とある神によって#コンパス 【戦闘摂理解析システム】に登場するサーティーンに転生させられてしまった男。しかも転生した世界は人外が蔓延る【ハイスクールDxD】!?

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友達に勧められて#コンパス 【戦闘摂理解析システム】を始めてサーティーンに何度も殺されたので、腹いせに書きました。


殺戮の⑬

 

 

 

 

 『周りのみんなと同じ天使だと思っていた

 

 肌の色、輪の色、瞳も同じだった

 

 取り柄にすらなりえない「当たり前」をこなせる

 

 周りのみんなと同じ天使だと思っていた』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ハハッ、ハハハハハッ!」

 

 「来たぞ!“血の天使(ブラッディ・エンジェル)”だ!直ぐに陣形を組め!!」

 

 

 見つけた。

 

 クソ親父の大っ嫌いな悪魔共だ!!

 

 

 「くっ、囲め!囲んで殺s」

 

 「た、隊長!?」

 

 

 おいおい生温いぞ、カス共!!

 

 折角このオレサマが断罪してやるだからよ、もっとやる気出してやってくれよ!?なぁ!?

 

 

 「隊長のかたkぎゃああああ!?!」

 

 「うるせぇよ、カスが。ほら、仲間が殺られたぞ?仇討ちしねえのか?ん?」

 

 「ば、化け物が…………!」

 

 

 は?化け物?テメェらが言うか?

 

 まあ、仕方ねえか。

 

 テメェらカス共から見たら、俺らみたいな存在が化け物に見えてしまうのも頷けるしな。

 

 

 「まあ、テメェらからしたら天使も化け物かもな。だが俺らからしたらテメェらは同じように化け物だ。やっぱ化け物同士、仲良く殺ろうぜ?なぁ?モンスター共(悪魔共)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『誰に習ってもいない賛美歌を歌って

 

 誰に習ってもいない飛び方で飛んでいる

 

 じわり開いてく差に なんの疑いも持たずに

 

 周りのみんなと同じ天使だと思っていた』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「しっかしまあ、こんな戦争もいつまで続くですかね?クソ親父」

 

 「…………久しぶりに話しかけて来たと思ったら、そんな事を言いにわざわざ来たのか、馬鹿息子が」

 

 

 ピカピカと眩しいクソ親父。

 

 なんか気分悪ぃみたいだが、どうしたんだ?

 

 

 「また悪魔共が余計な事してるお陰でな」

 

 

 おっ、成程成程。

 

 というか人の心の内読むんじゃねえよ。

 

 

 「ふんっ…………で?今回はどれぐらい殺った?」

 

 「両手じゃ数え切れないほど。まだクソ親父率いる本隊が動かないおかげで、俺一人で狩ってるからな。おかげで“血の天使(ブラッディ・エンジェル)”なんてカッコイイ渾名貰っちまったよ」

 

 

 というかあっちの方が渾名付けるの上手いな。

 

 やっぱりあれか?化け物特有の感性ってことか?

 

 そういう所は好きだぜ、クソ野郎共。

 

 

 「そうか…………悪魔と堕天使の争いはどうだ?」

 

 「あ?堕天組の所か?まあ、いんじゃね?どっちも勝てず負けずってとこかな」

 

 

 アザゼルの野郎もバラキエルの野郎も元気かな?まあ、どうせ元気にしてるだろうし、いっか。

 

 

 「…………そろそろ我々も介入しようと思っている。そこでお前には先鋒として特に動いて欲しい」

 

 「ハイハイ、分かってますよ。義理の息子は特に重要じゃないってことっしょ?それぐらい役に立ちますよ」

 

 

 まあ、義理の親だっていうのに良くしてもらってるから、それぐらいやらないとな。

 

 

 「っ、だから私は一度もお前をそのように思ったことは一度m「あー、興味ないから、そういうの。オレはさっさとあんたに任されたことやるだけだよ。んで?オレサマは何すればいいの?」っ…………お前には悪魔が前線基地として扱っている拠点を制圧して欲しい。これはお前が今まで培ってきた戦闘スキルだからこそ出来ることだ。任せたぞ?」

