「「「秋津茜(さん)、お誕生日おめでとう!!!」」
「へっ!? ……あ、ありがとうございますっ!! 」
3月25日は旅狼が誇る光属性オブ光属性こと秋津茜の誕生日である、という情報をどこからか仕入れてきたペンシルゴンの先導により俺達はサプライズパーティーを仕掛けることとなった。
ゲーム内でわざわざリアルの誕生日を祝う必要があるか? 的な意見も出てきてはいたのだが……どうやら光属性の前では全ては浄化されるらしい。
「ほら、茜ちゃん。これはお姉さんからだよー」
「秋津茜……あげる」
「わわっ、見たことないものばかりです! ありがとうございます!!」
何を貰っても煌めくような笑顔を返す秋津茜に吸い寄せられるように集まった旅狼メンバーはどんどん餌付けしていく。
「ほら、秋津茜。俺からは蠍素材のみを使って作ったミニスケールサソリフィギュアを進呈しよう」
「うわぁ、可愛いっ……サンラクさん、ありがとうございます!! 」
おお、心が浄化されていく……人のことを煽るなんてやはり良くないことなんだ。これからは改心しよ……
「うわぁ、サンラクくん……女の子へのプレゼントにサソリフィギュアとか……」
「そんなんだから女心が分からないとか言われるんだよ、サンラク」
「は? リアルハーレム築いてる魚類に女心が分からないとか言われたくないんだが? 」
夏目氏のことを少しは考えてやれよ。俺とペンシルゴンの間では夏目氏がポテト狂の理由は食生活もアメリカ人に寄せようとしてるから説が濃厚になってるんだぞ。
「あのね、君達……今日は秋津茜さんの誕生日なんだよ? 少しは自重しようとか思わないのかい? 」
自重? 自重ねぇ……
「おいおい聞いたかい、カッツォにペンシルゴン。1番お誕生会に渋っていた方が何? 自重? 」
「聞いたともサンラク。ただ何を言ってるかはちょっとよく分からなかったかなぁ? 」
「いやいや、2人とも。京極ちゃんてば1番に茜ちゃんの笑顔に篭絡されて今まで餌付けしてたんだよ? そりゃあ私たちに大人しくするように呼びかけたくなるってものさ」
「なるほどなるほど」
「「「いやー、すんませんっした! 京極さん!!」」」
「君達、ホントに人を煽る時だけやたら仲が良くなるねぇ!? 」
当然だろう。旅狼のコミュニケーションは煽り煽られでできている。今さら煽りあいをやめようとか言い出す奴がいるはずもない。
「ふふっ……あはははっ!! 」
「ん? 」
「え? 」
「あー」
急に笑いだした秋津茜に対して三者三様の反応をする俺たち。そのままひとしきり笑ってた秋津茜は息を整えた後に口を開く。
「私……シャンフロを始めて、皆さんに会えてよかったです!! これからもよろしくお願いします!! 」
溢れ出る圧倒的光属性オーラッ……!!
何となく顔を見合わせる俺たち。
「あー……そうだな。何だかんだ今まで秋津茜が居ないとやばいシーンは結構あったしな。うん、感謝してるしこれからもよろしくな」
「そうだね……ジークヴルムの時なんかは大活躍だったし。ウチには欠かせない存在だよ」
「茜ちゃんはとても良い子だからねぇ。悪い子達の相手してるお姉さんからしたら大助かりだよ。これからもよろしくネ? 」
「秋津茜……ジークヴルムの時は楽しかった。……また一緒に戦お? 」
「秋津茜さんにはルストも懐いてるし、僕も一緒にいて楽しいからね。これからもよろしく」
「いやほんとサンラク達と接してると君が1番の良心だなって実感するよ。これからもよろしくね! 」
全員が全員思い思いの言葉をかける。我ら旅狼の基本は煽りあいではあるが……こういう日くらいは素直になることもあるのだ。
「……皆さんっ、本当にありがとうございますっ! 大好きです!!! 」