戦姫絶唱BLACK SHADOW   作:ロヒシ&かづ えい子しょうゆ味

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前回登場させましたロードセクタージェットモードですが、コレは星雲仮面マシンマンのドルフィンジェット。伝わりづらかったらデジモンアドベンチャー02に登場したサブマリモンのような感じになっていると思ってください。

今回は遂に新キャラが登場します。
もしかしたら、前回のビルゲニアのような反応が返ってくるかもしれませんが、ご容赦ください。
いよいよ、皆さん待望のあの男の足音も近づいてきていますよ?
カシャン…カシャン……


第3話 迫り来る牙!もう1人の改造人間

私こと風鳴 翼は戦慄に慄いていた。

私が参加する音楽の祭典『QUEENS of MUSIC』に於いて、共演していた米国の歌姫マリア・カデンツァヴナ・イヴが黒いガングニールを纏い、ノイズを使って世界に向かって宣戦布告したからだ。

しかも、一両日中の国土割譲を要求するなど…この者、いったいどこまで本気なのだ?

何を意図しての語りか知らぬが、この者が奏と…命を賭して他者を守った私の親友と同じギアを纏っていることが許せない!

私はマリアの暴挙を阻止するべく聖詠を唱えようとした。その時…

 

『待ってください翼さん!』

 

緒川さんの止める声が通信機から聴こえてきた。

 

『今ギアを纏えば、全世界に風鳴 翼がシンフォギア装者だという事が知られてしまいます』

 

確かに。シンフォギア装者は司令達が懸命に秘匿してくれている事実。しかしこの状況下では私が戦う他打つ手は……

 

『風鳴 翼の歌は!戦いの歌ばかりではありません……傷ついた人の心を癒やし、勇気づける歌でもあるのです』

 

その言葉に私はハッとする。

そうだ。緒川さんは私の夢の為…世界中に歌を届けたいという願いの為に尽力してくれた。

防人である私に、人としての夢を叶える為に奔走してくれていた。私が今ここで戦うという事は、緒川さんの想いも踏み躙る事になってしまう。

しかし……

 

『僕がなんとかします。それまで耐えてください』

 

私の心中を察してか、緒川さんがそう告げる。

本当に……この人には頭が上がらない。

緒川さんは常に私の為に動いてくれる。

彼が私が戦えるように動いてくれているなら、私も彼を信じて待とう。

ふと、友里さんや雪音の事が頭をよぎった。

ひょっとしたら、2人も南さんの事をこんな風に信頼しているのかと……

 

 

「会場のオーディエンス諸君を解放する!ノイズに手出しはさせない。速やかにお引き取り願おうか!」

 

と、マリアが突然人質となった人達を解放すると言い出した。思わず混乱する。

自らの優位を放棄するなど、いったい何が狙いなのだ?

眉をひそめる私に対し、マリアは不敵な笑みを崩さなかった。

そして会場のスタッフの誘導の下、人質となった人達が解放されていく。罠かとも思ったが、どうやらマリアは本気で人質を全員無傷で解放するようだ。

その事に、私は少なからず安堵した。

 

 

 

††††††

 

僕こと緒川 慎次は会場の通路を必死に奔走していた。

武装組織『フィーネ』を名乗り、ノイズを使って観客を人質に取った歌姫マリア・カデンツァヴナ・イヴ。

しかし彼女は突如として人質を解放すると言い出した。

人質が全員無事に解放されたのを見届けてから、僕は翼さんが安心して戦えるように機械室に向かっていた。

人質は解放されど、カメラの中継は繋がったままだ。それはつまり、会場の様子が全世界に見られたままだと言うこと。そんな中で翼さんがギアを纏うという事は、彼女自身の夢を奪う事に他ならない。

ようやく夢に向かって羽撃こうとしている彼女の翼を手折らせるわけにはいかない。

 

必死に走っていると、ふと通路の端に2人の少女の姿が見えた。まさか、逃げ遅れた人が?慌てて向かうと、黒い髪をツインテールにした少女と金色の髪にバツ印のヘアピンを付けた2人の少女の姿があった。

