学園島・バス停 始業式当日
「はぁはぁ……間に合ったぁ」
真新しい武偵校指定の学ランに身をつつんでバスに 飛び乗る。彼の名前は天川悠、今日からこの学園島にある東京武偵校で生活する事となる。
「くそ俺が時間を間違えるとは、やっぱりあれを使ったせいか?」
そう言いながら誰もいない車内の適当な席に座りポ ケットから金平糖の入った袋を出しそこから一つ取 り出して口に含んでごりごりと噛む。とある事情で 常に甘いもの中でも手頃な金平糖を持っている。そ してその事情からいつもなら計画的に行動できるの だか……
「にしてもようやく武偵校か、長かった」
悠は窓から外を見ながら顔を曇らせる。幼くに母を 亡くして幼いながらに己の無力さを痛感した悠はそ の頃から武偵校出身の父に頼み武偵としてノウハウ をたたきこんで貰った。幸いにも悠は武偵として十 二分な才能を持っていた。
ガッシャーーーン
「いって!な、なんだ?」
轟音と共に揺れた瞬間に前の座席に頭をぶつけてし まったが直ぐに状況を理解しようとするために運転 席に向かう。するとフロントガラスにひびが入って いる。取り敢えず運転手に話を聞く。
「どうなってるんです?」
「い、いや何かいきなり飛び出してきて」
と要領を得ない状況なので取り敢えず歪んだ扉を蹴 破って外に出るとそこには衝撃で飛び散っているガ ラスの破片とバラバラになった自転車の破片らしき もしかなかった。人が乗っていた形跡がない。
「どうなってるんだこれは?」
調べたいところだか時間も無いので運転手に武偵校 へ連絡するように指示して自分は始業式の会場に 走って向かう。 地図は頭に入っているので進める道を取り敢えず進 みなるべく早くつくように路地を曲がっては抜け曲 がっては抜けて行く。
「ここを曲がって、はぁはぁはぁ次はこっちでまた 次のT字路を曲がれば……」
そんなうちに曲がるべきT字路が見えてきた。ここ を右側に曲がると通りに出てあとは真っ直ぐなのだ が悠は曲がる手前で足を止めた。
「おいなめんなよ!」
反対の道の奥、この先は行き止まりになっている場 所の方から声がする。
「なんだこんなところから?」
悠は踵を返して声がした方へと進んでいく。道の先 は少し開けた場所でタイヤやら木材やらが無造作に 置かれた所でそこには数人の男子生徒が一人の女子 生徒を囲って脅しているようだった。
「なんだよーその口の聞き方は!先輩に対してよ」
武偵校にもこんな奴等いるんだなと思っていたら女 子生徒の方が反論した。
「だから理子ぶつかってないって言ってるじゃん! 言い掛かりだよ」
どうやらぶつかった、ぶつかってないの言い合いら しい。やり取りからいたちごっこになっているよう で男子の方がかなりイラついてるようで今にも殴り かかりそうなので声をかける。
「おいお前ら女の子相手に男が数人で囲むなよ」
言った瞬間に全員女子生徒(理子とか言ったっけ?) も含めて俺に視線が集まる。
「あぁ?テメーなんなんだよ邪魔だ消えろ消えろ」
多少イラついたが何とか穏便に済ませようとして取 り敢えず交渉してみる。
「まあでもほらこんなことしても意味無いしここは 穏便に済ませないか?」
「はぁ?なんで俺らが引かなきゃならねーんだよ? なんだてめーも新入生かなら俺らが教えてやるよ武 偵校にやんかテメーらじゃなれないってな!」
いきなり殴り掛かってきたが悠は突き出してきた拳 を掴み勢いを利用してそのままひねり地面に転が す。
「がは」
「おいてめーら自分の事をどう言おうがかまわない が、人のことを馬鹿にだけはするな!」
悠が凄むと少しだけ引いたが直ぐにまた掛かってき たが今度は先に近いやつの腹に蹴りをいれて壁にぶ つけて後ろのもう一人は殴り掛かってきた拳をかわ して腕をとりそのまま一本背負いの要領で蹴り飛ば したやつにぶつける。
「ぐぅ」
「ぐは」
できうる限りてを抜きしかし確実に気絶ようにして おいたようで少し唸っている。残っているのはリー ダーとおぼしき男子生徒のみだ。悠は少し乱れた衣 服を直しながら言った
「おい残っているのはお前だけだけどまだやる か?」
転がっている仲間を見ていたが悠が声をかけると怯 えた様子である。
「き、今日はこのくらいにしてやるよ」
なんと古典的な。呆れながらも絡まれていた女子生 徒に声をかけるとさっきまで戦闘に夢中でちゃんと 見てなかったが。
(この娘結構可愛いかも)
ツーサイドアップの少し天然パーマのウェーブのか かったハニーゴールドの髪に童顔だが整った顔立ち である。
「だ、大丈夫か?」
「うん。大丈夫」
(怪我も無いみたいだし大丈夫だな)
とふと時間が気になり聞いてみた。
「なぁ今何時だ」
彼女は携帯を取り出してディスプレイのとけあを確 認する。
「えっと~あっ!8時40分だ遅れちゃう」
始業式が始まるのが9時からでここからは走って約 10分程度まだ間に合う様子なので取り敢えずほっ とする。
「まだ大丈夫だよ。ゆっくり行こう」
「本当ーじゃあゆっくりいこーう!あっ名前いって なかった理子は峰理子だよ~」
パァーーと満面の笑みで自己紹介してきた。された からには自分もするのが常識だろう
「俺は天草悠だ宜しくな理子」
と自己紹介したら理子が少し鳩が豆鉄砲を食らっ たような顔をした。どうしたのか気になったので悠 が訪ねる。
「どうした?」
「ん?んーん何でもないよ」
首を降り何でもないと伝えて歩き出す。そのあと路 地から出てから歩いて行く間に悠と理子は他愛の無 い会話をしていた。そうしてる間にもう体育館につ いたあと理子と別れた。
「やっとここまで来た。ここからが…………スタートだ!」
多少長くしました。
次回から1500程度で書いていきます。
といっても次回はオリ主のプロフ載せの予定