戦姫絶唱BLACK SHADOW 作:ロヒシ&かづ えい子しょうゆ味
申し訳ありません!先週は色々とゴタゴタがあって土曜日に投稿できませんでした!(>人<;)
そのお詫びというわけではないですが、今週は今日と土曜日の2回投稿しようと思います
今回は、BLACKのライバルキャラのアイツが登場しますよ〜!
あっ、あと、感想など送っていただきありがとうございます!
ーーアハハッ!
俺の耳に小さな女の子の楽しげな笑い声が聴こえてきた。
ーー光太郎兄ちゃん、こっちだよー!
絹のように綺麗な銀色の髪をした少女が楽しそうに俺の名を呼ぶ。
少女は俺を兄の様に慕ってくれた。そして、彼女の両親もまた俺を家族のように迎えてくれる温かい人達だった。
少女が両親と笑顔を振りまきながら花畑を駆け、大好きだという歌を口ずさむ。
その歌に俺は長い間の戦いの傷が癒えていくのを感じていた。
こんな平和な時がずっと続けば良いのに……
そう思った矢先だった。
突如として目の前が真っ暗になったかと思うと、辺り一面が炎の渦に飲み込まれていた。
人々の悲鳴が聴こえる。
ーー光太郎兄ちゃん!光太郎兄ちゃん!
その中には俺の名を叫ぶ少女の姿もあった。
俺は懸命に少女に向かって手を伸ばす。
刹那、炎の渦が少女を飲み込み、俺の手は虚空を掴んだ。
「……ちゃん!………夢か」
虚空に手を伸ばしながら辺りを見回すと、見慣れた俺の部屋の風景が広がっていた。
さっきまでの事が夢である事が分かり、俺の中にふつふつの怒りと後悔の念が湧き上がる。
そして、脳裏にあの時の言葉がよぎった。
ーーお前は一生苦しむことになるのだ……親友を…この、信彦を抹殺したんだからな………一生、後悔して生きていくのだ…!
数年前、俺はこの世界とは別の世界で生きていた。
そこで19歳の誕生日の日に兄弟同然に育った秋月 信彦と一緒に秘密結社ゴルゴムの世紀王の一人として改造された。
しかし、寸での所で育ての父親によって助け出され、俺は仮面ライダーとしてゴルゴムを倒すことを誓った。
長い戦いの末にゴルゴムを倒す事はできた。
だが同時に多くのものを失った。
人としての身体や、育ての父……何より唯一無二の親友を俺はこの手で殺してしまった。
たとえ彼がゴルゴムの世紀王の一人、シャドームーンとして自我を失っていたとしても……
創生王を倒した後、ゴルゴムのアジトを脱出しようとした際、俺はロードセクターと共に大爆発に巻き込まれてしまった。
そのまま死んだかと思ったが、気がついたらこの世界に来ていた。
以前にいた世界とは違い、ゴルゴムが存在しない世界。
しかし代わりにノイズという人類を脅かす新たな敵が存在していた。
俺は、仮面ライダーとして新たな戦いに身を置くことを決めた。
しかし、今朝の夢は何だったんのだろう?
久しぶりにあの時の夢を見た。ここ最近は全く見なくなっていたのに……
俺は嫌な予感を感じていた。
「はぁ〜、私って呪われてるかも〜」
そう言ってテーブルに突っ伏したのは響ちゃんだった。
見るからにげっそりした彼女の表情はいつもの活発さを全く感じさせないが、無理もないと思う。
あの日、響ちゃんは風鳴さんと同じノイズと戦うことのできるプロテクターを纏える力を得た。
それからしばらくの間、ノイズが現れた現場で何度か響ちゃん達を見かけたが、彼女は全く戦う術を知らないのか、終始ノイズ達から逃げてばかりだった。
仲間であるはずの風鳴さんは逃げ惑っている響ちゃんには目もくれず、淡々とノイズを倒していた。
正直、端から見た感じではチームワークが良いとはとても思えなかった。
「大丈夫かい響ちゃん?」
「大丈夫くないです〜!うぅ〜っ、ただでさえ学校の課題も追いついてないのにぃ〜」
「もう、文句ばかり言っててもしょうがないでしょ?終わらせないと、流星雨一緒に観れなくなっちゃうよ?」
「流星雨?」
「光太郎さん知らないんですか?今度、琴座流星群が地球に近づいてくるんですよ〜!私達、一緒に観る約束してるんです!」
「でも、課題を終わらせないとその流星雨もお預けだけどね」
「うぅ〜っ、助けてよ未来〜!」
「もう、しょうがないなぁ〜」
未来ちゃんに甘えるような声で助けを求める響ちゃん。そして、何だかんだ言いながらも響ちゃんを助けようとする未来ちゃん。
二人を見てると、なんだか懐かしい気分になった。
俺も、信彦と子供の頃はあんな感じだったな。
「流星雨か……」
「なぁに光ちゃん?もしかして、あおいちゃんを誘おうとか思ってるのかい?良いよ!その日は私一人で何とかするからデートにでも誘ってきな!」
「ちょっ、オバさん何言い出すんですか⁉︎」
「えっ、何々?何の話?光太郎さん、好きな人いるんですか⁉︎」
流石女子高生と言うか、こう言う話には興味津々のようだ。
さっきまで死にそうな目でぐったりとしていたのに、今では目がキラキラに輝いている。
「誰なんですか?光太郎さん、聞かせてくださいよ〜」
「こんにちは〜」
と、響ちゃんからの質問を躱していると、友里さんが店にやって来た。
こんな時間に来るなんて珍しいな。
「あ、あおいさん」
「響ちゃん」
二人はお互い顔を合わせて少し驚いているようだった。
どうやら店の常連である事は知らなかったらしい。
まぁ、時間帯が時間帯だからニアミスする事がなかったからな。
「そうだあおいちゃん、今度流星雨の降る日って暇かい?」
「え?流星雨って、琴座流星群の事ですか?えっとそうですね……その日は休みになってますし、特に予定もありませんけど」
「良かったぁ!なら悪いんだけど、光ちゃんと一緒に出かけてやってくれないかい?今時の若いモンなのにさ、休みの日にデートする相手もいないみたいなんだよ」
「ちょっ、オバさん!」
オバさんが無理矢理友里さんとのデートをこぎつけようとする。
オバさんは俺の方を向いて「任せろ」と言わんばかりにウィンクをしてくるけど、その言い方は彼女に対しても失礼なんじゃないだろうか?
