「うし、これで一通りクリアしたな」
GH:Cに追加された新モードであるストーリーモード。原作者が実際に書き下ろした部分もあるらしく、まあやってみるかと始めたのが1週間前。結論から言えばこの1週間、俺はほとんどこれしかやってなかった。いや、やべぇんだ。この俺をしてたまにはクソゲー以外をやるのも良いなと思わせるくらいにはストーリーの出来が素晴らしかった。だがそれも今日で終わり。この楽しかった時間が終わるのにはやや寂しさを感じるが、晴れやかな気分で終わるとしよう……
「んぁ? 何だこれ、隠しモード? 」
裏モードや隠しモードはストーリーのあるゲームなら定番コンテンツだが、事前に聞いていた話じゃそんなものはなかったはずだが……?
「……えーと? Lock picker……? 」
聞いたことない名前だな。少なくともストーリー中には1回も出てこなかった。オリジナルキャラか何かなのか? ……まぁいいさ。もう少し長くこのゲームを遊べるというのならそんな事は気にしなくていい。
「さーて、やりますかねぇ! 」
◆
あの日から私の心はずっと1つの光に埋め尽くされている。蒼い流星と紅い凶星の激突の最中、私を助けてくれた悪役のおじ様。
そう、私は未来からやってきたヒーロー。呪われた鎧に覆われた彼の呪いを解こうとする
ヒーローになった時から無数の悪役と戦ってきた。もちろんその中にはカースドプリズンもいて、だけど
そしてまた今日も私は戦いに赴く。
「……ここは……」
そこは彼と初めて出会った場所。数多のヒーローとヴィランが激突した決戦の地。ああ、ここならば彼にまた会えるのだろうか。そんな感傷を抱きながらいつものように戦闘準備を進める。
がしゃり、と音がした。
目を見開けば、そこに居たのは
頬が吊り上がるのが止められない。あの時助けてくれてありがとう? ずっと探してました? 違う、違うよ!
「久しぶり……いいえ、初めまして……
◆◆
いざ始めてみればストーリーが流れることも無く、俺はケイオース・シティにカースドプリズンの姿で降り立っていた。おいおい、ストーリーはどうしたストーリーは。ただの戦闘なら野良マッチでやった方が手応えのあるやつが……
「む」
いつから居たのかは知らねど目の前に急に現れた1人の少女。こいつがロックピッカーとやらでいいのだろうか。どう見ても斧を持ってるんだがー? 鍵開け(物理)という事なのだろうか。
「久しぶり……いいえ、初めまして……
…………何だと? 世界線が違う? なぜこいつがそれを知っているんだ。そのセリフはあの時の…………少女、Lockpicker、栗きんとん、ケイオースシティ、栗きんとん、ミーティアス、栗きんとん………………
待て待て待て! こいつ、
「……ははっ」
自然と口から笑いが零れる。そうかそうか、そういう事か! だとするのならば、
「……クク、あの日助けられた恩を返しに来ましたってか? なぁ、
「……ふふふっ、まさか。あなたを倒しに来たんだよ?
ハッ、面白ぇ……!
―――5
◆
ああ、最高の気分だよ……!あの日以来ずっと心に抱いてきた凶星との激突が叶うなんて!
―――4
◆◆
世界が戦いへのカウントダウンを告げる。もう言葉を交わす暇は無いだろう。
―――3
◆
もう間もなく彼との会話も出来なくなる。話したいこと、言いたいこと。いーっぱいあるけど、もう時間はない。だったらもう一言だけ言ってあとは拳で語り合おう。
―――2
◆◆
……だが、一言くらいなら残してやろう。あの瞬間、俺様の気まぐれによって救われた少女がここまで来たというのなら、その努力に報いてこの言葉を送ってやろう……!!
―――1
「「ぶっ飛ばす……!!! 」」
―――0