この残酷で天災降り頻る世界を好きなように生きていく 作:苛性ソーダ(温)
そしてお気に入り登録・UA1500突破ありがとうございます!!相変わらず不定期投稿ですが書いていきたいと思っています!
今回めちゃくちゃ詰め込んで(個人的に)長くなってしまいました…読みにくかったらすいません!
あと今回アンケートを行おうと思っているので後書きの方見てもらえると助かります!
〜シラクーザ・裏路地〜
「おい、あのサンクタの女と男は見失ってねぇんだろうな?」
「へっ、あいつらは呑気に食べ歩きしてるぜ。甘い空気だしやがっていけすかねえ。」
「目的は女の荷物だ、男の方が離れたタイミングで行くぞ」
日が落ち、月が出た夜のシラクーザの繁華街でマフィア達が所属しているグループはモスティマの持つ荷物を狙っていた。最近になり1グループのマフィアを壊滅させたこのマフィア達はそれに勢い付き、他のグループを吸収し中々の規模を持つマフィアに成長を遂げていた。そして今回狙っている物…それは荷物の中身である重要書類である。これには龍門に残っている壊滅させたマフィアの残党が送った龍門にいるマフィアの情報やそれぞれの取引先や仕入れルート等が載っていて、まさにこのマフィア達からすれば喉から手が出る程の価値がある物である。
「おい、あいつら角を曲がったぞ!」
「あっちは裏路地に続く道…ちょうど良い、他の奴らにも知らせろ。袋叩きだ。」
「あ?何言ってんだ、そしたら他のやつに手柄を取られちまうだろうがよ!」
「くだらねえ事言ってねぇでとっとと行けバカが!」
そう言い争いをしながらモスティマとケイオスが曲がった道を後をつけていく。
「おい男の方がいねえぞ!チャンスじゃねぇか!?」
マフィアの一人が見るとケイオスがモスティマの側からいなくなっていた。
「はっ!運がねえなあの女は…よしテメェら行くぞ。」
「ついでにあの女も荷物ついでにやっちまうか?」
「いやぁ〜、あいつはそんなヤワじゃないから少なくともお前らじゃキツいんじゃないかなぁ…」
「あ?なにびびって…待て?誰だ今の声」
この場にいない筈の四人目、しかも聞き覚えのない声に困惑し、マフィアの一人が振り返ると
視界が反転していた。
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「まず一人」
ゴトっと音を立てて落ちる首を尻目に残った二人を見る。
「なっ、あ、アル!?」
「テメェよくもアルを!」
ナイフを振り抜いてこちらに突進してくるマフィア
「いやいやいや…」
「あがぁ…!?」
「ナイフと大鎌じゃリーチが違いすぎるでしょ、見てわからないのか?」
突進してきたマフィアの胴体は袈裟斬りにされ血と体と共に地面に叩きつけられた。
「あ、ああ…お、おい早く誰か来てくr」
「さいなら」
「ぁ…」
錯乱しながらも通信機を取り出した残りのマフィアは真っ二つにされ地面に斃れた。
『おい!どうした!そっちで何が…「ノックしてもしもーし?聞こえてる?通信機越しのマフィア諸君?」誰だテメェは!?』
「これからテメェら全員、一人残らず消してやるから早く来い。じゃ」
『なんだt』
そう言うとケイオスは地面に携帯を投げ足で踏み潰した。
「やったのかい?」
「ああ、やった。じゃあモスティマ、手筈通りに任せたぞ。」
「もちろん、じゃあ始めようか。」
モスティマと二手に別れた後、建物の上を跳びながら、モスティマに話した作戦の内容を思い出す。
『作戦はこうだ、っても単純なもんだが…二手に別れて連中を一箇所に誘き寄せる。場所はこの繁華街の外れにあるゴミ集積所だ、モスティマは出来る限りあいつらを誘き寄せてくれ奴らの狙いはお前の荷物だからな…あえてお前を囮にする。俺はビルの上を飛び回って奴らの逸れがいないか確認しながら集積所へ向かう。OK?』
『OK。それにしても病み上がりの私にまぁまぁ無茶させるね君も』