すると友里さんは俺を方をチラッと伺うと……
「えっと……南君はその…私なんかでも良いの?」
「そんな!私なんかって、友里さんは凄く綺麗な人だし、そんな人とデートできるのを喜ばない男なんかいないですよ!」
「……そう。分かったわ。じゃあ、その日デートしよっか!」
と、そんな事があって友里さんとデートする事になってしまった。
響ちゃん達は大盛り上がりしてたけど、正直な所不安だ。
彼女に言った言葉は嘘じゃない。
クールで美人で、仕事ができるキャリアウーマンって感じだけど、時折見せるドジな一面が可愛らしかったりする彼女に俺は少なからず好意を抱いている。
だけど……俺は改造人間だ。普通の人間じゃない。
いつか、この事を友里さんに話した時、彼女はどんな反応をみせるのだろうか?
そして数日後、約束の日が訪れた。
話を聞きつけた弓美ちゃん達も一緒になって当日着ていく服を買いに行ったり、響ちゃんの課題を手伝ったりと慌ただしかったがそれなりに楽しかった。
時間が迫ってきたのでバイクで向かおうとした。
因みに、普段はロードセクターとは別のバイクを使っている。万が一、ロードセクターを使っていて俺が仮面ライダーだというのを気づかれないだだ。
その時、ロードセクターがノイズが現れた事を告げる警報音を鳴らした。
それと同時に俺の携帯にも友里さんからメールが届いた。
仕事の都合で今日は行けなくなったという内容だった。
という事は本当にノイズが現れたのだろう。
俺は彼女に気にしないでくださいと返事を打ち、ロードセクターを駆って現場に向かった。
響ちゃんは大丈夫なのだろうか?
あれだけ流星雨を未来ちゃんと観るのを楽しみにしていたんだ。その悲しみは俺の比じゃないだろう。
そんな事を考えていると、ノイズが現れた地点に土煙と同時に轟音が上がった。
見ると、響ちゃんと風鳴さんがノイズともう一人、白銀の鎧を纏った少女と対峙していた。
少女が杖を振るうとそこからノイズが召喚された。
まさか、最近起きているノイズ出現は彼女の仕業なのか?
そんな事を考えていると、ノイズの出す粘着液によって響ちゃんが拘束されてしまった。
俺は響ちゃんを助けるべく、変身して彼女を拘束するノイズを打ち倒す。
「テメェは…!」
「仮面ライダーBLACKッ!」
鎧の少女にそう言い放った瞬間、彼女の口元が酷く歪んだのが見えた。
「黒い…悪魔……!」
「ッ⁉︎」
少女の口から発せられた言葉に俺は驚愕した。
『黒い悪魔』……それは、俺がこの世界に初めて来た時にいた南米の国の政府軍を壊滅させた時に呼ばれていた名前だったからだ。
何故目の前にいるこの少女がその名を知っているんだ?
刹那、背後から突風が俺を襲った。
「何者だ⁉︎」
背後を振り返った俺は驚愕した。
そこに立っていたのは……
「フフッ、久しぶりだなブラックサン…いや、仮面ライダー!」
全身を覆う紫色の鱗のような鎧と白いマント。そして、腰に下げた剣とゴルゴムの紋章が刻まれた盾。
「貴様は…ビルゲニア⁉︎」
以前の世界で戦い、シャドームーンによって殺されたはずのゴルゴムの剣聖、ビルゲニアが不敵な笑みを浮かべて立っていた。
次回予告
「フッフッフッ、仮面ライダーよ俺はお前を倒す為に地獄から蘇ったのだ!」
復活したゴルゴムの剣聖ビルゲニア。その力はライダーの力をも圧倒する。
そして翼もまたネフシュタンの鎧を纏った少女に苦戦を強いられていた。
絶対絶命のピンチに翼は命をかけた選択を取る。
「防人の生き様、覚悟を見せてあげる!貴女の胸に、焼きつけなさい!」
月夜の中、翼の絶唱が鳴り響く。
その時、光太郎が見たものとは……
次回、戦姫絶唱BLACK SHADOW
第4話 『夢の少女』お楽しみに!