この残酷で天災降り頻る世界を好きなように生きていく 作:苛性ソーダ(温)
あ、第五話も随時製作中です。
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あれからもう1日モスティマの看病をして俺達は村を出た。次は何処に行くか考えていたが、モスティマはシラクーザに荷物を運ぶ予定だったらしいので病み上がりという事と何処に行くかと考えていた事もあり、取り敢えずシラクーザまでは一緒に行く事にした。
「いやぁ〜それにしても久々だな車に乗るのは。」
「運転免許は持ってないのかい?」
「ないない、キラードロイドを手に入れるまではずっと歩きだったよ。キラードロイドに乗るのに免許は要らんしな」
ケイオスはそう言い、助手席で横で走りながら並走するキラードロイドを見ながら車から流れるラジオを聞く
「一応まだ病み上がりなんだけどね。」
「運転変わるのは構わないが恐らくこの車を廃車にしちまうぞ?それでも良いなら変わるが」
「やめておくよ、故障ならまだしもスクラップになったら流石に直せないからね」
「言うねぇ……ん?いいなこの曲、誰が歌ってんだ?」
「その曲はソラっていう龍門のアイドルが歌っているんだ。私の同僚だよ」
「へぇ〜、ソラって言うんだ……あ?同僚?この子アイドルなのにトランスポーターを副業してるのか?!」
「まぁ、彼女にも色々な事情があるんだよ。私の所属してるペンギン急便って所は自由な職場だからね。」
「自由な職場ねぇ…お、もうすぐ着くな。もう少し進んだら降ろしてくれ、キラードロイドを隠してくる。」
「わかったよ。」
「俺は繁華街辺りをぶらついてるからそっちの荷物が届終わったら合流しよう。じゃ後で」
そう言って俺はモスティマと別れた。ちなみに今のところはキラードロイドを隠して誰かに見つかった事はない。布被せているだけなのに何故なのだろうか。
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〜シラクーザ・繁華街〜
ケイオスは繁華街にある一角の喫茶店でコーヒーを飲みながら考えていた。
「(よくよく考えたら合流しようって言ったけどモスティマの奴普通にどっか行きそうだよな…ま、久々に会えたしアイツも仕事あるだろうしなぁ。)よし、会計するか。」
そういって席を立つと
「おや、丁度今来たんだけどもう行くのかい?」
コーヒーを片手に持ったモスティマが居た。
「なんだ、てっきりお前は別の都市に出発したかと思っていたが」
「君との約束を忘れる事は無いからね。そこまで私は堕ちてないよ」
「へっ、ラテラーノの時に俺を囮にして教師の目から逃げた事は忘れてねえぞ」
「なんのことかな。」
「コイツ…!まぁ俺が誘ったんだから結局は俺が悪いのは確かなんだがな。ところで…」
「ん?」
「その包み…お前、荷物は届けなかったのか?それとも届け先の奴が不在だったのか?」
「ああ、そうなんだ。届け先の人が居なくてね…また暫くしたらいってみよ「いや、違うな」……?」
「お前も気付いてるとは思うが外に変装したマフィアがこっちを見てる。今はざっと三人ぐらいか…その荷物、推測だが外の奴らと対立してる組のだろ?違うか?」
「…君の目は誤魔化せないね。実は受け取り先のマフィアが壊滅しちゃっててね。一応契約では壊滅してたら戻しに行く約束なんだけど。」
「シラクーザは部族間の争いが多いからなぁ…それでアイツらが嗅ぎつけに来たって訳か、無駄に鼻が効くねぇ…で?なんで俺を誤魔化そうとした?」
そういうと珍しくモスティマはバツの悪そうな表情を浮かべた
「それは…あまり君を巻き込みたくなかったからかな。」
「俺を?」
「君は昔私に『縛られるのは嫌いだ、誰であろうと俺の思いを、行動を無理矢理押さえつけるような奴らは』って話したじゃないか。」
「あぁ〜言ってたなそんな事。まぁ確かに折角とんでもなくしつこい公証人役場から追手が消えたってのにギャングだのマフィアに絡まれるのはごめんだ…が、俺の唯一無二の友人がそれに絡まれてるのを見過ごす程俺だって堕ちちゃいないさ。」
「ケイオス…」
「まぁ正直お前一人でもマフィアの相手なんて楽だろうが余計な気を使わせちまったからな。ちょっと首を突っ込まさせてくれ、いい考えがある。やってみないか?」
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「で?君が選んだのはこっちの三段アイスクリームだったよね?」
「あぁ、そうだ。これだよこれ!この甘さと質量!たまらないね」