『キツイか?』
『冗談だよ、良いリハビリになりそう。』
『そいつは良かった。じゃあそれまでは──────』
「………よくよく考えるとアイツとこういう事するの初めてだな、雇われ用心棒とか傭兵として雇われた時には似たような事はやっていたが。」
「……なんでこんなに気持ち上がってるんだ…?。まァ良いか」
何故か気分が高揚している事に疑問を抱きながらもそう口に出しながらケイオスは夜の街に溶け込んでいった。
…ちらほら見えたゴミ集積所に集まろうとする。マフィア達を射殺しながら。
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「おい!あの女は何処だ!?」
「見つけ次第殺してでも奪え!」
「男の方を見つけたらすぐ知らせろ!嬲り殺しにしてやる!」
繁華街の一角の裏路地では大勢のマフィア達が集結してきていた。
「おい!女は郊外のゴミ集積所の方へ逃げてるらしい!とっとと追うぞ!」
「追い詰めて袋叩きだ!」
仲間を殺され、挑発に等しい行為を受けた。マフィア達は完全に頭に血が昇っていた。
すぐ様連絡が広まりマフィア達はゴミ集積所に向かって繁華街の様々な道を縫うように走っていた。
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〜繁華街・郊外付近〜
「待ちやがれ女ァ!」
「凶器を持った人に待てと言われて待つと思う?」
「その荷物だけ渡してくれりゃお前だけは生きて返してやるよ。何処かに隠れてる男の方は殺すがな!」
「うーん…君達じゃケイオスは倒せないと思うけど?」
そう言うとモスティマは黒い杖から青い色の炎のアーツを繰り出す。
「おい!気をつけろアーツだ!」
「あの女、サンクタのくせに銃じゃなくてアーツを使ってくるのか!?」
「全員が銃しか使わないって事は無いと思うけどね」
ちょいちょいアーツを繰り出しては後ろに後退していく、相手をしている集団の後ろを見るとさらに大勢のマフィアが追って来てるのが見えた。
「(手前の集団は30…後ろのは大体70人くらいか。逸れがいてもケイオスが処理してるだろうしこれで全員かな)」
大体のマフィア達の人数を確認するとモスティマはアーツ攻撃を一度止め、走る速さを上げていく。
「(そういえば…ケイオスとこういう事をするのは初めてだ。)」
今まで食べ歩きや雑談、旅の話を一緒に何度もした事はあったが、肩を並べて戦うという事は一度もしなかったし機会すらなかった。特にモスティマにとっては誰かと肩を並べるという事自体が珍しい事だった。
「(どうしてこんなに胸が昂まっているんだろう。)」
本来なら全く反応しない事に反応する自分の気持ちに困惑するが…
パキュン
と、マフィアが持つ拳銃が頬を掠め、モスティマの思考を現実に戻した。
「おっと…考えすぎるのもよくないね。」
そう呟くと黒い杖から再び炎のアーツを繰り出しながら後退していった。
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〜繁華街郊外・ゴミ集積所〜
ゴミの山が立ち並ぶ集積所
その上からマフィア達は下にいる青い髪の
サンクタ人──────モスティマを見下ろしていた。
「おい、嬢ちゃん。最終通告だ。痛い目に遭いたくなきゃとっととその荷物を差し出して男の場所を吐きな。テメェが術師だろうがこれだけの人数に敵うわけねぇってのは分かるだろ?馬鹿じゃあるまいしよ。」
マフィアのボスと思われる男がそう言うと拳銃を持っている部下のマフィア達が一斉に銃を向ける。
「悪いけど仕事だからね、荷物は渡せない。それに私が言わなくてもケイオスは来るよ。ほら」
モスティマがそう言って真っ暗な空に指を刺すとケイオスが降って来た。
「よ、っと!あれ?モスティマの方が早かったか…思いのほかバラけてたからちょっと逸れを始末するのに時間かかっちゃったな。」
