語られなかった者たちの饗宴   作:ゆくゆく

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紅楽付き合ってる時空のお話だよ


病は気から

 「……へくしっ」

 

 「うん、思いっきり風邪ね。まぁ、部屋で寝ときなさい。間違ってもゲームしたりしないように」

 

 「うーい……」

 

 あー、さすがに最近の生活は不健康すぎたな……シャンフロにも当分ログインは出来ないだろうし……ミスったなぁ。夏風邪とそんなすぐに治らないだろうし……

 

 「ぅあ"ぁぁぁーーー」

 

 頭いてぇ……寝るかぁ……

 

 

 

 ◆【旅狼】

 

秋津茜:あのー、すみません。少し聞きたいことがありまして!

 

鉛筆騎士王:んー? どしたの茜ちゃん

 

秋津茜:その、サンラクさんと連絡が取れないんですが何か知りませんか?

 

秋津茜:電話しても出なくて

 

オイカッツォ:ああ、サンラクならなんか体調崩してるらしいよ? 一昨日ゲームしてる時にやたらくしゃみしてたし

 

秋津茜:そうですか……ありがとうございます!

 

 

 頼りになる友人たちとの会話を終え、携帯端末をベットに放り投げながら呟く。

 

 「……そっかぁ」

 

 病気というのなら仕方ない。最近会えてなかったし久々にデートしたいなーとか思ってても仕方ないのだ。

 

 「……でもなぁ」

 

 会いたいなぁ……

 

 ヴーヴー

 

 「ひゃわっ!? ……あ、ペンシルゴンさんからだ」

 

 【鉛筆騎士王】

 

鉛筆騎士王:ふふふ、茜ちゃん。今の君のお悩みをこの私がズバリと言い当ててあげよう!

 

鉛筆騎士王:ズバリ! ───サンラクと会いたいなーって思ってるでしょ

 

 

 「……!! 」

 

秋津茜:す、凄いですペンシルゴンさん! どうして分かったんですか!?

 

鉛筆騎士王:まぁまぁ、それはともかくだねぇ……そんな悩める茜ちゃんにおねーさんがアドバイスをしてあげようかなと、ね

 

秋津茜:アドバイスですか?

 

鉛筆騎士王:そうそう、サンラクくんはねぇ……

 

  ・・・

  

  ・・・・・・

 

  ・・・・・・・・・・

 

秋津茜:なるほど! ありがとうございます、ペンシルゴンさん! 早速行ってきますね!!

 

鉛筆騎士王:うん、行ってらっしゃい! 頑張ってね

 

 

 

 「おかーさーん!! ちょっと出かけてくるね!! 」

 

 「あんまり遅くならないうちに帰ってくるのよー」

 

 「はーい!! 」

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 ……あー? 何だこの感じ。何かあたたかい……撫でられてる……?

 

 

 

 ああ、夢かこれ。だって今は部屋で寝てるはずからな。瑠美は出かけてるし母さんは虫の世話にご執心。俺の部屋に誰かいるわけが無い。

 

 ……いや、にしても心地よいな。ひんやりとした何かを額のあたりに感じると共に柔らかくてあたたかい何かで頭を撫でられているような感じがする。うーむ、ここが天国か。心無しか天使の歌声が聞こえてくるよう……な…………

 

 ん?

 

 「……あ、楽郎さん。すみません、起こしちゃいましたか? 」

 

 んんん??

 

 「えへへ、お義母さんに無理言って看病させてもらってます! 」

 

 んんんんん???

 

 「……紅音? 何でここに……」

 

 「えと、その……ら、楽郎さんに会いたくて……め、迷惑でしたか……? 」

 

 「いや、そんなことないけどさ……」

 

 あ、体起こしてもそこまで頭痛がしなくなってるな。やはり睡眠。睡眠は全てを解決する……いや、ちげーわ。そんなこと言ってる状況ではない。

 

 「にしたってわざわざ看病しにくるこたぁないだろ。ただの夏風邪だし数日もすれば治るぞ? 」

 

 「えっとですね、実はペンシルゴンさんからのアドバイスなんですよ! 」

 

 おっと〜? 急に話が胡散臭くてなってきましたよ? あの外道鉛筆からのアドバイス? ろくな事じゃ……

 

 「ちなみに内容はこんな感じです! 」

 

鉛筆騎士王:サンラクくんはねぇ、ギャルゲとかでは看病されるシーンが好きなんだって。まだクソゲーマーになる前の話らしくて私もカッツォくんから聞いた程度なんだけどね?

 

鉛筆騎士王:だから茜ちゃんが看病してあげたらきっとサンラクくんは泣いて喜び茜ちゃんへの好感度は爆上がり! みんなハッピーに! ってなわけですよ

 

 よし、あいつらシメよう。特にカッツォ。あいつ何言いふらしてんだクソが!

 

 「紅音……何もアイツらの言うことを鵜呑みにしなくてもいいんだぞ? 」

 

 「うっ……その、いや……でしたか? 」

 

 

 ぎゃっ

 

 

 上目遣いは反則。涙目も反則だ!!

 

 「べ、別に嫌ってわけじゃないけど……」

 

 「ホントですか! 良かったです!! 」

 

 うぐぐ、何だこのむずがゆい感情は。落ち着け、俺。びーくーるびーくーる。

 

 「……あー、寝るわ」

 

 「はい! しっかり体を休めてください!! それで元気になったらまたデートに行きましょうね! 」

 

 「……ああ、約束だな……」

 

 さすがにまだ治りきってはいなかったのだろう。横になるとすぐに眠気が襲いかかってくる。それと同時に頭に柔らかい感触……ああ、やっぱり撫でてくれてたんだな……

 

 「ん……あかね……」

 

 「はい、なんですか楽郎さん」

 

 そういや……いいわすれてる……ことがあったな……

 

 「きょうは……ありがと、な……きてくれて」

 

 「……はいっ! 」

 

 病は気から……正しくその通りだな。心がこんなにも暖かいんだ、風邪なんてすぐに治るだろう……

 

 




まあ、最近TLに腕やったり体調崩してる人がいたんで簡単なお見舞いみたいな感じで。次はカッツォ誕だな……
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