この残酷で天災降り頻る世界を好きなように生きていく   作:苛性ソーダ(温)

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みんな…書き始めの部分って…難しいね…。(ピキィーン!)(ヘルメットが割れる音)

やっっっと投稿できました…チェルノボーグ編スタートです。
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チェルノボーグ編
2-1 嵐の前の静けさ


龍門の移動都市から降り、しばらくして停泊していたウルサスのチェルノボーグの移動都市に着いた俺は珍しく2日程この都市に留まっていた。

特に知り合いがいるとか、何かに巻き込まれたというわけでもなく単純に観光やウルサス料理を堪能していた為だと思われる。

 

ちなみに今何をしているかというと…

 

 

「…近づくな。」

 

「う、ううっ…」

 

俺は腕を怪我している感染者の少年とそれを庇うように殺意を向けてくる白いコータス族の感染者の女性と対峙していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…状況を整理しよう。

今日の朝食を済ませた俺は街を散策してるうちに裏路地に入り、たまに襲いかかってきたりするチンピラを張り倒したり。ここに住みついているのかめちゃくちゃ威嚇してきた凶暴な野犬を逆に威嚇し返したりしながらも歩いていた。そして角を曲がったら。腕が血塗れな少年と俺の姿を見るなり警戒心爆上げさせた白いコータス族の女と出会ったのだ。

 

「……………」

 

「……………」

 

俺と白いコータスの女は見つめ合う…というよりは向こうに一方的に睨まれているだけなのだが。動かない。

 

…このままじゃ埒があかない、少年はうめき声を上げるだけでおそらく意識は朧げ…しかも野犬に噛まれているから菌の事も心配だ。

恐らくこの女は俺より先にこの少年を見つけたが医療道具を持っていなかったのだろう。

だから寄り添うぐらいしかできない……あ、そうだ。

 

俺は今着ているコートの懐に手を入れる。が、その瞬間向こうの殺気が高まる。

 

「おい、殺気を向けるな。その子を殺す気か?」

 

「…ならば今すぐここから去れ」

 

「お断りする。貴方は感染者だから他人対する警戒心がかなり強かったり、心に壁とかがあるのは分かるが…貴方はともかくその怪我をしている子は見過ごしてはおけない。俺は感染者、非感染者であるとかは特に気にしないしどうだって良いんでね。」

 

そういいながら、俺は懐から出した市販の消毒液、ガーゼ、包帯を地面に置き、両手を上げて揉め合うつもりは無いという意思を見せながら一歩下がった。

これで応急処置にはなるだろう。

 

「これは…」

 

「使え、市販品だが応急処置には十分だろう。…俺が非感染者だから疑うのも無理はない。だがいつまで経っても睨み合いを続けてたらその子が死ぬ、俺を近づけさせないならせめてお前がそれを使って処置しろ。できるだろ?」

 

「…分かった。」

 

そう言うと医療品一式を手に取り、少年の処置を始めた。

 

よし…あとは病院、といきたいがここはウルサスだからなぁ…1000%突っぱねられるだろうし…どっか良いところは………あ、そうだ!これなら…

 

そう考えに耽っていると。

 

「おい…おい!」

 

「ん?あぁすまない。どうした?」

 

「…終わったぞ」

 

「あぁ、そうか。良かった…」

 

そういうと女はスッと、こちらに応急処置セットを渡し、気まずそうに言った。

 

「その…すまない、疑ってしまって。」

 

「え?あぁ、まぁ気にしなくても…他はともかくここはウルサスだからねぇ…警戒するのも仕方ないから…というか、君コータス族だよね?さっきの様子と態度見るに感染者だと思うけどなんで態々こんな差別が他国と比べてどぎつい所に来たんだ?」

 

「…それは」

 

女が言葉に詰まっていると、走ってくる音が聞こえる。…前の方か。

視線を向けると白いフードに顔を隠した二人組がこちらに向かって走ってきていた。

 

「おーい!姐さーん!」

 

「医療器具を持ってきました……って誰だお前!?」

 

「いや、こっちの台詞だわ。何この白フードの男達は…君の友達?」

 

「私の…兄弟達だ」

 

そう、サラッと女は言った。

なんだ…身内か、てっきりやばい宗教の人だと思った。見た目的に。

まぁそれは置いておくとして…

 

「そうか…まぁそっちの質問とか話は歩きながら話さないかい?ここの近くには確か闇病院があった筈からこの子をそこに連れて行こう。」

 

「アザゼルか?」

 