「大丈夫、私も丁度来たところさ。」
「おっ!そうなのか!それと…いいね〜、ざっと100人ぐらいか?よく誘き寄せてくれた。ありがとうモスティマ」
「…ふふっ、これぐらい問題ないさ。丁度良い病み上がりの運動にもなったしね」
二人は銃を向けられ、大量のマフィアに囲まれているにも関わらずお構いなしに会話する。
そこにマフィアのボスの怒号が響き渡った。
「テメェ…!逸れを始末しただと…!?俺のファミリーを一度じゃ飽き足らず何度も!何人も!」
「一応だが後輩の仕事の邪魔をしたんだ…仕方がないだろう?それにお前のお仲間はここにど真面目に向かってる奴よりも道中で小さな事で揉め事を起こしたり仲間割れしてる奴の方が多かったぞ?ファミリー、ファミリー言う割には全く纏ってないじゃないか?なぁ、親玉さんよ?」
「………ッッ!!!もう良いテメェら!やっちま「ああそうだ、あと一つ言うことがあった。」ぁぁあ!?」
「足元には気をつけた方が良いぞ?」
ケイオスがそう言った瞬間、マフィア達の足元のゴミ山が盛り上がりながら崩れ始めた。
「地面が…?!」
「足元が崩れる!」
「何か出てくるぞ!?」
『ォォォォ…』
瓦礫や鉄屑等のゴミ山をマフィア達事崩し、中から重低音の咆哮を轟かせながら現れたのはキラードロイドだった。
「な、なんだ!?この怪物は!?」
「ば、化け物…」
「デカ過ぎんだろ…」
突如現れたキラードロイドに戦慄するマフィア達。キラードロイドは首を動かし周囲を六つの目で確認すると腕部の巨大な銃を構えた。
「成る程ね、この場所に隠したからマフィア達をこの場所に誘導させたってことかい?」
「そういうこと…それに郊外のここならある程度は暴れられるからな。……さぁキラードロイド!お前の大好きな殺戮だ、久々だろう。存分に楽しめ!」
ケイオスがそう合図をするとキラードロイドはマフィア達を狩り尽くさんと腕部からエネルギー弾を乱射し始めた。
「うわあああああああああ」
「ば、化け物が!だれかたすk」
「こんな事になるなんて!俺は逃げるぞ!!」
「ボス!どうすれば!?」
エネルギー弾に身体を貫かれ倒れる者、やけっぱちに拳銃を撃ちまくるも強固な装甲を前に傷一つ付けられれず無残に撃ち抜かれる者、逃げようとして背中をあっさり撃たれる者、近づいて肉薄しようとして長い尻尾の実体剣で斬り飛ばされる者とゴミ集積所は阿鼻叫喚の処刑場へと早変わりした。
「何逃げてやがる!あの怪物を無視して男を殺せば終わりだろうが!とっとと行け!」
「ボ、ボス!危ない!」
「あ…?」
そうマフィアのボスが指示した瞬間、巨大なキラードロイドの翼が叩きつけるように振り下ろされた。
「ボスがやられた!!」
「逃げろ!」
「もうやめ…」
『グォォォォォォォォォォン!!』
ボスがやられたことにより一斉に集積所の入口へ殺到したマフィア達を好機と言わんばかりに自身の翼を前に向け錐揉み回転をしながら突進し、マフィア達を一気に吹き飛ばした。
巻き込まれたマフィア達は突進されグシャグシャになった者、空中に吹き飛ばされ地面に激突した者と、一瞬にして死屍累々の光景が出来上がった。
『グゥゥゥ…』
キラードロイドは再び首を揺らしながら六つの目を点滅させ周囲を確認する。
『【NO ENEMY】』
「よし、終わったな。」
「……鏖殺とはまさにこの事だね」
モスティマが少し顔を顰めながらそう言った。
「あぁ…確かにあまり良い光景とは言えないな…配慮が足りなかった。すまん」
「いや、まぁ確かに気持ちの良い光景ではないけれど私は別に不快に思ったとかそういうのじゃないんだ。ただ最初聞いた時に少し疑問に思っていたんだけど、全滅させる意味はあったのかな?」
モスティマが投げかけた疑問に俺は答えた。