「昔から君は食べる方だったけど、こんなに甘い物好きだったけ?」
「ん〜?まぁ確かにあの頃はあんまり甘い物を食わなかったが今じゃもう無かったら生きてられないぐらいだぜ?実際俺は常に甘い物を忍ばせてる。それに糖分はいくら摂っても損はないからな。あーむ。」
喫茶店から離れた俺達は繁華街にあるグルメを食べ歩きをしながら移動していた。当然、マフィアの連中は後をつけてくる。
どの街もだがマフィアが昼に手を出してくる事は滅多にない、人気の多い場所では特にだ。大体は夜に揉め事が起きる。
だから取り敢えず夜までは繁華街でモスティマと食べ歩きをする事にした。
それにこっちにとっても夜が好都合だからだ。なんてたって今日で奴らのマフィアを壊滅させるんだからな。
「それにしてもここは街の変わり具合が面白いな龍門のスラム街と活気ある近代街のギャップも良いがここは高層ビルがあるにも関わらず古風の建物も入り混ざってる。」
「そういった街の中の違いを見るのも食べ歩きの醍醐味だね。」
「ほんとほんと…あむ。美味かった。ごちそうさん。」
モスティマの言葉に同意しつつ、残ったアイスクリームのコーンを噛み砕いて飲み込む。
「あ、ケイオス。ほっぺにアイスが付いてるよ」
「マジか、どっち?」
「左だね。」
「お、ありが…」
俺は頬にアイスが付いてるのを指摘され自前のハンカチで拭おうとした。が
「あーんむっ…」
「………は!?!!?」
モスティマが突然頬のアイスをその青い舌で舐めとった。
「な、ちょ、おままま…!?」
「ん、いいねこの味、丁度良い甘さかも」
「あぁ、良いフレーバーだろ…じゃねぇよ!?いきなりこんな事してくるなんて狂ってんのかモスティマ!?」
急な行動に驚く俺を見てモスティマは笑った。こ、コイツ〜!人が初心な反応してる所笑いやがって…!俺だって羞恥心ぐらいあるんだぞ!と言いかけてその言葉を飲み込んだ。危ない危ない…
「フフッ、そんな驚いた君を見るのも久々だね。でも確かにちょっと私は昂ってるのかも知れないな」
「昂ってるねぇ…昂る理由が分からんよ俺には…」
そう言うとモスティマは真っ直ぐ俺の方を向いて言ってきた。
「いや、原因は君だけど。」
「あの村の時といい、なんで原因が俺なんだ?確かに久々だが…」
「君があの日、私に有無を言わせず消えたからじゃ無いか」
「……それに関してはすまないと思っている。付き合いが長かったお前に別れ言葉だけ言って去っていったんだからな。」
「あの後、私は結構悲しんでいたんだよ?あまりに突然過ぎたし、卒業間際だったけどまだ君と居られると思っていたからね。だからあの日に君がいなくなるなんて考えてもみなかった。」
「……うむ、何も言い返せんな」
「まぁ、あの後公証人役場の機密事項を見て何があったかは知っているけどね…それに…」
「それに…?」
そう聞くとモスティマは自身を嘲笑うように言った。
「あれだけ一緒に居たのに気付けなかった自分に嫌気がさしたのさ。」
「…はっ、お前が気にする事じゃねぇよ。俺が敢えて言わなかっただけだ…」
「あの時の私はそんなに頼りなかったのかな…?」
俯きながらもグッと俺の腕を握ってくるモスティマ
「そんな事は…」
そんな少し感情的になっている珍しいモスティマを前に俺は少し口淀んだ。頼りなかったわけではないが、無駄な心配はあまりかけたく無かったのだ。それにいくらモスティマとは言ってもあの環境じゃきっとどうにもならなかっただろう。まぁだからこそのあの結果だったわけだが。
「はぁ〜、ああやめだ!やめやめ!折角の食べ歩きなのに黒い思い出をずっと話すんじゃない。それにお前サラッと公証人役場の俺に関する機密事項を読んだって言ったな。なら分かるだろ?俺の周りがどういう状況だったかが」
「っ…それは」
「昔は頼りにする事が出来なかったが今ならできる。今日の事も頼りにしてるんだからよ。ほら、なら次はお前がシラクーザの案内をしてくれよモスティマ。お前だってココには何度も来てるんだろ?」
「……そうだね、ちょっと私らしく無かったかもしれない。じゃあ行こうか。向こうの通りに良い屋台があるんだ。」
「そいつは良いな、是非案内してもらおうじゃないか」
こうしてモスティマとは少し微妙な…よくわからない空気になりつつも数時間喋りながらシラクーザの街を左、右と食べ歩きながら回って行くと。あっという間に日が暮れてしまった。
そして日が落ちて月が出てきた。
夜が来る。作戦の決行時だ。
今回も見てくれてありがとうございました!
……………(これ書いてて思ったけど観光じゃなくてデートじゃね…?)
…それでは次回もお楽しみに!チャオ!(誤魔化し)