 

「どうかしましたか?早く避難を…!」

 

「あ、い、いや、それが…デスね。この子が急にトイレに行きたいなんて言い出してデスね……アハハハッ、参っちゃったデスよ!」

 

「え?あ、じゃあ用事を済ませたら非常口までお連れしましょう」

 

「心配無用デスよ!ここいらでチャチャっと済ませちゃうので……」

 

「ですが…」

 

「2人とも、ここにいたのか」

 

その時、僕の背後から男の人が現れ、2人の方へ駆け寄った。

この僕が全く気配を感じなかったなんて……

そんな事を思っていると、どうやらこの男の人は本当に2人の知り合いだったらしい。

 

「兄さん⁉︎どうして…?」

 

「待機してなきゃダメじゃないデスか!」

 

「そういう事は、きちんとこの場を対処してから言うんだな………すみません、この2人は俺の妹なんですが、この騒ぎで逸れてしまって…ご迷惑をおかけしました」

 

「いえ、お兄さんがいたのなら安心ですね。早く避難してください!」

 

そう告げると、僕は機械室に向かって走り出した。

その最中、僕は先程出会った青年の事を思い出していた。

柔らかい物腰に爽やかに笑った顔の表情……どこか南さんと同じ雰囲気をあの青年は持っていた。

ただ少し違う所は、南さんがみんなを照らす太陽だとしたら、あの青年はみんなを癒す月のような人…といった所かもしれない。

そんな事を考えながらも僕は翼さんの為に走った。

 

 

 

††††††

 

 

「帰る所、待っている人がいるというのは…羨ましいものだな」

 

ノイズしかいなくなった会場を見て、マリアがボソリと呟く。その表情は世界を相手に意気揚々と舌戦を敷いていた時とは違い、どこか寂しそうに見えた。

 

「観客は全て退去した。もう被害者は出る事はない。それでも私と戦えないというのであれば、それは貴女の保身の為。貴女の覚悟はその程度と言うことかしらね」

 

と、またしても不敵な笑みを浮かべたかと思うな否や、マリアがマイクを剣として襲いかかってきた。

緒川さんからの連絡はまだ入らない。彼を信じて待ってはいるが、マリアは待ってはくれない。

私は一瞬の隙をついて舞台袖に向かい、カメラの監視の外に出ようとした。

しかしその瞬間、履いていたヒールが折れ、体勢を崩してしまう。

 

「貴女はまだ、ステージを降りる事を許されないわ!」

 

刹那、衝撃と痛みが腹部を襲う。

マリアに蹴り飛ばされた私の周囲にノイズが集まりだす。

このままでは、炭の塊へと還るだけだ。

私は覚悟を決めた。色んな人の顔が脳裏を過ぎる。

立花、雪音、小日向、司令、緒川さん、友里さん、藤尭さん、南さん、奏、そして……お父様。

すまない。私は結局、剣としてしか生きられないようだ……さらばだ、歌女であった自分。

 

「聴くがいい、防人の歌を‼︎」

 

Imyuteus amenohabakiri tron……

 

私は聖詠を唱えギアを纏ってノイズを蹴散らす。

 

「ッ⁉︎中継が中断された⁉︎」

 

マリアの言葉に周囲を見渡すと、会場にある全てのモニターの映像が消えていた。

緒川さんだ。緒川さんが間に合ったのだと私は確信した。私はまた彼に助けられた。

歌女を続けられる事に喜びと感謝を感じながら、私は意を決してステージに戻り、マリアに剣を向ける。

 

「いざ、押して参る!」

 

私の太刀筋をマリアは涼しい顔をして躱すと、奴の纏うガングニールのマントがまるで意思を持ったかのように私に襲いかかる。

レプリカなどではない。奏や立花のガングニールとは違うが、このギアの力は間違いなく本物のシンフォギアだ。

 

「どうかしら?コレこそが私のギアの力…何物をも貫く無双の一振り!」

 

マリアがマントを翻し、コマのように高速回転をして向かってくる。

私はそれを剣で受け止め、激しく火花が散る。

すると、一瞬彼女の動きが鈍った。

何があったかは分からないが私を相手に他に気を取られるとは…!

