戦姫絶唱BLACK SHADOW 作:ロヒシ&かづ えい子しょうゆ味
更新が遅くなって申し訳ありません。
今回の話をどうするか、どう繋げていくかで時間がかかってしまいました。
今回と次回はかなり気合を入れて作っております!
そして、ブラシャドやその他の作品の情報や裏話等を載せようとTwitterの開設を考えていたのですが、えい子氏から辛辣な言葉をいただいてしまいましたf^_^;
実は今回、ある人物の名前が登場します。
おや?と思った方はもしかしたらもしかするかもですよ(笑)
コメントや感想などいただけると嬉しいです!
カ・ディギル跡地での戦いの翌日。俺は複雑な思いで朝の仕込みをしていた。
風鳴さんからは、響ちゃんの身体には特に異常がないらしくその内に目を覚ますと言われた。
だけど、翼ちゃんから響ちゃんがネフィリムと呼ばれたあの怪物に左腕を喰われた事、そして暴走した響ちゃんがアームドギアを形成するかのようにして左腕を再生させた事を聞かされた。にも関わらず、響ちゃんの身体に異常が無いというのが信じられなかった。
風鳴さんを疑っているわけじゃない。だけど、俺達に何かを隠しているような気がしてならなかった。
それに、信彦…シャドムーンの事も気になっていた。
俺との決着を望んでいながら、真っ先に響ちゃんを助けようとしていた。
響ちゃんの暴走のエネルギーを奪い取った時も、俺達に攻撃する事はできたのに、ネフィリムを狙った。
俺達と敵対していながら、俺達を助けようとしてくれているシャドムーンの意図が分からない。
そんな事を考えていると、オバさんが俺の背中をバシッと叩いた。
「ホラ、光ちゃん。そんな辛気臭い顔してたらお客さんに美味しいって思ってもらえないよ!」
何かあったかは聞かないけど、こうして発破をかけてくれるオバさんの優しさが胸に沁みた。
すると、開店前にも関わらず誰かが店の扉を開けた。
「あ、すみません。まだ開店ま……ッ⁉︎」
扉を開けた人物を見て俺は驚愕した。
そこにいたのは信彦だった。
俺が思わず身構えると、信彦はそれを手で制した。
「あら、光ちゃんの知り合いかい?」
「えっと、その……」
「そういう事なら開店前だけど、特別にお席にどうぞ。光ちゃん、焼いてあげな」
「お、オバさん!」
「つもる話もあるようだから、私は奥に行ってるよ〜」
そう言って、オバさんは奥に行ってしまった。
何とも言えない空気が流れる中、信彦が何も言わずにカウンターに座り、「豚玉1つ」と注文を告げる。
信彦が何を考えてふらわーに来たのかは分からないが、少なくても戦いに来たわけじゃなさそうだ。
俺は鉄板に火を着け、油を敷く。
鉄板の温度が良い具合に上がってきたのを感じると、タネを落として広げる。
そんな俺の手際を信彦はただ黙って見つめていた。
最後にソースとマヨネーズ、かつおぶしと青のりを乗せて信彦の前に差し出した。
焼き上がったお好み焼きの香りを味わうように嗅ぐと、一切れを口に運んだ。
何をするのでも無く、黙々とお好み焼きを食べる信彦。時計の針の音だけがこの場を包み込んでいて、何とも言えない空気を漂わせていた。
やがて、信彦がお好み焼きを全て食べ終えると、フッと笑みをこぼした。
「あの光太郎が、こんな美味いお好み焼きを作れるようになるなんてな。あの人のおかげか?」
そう言って奥の部屋に視線を向ける。
「信彦…」
「お前がこの世界で過ごした場所を見てみたかった。コレを食べて分かったよ。お前はとても温かい場所にいたんだってな。どんなに辛い事があっても、あの人達がいれば大丈夫なんだろうな」
穏やかな顔を浮かべる信彦。それは俺達がまだ普通の人間だった頃、あの楽しかった頃に戻ったような気分だった。
しかし、その顔がとても真剣なものに変わり、俺を見据えた。
「光太郎。いや、ブラックサン。最後の決着をつけよう。お前が勝てば、俺達の持っている月の落下や聖遺物に関する情報の全てを渡そう」
そう言って信彦は胸元から記録媒体を取り出す。
「ブラックサン、お前に選択の余地は無いハズだ」
「どうしてだ信彦?どうして俺とお前が戦わなくちゃならないんだ!ここは俺達のいた世界じゃない。ゴルゴムも世紀王も関係ないんだ!俺達が戦う理由なんてどこにも……」
「俺もお前に言ったハズだ!…世の中には正義ではどうにもならない事があると。ブラックサン、このデータは今のお前達には必要不可欠なハズだ。政府の連中を納得させるためにはな」
「ッ⁉︎」
そうだ。あの戦いの後、風鳴さん達は政府の人達に月の落下の事を話した。
そして、月の公転軌道の再計算をするように依頼したが、関係各所の根回しだとか色々な理由をつけられて何もできないでいた。
