戦姫絶唱BLACK SHADOW   作:ロヒシ&かづ えい子しょうゆ味

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この作品を書くためにBLACKやシンフォギアを観直したりしてるんですけど、こんなのあったんだって驚く事が多々ありました(笑)

そして、GXの冒頭のシャトルのシーンを観てると、「あれ?コレspiritでも無かったっけ?」と思い、ちょっと悪い考えが頭をよぎりました。
一応アンケート取りますけど、おそらく必要ないと思ってます(笑)

さて、今回の話は昭和の仮面ライダーあるあるというか、仮面ライダーのある意味での宿命だと思っています。


第6話 人の形、ココロの形

「……ッ⁉︎……こ、ここは?」

 

身体に痛みを感じ、目を覚ました。

身体を起こし辺りを見回す。どうやらここは病院のようだ。

 

「そうだ、俺はあの時クリスちゃんを助けようとして……」

 

そこで思い出す。何かの剣を奪い合っていた響ちゃんとクリスちゃん。

そして、響ちゃんが剣を手に取った瞬間、ドス黒いオーラが彼女を包み込み、それを止めようとして俺は……

 

手に視線を移すとそこには何も握られていなかった。

やっぱりアレは気のせいだったのだろうか?

あの瞬間、俺はサタンサーベルを握っていた。

サタンサーベル。ゴルゴムの世紀王のみに与えられる専用の武器だ。

かつてビルゲニアやシャドームーンがそれを手に俺の前に立ちはだかった。

その剣は創世王との最後の決戦の後行方が分からなくなっていた。てっきり消滅したものと思っていたんだけど……

俺は手を翳してサタンサーベルの事を思い浮かべる。しかし、何も起こることはなかった。

やっぱりあの時の事は夢か幻だったのだろうか?

そんな事を考えていると、病室の扉が開いた。

すると、大柄な赤髪の男の人や眼鏡をかけた女の人、若い男の人が2人と響ちゃん。そして、友里さんが病室に入ってきた。

 

「南…光太郎君だね。俺は風鳴 弦十郎。特異災害機動部二課の司令官だ」

 

どうやら、俺の身元は知られているようだった。

響ちゃんが信じられないという表情で俺を見ている。という事はつまり、俺の正体が仮面ライダーである事がバレたという事だ。

友里さんの方を見ると視線が合う。だけど、彼女は気まずそうに視線を逸らした。

 

「早速で悪いんだが、君の事を訊かせてくれないか?君のその身体の事を」

 

「……分かりました」

 

 

 

 

 

俺は彼らに今までの事を話した。

俺が別の世界から来たこと、その世界でゴルゴムという暗黒結社の世紀王となるべく改造手術を施されたこと、ゴルゴムの野望を打ち砕くために戦ってきたこと、そしてこの世界にやって来てからのことを……

 

「ゴルゴム……聞いたことのない組織ね。でも、違う世界の異端技術だというのなら納得するわ。だって、そうでもないと生身でノイズに触れることなんてできないもの」

 

「ふむ…仮面ライダーというより、彼の身体に埋め込まれたそのキングストーンという石が、聖遺物の塊のようなものなのか?」

 

「おそらく、確認されているどの完全聖遺物よりも強力なんじゃないかしら?」

 

眼鏡をかけた少し変わったヘアースタイルの女の人ーー櫻井 了子さんの言葉にみんなが息を呑んだ。

どうやらキングストーンの力は俺が思っている以上に強力だったようだ。

 

 

その後、響ちゃん達がノイズと戦うプロテクターーーシンフォギアの事や、特異災害機動部二課の事などを少し教えてもらった。

俺ばかりが情報を渡すのはフェアじゃないという風鳴さんの意見だ。

一通り話を聞いた後、風鳴さんに許可をもらい、俺はふらわーへと帰ろうと思ったのだけど、2、3日は安静にしてくれと言われてしまった。

オバさんに心配をかけてしまってるから早く帰りたかったのだけど、どうやらオバさんの方がそうお願いしたらしい。

風鳴さん達は最初オバさんに事情を訊こうとしたようだが、オバさんは知らぬ存ぜぬを通してくれたようだ。

 

 

風鳴さん達との事情聴取が一通り終わると、俺はベッドに背を預けながら外の景色を眺めていた。

しとしと振る雨を見ていると、あの日の事を思い出す。俺がふらわーで暮らすようになった日の事を……

 

 

 

バルベルデを壊滅させた後、俺は行く当てもなく世界中を転々として回った。

そして日本にやって来た時だった。

奇妙な電子音のような鳴き声と共に夕暮れの街中に姿を現したのがノイズだった。

最初、俺は奴らをゴルゴムの怪人のような存在だと思っていた。

だが、奴らが触れた人間は次々と炭の塊へと姿を変えていく。

その光景に驚愕していると、ノイズに襲われそうになっている人達を見つけた。

俺はその人達の許に駆け寄り、ノイズを殴り飛ばした。

すると、ノイズは呆気なく炭の塊となって砕けた。随分と脆いなと戸惑いを覚えていると、助けた人達が俺の姿を見て恐怖に顔を歪ませていた。

まだノイズに襲われた恐怖から抜け出せていないのだろうと思い、俺は泣きそうになっている子供に大丈夫だと手を差し伸べた。

刹那…

 

ーー子供に触らないで!このバケモノ‼︎

 

一瞬、何を言われてるのか分からなかった。

 

ーーノイズに素手で触れられるなんて人間じゃない!