「そういう名前なのか?前にここに来た時にチラッと見た程度だから名前は知らなかったな。」

 

そう言葉を交わして、俺達は歩き始めた。

ああ、そういえば。

 

「そういえば、自己紹介がまだだったな。俺はケイオス…旅人だ。そちらは?」

 

「私は…」

 

女は少し迷った後、こう名乗った。

 

「私の名はエレーナ、ただの感染者だ。」

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は白フードの男達とエレーナと共に怪我を負っていた少年をアザゼルに引き渡した後、再び裏路地で少し会話を弾ませていた。

本当はアザゼルに引き渡した後別れようと思ったのだが…

少年を運んでいる間に話した旅話の事がこの白いフードの男達は気に入ってもらえたらしい。エレーナも少なからず興味を持っていた。

 

「あとは…というか今更なんだがエレーナ、お前の近くにいると随分冷えるが…鉱石病の進行具合が酷いのか?」

 

「…あぁ、まぁ私達にも色々あってな……特に、味覚等も感じなくなってしまった。」

 

エレーナは懐から出した包紙に入っているキャンディを手のひらで転がしながらそう言った。

 

「姐さん…」

 

「そうか…鉱石病は謎が多いしな…あいや待てよ?寒さとか冷たさは現状どうにもならんが味覚なら……これ。」

 

俺は常備しているポーチから一つ棒付きキャンディを取り出す。

 

「赤いキャンディ…?」

 

「赤いな、いちご味ってヤツか?」

 

エレーナと白フード一号がそう聞いてくる。

俺は基本的に甘い飴しか食べないが…眠気覚まし用や旅先で誰かと遊んだ時、飲みの席とかの罰ゲームに使っている飴がある。それは…

 

「残念だがどれも不正解だ!正解はクルビアにあるキャンディショップで偶に出回る飴。その名もハバネロキング味だ!こいつは食べたら最後、ハバネロチップスの何十倍の辛さを持ち、口から火を噴くどころか火炎放射が出そうなぐらいには辛い。寒冷地で食べたら丸一日身体が燃え盛っているじゃないかって程熱くなる…が、最初に言った通り口の中は大惨事になる飴だ。」

 

「おい待て、そんなものを姐さんに食べさせる気か!?」

 

「やらせないぞ!!」

 

「良いじゃないか、味覚が大分薄れてしまってるなら意外にちょうど良いかもしれないだろ?」

 

「…確かに、一理ある…か?」

 

「「姐さん!?」」

 

「隙あり!」

 

「んぐっ!?」

 

白フード達が動揺した隙に少し口が空いていたエレーナの口にキャンディを突っ込んでやった。

 

「ああああ!?しまった!?」

 

「姐さん!早く吐き出すんだ!」

 

「ん……………、っ〜!?」

 

キャンディを舐めていたエレーナの顔が驚きに染まっていくのを見て、思わず俺は笑ってしまう。

 

「ハッハッハ!良い表情(かお)だな!やっぱり誰彼関係無しに驚いたり笑ったりしている表情が1番良いな。」

 

「とてもピリピリする…昔食べたキャンディとはかけ離れた味だ…」

 

「そりゃ辛いからな…お前ら二人も食うか?」

 

「え、いや俺達h「遠慮するなって!」むぐっ?!」

 

今度もエレーナの時と同じように俺は白フード達の口がありそうな部分にキャンディを突っ込んだ。

 

「あっ」

 

と、エレーナが声を溢すが時すでに遅し。

 

「ぎゃあああああああああ!!水!水ぅ!!」

 

「口がぁぁぁ!口の中があああぁああああ!!」

 

あまりの辛さに口を押さえながら地面を転げ回る二人。

 

「ハハッ!そんなw転げ回る程だったのかwヒッヒッヒッ…」

 

「プ、フフッ…」

 

その様子が見て俺は大笑いし、エレーナは笑いを堪えていた。

 

ゴーンゴーンゴーン…

 

そんな内に昼の時間を告げる鐘が街全体に鳴り響く。

…ちょうど良い時間だな。

 

「もう昼か…楽しかったが解散とするかな。それではな三人とも、運が良ければまた会おう!」

 

「…ああ、会えると良いな、また」

 

そう言って含み笑いを浮かべたエレーナは未だ辛さに悶えている二人を立たせて去っていく。が、一度立ち止まりこちらを振り向き、こう言った。

 

「…お前はここにいつまでいる気なんだ?」

 

「?どういう意味だ、まぁ…結構堪能はしたし明日の夜明け前ぐらいにはここを出るつもりだが」

 

