戦姫絶唱BLACK SHADOW   作:ロヒシ&かづ えい子しょうゆ味

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お気に入り登録、コメントをくださった方々、ありがとうございました!

前回ですが、わりかしメタ・ネタ回になってたと思います。気づく人には気づくネタがちらほらと……
特に、キックと獅子座のヒーローのくだりはあからさますぎましたね(笑)

さて、今回は原作放課後モノローグの回になります。
クリス視点で話が進んでおります。
そして今回は新メンバーしょうゆ味による挿絵付きでの投稿になります!
話は短めですが、よろしくお願いします!


第9話 放課後モノローグ

「ハァ……」

 

誰もいない教室の中であたしは一人ため息をつく。

教室の隅にある窓際の席から賑やかなが聴こえ、外に視線を向ければ祭りを楽しんでいる奴らの笑顔が目に飛び込んでくる。

そんな光景を見ながらあたしは憂鬱な気分で独り言ち(ひとりごち)ていた。

 

今日は、あたしの通う私立リディアン音楽院の文化祭の日だ。

この日の為に色んな奴らが忙しそうに、けど楽しそうに準備をしていた。

あたしはクラスに馴染めずにいたし、そんなお祭りに参加する気分にはなれないからクラスの輪には入らなかった。

そんな中、強引に文化祭に参加させようとしてくるクラスメイトともいたが、あたしはそいつらから逃げまくっていた。

 

「ハァ……」

 

もう何度目か分からないため息をつく。

元々学校行事に参加するつもりなんかなかったけど、こんな気分でいるのはアレ(・・)を見ちまったからだな。

あれは、あたしを歌唱ステージに参加させようとするクラスメイトから逃げていた時だった。

今日が文化祭だって事でオバさんがアニキに仕事を休んで文化祭に行くように言った。

あたしはアニキと文化祭が回れるかもと思い楽しみにしていた。

だけど……見ちまったんだ。

アニキと…あおいさんが楽しそうに文化祭を回っている光景を……

あたしは無我夢中で学校中を走り回り、気がついたら教室にいた。

 

分かってるさ。アニキはあたしなんかよりもあおいさんの方に気があるんじゃないかって……

でも、小さい頃からずっと好きだったんだ。

あたしの歌を聴いてアニキが笑顔になってると凄い嬉しかった。

大きな手であたしの手を握ってくれた時はドキドキした。

 

「あんな事さえなかったら……」

 

そう呟かずにはいられなかった。

8年前、バルベルデで起きた内戦に巻き込まれ、パパやママを殺され、アニキとも離れ離れになってしまった。

8年前の事が無かったら、今頃アニキの隣を歩いてるのはあたしだったんじゃないか……そう思わずにはいられなかった。

 

「あっ、いた!雪音さん!」

 

と、クラスの連中があたしを見つけて叫ぶ。

ホントにしつこい連中だな。

あたしは立ち上がると再び逃走を始める。

すると、曲がり角で思い切り人とぶつかってしまった。

 

「っ痛テテェ……」

 

「えっ、クリスちゃん⁉︎」

 

「ッ⁉︎あ、アニキ!」

 

あたしがぶつかったのはアニキだった。

その背後にはあおいさんと何故が防人の姿まである。

驚いていると、クラスの連中が追いついてきた。

 

「えっと…クリスちゃんどうしたの?」

 

「いや、これはその……」

 

「雪音さんお願い!出番まで時間がないの!」

 

クラスの連中があたしに講堂でやっている勝ち抜き歌唱ステージに参加して欲しいという話をアニキ達に説明する。

正直な話、あたしは参加したいとは思っていない。

歌で世界を救う…パパとママの夢を引き継ぐ事を決めたとはいえ、まだあたしには人前で歌う勇気はなかった。

だって、あたしの歌は何かを壊してばかりだったから……

 

「雪音は歌、嫌いなのか?」

 

そんな事はない。あたしは歌う事が大好きだ。だけど……

 

「クリスちゃん。俺、クリスちゃんの歌が聴きたいな」

 

「アニキ…」

 

「覚えてる?俺が塞ぎ込んでいた時、俺を元気づけてくれたのはクリスちゃんの歌なんだよ。クリスちゃんの歌に、いっぱい元気をもらったんだ」

 

「でも、あたしの歌は…」

 

刹那、アニキがあたしの手を優しく握る。

大きくて温かい手に包まれてあたしは身体中が沸騰するんじゃないかってくらい熱くなる。

 

「大丈夫。クリスちゃんの歌はきっとみんなの胸に届くから。俺、大好きだよ。クリスちゃんの歌」

 

後頭部を思い切り殴られたような気分になった。

まぁ、アニキらしいと言えばアニキらしい言い方だよな。

 

「ま、まぁアニキがそこまで言うなら出てやるよ」

 

連中にはそう言ったけど、やっぱりあたしは不安だった。

壊してばかりのあたしの歌で誰かを笑顔にすることなんてできるのか?

防人みたいに歌を届ける事ができるのか?

そんな不安を抱えたままあたしはステージに上がる。

大勢の視線が集まる中、音楽が流れる。けど、なかなか歌い出せずにいた。

ふと、舞台袖に視線を向けると、クラスの連中が「頑張れ!」と言ってあたしを応援してくれている。

アニキも笑顔でサムズアップをしていた。

 

「♪♪♪〜〜〜」

 

そしてあたしは歌を口ずさむ。

すると、客席の方から歓声が上がるのが聴こえてきた。

あたしの歌で楽しんでくれてる人がいる。喜んでくれてる人がいる。

それに気づいた時、胸が熱くなるのと同時に歌うのが楽しくなってきているのが分かった。

あぁ…あたし、こんなに楽しく歌が歌えてるんだ。

フィーネの許にいた時は歌を歌う事が大嫌いだった。だけど、やっぱりあたしは……

 

 

歌い終えると歓声と拍手の渦に包まれていた。

視線を袖の方に向けると笑顔であたしに拍手を送ってくれているアニキやクラスの連中の姿が見えた。

そっか。ここはとっくにあたしの居場所になってたんだな。

 

 

 

「雪音さんお疲れ様!」

 

「ステージ凄かったよ!」

 

「私凄く感動した!」

 

連中が思い思いの感想を言ってくる。

そんな連中にあたしは……

 

「あ、ありがとうな。お前らのおかげで、その……凄く楽しかった。えっと……雪音 クリス。改めてよろしくな」

 

照れ臭くて少し視線を逸らしながらあたしは手を差し出す。

すると…

 

「うん!私、綾野 小路(あやの こみち)

 

「私、五代 由貴(ごだい ゆき)

 

鏑木 乙女(かぶらぎ おとめ)。よろしくね雪音さん!」

 

3人が笑顔であたしの手を握ってきた。

その手は凄く温かくて、あたしはとても安らかな気持ちになった。

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 




次回予告

アジトを失った武装組織フィーネ。
新たな潜伏場所も米国のエージェント達によって捕捉されてしまう。
戦闘が始まる中、マリアは生身の人間に対して槍を振るうことを躊躇う。
だがそこへ、復讐の炎に燃えるゲドリアンが身を乗り出す。
その時、マリアは……

次回、戦姫絶唱BLACK SHADOW G
第10話 『嘆きのマリア』お楽しみに!

現時点でのヒロインは?

  • そりゃあ、あおいさんでしょ!
  • 何を言う、クリスに決まってる!
  • だからふらわーのおばちゃんだって!
  • 他の人はヒロインに昇格しないの?
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