 

 

 拠点制圧か…………めんど。

 

 オレサマが特に嫌いなのは制圧とか人質救出とかだな。なんか守って戦うの嫌いだわ。

 

 まあ、流石にクソ親父に頼まれたらやるしかないっしょ。

 

 

 「オーケー、オーケー…………んじゃ、言ってくるわ」

 

 「…………健闘を祈る」

 

 「そう言うのは息子に行ってやれ、クソ親父」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『何度も励まされ 何度も肩押され

 

 一聞いて十を知れと教わった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アヒャヒャ、アヒャヒャヒャヒャ!!」

 

 「て、敵sy」

 

 「言わせねぇよ、カスが」

 

 

 叫ぶ前に鎌で首を飛ばす、これ常識ね。

 

 んじゃ、とりあえず上手く忍びこめたな。

 

 とりあえずどうやってカス共の拠点を奪うとしようかな…………まあ、とりま片っ端から殺ってくか。

 

 

 「こういうごちゃごちゃとした殺し合いは嫌いなんだが…………まあ、いいか」

 

 

 んじゃ、蹂躙開始。

 

 ミュージック、スタート!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『出来ない 出来ない

 

 みんな歩いている 遠ざかってゆく

 

 ああ ふと気づいたらもう

 

 やりたい事は そんな大層じゃない

 

 置いてかれずに ただそこに居たい

 

 ああ そんな当たり前が出来ない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「へぇー…………カス共の中では結構やる奴もいるじゃねえか。お前、名前は?」

 

 「っ…………サーゼクス、グレモリー!」

 

 「いいぜ、このオレサマの頭の中に残しといてやろうじゃねえか…………お前の名前を、なッ!」

 

 

 カス共を狩ってたら結構良い奴がいたわ。

 

 赤髪の美男子とは、良いじゃねえか。そっちの趣味は持ち合わせていねぇが、気に入ったよ。

 

 

 「…………はぁ、はぁ、はぁ」

 

 「あ?もうお疲れですか?サーゼクスちゃんよ」

 

 「くっ…………(こいつ、強い!)」

 

 

 もうちょい鍛えればもっとやるようになると思うがな…………殺すのはちょいと勿体ないな。

 

 

 「お前、見逃してやるよ」

 

 「…………何?」

 

 「このオレサマを前にして肩で息をしながらもまだやる気あるような顔してんの、お前が始めてだわ。だから特別ボーナスってことで、今回は見逃してやるよ」

 

 

 こいつなら或いは…………

 

 

 「っ、どういうつもりだ!」

 

 「だから今言った通り見逃してやるってことよ。ほら、さっさとオレサマの前から失せな。このオレの気分が変わらない内にな」

 

 「っ…………次は、負けない!」

 

 

 おぉ、いい顔して退却したな。

 

 将来が楽しみだわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『天使は制服を脱ぎ 背広上下に着替え

 

 誰に習ってもいないのに暮らしている

 

 正しい「暮らし」が出来ず いつも散漫な仕事ぶり

 

 周りのみんなと同じ事が出来なかった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「んで今度は女かよ」

 

 「っ…………貴方が、首謀者?」

 

 

 たまたま入ったテントに女がいたが、こいつもさっきの奴と変わらず美人だな。

 

 あれか?カス共の世界じゃ美男美女が当たり前なのか?まあオレサマの他の義兄弟姉妹共変わらず美男美女が多いんだがな。

 

 

 「ピンポンピンポン大正解!…………んで、嬢ちゃんはなんて言うのかな?」

 

 「言うわけないでしょ?敵なんだから」

 

 「そりゃあ、ないっしょ。それともあれか?このオレサマが先に名乗った方がいいのかな?」

 

 

 あ、別に下心なんかねえよ?