「人間とは愚かなものだ。未曾有の危機が迫っているというのに、それに対処するのではなく面子や責任の転嫁を気にするのだからな」
「確かに人間には汚い所もある。だけど、そんな人達ばかりじゃない!」
「だが力を持っているのはそんな連中ばかりだ!ブラックサン、バルベルデでお前がどんな目に遭ったか忘れたわけじゃないだろ?力を持つ連中のせいで、どれだけの人間が苦しんだ?理不尽な目にあった?お前の掲げる『正義』で、それは止められたか?」
「それは……でも、だからと言って…」
「俺達は自分達のしている事が『正義』だとは思っていない。だが、自分達がしている事が『正しい』とは思っている。『悪』の名を背負ってでも成し遂げようとしているんだ」
「その事に調ちゃんや切歌ちゃんも巻き込もうって言うのか⁉︎彼女達はまだ子供なんだぞ!」
「何も知らないお前が知った風な口を叩くな!ブラックサン、お前にはあいつらの苦しみは理解できない」
「でも、たとえそうでも尚更俺達は協力すべきじゃないか!ライブ会場の占拠や世界に向けて宣戦布告なんかしなくても、俺達が力を合わせればきっと……」
刹那、信彦の投げたコップが俺の頬を掠めた。
「言ったハズだブラックサン。お前に選択の余地は無いと。これ以上言うなら、お前が戦う気になるように俺はするだけだ」
怒りの色を滲ませた信彦の瞳が俺を見据える。
もう俺が何を言っても信彦は引かないのだろう。
そして、拒否すれば間違いなくこの町を破壊するハズだ。
でも、やはり俺は信彦と戦いたくない。またお前を失うような事は嫌なんだ。
そんな俺の心中を察したのか、信彦が深いため息を吐いた。
「仕方ない。お前がその気になるようにしてやる」
そう言うと、携帯端末の画面を俺に見せてきた。
そこに写っていたのは、気絶されられ、身体を縛られたあおいさんの姿だった。
「信彦、お前って奴は!」
「1時間後に此処に来い。来なければ、お前の大切な人の命はない」
そう告げると、信彦は出て行った。
信彦が何故そこまで俺との決着に執着するのかは分からない。
それでも、ゴルゴムの世紀王だったシャドムーンではないと思っていたあいつが、こんな非道な手段を使おうとするのが許せなかった。
「光ちゃん、何があったんだい?」
慌てた様子でオバさんがやって来た。
「大丈夫だよオバさん。俺、ちょっと出かけてくるね」
そう言うと、オバさんは複雑な表情を浮かべながら「気をつけてね」と送り出してくれた。
信彦に指定された場所は、カ・ディンギル跡地だった。
「あおいさんはどこだ信彦!」
「俺を倒す事ができたら、このデータと一緒に返してやる。倒す事ができたら、な」
信彦が変身の構えを取り、それと同時に俺も構えを取る。
「「変…身ッ‼︎」」
お互いのキングストーンが輝きを発し、俺達の身体を仮面ライダーとシャドムーンの姿に変えていく。
「仮面ライダーBLACKッ‼︎」
「いくぞ、ブラックサン!ハァッ!」
「トァッ!」
俺達は同時に跳び上がり、胸元に向かって拳を放った。
お互い吹き飛ばされたが、すぐに体勢を立て直し、シャドムーンの頭に蹴りを放った。だが、カウンターでシャドムーンの拳が俺の腹部に直撃し、よろけた瞬間に顔を殴られ吹き飛ばされてしまった。
「どうしたブラックサン、お前の実力はこんなものか?ハァッ‼︎」
シャドムーンが身体を捻りながら蹴りを放つ。それを躱して背中に蹴りを放とうとした。
だが、着地と同時に後ろ蹴りを出され、俺達の脚が同時にぶつかり合う。
「シャドーパンチッ‼︎」
衝撃でよろめいた瞬間、シャドムーンの拳が俺の腹部を襲い、吹き飛ばされた。カ・ディンギルに激突し激痛が走る。
強い。目の前にいるシャドムーンは以前戦った時と比べ物にならないくらい強くなっている。
焦りの色が浮かぶ俺に対し、シャドムーンは涼しげな表情で俺を見ていた。
「来い、サタンサーベル!」
シャドムーンが叫ぶと同時にサタンサーベルが奴の手の中に収まった。
俺の身体に一気に緊張が走る。サタンサーベルは元々シャドムーンが愛用していた武器だ。
俺もサタンサーベルを使える世紀王とは言え、練度ではシャドムーンの方が上だ。
すると、何を思ったのかシャドムーンが俺に向かってサタンサーベルを
「使え、ブラックサン。サタンサーベルなど、俺には不要だ」
「何⁉︎」
その言葉に驚愕する。
俺との戦いでは絶えずサタンサーベルを使っていたシャドムーンがそれを不要と言って渡して来た。まるで、俺へのハンデと言うような感じに。
「キングストーンフラッシュッ‼︎」
俺はサタンサーベルにキングストーンの光を纏わせ、シャドムーンに斬りかかった。
今までこの技を防いだ相手はいない。俺は勝利を確信した。
刹那……
ガキッ!
