「あ、サンラクさん!こんにちは!」
「おー、秋津茜。……え、これどういう状況?」
絶賛リヴァイアサン第3殼層攻略中の俺たち一行は道中秋津茜とその野良パーティーに出会ったのだが、そこには秋津茜が手を差し出しそこに跪く成人男性とかいう訳の分からん絵面が展開されていた。……え、マジでどういうこと?
「えっとですね、この人……あ、ヴィジランスさんは竜血鬼という種族なんですが他人の血を吸うとバフがかかるらしくて、私の血を吸うとなにか特別なバフがかかるんじゃないかって!だから協力してます!」
「ほ、ほーん……」
竜血鬼ねぇ……血を吸うとバフがかかるというのはなかなか面白い能力だが重要なのはそこでは無い。秋津茜の?血を?吸う?こいつが……?
…………何だろう、この感じ。飼っている犬が他の人に懐いてるのを見た時のようなモヤっとした気持ちは。別にヴィジランス何某の言っていることは間違ってないし、秋津茜の血に特殊なバフがある可能性は捨てきれない。だが……
「待った」
「へ?」
「どうしたんですか?サンラクさん」
「あー、何だその……ヴィジランスだっけか?吸うなら俺の血を吸え」
……何言ってんだマジで。この言い方完全に変態だろ。あ?もう既に変態だろって?うるせー、文句ならリュカオーンに言え。
「は?……え、ツチノコさんそういう趣味?」
「違うわボケ!……あー、なんだ。俺は全プレイヤーの中で最高レベル、検証の対象としてはバッチリだろ。それに自分で言うのもなんだが俺は秋津茜より捕まりにくいぞ?出来る時に検証した方がいいんじゃないのか?」
「うーん……確かにそうか。ツチノコさんの血を吸わせてもらったとかネタになりそう。じゃあ失礼するわ」
「おう、ドンと来いや」
半裸だとこういう時に気軽に腕を差し出せるな。メリットにはなり得ねぇけど。
「…………っ」
うえぇ、変な感じ……感覚としては血液検査とかの感覚なんだが視覚情報と乖離しすぎてる……
「……ふぅ。あ、なんか普段よりバフの効果値高いな。レベル関係あるかも」
「……そーかよ。んじゃ俺はもう行くからな、じゃあな秋津茜」
「あっ、はい!ありがとうございました!」
あー、くそ。秋津茜の代わりしたのちょっと後悔するくらいには不快感あったわ。ホントなんで代わろうと思ったんだ……
◆
「くくく、おいおいサンラク。お前あんなに必死になってあの子の代わりしようとか大好きかよ」
「はぁ?何言ってんだサバイバアル。あれはそんなんじゃねぇだろ」
……そう、別に独占欲とかではなく単純に秋津茜の教育に悪いからであって……
「いやいや、普段のお前なら検証のためなら命も惜しまねぇだろ。それを血を吸うだけであんな反応するってことは……なぁ?あの子結構若いだろ?ロリコンかぁ?ロリコンサンラクくんなのかぁ?」
「よし分かった、お前はデスをご希望のようだな!」
ロリコンはてめぇだろうがァ!!このモヤモヤ全部ぶつけたらァ!!
別に2人は付き合ってない設定です。