その一瞬の隙をついて私はギアを展開させ、二振りの剣を合わせて高速回転させる。

刃から炎が上がり、それを持ってマリアに斬りかかる。

奴は体勢を崩している。コレを防ぐ術など無い!

 

「話はベッドで聞かせてもらう!」

 

刹那、黒い影が私とマリアの間に入ってきたかと思うと、剣を受け止められた。

 

「なっ⁉︎」

 

私の剣を受け止めたのは異形の怪物だった。

白い肌に青い斑模様がある身体。獣の牙を思わせる顔と赤い目玉は話に聞いていたゴルゴノイズを思わせるような姿をしていた。

 

「貴様、いったい…⁉︎」

 

「ゲド⁉︎どうして貴方が…!」

 

この異形の存在はマリアの仲間なのか?

 

「オレだけじゃねぇよ。ヒャッヒャッヒャッ、風鳴 翼。オレにだけ気を取られても良いのかなぁ?」

 

不気味な笑みを浮かべながら怪物が言う。

すると、背後から無数の小型鋸が飛んできた。

私は怪物を押し退けると、剣を回転させて鋸を撃ち落とす。

だがその瞬間、横から鋭利なブーメランが私に襲いかかってきた。

 

「危機一髪」

 

「正に間一髪だったデスよ!」

 

地に伏した私が見たのはシンフォギアを纏った2人の少女の姿だった。

この2人も、マリアの仲間なのか⁉︎

 

「調と切歌、それからゲドリアンに救われなくても、貴女程度に遅れをとる私ではないんだけどねぇ」

 

「ヒャッヒャッヒャッ、よく言うぜぇ。オレが助けに入らなかったら、今頃お前さんはベッドでおねんねだったんだからなぁ」

 

「ッ⁉︎黙りなさいゲド!だいたい、どうして貴方がここにいるの?待機を命じられてた筈よ?」

 

「なぁに、噂の仮面ライダーと戦えるかと思ってなぁ」

 

「ゲーちゃん、楽しみにしてたもんね」

 

「でも、それも間に合いそうにないみたいデスけどね」

 

と、談笑を始める4人。すると、私の目にあるものが飛び込んできた。

 

「ゲドリアン…と言ったな」

 

「あぁん?」

 

「さっきの言葉、そっくりそのまま返させてもらおう」

 

「何ぃ?ッ⁉︎チッ、上だ‼︎」

 

「土砂降りな!10億連発ッ‼︎」

 

岩国基地からヘリで向かっていた立花達が間に合った。

ギアを纏いながら急降下し、マリア達に応戦する。

 

「大丈夫か翼ちゃん?」

 

「はい、何とか…」

 

雪音と立花の攻撃をマリア達は涼しい表情で躱していた。

 

「改めて自己紹介といきましょうか。私はマリア・カデンツァヴナ・イヴ。無双の一振りガングニールを纏う者!」

 

「…シュルシャガナ装者、月詠 調」

 

「イガリマ装者、暁 切歌デス!」

 

「オレ様はゲドリアン!仮面ライダー、お前と同じ改造人間さ」

 

「何だと⁉︎」

 

こうして、ライブ会場を舞台に6人の装者と2人の改造人間が対峙した。




次回予告

対峙する3人の装者と2人の改造人間。両者の思いは平行線を辿る。
そんな中、巨大な増殖分裂型のノイズが現れる。
ノイズを倒す為、ライダーと装者達の新たな技が炸裂する。
変身、仮面ライダー!

次回、戦姫絶唱 BLACK SHADOW G
第4話 『決めろ!S2CAKFカルテットバースト‼︎』お楽しみに!

現時点でのヒロインは?

  • そりゃあ、あおいさんでしょ!
  • 何を言う、クリスに決まってる!
  • だからふらわーのおばちゃんだって!
  • 他の人はヒロインに昇格しないの?
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