語られなかった者たちの饗宴   作:ゆくゆく

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Xの方で何やら面白いネタを見つけましたのでね(ろくろを回す手つき)


天音永遠は稀代のカリスマモデルで超絶美女で完全無欠でとても素晴らしい人間なので、あんなアーサーペンシルゴンとか言うこの世全ての邪悪を詰め込んだ傲岸不遜奸佞邪知の権化とイコールなはずないんですから!!!

 

 トワ様は完全無欠。

 

 トワ様は天下無敵。  

 

 トワ様は傾城傾国。

 

 これらは常識であり、摂理であり、世界の理である。

 

 故に、故にだ! 生かしては置けない存在がいる、許しては置けない存在がいるのだ!!

 

 

「ねぇ、そう思うよね瑠美ちゃん! 」

「うん、確かにトワ様のご尊顔を勝手に使ってゲームで暴れ回ってるって言うのは、1ファンとして思うところがあるけど……」

「けど、何かな! あんなのトワ様の美しさに対する冒涜以外に他ならないでしょ! 」

「けどさ、それって多分シャンフロ? の規約的には問題ないんだよね」

「うぐっ……」

 

 私も兄がやってるからちょっとは知ってるんだよね〜、とひらひらと手を振る瑠美ちゃんを見つめ、私は唸る。私と瑠美ちゃんは共に肩を並べて授業を受けるクラスメイトであり、そして共にトワ様を崇拝する信者でもある。

 

 そんな私、四十万ミクには今、非常に、ひっじょぉーに! 許せない人が居るのだ!

 

「えっと、何だっけ? その人……アーサーなんちゃらみたいな」

「アーサー・ペンシルゴン! トワ様のご尊顔を使っておきながら、PK行為に勤しんでる犯罪者! 冒涜者!! 許せない存在だよ!! 」

 

 アーサー・ペンシルゴン。かの有名な大人気VRMMO、シャングリラフロンティアの1プレイヤーであり、同時に数々の悪名を持つプレイヤーでもある。

 

 私が奴に出会ったのは、本当に偶然だった。トワ様がプライベートでシャンフロをやっている、という事を知った私はミーハー心でシャンフロを購入。新規プレイヤーとしてあの世界に降り立った。

 

 運良くトワ様に会えないかな〜、なんなら一緒に遊べちゃったり……!? いやいや、推しとの過度な接触はNG……

 

 なんて、思いながら日々プレイを続けていたある日のこと。見つけたのだ。トワ様と瓜二つの顔をしたプレイヤーを。

 

 なんという偶然、なんという僥倖。っていうかトワ様、リアル顔でプレイされてらっしゃる? 流石の自信……いや、偽物かな……

 

 そんな葛藤を抱えながら覗き見たプレイヤーネーム。それこそがアーサー・ペンシルゴン。その名だった。

 

 私は、その後どうしても好奇心を抑えきれず、あまりマナー的には宜しくないと分かりつつも、掲示板やネットを活用して、その名前を調べた。

 

 結果として、私は盛大な死に様を迎えたキャットになった訳だが。

 

 まぁ、出るわ出るわ。悪名汚名悪行蛮行の数々が。PKerとして? 沢山のプレイヤーをキルして? 阿修羅会、なんて言う、怪しげな組織に身を置いた過去があって? ついた字は廃人狩り?

 

 もうこの辺で頭が痛くなってきたので調べるのを辞めたのだが、十分だ。ヤツが邪悪の徒であるということの証明には!

 

「こんな奴がトワ様なはずはないし! だったらもうトワ様のご尊顔を借りて好き放題するアンチだよ、アンチ! ぬあーっ、許せん! 」

「あー、もうミクちゃん落ち着いて! ほら、周りの子見てるから! 」

「う……ご、ごめん……」

「もー……それで、さ。ミクちゃんはその人をどうしたいの? 運営の人に通報するとか? 」

「い、いや……それは……」

 

 出来ない。出来ないから問題なのだ。こう言ってはなんだが、トワ様に限らず有名人の顔を作って遊ぶ、というのはVR以前のMMOでもある話だ。VR全盛の世であっても、それは変わらず。運営側も余程過激な行為やヘイト活動などをしなければ、いちいち首を突っ込んだりしない。

 

 じないんだげどざぁ゛〜〜!!

 

「うぅ……」

「あ、泣いちゃった。よーしよし、いい子いい子」

「瑠美ぢゃぁ〜ん……! 」

 

 ちくしょう、アーサー・ペンシルゴンめ! いつか絶対、トワ様のお顔で好き放題してる罪を償わせてやるんだから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんか、私のファンが泣いてる気がする」

「やっぱ信者の感情とか吸い取ってるタイプの邪神だから、そういうの分かるんすかね? 」

「あーあ、ファンを泣かせるとかインフルエンサー失格だね」

「カッツォ君だって、ナツメグちゃんのガチ恋勢とか泣かしてるでしょ。いや、そういうのじゃなくてさ。同士達が教えてくれたんだけど、なんか最近掲示板で私……ペンシルゴンの方を探ってた子がいたんだって」

 

「ほーん……被害者の会の新人か? 」

「いやいや、最近の私を見てよ。こんな清廉潔白プレイヤー、そうそう見ないよ? 」

「なぁ、サンラク。清廉潔白の対義語って何だと思う? 」

「そりゃお前、アーサー・ペンシルゴンだろ」

 

「はいそこ、やかましいよ! 話を戻すけどさ、なんかその子の言動が私の被害者って言うより、リアル私のファンっぽくてねぇ。だからまぁ……虫の知らせ、みたいな? 」

「そりゃあ憧れのカリスマモデル様が、三度の飯より悪巧みが好きみたいな奴だって知ったらなぁ」

「つっても、ペンシルゴン=天音永遠だってバレた訳でもないんでしょ? じゃあ大丈夫でしょ」

「ま、それもそうなんだけどさ。と言っても、シャンフロの方で殺害予告が来る可能性はあるけどね! 」

「おう、1人で頑張れよ」

「ファイトだよ、クランリーダー! 」

 

「「「───はっはっは!! 」」」

 

 

 外道達の呵呵大笑は夜の闇へと溶けていく……

 

 

 

 

 




30分くらいで生えてきたおもしれー女、しじまみくちゃん。
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