金属音が鳴り響いた。
キングストーンの光を纏ったサタンサーベルの一撃を、シャドムーンはエルボートリガーで防いでみせた。
「なっ⁉︎」
「言っただろう?俺にサタンサーベルなど必要ないと!」
シャドムーンが俺の身体を押し返す。それと同時にベルトから緑色の光が放たれ、それがエルボートリガーを包み込み、光の刃を形成した。
「フッ、俺が編み出したのがシャドーシュートだけだと思ったか?甘いぞブラックサン!ハァッ!」
そう言うと、シャドムーンは身体を捻りながら後ろに跳び上がり、工場の壁を足場にして突進してきた。
「喰らえ!」
猛スピードで突進して来たシャドムーンが、光の刃となったエルボートリガーを逆手剣のようにして振り抜く。
俺はそれをサタンサーベルでなんとか受け止めた。かと思ったが、凄まじい技の威力にサタンサーベルが弾き飛ばされてしまった。
「うわぁぁぁっ‼︎」
光の刃が俺の身体を斬り裂き、激痛と共に火花が散り、余波で爆発が起こり吹き飛ばされた。
強い……何なんだこの強さは……⁉︎
俺は初めて勝てないかもしれないという絶望を感じた。
€€€€€€€€€
「〜〜♪」
マリアの歌声が聴こえ、私ことナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤは目を覚ましました。
どうやら、発作を起こして倒れてしまったみたいですね。
私が起きた事に気づかず、マリアは歌い続けていました。その歌声には歌が好きだという気持ちが溢れているのを感じます。
優しい子……マリアだけではありません。私は、調や切歌、ゲドリアンといった優しい子達に重い十字架を背負わせようとしている。
そして、信彦にも……
「マリア」
「マム⁉︎目が覚めたの!」
「えぇ、貴女の処置のおかげで急場は凌げました。調達は?」
「調と切歌は、ドクターの回収に向かってるわ。やっぱり、マムの身体はドクターに診てもらわないといけないから。だから…」
「分かっています。私の為に動いてくれたあの子達の優しさを誰が怒れますか。マリア、あの子達にドクターと合流次第連絡を。ランデブーポイントを通達すると伝えてください。それで、信彦とゲドリアンは?」
「ゲドは、昨日の戦いの傷が癒えてないからまだ寝てるわ信彦はバトルホッパーでドクターを探しに出て……」
その時、フラついたゲドリアンが部屋に入ってきました。
「ゲド、どうしたの⁉︎」
「信彦の奴が……南 光太郎と決着をつけに……すまねぇ…」
悔しそうに告げるゲドリアン。それは、信彦を止めようとして止められなかった事に対する悔しさと後悔から来ているようです。
そして、ゲドリアンを倒して南 光太郎の元へ行ったとなると……信彦、貴方はプランBに移行する気なのですね。貴方という人は、いったいどこまで……
彼の考えを理解した私は、自分も行動する事を決意しました。
これ以上、優しいこの子達の手を汚さない為にも。信彦の命懸けの決意を無駄にしない為にも。
「マリア、調と切歌にランデブーポイントの通達を。合流した後に信彦を探します」
私は、信彦が出て行ってしまった事でパニックになっているマリアを落ち着かせるように言うと、彼女は少し冷静さを取り戻したようで頷いた後にブリッジに向かいました。
「では、私もやるべき事をしなければ……」
私は、ある人物に連絡を入れることにしました。
「お久しぶりです、Dr.ヘンリー。貴方にお願いしたい事があります」
次回予告
「信彦、俺はお前に勝つ!」
「やれるものならやってみろ!」
火花散るライダーとシャドムーン。
ぶつかり合う拳が大地を震わせる。
果たして勝つのはライダーか?シャドムーンか?
地球の運命と、それぞれの宿命をかけた戦いに終止符が打たれようとしていた。
負けるな仮面ライダー!地球と信彦を救うのだ!
次回、戦姫絶唱BLACK SHADOW G
第17話『明日なき対決』お楽しみに!
現時点でのヒロインは?
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そりゃあ、あおいさんでしょ!
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何を言う、クリスに決まってる!
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だからふらわーのおばちゃんだって!
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他の人はヒロインに昇格しないの?