 

 美女の名前知りたいなー、とか考えてないからね。

 

 

 「このオレサマは泣く子も黙るサーティーン様よ。まあ、仕事名だが…………大抵この名前で通ってるよ」

 

 「…………セラフォルー・シトリー」

 

 「セラフォルー、か。良い名前じゃねえか」

 

 

 ふーん、覚えとこ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『神様の設計ミスか それともどっか落としたか

 

 一聞いて十を知れと怒鳴られた』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「報告を聞こう」

 

 「一応拠点は占拠したよ、クソ親父」

 

 

 まあ、カス共を何匹か逃がしたが。

 

 あ、サーゼクスちゃんとセラちゃんはわざと見逃したがな。

 

 

 「そうか…………では、後は好きにすれば良い」

 

 「あ?オレサマはクビってこと?」

 

 「そうでは無い。お前には充分に働いてもらったからな。後はミカエルやウリエル達に任せて、好きに動くといい。裏切るような行為はするなよ?」

 

 

 まあ、所謂休暇ってことだろ。

 

 しっかし信用ねえな、オレサマ。

 

 

 「リョーかいっ!後は好きにするわ」

 

 「ああ、好きにするがいい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『出来ない 出来ない

 

 みんな歩いている 遠ざかってゆく

 

 ああ ふと気づいたらもう

 

 見たい景色は そんな大層じゃない

 

 日曜18時台のアニメくらいのもの

 

 ああ そんな当たり前が出来ない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 んで、休暇擬きを貰ったオレサマなんだが…………現在進行形でカス共狩ってんだよね。

 

 なんか動かないと気分悪くてな。

 

 

 「…………さ、サーティーン?」

 

 「ガブリエルじゃねえか、元気にしてたか?」

 

 「ど、どうしてここに…………」

 

 「動いてないと気分悪くてな。…………まあ、こうやってカス共を駆逐してたら丁度集まってるとこを見つけて、なんだろうと思って来たんだが…………邪魔しちゃった?」

 

 

 なんかガブリエルが下半身丸出しの悪魔共に襲われてたが、あれだよな?強姦とか陵辱とかだよね。

 

 

 「大丈夫か?ハジメテは失ってないか?詳しく言うとお前の×××だな」

 

 「え、えぇ、一応///…………貴方には、助けられました。本当にありがとうございます」

 

 「はいはいどういたしまして。とりあえずこれ着ときな」

 

 「何から何まで…………」

 

 

 しかしまあ、ほんとカス共だな。

 

 頭の中猿か。

 

 

 「き、貴様…………ど、どうして動ける?」

 

 「あ?なんだ、生きてたのか」

 

 

 チッ、一匹狩り損ねた。

 

 

 「この、辺りには対天使結界が張っているはず…………なのになぜ貴様は動ける?」

 

 「どうせテメェらが張ったのはガブリエルとかの天使に対するものだろ?だが残念ながらオレサマは特別性でな…………また別物なんだよ」

 

 「あ、ありえn」

 

 

 うるせぇよ、カスが。

 

 …………帰ろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『なあ 想像つくかい 飛べない事 歌えぬ事

 

 やり方は分かっているのに 鉛みたいに身体が動かない事』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ありがとうございます、ガブリエルを助けてくださり」

 

  「あ?これはこれはミカエルお兄様。お元気ですかね?」

 

 「ええ、一応。しかし驚きましたよ。まさか例え同族でも厳しいあのサーティーンがガブリエルを強姦魔と化した悪魔たちから助けたと聞いた時は」

 

 

 何それ、初耳なんですけど。

 

 

 「近くにカス共がいたからだよ。それ以外に何もねえよ、ミカエルお兄様」

 

 「別に呼び捨てでも構いませんよ、サーティーン。ほら、普通にミカエルt「そう言うのは好きじゃねえんだわ、すまねえな」…………それは残念です」

 

 

 オレサマとあんたらは違うからな。

 

 今はクソ親父がいるから仕方なくテメェらと仲良くしているが、事実オレはどうとも思ってねえし。

 

 まあ、今回ガブリエルを助けたのは仕方なくだけどな。

 

 

 「それでは。今はしっかりと休んでくださいね、サーティーン」

 

 「はいはい、分かりましたよお兄様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『湿気た羽 ばたつかせ ほこり撒き散らして

 

 天使だか羽虫だか分からなくなって

 

 それなのに心臓は勝手に動いている

 

 腹も減る 欲も湧く 金が要る 金が要る ただ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アアン?龍が乱入してきただァ!?」

 

 「は、はい…………」

 

 

 は?…………何寝ぼけたこと言ってんの?

