戦姫絶唱BLACK SHADOW 作:ロヒシ&かづ えい子しょうゆ味
久しぶりの執筆でえい子氏との打ち合わせでも『あれ?コレってどんな感じだったっけ?』という感じになってました(笑)
今回は調視点でのお話になります。
感想や意見などいただけたら嬉しいです。
私こと月読 調は、親友の切ちゃんこと暁 切歌と一緒に私立リディアン音楽院に来ていた。
目的は、特異災害機動部二課の持つシンフォギアのペンダントを奪う事。
ドクターの勝手な行動で私達のアジトは二課によって抑えられてしまった。そのせいで、ネフィリムの成長に必要な聖遺物の欠片が不足してしまった。
信彦兄さんがいくつか移動させてたみたいだけど、その数も心許ない。だから私達がこの任務を買って出た。
マリアは、これ以上ギアを纏うとフィーネの魂に心を塗り潰されてしまし、信彦兄さんも……
だからこの任務は私達がやらなきゃいけない。大切な人達を守る為に!
「このたこ焼き美味しいデスねぇ〜!ゲドっちも一緒に連れて来てあげたかったデスよ〜!」
と、隣で美味しそうにたこ焼きを頬張る切ちゃんを私は恨めしそうに睨んだ。
今日はリディアンの文化祭という事で潜入美人捜査官メガネをかけて潜入したのに、切ちゃんは文化祭を満喫しているように見える。
「私達の目的、忘れてないよね?切ちゃん」
「わ、分かってるデスよ調!ただ、美味しい物が沢山あるからゲドっちにも食べさせてあげたかったなぁ〜って思っただけデス!」
あたふたする切ちゃん。その目は完全に泳いでいた。
ゲーちゃんを連れて来なかったのは、あの姿だと目立ちすぎるというのと、マム達に何かあった時にゲーちゃんに守ってもらいたかったから。
ゲーちゃんは私達と同じ、F.I.S.によって集められたフィーネの魂を宿す器の候補者の1人だった。
だけど、元々身体が強くなかったゲーちゃんはF.I.S.の悪魔の実験であの姿にされた。だから誰よりも人間を憎んでる。
でも、私達の事は家族のように大切に想ってくれてる。
同じ改造人間である信彦兄さんには憎まれ口を叩くけど、兄さんの事を信頼しているのはよく分かる。
「……切ちゃん」
「わ、分かってますよ!とは言ったものの、この広い学院内でアイツらを見つけるのは難しいデス…」
確かに切ちゃんの言うことは最もだと思う。特に今日は文化祭だから人の数がもっと多い。
私達がどうしたものかと困っていると、天羽々斬の装者の姿を見つけた。
私がカモネギとばかりに後を追おうとするのを切ちゃんが止めた。作戦も何も決めてないまま動くのは無謀らしいけど、いざとなったら力ずくでも奪ってみせる。
幸い、ここには大勢の人達がいる。その人達を人質にすれば向こうは私達の言う事に従うしかないだろうし……
そんな事を考えてると、何か騒がしくなっていた。
こっそり覗いてみると、イチイバルの装者と南 光太郎達の姿もあった。何か揉めてるみたい。
後を尾けて行くと、歌の勝ち抜きステージというイベントにイチイバルの装者が参加するみたい。
初めは音楽が鳴ってもなかなか歌い出そうとしなかった。けど彼女が歌い出した瞬間、周りから歓声があがる。
私もとても綺麗な彼女の歌声に胸が熱くなった。あれだけ憎らしかった人の歌に魅了されていた。
私達は信彦兄さんの命を救う為にある聖遺物を見つけ出した。それは『命のエキス』といって死んだ人間を生き返らせる効果があるという物。
だけど兄さんはそれを勝手に持ち出して、フィーネとの戦いで命を落とした天羽々斬の装者とイチイバルの装者に使ってしまった。
私達は彼女達を許せなかった。あの人達さえいなければ信彦兄さんは助かったハズなのに……
けど、あの人の歌を聴いていると、そんな憎らしかった気持ちがどこか消えていくような…そんな温かな気持ちになった。
審査が終わると、イチイバルの装者がチャンピオンに輝いた。
すると、司会の人が「飛び入り参加もOKですよ〜!」と言ったのを聞いて切ちゃんが「やるデス!」と言って立ち上がった。
ペンダントを奪うのが目的なのに何を考えてるんだろう?