「昔、一度似たようにマフィアを潰したんだがな…その時は殺さず叩きのめした程度だったんだが、そいつらは別都市に移動してもしつこく追ってくるもんだからマフィアだのギャングだのに対して不殺を貫くのは辞めた。自分らから仕掛けてきておいて逆恨みで旅を、俺の進む道を邪魔されるなんてもうごめんだからな…」
「…戻ろうか」
「あぁ、そうだな…つっても俺はもう一度キラードロイドを別の場所に隠してくるがな。明日にはこの町を出るが…ここで暴れた以上明日誰か来たら面倒臭いしな…お前はどうする?もう真夜中だが町を出るか?荷物を戻さないといかんだろうし。」
「いや、私も今日は泊まって明日町を出ることにするよ。少し疲れたし無理は良くないからね」
その事を確認し、じゃあまた明日とモスティマに背を向けて歩いていこうとすると紙を差し出された。
「……なにこれ」
「私がここでよく使ってるホテルの場所さ、隠し終わったら来なよ。何処に泊まろうかまだ決めてなかったんだろう?」
「………あぁ、わかった。終わったら行く」
少し言いたい事もあったが俺はその提案に乗る事にして、一旦モスティマと別れた。
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〜シラクーザ・繁華街にある宿〜
キラードロイドを新しい場所に隠し、モスティマが渡してきた紙に書いてあったホテルに着く。外見・内装共に普通のビジネスホテルといった感じだ。話は通っているようで部屋のカードキーを貰い部屋に向かった。
「入るぞ、モスティマ…というかなんで相部屋にしたんだ?金なら後で…」
カードキーで部屋のロックを解除し、声をかけるが返事は無かった。中に入ってみると二つあるベットの内の片方にモスティマは眠っていた。
「なんだ、先に寝たのか………じゃあ俺も寝るか。」
上着を脱ぎ、ベットに潜り瞳を閉じる。
今日は色々と昼から夜まで濃かったなとか、モスティマと共闘…といっても背中を合わせて乱戦を戦い抜いたなどと言う派手な形では無かったが初めてこういう事ができた。とか昼のモスティマは何故少し感情的になっていたのかと。色々な考えを抱きながら眠りについた。
……………が、眠ろうとする直前、部屋の中で物音がした。
この部屋にはモスティマと俺しかいない筈…まさかマフィアの残党が乗り込んできた…?それともその残党が雇った人間か…?
そう考えているうちに自分が寝ているベットがキシ…と音を立てた。
…速攻でCQCをかけて首をへし折ればモスティマは兎も角他の部屋に聞こえるほど騒ぎにはならない筈!
「寝首を掻くなら音を…っと!?」
「わっ」
そう思いながらCQCを仕掛けようと目を開けて飛び込んできたのは少し驚いたモスティマの顔だった。
「びっくりしたなぁ」
「びっくりしたのは俺だ馬鹿!寝てたんじゃないのか?何故俺のベットに来る…お前のベットは向こうだぞ。」
「少し喋りたくてね、君と」
「ならなんで先に寝てたんだよ…それに喋るなら明日でもできる。もう遅いし寝るぞ、おやすみ」
そう言って再び布団を被り横になる。やはり今日のモスティマはいつも…というか前はこんな感情的になるということはあまり無かったというのに……昼間に言っていた通り俺が原因なのか…?そう考えに耽けていると、突然後ろから抱きつかれた。モスティマだ。
「モスティマ…?何を「ごめん、少しこうさせていて」…………わかった。」
突然モスティマに抱きしめられた事に混乱したが、いつもと様子が違う声に一瞬で混乱が収まる。
しばらくして俺はモスティマに声を掛けた。
「……モスティマ、やはりお前は何かが変わっただろ。お前との思い出は俺にはラテラーノまでの記憶しかないがお前はこんなにも感情が面に出たりする人間では無かった筈だ。少なくとも俺は今日以外でお前の色々な表情を初めて見た。…昼間、確か俺が原因だと言っていたよな?なら教えてくれ。お前にとって俺が一体なんの影響を与えてしまったのかを」