「…そうか。…良かった

 

「ん?なんだ?」

 

「いや、何でもない。…さらばだ」

 

エレーナはそう言うと、今度こそ去っていった。

 

 

…明日何かあんのか…?それに一瞬なんか表情が和らいでいた気がするが……まぁ、良いか。

さて、今日は何処で食べようかな。

 

昼食を何処で食べようか考えながら俺は大通りへと足を進めた。

……この後の大事件に巻き込まれる事になるとは微塵も考えずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

〜翌朝〜

 

俺は移動都市を降り、水平線が続く荒野…ではなくチェルノボーグの道沿いにあるカフェにいた。ちなみに夜明けはとっくに過ぎ、空は明るくなってきている……といっても曇りだが。

 

そして俺が今だここに居残っている原因の人物は呑気に目の前の席に座りながら朝のコーヒーブレイクを味わっている。

 

「ハァ〜…」

 

「溜め息をつくと幸せが逃げるよ。ケイオス」

 

「お前が原因だよモスティマ…」

 

ホテルを出て、キラードロイドを置いている場所まで向かおうとしたら突然目の前に見覚えのあるトラックが止まったと思えば、コイツが出てきたわけだ。そしてそのまま流れるようにカフェに入って、今こうして話している……

 

どうしてこうなった?

 

「モスティマ…確かに前、一ヶ月に一度会うとは約束したが…最後にあったのは確か一週間前のリターニア王国だったよな?しかもリターニアでまた会う3日前はカジミエーシュの遺跡で…いくらなんでも多すぎるだろう。」

 

「私は君に会えて嬉しいよ?それとも…ケイオスはあまり私とは会いたくない、のかな?」

 

少し困り眉な表情でそう言い返してくるモスティマ。

 

「俺がお前に会いたくないわけないだろう?だがいくら何でも出来過ぎてるんじゃないかって話だ。まさか秘密裏に情報屋かなんか雇ってたりするんじゃないだろうな?」

 

「まさか、全部偶然さ。むしろ情報屋程度で君の位置が知れるなら頼みたいぐらいだよ。」

 

「しれっとストーカー発言をするんじゃない!全く…もしかしてシラクーザの時に言った言葉、実は諦めきってないのか?」

 

「……どうかな。」

 

モスティマは少し微笑みながらそう言った。

 

「(絶対諦めてないなコイツ…まぁ、会えるのは実際悪い気はしないし良いけどな…)」

 

そんな事を頭の中で浮かべていると思い出したかのようにモスティマが言った。

 

「そういえばケイオス、君はどうしてここに?」

 

「ん?ああ、数日前に龍門にいてな、丁度ここが近かったから来たんだよ、久々にな。」

 

「成る程ね。」

 

そこからはお互いにコーヒーを飲みながら最近の事を話したり、旅の話をしたりとしばらく談笑を続けていた。

 

そして場所を移そうと、会計をして店を出た瞬間。

 

突然、遠くで悲鳴と爆発音が鳴り響いた。

 

「なんだ?火事か?」

 

「…いや、違うと思う。これは…」

 

モスティマが何か言う前にまた次々と遠くで爆発音が鳴り響く。

 

あぁ、確かに火事なんかじゃなさそうだ。

これは…

 

「感染者だ!感染者達の暴動だ!」

 

爆発音があった方向から走ってきた憲兵がそう叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後にいうチェルノボーグ事変が市民の悲鳴と鳴り響く轟音と硝煙と共に今、始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 




【補足】

・ハバネロキング味のキャンディ

クルビアで偶に売られているパーティグッズ。色が色なだけにロシアンルーレット的なゲームに使われたりする。
味はハバネロチップスの数十倍の辛さを誇り、ハバネロチップスを普段食べている者でも悶える程辛い。
大半は罰ゲーム等に使用されるが実は僅かな理性回復効果と耐寒効果を持っている。

【プロファイルの更新無し】


今回も見てくれてありがとうございました!

Ace達を生存させるから原作改変しちゃうけど、どうせ二次創作だし主人公はモスティマと一緒にチェルノボーグを駆け抜けてもらおうと思ってブチ込みました。反省はしているけど後悔はしてません。…ちょっとしてるかも。
そして白ウサギさんも登場しましたね!一体何ストノヴァなんだ…

ちなみにプロファイルの更新が全くないですが、チェルノボーグ編が終わったら一新しようかと考えています。武器説明とかまとめて書いちゃってるし…。
そしてようやく次話でまたタグの一部分をようやく回収できそうです。

それでは次回もお楽しみに!
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