東方時旅車〜The travel to The future of Delorean 作:和菓子甘味
「いやー修理のしがいがあったよ!多分これでタイム回路とやらは大丈夫だね!」
いくらエンジニアとはいえ、ものの1時間で終わらせるなんて人外過ぎないだろうか?いや、人間じゃなかったんだ。
「確かに調子はいいですけど...テストしない事にはどうにも...」
「じゃあ早速乗りましょう!」
そう言って早苗さんが乗り込む。続け様に霊夢さんと魔理沙さんも乗り込んできた。元々2人乗りの私に強引に3人乗っているせいで、いつか未来に行った時みたいに窮屈になってしまっている。
「何時に行きます?やっぱり未来ですか?」
「いや、過去の方がいいんじゃないか?」
なんか私を置いて魔理沙さんと早苗さんが言い争い始めた。私としては3分後位に設定したいんだけどなぁ...。
「あんた達落ち着きなさいよ。どうするかはデロリアン本人の方が経験があって良いでしょう?」
霊夢さんの一言で魔理沙さんと早苗さんが黙った。そして、それぞれヒートアップしてしまったことを謝罪してくれた。別に暴走したわけじゃないし、謝られるほどのことでもないんだけど、それが日本人だって聞いたことがある。
「とりあえず、最初は1人でタイムトラベルする方がいいかと思います」
「えーじゃあこの4人の中から選ぶのか?」
「出来れば機械に強いにとりさんがいいかなと思います。後は...博麗の巫女である霊夢さんが最適かと」
「霊夢さんなんですか?私も一応巫女ですよ?」
確かに巫女という点では早苗さんも巫女なんだけど...重要なのはそこじゃない。まず、にとりさんを乗せるのは修理の為である。もし万が一にでも転移先で故障してしまえば、修理要員がいないと意味がなくなる。その理由からこの2人が適任だろう。
その理由を告げると、渋々ではあれど、早苗さんは引いてくれた。
「そういうわけなら仕方ないですね...とりあえず霊夢さんにタイムサーキットの使い方を教えます」
そういうが早いか、早苗さんは私に乗り込んできた。
「まず、タイムサーキットのスイッチを入れます。赤が目標の時間。緑が現在の時間。そして黄色が出発した時間です。目標の時間は自由に指定できます。例えば、日本の終戦調印式の日ならば1945年9月2日。キリストの誕生日ならば0年12月25日。科学の歴史上記念する日に行くならば、1955年11月5日で決まりですね!」
「なんでその日付なんだ?」
「よく聞いてくれました魔理沙さん!実はこの日付はデロリアンタイムトラベルを可能にする装置。次元転移装置の構想をブラウン博士が思いついた日なんです!」
そうだ。確かこの日にドクは次元転移装置を思いつき、30年かけて私を作ってくれたんだ。
マーティとうっかり飛んだのもこの日付だったな...。
「とりあえず使い方はわかったわ。後はどうすればいいの?」
「それなら簡単です。このデロリアンはミスターフュージョンを積んでいるので適当な生ゴミをここに入れて後は時速140キロまでスピードを上げればタイムトラベルできます!あ、タイムサーキットの電源を切っとかないと」
「なるほどね。それじゃあ早速試運転と行きましょうか」
霊夢さんとにとりさんが私に乗り込み、シートベルトをつける。
エンジンも調子はいいし、これなら問題ないと思う。
「やはりここにいましたか!」
「さっきの烏天狗!」
まずい。さっき振り切った烏天狗がこっちに来た。これじゃあ私の正体がバレてしまう。
「デロリアン!逃げるわよ!魔理沙と早苗は文の足止めお願い!」
「待てよ霊夢!」
「霊夢さん!タイムサーキットの目的時間には気をつけて下さい!1歩間違えれば大変なことになります!」
「聞こえてねえな、あれは...」
「というか文さんも行っちゃいましたし追いかけないと!」
「なんでこんな面倒なことになったんだよ!」
2人は走り去ったデロリアンに追随した射命丸を追いかけて空へ飛び上がった。
□
「霊夢さんミッション運転できたんですね!?」
「ミッションが何か知らないけど勘でアンタ動かしてるのよ!」
「凄い不安!!」
勘でここまでのドライビングテクニックはどうかしてると思うが、霊夢さんが私を運転してくれているおかげで、周りが見やすい。
相変わらずあの烏天狗の子は追いかけてきてるし、写真も撮ってる。大した執念だ。
因みににとりさんは振り回されすぎて顔色が悪くなってしまている。
ここまでで気づいたが、案外路面状況は悪くないのでシフトチェンジすれば木々に紛れて撒けるかもしれない!
「霊夢さん!シフトチェンジして速度をあげれば木々に紛れて撒けるかも!」
「名案ね!それじゃあ行くわよ!──痛っ!」
霊夢さんがシフトチェンジ時にどこかに手をぶつけたようだが、怪我もなさそうなので気にしないで周りを見る。流石の烏天狗も見ずらいのか、少しずつ距離を離せている。
このままなら撒ける!
しかし、現実はそう甘くない。
「な、何!?」
「あっ!霊夢さん!速度を落とし──」
私の注意も虚しく、車体を青白い閃光が包み込み、タイヤからは火が出る。そして轟音と共に世界は白色一色に包まれた。
「今のは一体...?」
射命丸文は目の前の出来事に目を白黒させていた。
追いかけていた銀色の牛車が轟音と閃光を放ったかと思うと、2本の炎の筋を残して消え去ったのだ。
少しして到着した早苗と魔理沙だったが、早苗は2本の炎の筋を見て顔面蒼白になった。
「タ、タイムトラベルしちゃった...。これは大変なことになりましたよ魔理沙さん!霊夢さんが!」
早苗は慌てふためきながら魔理沙に話しかける。
すると魔理沙は不思議そうに早苗に投げ返した。
「『れいむ』って誰だ?」