「聞けば、このステージで勝ち抜けると望みを一つ叶えてくれるとか。このチャンス逃す手はないデス!」
そうだったんだ。勢いまかせで言ったんじゃないんだね。だったら私も切ちゃんに協力する。
私達はステージに上がり、ツヴァイウィングの『ORBITAL BEAT』を歌う。
ペンダントを奪う為だったけど、途中から切ちゃんと一緒に歌うのが楽しくなっていた。
そう言えば、以前に兄さんも言ってた。
ーー目的の為に、戦いの為だけに歌わないでくれ。俺は、お前達に心から歌を楽しんで欲しい。使命等に囚われない、お前達の歌が好きだという想いを聴かせて欲しい
もしかして、こういう事だったのかな?
あの人の歌を聴いていく内に憎らしかった気持ちがどこかへ消えたのは、あの人の歌が好きだという想いが歌声に載せられていたから…?
私達の歌が終わり、審査結果が出ようとした時だった。
マムからアジトを米国政府に特定されたという通信が入った。
それを聞いて、私は切ちゃんの手を取ってその場を出ようとする。
「し、調⁉︎」
「ゲーちゃんがいるからマム達に何かあったとは思えないけど、何か嫌な予感がする」
私がそう言うと、切ちゃんは悔しそうに唇を噛みながらもついて来てくれた。
私だって悔しい。ペンダントを奪える目前で……だけど、胸騒ぎが止まらない。
しかし、そうは問屋が卸さないらしく、私達は囲まれてしまった。
「調ちゃんと切歌ちゃん、だよね?」
「5対2…数の上ではそちらに分があるけど、ここで戦う事であなた達が失うものの事を考えて」
「お前、そんな汚い事言うのかよ⁉︎さっき、あんなに楽しそうに歌ってたじゃねぇか!」
「ここで戦いたくないだけ……そうです決闘デス!然るべき決闘を申し込むのデス‼︎」
「待ってくれ!調ちゃん、切歌ちゃん、俺達は君達と戦いたいわけじゃない。ただ、君達の目的が知りたいんだ。どうして君達はこんな事をしてるんだい?どうして信彦は君達に協力してるんだい?」
「止めて‼︎貴方が…何も知らない貴方が信彦兄さんの事を言わないで!」
南 光太郎の言葉に思わず声を荒げた。
この人の口から兄さんの事なんか聞きたくない。この人がいるから兄さんは戦うのを止めようとしない。自分の命を大切にしてくれない。
この人がいるから……
私は自分の中に流れようとするドス黒い気持ちを抑えて彼女達に告げた。
「決闘の時はこちらが告げる。だから…!」
私は切ちゃんの手を引いてその場を後にした。
幸い、彼女達も追ってくることはなかった。
夕方、私達はマムの指示通りにカ・ディンギル跡地で合流した。
色々と心配したけど、マリアも信彦兄さんも何ともなかったみたい。ただ、ゲーちゃんの様子がどこかおかしかった。
「2人とも無事で何よりです。さぁ、追いつかれる前に行きますよ」
「待ってマム!アタシ達、ペンダントを奪いそこねてるデス!このまま引き下がれないデスよ!」
「決闘するってそう約束したから…ッ⁉︎」
次の瞬間、頬に痛みが走った。
マムが私と切ちゃんの頬をぶった。
「いい加減になさい!コレは遊びではないのですよ!」
今までマムに叱られた事は何度もあった。けど、ここまで怒るマムを見たのは初めて。いったいどうしたんだろう?
「そのくらいにしましょう。まだ取り返しのつかない状況ではないですし」
と、珍しくドクターがマムを止めた。
「ウェル、何を考えている?」
「いえ、彼女達が交わしてきた約束、決闘に乗ってみたいんですよ」
「オモしれぇ!オレもやるぜ!良いだろマム⁉︎仮面ライダーをこの手でぶっ殺してやるぜぇ!」
何だろう?ゲーちゃんがゲーちゃんでなくなっていうような…そんな感じがする。
私はとてつもない不安に襲われた。
次回予告
F.I.S.、そしてシャドームーンの行動に疑問を持つ光太郎達。
その時、F.I.S.からの決闘の狼煙が上がる。
光太郎達にとっても因縁が深いカ・ディンギル跡地で衝撃の事実が明かされる。
次回、戦姫絶唱BLACK SHADOW G
第12話 『決闘!カ・ディンギル跡地』お楽しみに!
現時点でのヒロインは?
-
そりゃあ、あおいさんでしょ!
-
何を言う、クリスに決まってる!
-
だからふらわーのおばちゃんだって!
-
他の人はヒロインに昇格しないの?