1人は獸性を宿す機械仕掛けの
1人は魔を操る者の装束を身につけし
2人は口を開き、俺へと言葉を投げかける……!
「が、がおー、いたずらしちゃうぞ……」
「……ってちがうわよ!! 」
「何この状況」
……何この
「私たちの格好を見て分かりませんか、
「ふふっ、はろうぃんもしらないなんておくれてるわね! 」
「……おい、サイナ。なんでこいつこんなイキってんの。普段見せないウザさが溢れ出てるんだけど」
「ああ、きっとこの前私がマウントを取ったことを気にしてたんでしょう。全く、執念深いですね」
「いやお前も何をしてるんだ」
ええい、なんなんだこの混沌とした状況は。何やら最近単独行動が多かったサイナにいきなり呼び出されたかと思えばコレだ。しかもハロウィン? シャンフロにはそういう季節イベントはなかったはずだが?
「ハロウィンは知ってるけどなんでお前らがその格好してるんだよ。始めから説明しろ、始めから」
「ふっ、しょうがないわね。あれはそう、わたしがあたらしいりょうりのけんきゅうをしているときのこと……」
「あ、ウインプに説明任せると絶対長いからサイナ頼むわ」
「イエス、契約者」
「なんでよっ!?」
◆
「
「嘆息:ハロウィンも知らないとは……ユニークモンスターなのに遅れてると言わざるを得ませんね」
「いきなりのばとう!? なんなのよいったい! 」
「ふぅん……はろうぃんがなんなのかはわかったけどそれがどうしたの? 」
「説明:リリエル-217型の契約者がハロウィンパーティーなるものを主催するとのことだそうです。私たちには契約者を連れてくる役目と仮装の役割が与えられました」
「えぇ……かそうとかいいわよ、べつに。ていうかわたしもんすたーなんだけど……」
「……契約者の周りでそんなことを気にする人は今更いない気もしますが……それと」
「それとなによ」
「個体名:ウインプが仮装をしないというなら私が1人で仮装をします。その場合契約者の寵愛は私1人が受けることになりますが? 」
「……! 」
「ちなみに契約者用の仮装は渡されているので仮装をしないのは貴女だけということになりますね」
「……!! 」
「……どうしますか? 」
「……ふ、ふんっ! そこまでいうならやってあげないこともないわ! わたしはかんだいだから、かんだいだから!! 」
「
「ちょ! いまなんかふくみがあった!」
「……気の所為では? 」
「なによ、その
◇
「……ちょっと待て」
え、なに。リリエル-217の契約者って鉛筆だよな? あいつが主催したハロウィンパーティー?
……不穏な気配しかない。
「なぁ、俺欠席していいか? ちょっと急用が生えてきたわ」
「
「そうよそうよ、いまさらやすまれたらつくったりょうりがもったいないでしょ」
ウインプ……お前、仮にもユニークモンスターが飯が余る心配するとか……せめて私が全部喰らい尽くしてやるわ! とか言えよ……
「まぁいいや……んで? 続きはあるのか? 」
「勿論です」
◆
「やーやー、2人が快諾してくれて嬉しいよ! よろしくネ、サイナちゃんにウインプちゃん」
「こちらこそよろしくお願いします」
「……よ、よろしく」
(ね、ねぇ、ほんとにこいつだいじょうぶなの? すごくうさんくさいんだけど……)
(契約者の友人ですよ……? 流石に大丈夫でしょう……流石に)
「いやー、2人にどんな仮装をさせようかなって悩んで色んな人の意見を聞いたら思った以上に選択肢が増えてねぇ! 好きなのを選んでいいよ? ニーナちゃん、衣装出してー」
「ペンシルちゃん、征服人形使いあーらーいー! 」
「
「はー? ペンシルちゃんと私は互いに利用し合う関係ですー! エルマ-317の方こそ思いっきり単独行動してるじゃん! どこが絆で繋がれてるのよ! 」
「んなっ! これは互いを信用しているからこその単独行動です! 」
「むー……」
「むむむ……」
「はいはい、2人ともその辺で。衣装は沢山あるんだから早く選び始めないと時間なくなるよ、サイナちゃん。ウインプちゃんもさっきから黙ってるけど好きに選んでいいんだよ? 」
「わ、わたし!? わたしはてきとうでいいわよ……」
「え? 適当でいいなら無償の善意で提供されたマイクロビキニとかにする? 」
「ばかじゃないの!?!? なんでこのさむいのにそんなかっこうしなくちゃいけないのよ! ていうかあたたかくてもきないわよ!! 」
「じゃあほら自分で決めなきゃ、ね? 」
「うう……はですぎないのはどのへん? 」
◇
なんかだいぶ話が大掛かりになってないか? せいぜいが旅狼メンバーでのパーティーだと思ってたが……その無償の善意って着せ替え隊だろ。
「あー、まぁでも何となく経緯は把握したわ。それでその格好って訳か」
サイナは狼男……狼女だろう。
服もいつものアイドルのような服ではなく村娘の着るような服にミニスカートを着ているからだいぶ印象が違うな。
ウインプは定番の魔女コスだろうか。剣と魔法の世界観で魔女も何もあったもんじゃないと思うがきっとプレイヤーメイドだと思う。露出の少ない古き良き魔女服って感じだが所々に蛇の飾りが着いてるのは製作者のこだわりを感じるな。