俺は淡々とそうモスティマに告げた。答えてくれなきゃ俺はきっとこれからの夜、この事が引っかかって永遠に眠れないだろう。たかだか一人の気持ちに…なんて思われるかもしれないが。俺があのクソみたいな環境で潰れずに生きれた要因の一つとして唯一の友人であり後輩であったモスティマのおかげでもある。そんなモスティマがこうなってしまっているのがどうしても気になってしまうのだ。
モスティマの表情は分からないが、ぽつぽつと言葉を零すように話し始めてくれた。
「君が別れ言葉を一方的に告げてラテラーノから消えたあの日…私の心には消えない穴が空いたんだ。最初の内はこの感情…気持ちも少し時間が経てば無くなる。そう思ってた…だけど時間が経つにつれてその心の穴は広がっていったんだ。それは周りの皆や戦友と過ごしてきてもその穴は埋まらなかった。それから私は気付いたんだ…不要だと思っていた想いが…君と過ごしてきたあの数年間がかけがえのないものだったってこと。それだけ君が私に及ぼした影響は大きいんだよ?」
そんな言葉と同時に抱きしめる力が強くなる。
そうか………俺はモスティマに…あらゆる感情に反応に対して興味がなかったお前にそこまで言わせられる者になれていたのか…。少し誇らしいというか嬉しいな。
だがそれはそれとしてまだ聞く事はある。
「…俺がお前をそこまで変えてたなんて思わなかったな。しかし…村にいた時言ったが…何故お前が俺と同じ様になったかはどうだって良いと言ったな。だがお前の今の話を聞いてどうしても聞かなければいけない事がある。………俺が原因でそうなったのか?」
「それは違うかな。こうなったのはまた別の理由さ」
「……そうか。」
それを聞いてホッとした。もし俺が原因だったらモスティマに対して申し訳ない気持ちや後悔の気持ちでいっぱいになるところだった。
「…まだまだ言いたい事はあるよ。私はその後公証人役場が目的を君の捕縛から君の殺害に変えたというのを知った時、私は全身が凍りついたような感覚に襲われたし執行人が君の殺害に失敗したと聞いた時は毎回ホッとしてた。」
「確かに最初の時は攻撃が激しくないなと思ってはいたがアレ捕縛しようとしてたのか…充分殺意マシマシだったけどな…」
俺は少しはぐらかすようにそう言った。
だがモスティマはさらに言葉を続けた。
「だからお願いだよ、ケイオス」
「私からもう離れて行かないで欲しいんだ」
そう涙声で言って少し苦しくなるぐらい抱きしめる力を強くしてきた。
まるで二度と離さないとでも言うように。
ああ、モスティマ…お前は俺の気持ちを分かってていながらも。そして自分の止めようがない気持ちを持ちながらも言ってくれたんだな。
自分の二度と離れたくないという欲、そしてその欲は即ち俺の行動や自由を阻むという事になる。
いや、モスティマなら俺が行くところについて行こうとしてはくれるだろう。だがそれはモスティマの今の仲間…ペンギン急便の仲間を裏切る事になる。と言っても俺はソラという名前の子以外は知らないが他にも従業員はいる筈だ。
だから俺は…
「ありがとう、モスティマ…お前が自分の気持ちを吐露してくれた事、本当に嬉しかった。だけど答えはNOだ。」
「…君ならそういうと思ったよ。」
沈んだ声でそう零すモスティマ。
俺は言葉を続ける。
「だから…」
これはお詫び…いや俺は単にこのモスティマに対する気持ちをぶつけたかったのかも知れない。お前の心に影響を与え、そこまで想ってくれた奴に俺は見たことしかない、する事は永遠無いだろうと思っていた事をした。
「ケイオ…んむっ!?」
俺は腕を解き、身体を捻らせて向き直る。そこには少し無理に笑みを浮かべながら涙を流していたモスティマがいた。そして俺はモスティマの唇を奪った。
キスだ
目を見開き、顔が赤くなっていくモスティマ。
「っ…!……ズルいよ、ケイオス…」