 

ーーく、来るなぁ!こっちに来ないでくれぇぇ‼︎

 

みんなが俺の姿を見て泣き叫んでいる。

そこで俺は、ノイズが普通の人間には対抗できない存在だと気づいた。

改造人間である俺の所業にみんなが恐怖してしまっている。

すると、ノイズがまたしても出現した。それもかなりの数だ。

俺はたとえ彼らに恐れられることになっても、彼らを救うために変身する事を決意した。

俺の力は本来、怒りや憎しみの為にあるんじゃない。誰かの命を守る為にあるものだ!

その決意を胸に、俺はノイズを殲滅した。

しかし、その場に留まって彼らをこれ以上恐怖させるわけにもいかなかったので、ロードセクターを駆ってその場を後にした。

 

 

それから数日後、突然雨が降り出したので俺は軒下で雨宿りをしていた。それがふらわーだった。

すると、買い出しから帰ってきたであろうオバさんと目が合った。

 

ーーあっ、すいません!今出ていきますので……

 

ーーちょっと待った。アンタ、お腹空いてない?良かったらご馳走するよ!

 

そう言うと、オバさんは俺の手を引き、カウンター席に座らせると目の前でお好み焼きを焼き始めた。

どうしてこの人は見ず知らずの俺にお好み焼きをご馳走してくれるのだろう?そう考えていると、「ハイ、お待ち!」という声と共にソースとマヨネーズの良い匂いがしてきた。

オバさんの作ってくれたお好み焼きは本当に美味かった。こんな美味いものを食べたのは本当に久しぶりだ。

 

ーー美味しいかい?

 

ーーハイ、こんな美味しいお好み焼きは初めて食べました!

 

ーーそうかい!それは良かったよ!こんな事でしかお礼できなくてごめんね

 

オバさんの一言に俺は手が止まった。

どうやらオバさんはあの時の現場にいたらしく、俺が普通の人間じゃない事も知っていた。

だけど、危険を顧みずにノイズから命を救ってくれた俺に礼の一言も言えなかったのを気にしていたらしい。

 

ーーごめんね、あの時アンタは私達を守ってくれたのに、私達はアンタを化け物を見るような目で見てしまって……

 

ーーいえ、気にしないでください!俺が普通の人間じゃないのは分かってますから

 

すると、いつの間にか俺はオバさんに過去の話を話してしまっていた。

オバさんは俺の話を黙って聞いていてくれた。

 

ーーそうだ!アンタ、ウチで働かないかい?

 

ーーえっ?でも俺は……

 

ーー改造人間だかなんだか知らないけど、それが何だい?危険を顧みずに誰かの為に行動できるアンタは立派な人間だよ!

 

ーーけど……

 

ーーお腹が空いてるとね、悪い事ばかり考えちまうもんさ。でもね、私の焼いたお好み焼きを食べて幸せそうな顔をしてくれる人がいる。その人の笑顔を見るだけで生きる気力が湧いてくるってもんだよ。そのごるごむとかいうのはもういないんだろう?なら、アンタが戦う必要はもうどこにもないさ。剣の代わりにヘラを持つんだよ!

 

ーーオバさん……

 

 

 

 

そして俺は、ふらわーで暮らすようになった。

最初は四苦八苦していたお好み焼きの調理もオバさんの特訓によって上達した。

オバさんの言った通り、ふらわーに来る客の笑顔を見ていると、生きる気力が湧いてきた。

 

 

ふと、友里さんの…彼女の最後の表情が脳裏を過ぎった。

悲しみや戸惑い、そんなものが混じった目をしていた。

またいつか、彼女と笑い合える日がくるのだろうか?

そんな事を考えながら俺は眠りについた。




次回予告

病院の屋上で光太郎は翼と出会う。
彼女との会話は光太郎に何をもたらすのか?
そんな時、クリスが再び響に戦いを挑み、光太郎は翼とロードセクターを駆る。
急げ光太郎!今度こそクリスを助けるのだ!
だがそこにはビルゲニアの卑劣な罠が待っていた。

次回、戦姫絶唱BLACK SHADOW
第7話 『引き裂かれた絆』お楽しみに!

BLACK以外のライダーを出すのは有り?無し?

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