語られなかった者たちの饗宴   作:ゆくゆく

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私には闇属性光ifは書けなかったよ……


光と闇は混ぜるな危険

 

 「てめぇっ!何考えてやがる!!」

 

 

 事の発端は新大陸での冒険中だった。特にやることも無いためまだ行ったことのない場所に行こうとしたら、偶然秋津茜に出会ったため一緒に冒険をしたのだが……その日以降どうも秋津茜の様子がおかしいので聞いてみたんだ。

 

 「なぁ、秋津茜。最近なんかちょっと元気なくないか?何か悩み事でも?」

 

 「あ、何でもな…………サンラクさん、その、私が今から言うこと誰にも言わないって約束してくれますか?」

 

 普段の溌剌とした姿からは想像できないような神妙な態度。特に断る理由もなかった俺はその約束を受けた。

 

 「えっと、実はその…………」

 

 秋津茜から語られた内容を聞いた俺は直ぐにフレンド欄を開いてある人物を呼び出した。当然のようにすぐに現れたそいつに俺は罵声をたたきつけ……話は冒頭に繋がる。

 

 

 

 「えぇ……?いきなりどうしたのぉ、サンラクくぅん……すごくハッスルしてるじゃぁん……あ、ひょっとして迸るパトスを抑えきれずに私を呼んだのかなぁ!?」

 

 普段なら多少イラつく位のこいつの下ネタも妙に癇に障る。

 

 「お前なら俺が怒ってる理由くらいわかるだろ?」

 

 「……まあ心当たりはあるねぇ」

 

 すっ、と張り付いていたような笑顔が消え、無表情になる。だが、だからといってここで引く訳には行かないんだ。

 

 「そうか。じゃあ聞くが何であんなことをした。普段のお前ならもう少し分別はあるだろ」

 

 「……いやぁ、本当は警告くらいで済ませる気だったんだけどねぇ……いざ目の前に立ったら自分でもびっくりするくらい感情が抑えられなくてねぇ。……ああ、思い返しただけでもイライラする……!」

 

 ……まあ、そんな気はしていた。秋津茜とディープスローター。完全に相反する光と闇の2人の相性がいいわけが無い。

 

 「ああああ、イラつくなぁ……!何がきっと上手くいくだよっ……!こっちの気も知らないで!ねぇ!サンラクくん!何あの娘!?あんな穢れを知らない人間なんているはずがない……()()()()()()()()()!!」

 

 「……ああ、そうだよぉ……ボクがあの子を唆した。ちょちょっと人間の暗い部分を見せてやったらすーぐ暗い眼をしちゃってさぁ……ああ、むしろ感謝して欲しいよねぇ……!早いうちに人間の醜さを知れたんだっ……!?」

 

 ……体は勝手に動いていた。コイツの前で感情に身を任せた行動をとるなんて愚策中の愚策。そうとは分かっていても止められなかった。

 

 「……サンラクくん……?なんでこんなことするの……?……ああ、あの子のことが好きなのかなぁ……?そうだよねぇ……こぉんな何考えてるか分からない奴よりああいう可愛らしい子の方が良いよねぇ……!」

 

 軽く頭を傾けながらにじりよってくるディープスローター。割とヤンデレ系のホラゲでよく見る動きといえばわかるだろうか。

 

 「は?何言ってんだ、秋津茜は別にそんなんじゃ」

 

 「じゃあ何でよ!?何で私を見てくれないの!?あの子だけじゃない、最大火力の子や、あの胡散臭い子もそう!サンラクくんの周りにはいつもたくさんの女の子がいて!なんでそこに私が入らないんだよ!!」

 

 普段の本心を全く出さないディープスローターからは考えられないような雰囲気で放たれる言葉の数々。目からは涙を零し、髪を振り乱しながら掴みかかってくる。

 

 「他の子にはサンラクくんじゃなくても他の人がいるでしょ!?君に見て貰えなくても他がある!他の人は見てくれる!!でも……でも!(彬茅紗音)には他はいない!(サンラク)の代わりになってくれる人なんていないんだ!!」

 