「これは申し訳なかったという気持ちと昼の時の仕返しだ…それにずっと一緒にいなくたってまたこうして無事に会えたんだ。だったらこうしよう」
俺はモスティマに新しい…というより妥協案を示した。それは
・連絡先の交換
・月に一回は会う
の二つだ。
幸いモスティマは納得してくれた。
「俺はまだまだ旅を続ける。寿命尽きるその日までな。それにお前だってラテラーノを出てからペンギン急便って言う仲間達?同僚達?ができたんだ。そいつらも大切にしてやれよ。まぁ分かってるとは思うけど。」
「分かってるよ。ちなみにケイオスはラテラーノを出てからどういう人達に会ってきたんだい?」
「俺か?俺はな──────」
そう言いながら暫く会話を続けていたら。いつの間にか寝落ちしてしまっていた。
起きたのはモスティマの方が早かったようで先にチェックアウトの準備を済ませていた。
おはよう。と言うと向こうも同じように返してはくれたが先に下に行っていると少し足早に出て行ってしまった。
…顔、赤かったな。
そういう俺自身も昨日そのまま添い寝しながら寝落ちしてしまったのを思い出して顔が熱くなったのであった。
〜シラクーザ・郊外〜
「うん、これで準備完了かな」
「燃料は大丈夫なのか?」
「仮に向こうに着くまでに切れても予備の燃料缶があるから大丈夫さ」
ホテルを出た俺達は郊外の空き地で解散する事にした。
「じゃあなモスティマ。運が良ければ……いや違うか、また今度会おう。」
「フフッ…いい旅をケイオス。また会おう」
そう言葉を交わして俺は踵を返す、が
「ケイオス!」
「お?な……んっ!?」
モスティマに呼ばれ振り返ると、キスをされた。
「……昨日お返しさ、またね」
そうモスティマは言うとトラックに乗り込み、思考停止してる俺を置いて出発して行った。
「………あ、あんの野郎!!」
熱くなった顔を手でパタパタと扇ぐ…不意打ちをくらうとは…!
「ふぅ……ま、中々どころか。とんでもなく濃い時間だったな…」
そう言いながら空き地の隅に鎮座しているキラードロイドに掛けていた大きな布を取っ払う。
『グゥ?』
「じゃあ俺達も行くか!次の場所に!」
キラードロイドに跨がり、俺達は歩き始めた。
さぁ、次は何処へ行こうかな
【補足】
なんで苦難陳述者さんは出なかったの?
A.気力が足りなかった…というのもありますが、監督官はケイオスに近づいてはいけない為、それは苦難陳述者さんも例外では無いのでモスティマがいても近づく事はできませんでした。(という理由です。)
喧騒(怒号・悲鳴)な夜でしたね。
毎回タイトル通りに書けてるか不安ですが私は元気です(理性0)
今回はかなり欲望詰め詰めとなりました。不快にしてしまったら申し訳ありませんがこれが作者の欲の塊の小説なのです!南無
さてここでお知らせなんですがUA1500突破を記念してちょっとアンケートを取ってみたいと思います。実はあと数話ぐらい書いたら原作第1章に首を突っ込もうかと思うんですが…最近始めた方は兎も角、長くやっている方々は覚えていらっしゃいますでしょうか。ドクターを逃す為死んでしまったあのイケオジ事Aceさんと殿のオペレーター達を。
本小説ではAceさん達を生かそうか殺そうか迷っていたので、そうだ!と思いつき。読者の皆様にAceさん達の生死を決めてもらおうと考えついたのです!
と言う事で。
生かすも殺すも皆様次第。
期間は1週間、ご協力お願いします!
誤字脱字、感想ありましたらご気軽にどうぞお願いします!
Aceさん達(EP01で死ぬオペレーター達)の運命を決めます。期限は一週間
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Ace達の運命は俺達が変える!(生存)
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Ace達は二次小説でも絶版だァ…(死亡)