そして忘れてはいけないのがサミーちゃんさんだ。おそらくウインプのものと同じデザインの色違いと思われる魔女帽にオレンジ色のリボンを首に巻いているだけだが素晴らしいな。製作者には満点をやろう。彼女も心做しかいつもより機嫌が良さそうだ。いや、ヘビの機嫌の善し悪しとか知らんが。
「契約者、そろそろ着きますよ。というか着きました」
「ん、意外と近いな……っていうかなんだ。蛇の林檎か」
ま、確かにここくらいしかないか。サミーちゃんさんも入れるってなるとな。
「んじゃま、入るか」
扉を開けばそこにはいるわいるわ。見知った顔からおそらく着せ替え隊か何かと思われる知らんやつまで。そしてその中でも特に仮装が引くレベルで似合ってる女と無駄にあざとい仮装をした
「おっ、やぁっときた! 遅いぞー、サンラクくん! 」
「気の早いやつはもう飯食い始めてるぞ……ってかサンラク仮装してないじゃん。ペンシルゴンが渡したんじゃなかったっけ? 」
「あ? んだそれ、聞いてねぇぞんぶっ」
な、なんだ!? 後ろから頭になにか被せられ……
『
何故か装備判定が下ったらしく急に視界がクリアになる。
「んふっ……ふふっ、かん……んん"ふっ……カンペキじゃん、サンラクくん……ふふっ」
「はははっ! お似合いお似合い! 超ピッタリだよ、サンラク」
ふむ、ぺたぺたと頭に被せられてるものを触り、性能を見て……へぇ、こんな機能が。
(無言で光り出すカボチャヘッドの半裸)
「んぶふっ! 」
「……っッ! 」
まぁ、悪くない反応だな。
「というかサイナ。こんなものがあるなら前から渡しとけよ」
半裸でも十分インパクトがあるが、なんかあった衣装用意した方が面白いだろ。
「当日渡した方がサプライズ感があると思い……ダメでしたか? 」
「いや、別にだめってこたないけどさ……ってうお、どうしたウインプ」
「な、なんかなにもしないでただみてくるだけのしゅうだんがいるんだけど! こわいんだけど! 」
ああ……とりあえずサバイバアルのやつは後でシメとこう。
「ていうかペンシルゴン。なんでこんなハロウィンパーティーなんか企画したんだ? 」
「んー? 楽しいじゃん、こういう季節物のイベントとかって。公式でない分私たちプレイヤーがやらなきゃ」
「お前がそんな殊勝な理由で動くわけねぇだろ。絶対他に理由がある」
「……2つ目の理由は何故か私のところにサイナちゃんとかウインプちゃんとかサンラコちゃんに着せて欲しいっていう服が沢山届くからだよ! 別に私マネージャーでもなんでもないんだけど!! なんでプレゼント受取係やらなきゃ行けないのさ!! 」
それに関してはマジで申し訳ないと思ってる。
「いや、まぁそれはすまん……てか本当にそれだけか? 」
それなら疑って悪かった……とはならんけど。でもペンシルゴンにしてはやっぱ理由が弱くないか? そんなに着せ替え隊の圧が……?
「んー……3つ目の理由はねぇ……ほら、アレみなよ」
「んぁ? 」
ってもペンシルゴンの指す方にはサイナとウインプしか居ないんだが?
「あ、あの契約者」
「ちょ、ちょっと……」
「どうした、サイナ、ウインプ。楽にしてていいんだぞ? 」
「あ、いえそうではなくてですね。その……」
「うう……えっとぉ……」
? どうしたというのか。というかウインプも同じような反応してるんだがいったい?
「んふふ、2人はねぇ、サンラクくんから仮装の感想が欲しいんだよ」
「感想ー? ……ああ、そういやなんも言ってなかったか」
なんか照れてるな……とはいえ好感度管理のためにもそういうのは大事か。うん、普通に似合ってると思うし別に褒めるのはやぶさかではない。
「あー、2人とも」
似合ってるし可愛いぞ。
そう続けようとしたんだが……
「ひゅーひゅー、サンラクくーん! ほら、可愛いって言ってあげてー!! 」
「よっ、モテる男はつらいねぇ!! 」
んぐっ……こいつら、ここぞとばかりに煽りやがって……! くっ、なんか妙に照れるぞ。別にNPCに服の感想を言うくらい普通だろ。ていうかサイナもウインプもさっきまで照れてたくせになに平然と感想まだ? みたいな顔してるんだ!
ええい! 男は度胸! この程度の恥、ピザの恐怖に比べればなんということは無い!!
「……2人とも、似合ってるし……その、可愛いと思うぞ」
「……ま、まぁ? 当機の魅力を考慮すれば当然の感想ですね。ええ」
「そんなこと言ってぇー、エルマ-317ってば顔真っ赤じゃーん! 」
「
「かっ、かわいいって……べつにほめてもなにもでないわよ……」
「「「赤面してるウインプちゃんもかわいいよぉぉぉぉ!!!」」」
「にゃぁぁぁぁあああ!?!? 」
「んふふー、シンプルに褒めたねぇ、サンラクくん? 」
「いやいや、あれがサンラク流よ。こういう時にふざけられないから好感度が上がるんだろうねぇ!」
「てめぇ、ペンシルゴンこれが目的かっ……!!」
ちくしょう、やってられるか。こうなったら宴会中はひたすら光り輝いてやる……!!
「契約者、契約者」
「えっと、そのね? 」
「……ん?どうした2人とも」
「……貴方のためを思って選んだ服が褒められて嬉しかったですよ、契約者」
「……たまにはこういうのもわるくないわ。……べつにかんしゃしてるとかじゃないからねっ! 」
……はぁ、2人に免じて光り続けるのだけは勘弁してやるか……
当初の予定ではサンサイでした。
……あんな重い本編受けてウインプを入れないわけないだろぉ!?