 そして今までの勢いが嘘のように消えて俺の胸に頭を軽く触れ合わせて一言呟く。か細い声で、今にも消えてしまいそうな声で。

 

 「…………お願い、サンラクくん……君だけは、君だけは私を見捨てないでよ…………」

 

 そのまま顔を押し付けながら静かに震えるディープスローター。……正直超展開すぎてついていけない。え?これが?あの?ディープスローター?下ネタ大魔神で、モラルという概念を確実に母親の子宮に置いてきたような奴が?俺の胸元で迷子の幼子のように震えてるコイツと?イコールなんですかぁ?ウッソだろお前。

 

 「……確かにお前は俺にとってスペクリをサ終に追い込んだ原因だし、下ネタ大魔神だし、ろくな事しないし言わないし、平気で俺を攻撃に巻き込んだりするとんでもないやつだな」

 

 俺が一言言葉を発する度にびくりと体が跳ねる。正直まだこれが演技である可能性を捨ててはいないが……ここまで言われたんだ、少しくらいはこちらも本音で答えてやろう。

 

 「でもな、それでも見捨てたりはしねぇよ。大切……かはともかく居なくなったらそれなりには悲しむゲーム友達だよ、お前は」

 

 「……え……?」

 

 信じられない言葉を聞いたとばかりに頭をはね上げるディープスローター。その目は今までに見た事ないくらいに大きく見開かれて、そして涙で濡れていた。

 

 「ほ、ほんとに……?ほんとに見捨てないの?私と一緒に居てくれるの……?」

 

 その目は絶望に淀みきった目で、それでも一本の藁を求め縋るような目で……そして俺はそんな目には弱いんだ。

 

 「……はぁ、周りのヤツに迷惑かけないならな」

 

 「……うんっ……!かけない、かけないから……だから一緒に……居て?」

 

 「あー、もうしつこい!一緒に居てやるって言ってるだろ!」

 

 「……あ、うん……」

 

 なんだ急にしおらしくなって。ほんとにコイツディープスローターかよ。あ、後ろ向いた。どっかからタオル取り出して?顔を拭いて?

 

 「……うぇへへへ、言質は取ったよサンラクくぅん……?」

 

 「んなっ……お前やっぱ演技だったのか!」

 

 くそっ、やはりこいつに同情とか無意味だったか!

 

 「んふふぅ……一緒に居てやるってそれはもう求婚なのではぁ……?録音してなかったことを後悔してるよぉ!」

 

 「だぁー、クソが!もう知らねぇ!マジで知らねぇ!俺の同情を返せ!」

 

 叫んだ瞬間軽く腕を引かれる。イラつきながら振り返るとそこには世界が終わるあの時に見た心からの笑顔を浮かべるディープスローター。

 

 「演技じゃない、演技じゃないよサンラクくん。……ありがとう、私を見てくれて」

 

 ……ああ、クソ。本当に今日の俺はどうかしてる。なんせ今だってコイツの笑顔を可愛いと思ってしまったんだ。……本当にどうかしてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こぼれ話

 

 「つーかお前秋津茜に謝れよ。まずそれをしなきゃ前の関係には戻れないと思え」

 

 「えぇー……何が悲しくて恋敵に謝らなきゃいけないのさぁ……」

 

 「恋敵って……秋津茜はそういうんじゃないって言っただろ」

 

 「ぶぅー、どんかーん。……サンラクくんがぁ、着いてきてくれるなら良いよぉ?」

 

 「……保護者同伴?」

 

 この後しょうがないので着いてって無理やり謝らせた。この野郎直前で駄々こねやがって……子供かよ。ちなみに秋津茜はそこまで落ち込んでなかった。何でも便秘で出会った人に励まされたんだとか……いや、便秘での秋津茜ってだいぶガチムチのマッチョだろ。誰だよ励ましたやつ…………え?R18触手アタック?………………カッツォォ!!

 

 

 




オチが思いつかんかったんや……(紅鰹は書けそうにないのでここで使う人)
ディプスロさんはあれだよ、光に当てられて荒れてたんだよ。そういうことにしておこう。
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