それを見送る俺の姿を見てオバさんが声をかけてきた。
「光ちゃん……」
「オバさん……今でも思うんだ。あの時、俺がちゃんとフィーネの身体から邪眼が消滅していたのかを確認していればクリスちゃん達は……」
「誰だって完璧なんかじゃない。それは人間であっても改造人間であっても同じだよ。そんなに思い詰めてたら、クリスちゃん達に顔向けできないじゃないか」
「オバさん……」
「こんにちは」
「あら、あおいちゃん。今日はどうしたんだい?」
「はい。実は南君に伝えたい事が…」
友里さんが何かを言おうとしたその時、ロードセクターが警報音を鳴らした。ノイズが現れたのだ。
「友里さん、ごめんなさい!」
俺は急いでロードセクターを駆り、ノイズが現れた場所へと向かう。
すると、未来ちゃんと女の人がノイズに囲まれているのが見えた。
スピードを上げ、変身の構えを取ろうとしたその時だった。
一陣の風が吹くと、ノイズが一瞬にして炭の塊へと還っていった。
いったい何が…?
と、3つの光が空から地上に降りてきた。
その光の中から現れたのは……
「ごめん。色々機密を守らなきゃいけなくて、未来にはまた本当の事が言えなかったんだ」
もう二度と会えないと思っていた彼女達の元気な姿がそこにあった。
「クリスちゃん!」
俺はロードセクターから飛び降り、彼女の元へと駆けつける。
「あ、アニキ…その……ッ⁉︎ちょっ…!」
「クリスちゃん!ホントに…ホントに良かった!生きていてくれて、ホントに良かった‼︎」
俺は力一杯彼女の華奢な身体を抱き締める。
「すまない。南君の方には友里君の方から話が言ってるかと思ったんだが…」
どうやら友里さんが今日ふらわーに来たのはクリスちゃん達の無事を報せる為だったようだ。
フィーネとの戦いは終わった。
だけどノイズの脅威はまだ終わっていない。
そして、あの謎の邪眼の事も……
不安な事は数えればキリがない。
それでも俺達は戦い続ける。人々の明日を守る為に。人が手と手を繋げられる未来の為に。
想いを歌で紡ぐ彼女達と共に……
新番組
先史文明期の巫女フィーネが起こしたルナアタック事件。
それから3ヶ月が経った。
世界を救った3人の少女と仮面ライダーBLACK南 光太郎は平和な日々を過ごしていた。
だが、それを打ち壊すかのように新たな戦いが幕を開ける。
世界を向けて宣戦布告する歌姫マリア・カデンツァヴナ・イヴ。
さらに、響達と同様シンフォギアを纏う者達が現れた。
武装組織『フィーネ』の目的とは何か?
そして、光太郎の前に忘れがたい宿命の敵が姿を現す。
「久しぶりだな。ブラックサン」
「お前は…!」
世界の命運をかけた戦いの幕が今上がる。
新番組『戦姫絶唱BLACK SHADOW G』お楽しみに!
とゆうわけで、次回から新たに戦姫絶唱BLACK SHADOW Gが始まります。
連載の開始は6月の中旬くらいを予定しております。
その間、あおいさんとクリスを主人公にした番外編を2話載せる予定です。
それで、アンケートを実施します。
得票の多い方を先に投稿させていただきます。期限は5月いっぱいとさせていただきます。