 

 

 「は?…………何寝ぼけたこと言ってんの?」

 

 「ヒィ!?べ、別に寝ぼけてなど…………」

 

 

 あ、声に出てたわ…………しっかしまあ、龍が戦場に乱入してきたねぇ?信じられかってんの。

 

 …………あ、そういやまだ龍とやり合ったこと無かったな、丁度いいじゃん。

 

 

 「おい、お前」

 

 「は、はい!なんでしょうか!!」

 

 「クソ親父に伝えろ。俺も前線向かうからよろしく頼むって言っといてくれ」

 

 「わ、分かりました!」

 

 

 さぁーて、オレサマは何処までやり逢えるかね。

 

 二天龍かと言う蜥蜴相手に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『暮らしたい 暮らしたい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「んでなんスっかこの集まりは」

 

 

 周りにはカス共に堕天組の連中も…………って、アザゼルの野郎じゃん。隣にバラキエルもいるし。

 

 

 「ほらだらけないでください、サーティーン」

 

 「…………そしてなんであんたは当たり前のように隣にいるんでしょうかね、ガブリエル」

 

 「ふふっ、お礼を言おうと思いましてね」

 

 

 お礼?

 

 オレサマなんかしたか?

 

 

 「…………その顔はどうやら忘れているようですね。私が悪魔に襲われた日のことですよ」

 

 「ああ、レイプ紛いの事か。別にお前は気にしなくていいよ。あれはカス共がいたから殺しただけだ」

 

 

 何をそこまで気にするだよ。

 

 あ、私助かった…………って考えればいい事だろ。

 

 

 「いえ、それでは私の気が許せません」

 

 「あっそ。好きにしな」

 

 

 めんどくせぇ…………ま、ほっとけばいいか。

 

 ってありゃあ…………

 

 

 「よっ、元気にしてたか?サーゼクスちゃんにセラちゃんよ」

 

 「「っ、サーティーン!?」」

 

 

 いやー、今日は運がいいな。まさかサーゼクスちゃんとセラちゃんに出会うなんて。

 

 

 「悪魔っ…………!サーティーンさん、どういうことですか?」

 

 「何怖い顔してんだお前。…………まあ、確かにお前はカス共にレイプ紛いな事をされたのが分かるが、頭ごなしにそう嫌いのは良くないぜ」

 

 「…………確かにそうですね。ですけど、あなたも人の事言えませんよね?」

 

 

 あ?良いんだよ、悪魔はカス共だから。

 

 まあ、サーゼクスちゃんとセラちゃんはオレサマが興味を引いた奴だからまた別枠だけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『出来ない 出来ない

 

 みんな歩いている 遠ざかってゆく

 

 ああ ふと気づいたらもう

 

 過ごしたい人生は そんな大層じゃない

 

 働き 遊び たまに愛されたい

 

 ああ そんな当たり前が出来ない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかしまあ…………クソ親父の奴、死ぬ気だな。

 

 今回の作戦、というより俺に与えられた役目はカス共と堕天組と協力して二天龍の好きを作るってことなんだが、どうもクソ親父の奴は体力の消費がヤバい。

 

 何でも二天龍の魂を神器に封じるとか何とか言ってたが、どう考えても体力を全部消費して消滅って可能性がクソ高いわけだ。

 

 そんじゃどうするか。

 

 まあ、クソ親父がそう選んだ道ならオレサマは何とも言わねえよ。最後の最後まで、どうも気に食わねえ奴だったがよ。

 

 

 「そんで?死に際に言い残すことは?」

 

 「ふっ…………最後まで、貴様は変わらんな」

 

 「オレサマに何を求めているのやら。オレがやるのはあんたに任されたことをこなすだけ。最後に一つだけ命令を聞いてやるよ」

 

 「なら、──────────」

 

 

 …………ハッ、最後までお人好しなクソ親父だことだな。無駄にピカピカしやがってよ。

 

 

 「…………じゃあな、父さん」

 

 「──────────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『周りのみんなのように生きられると思っていた』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何故、こんな事になったのか、磔にされた少女【アーシア・アルジェント】は自問自答していた。

 

 孤児として教会の孤児院に居た頃から神を信仰し、シスターとなってからも信心深く主への祈りを捧げて、いつしか聖女とまで呼ばれて、教会と敵対関係にある悪魔を治療した事で魔女と呼ばれて追放された後も、ずっと信仰を捨てず、今の状況は主が自身へと課した試練なのだと、そう思って乗り越えようとしてきた。

 

 だけど、目の前の堕天使は自分を殺そうとしている。自分は死ぬために故国を離れ日本まで来たのか、自分は死ぬのが主からの試練なのか、そう思うと涙が流れる。

 

 助けて欲しい。まだ死にたくない。日本に来て初めての友達になってくれた少年の顔が脳裏を過ぎるが、彼を巻き込みたくないと、あの優しい少年をこんな事に巻き込みたくないとも思ってしまう。

 

 ならば、誰か…………こんな自分を救ってくれる人が居るのであれば、主への祈りを捧げる事しか出来ない自分でも、救ってくれる優しい人が居るのであれば、助けてください。少女は生まれて初めて主以外に祈りを捧げた。

 

 

 

 

 

 「なあ、嬢ちゃん」

 

 

 

 

 

 ふと声が聞こえてくる。

 

 近くにあった木箱の上に、胡座をかいて座る男がそこにいた。その男は、顔の殆どをマスクで隠し、黒寄りの灰色のフードを被っており、さらに言えば背中にまるで死神のような刃を紅で染める大鎌を背負い、また腰にリボルバー風の二丁拳銃を携えていた。

 

 突如現れたその謎の人物。

 

 当然彼の事など知らないアーシアは驚き、彼女を殺そうとする堕天使は「こんなやつ雇ったエクソシストにいたかしら?」と首を傾げて困惑していた。

 

 

 

 

 

 「嬢ちゃんはよォ、ここで死にたいのか?」

 

 

 

 

 

 男は問い掛けてくる。

 

 しかし彼女の答えは決まっている。

 

 

 

 

 

 「や、だ…………」

 

 

 

 「死に、たくない…………」

 

 

 

 「死にたくない、です…………!」

 

 

 

 

 

 彼女の言葉に男は黙って聞く。

 

 普通の主人公だったらここでカッコイイ台詞でも吐いて助けに行くだろう。

 

 しかし男は違った。

 

 

 

 

 

 「なんでだ?」

 

 「生きるのは辛い、君はそれを知ってるじゃねえかよ。何をそこまでして生に拘る?」

 

 

 

 

 

 「それ、は…………」

 

 「っ、例えそうだとしても…………私は、まだ死にたくない…………!」

 

 「私はまだ、今まで知らなかったことを…………知りたい」

 

 「友達も、沢山作って…………」

 

 「教会にいた頃では出来なかったことを、やってみたい!」

 

 

 

 

 

 涙を流しながらの言葉。

 

 彼女の心の奥底からの欲望。

 

 それを聞いた男は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ、腰に携えていた二丁拳銃を引き抜いては彼女を拘束していたそれを撃ち抜き壊した。

 

 

 

 

 

 「さあ、祈れクソ親父に。テメェを救い、助けるのはこのオレサマ“血の天使(ブラッディ・エンジェル)”ことサーティーン様だってことをよォ…………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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