魚人・水中でも呼吸ができ、人間の十倍の筋力を持つ
人魚・水中特化、水中に限り生物界最速
ミンク・生活環境によっては赤ん坊の頃からでも戦士として戦える

 分母の数と個体差が大きいせいで技術の継承が難しいのかは分かりませんが、何でこうもかませ扱いの他種族が多いのか?

 人間はあんなにも強いのが居るんだから、じゃあ此方にも一人位飛び抜けた個体が居ても良いよね?という考えで書いてみました。

 因みに続くかどうかは今の所未定です。

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 コラボもしたことあるのに一度も見掛け無いトリコとONE PIECEの二次…何故なんでしょう?
 取り敢えずで手慰みに書いたは良いものの、放置するのも勿体ないと思い投稿しました。

 イメージは、ゼルダの伝説ブレスオブサワイルドのゾーラ族になります。


黒穴鯨

 彼等は不運だった

 

 無数の些細な偶然の積み重なりで誕生した()()に、悠久と言ってもいい程の長い時間不変を保ち続けていた彼等の立場は現われたと同時に覆された

 

 彼等は不幸だった

 

 広大なこの世界に置いて、肉体的にも生物としても一際強大であるが故に、彼等だけが本能で()()の存在に気付いてしまった

 

 だが、それは彼等の怠慢が招いたこと

 

 種族単位での天敵が居ないという立場に胡座を掻き、食物連鎖という名の厳しい生存競争の枠組みから解き放たれたと驕っては進化を止め、悠久の時を唯々無為に過ごしてきたツケが等々廻ってきたというだけの話

 

 

<逃げなきゃ!>

<早く逃げなきゃ!!>

<殺される!皆殺される!!!>

<何で、何でよりにもよって私達の王が生まれるあの島で()()()()()()()()()!?>

<怖い!!怖いっ!!!>

<ああ駄目だ!?何処にいてもアイツの存在が分かる!!何処に逃げても()()()()()()()()()()()()()()()()!!?>

<何故!!>

<何故だ!!!>

 

 

 何故、この世界にあんな『()()』が―――――!!??

 

 

 

 

 ある日、巣以外で群体的な行動を取ることが無いと考えられていた超大型生物『海王類』が何の前触れも無く一斉に移動を始めた。

 

 世界のあらゆる場所でも観測されたその奇異な行動は、巨体であるが故に津波などの天変地異や気候変動を引き起こし、一時的に新しい海流が生み出されるほど。それは彼等の巣であり完全な無風地帯と呼ばれた『凪の海域』すら例外では無い。

 この未曾有の事態に急遽世界政府や海軍、各国による必死の対応にて事なきを得た国もあれば、運悪く彼等の進行方向に居て数多くの混乱と犠牲を招いた国もあった。中には災害に呑み込まれ一夜にして滅んだ国もあったという。

 

 歴史上類を見ないこの事件は『王の乱心』と呼ばれ、長年海王類の生態を研究してきた学者達をして大いに頭を悩ませた。

 

 「恐ろしい間隔を空けて行われる繁殖期」「餌場の移動」果ては「世界の終末の予兆」と突拍子もないものまで含めて様々な憶測が飛び交い、議論を白熱させたがどれも現実的なものとは考えられず、最終的に何年経とうとも原因が分からないまま迷宮入りとなる。

 更に究明している数年の間に彼等は何事も無く住処としていた海域に戻ったことが余計に謎を呼んだ。

 

 但し、調べている内に一つだけ判明したことがあった。進行方向に規則性があったのだ。

 判明した海王類の進行方向を統合してみると、ある地点を中心として離れる様に移動していたのである。

 唯一得られた手がかりに学者達は躍起になってあらゆる資料と知識を総動員して何とか一連の真相を導き出そうとした。

 今回は運が良かったが世界が滅びかねないレベルの災害なのだ、次に同じ事態が起こった時の為に少しでも対策や予測できる情報が切実に欲しかった。

 

 それでも浮かび上がった説はどれも有り得ないものと判断され、中でもある学者が提唱した説はそれこそ有り得ないと一蹴された。結局、原因の特定とはならなかったのである。

 

 

 それもそうだろう

 

 

 同格すら存在せず、この世界全ての捕食者の頂点に位置する種族である筈の彼等海王類が、()()()()()()()()()()()なんて有り得ないのだから

 

 

―――――――――― 

 

 

 『魚人島』という名前の島がある。

 その名の通り『魚人』や『人魚』といった水中での活動能力に優れた人種が主流の島。

 

 理解できない者には物理法則を無視したとしか思えないような様々な異常気象に、魑魅魍魎溢れる恐ろしい海域『グランドライン』。

 更にその海域を前半、後半の海と分ける境界線上―――いや、ここまで来ると境界線下と言った方が正しいのだろうか。肺呼吸する生物では特殊な方法を使わない限り辿り着けない遙か深海にその島は存在している。

 

 その島は、巨大な泡『シャボン』に二重に包まれている形で水中を浮かんでいた。

 深海だから当然常に真っ暗な環境かと思えばそうでは無く、頭上には太陽の光を直接送り込むことが出来る特殊な樹の根から光が降り注がれている為、島内に限れば地上と大差無い日常生活を島の住民達は謳歌していた。

 

 その島の、一風変わった夫婦の間で一つの命が芽生えた。

 

「いやぁ、僕達の子供がどんな子になるか結婚当初は色々想像してたけど―――まさかこんなに大きな子だとは思わなかったなぁ」

 

「うふふ、産んだ私が言うのもなんだけど初めて見たときは驚いたわ。それに幾ら大きくても私達の可愛い子供よ?・・・力が無いから私じゃ抱き上げられないのが残念だわ」

 

 圧倒的な幸福感とほんの少しの驚きの感情が混ざり合った笑みを浮かべる二人の男女。

 互いに寄り添って見つめている先にあるのは彼等が普段使うものより大きなベッド、その上にすやすやと寝息を立てている彼等の身長よりも大きな赤子だった。

 

「勿論、可愛くて仕方無いよ。唯、僕の種族だと産まれて直ぐの子供がここまで大きい事ってあんまり無くてさ、びっくりしたんだよ」

 

 「ガルチュ~・・・」と起こさない様に小さく呟きながら赤子の頭を優しく頬ずり、その少し後に答えたのは男の方。体全体がふさふさした毛で覆われ、頭頂部に丸みを帯びた耳、突き出た口元には数本の髭、隈取りの様な黒い模様が特徴的。

 

 彼の様な姿をした人種は『ミンク族』と呼ばれていた。ミンク族は総じて陸上動物を人型に近づけた風貌をしており、姿が近しい動物の身体的特徴や趣向を持つという。深海であるここ魚人島では滅多に訪れることが無い珍しい人種だ。

 因みに彼はアライグマの特徴を持ったアライグマのミンク族である。

 

「あら、そうなの?私達の間では割と良くある事だから普通だと思ってたわ。結婚してあなたを通してミンク族の事色々知ったつもりだったけど・・・やっぱりまだまだギャップってあるものなのね」

 

「流石にこう言ったケースは珍しいと思うけどね。医者でも無ければ知ってる人はそう多くないんじゃ無いかな?」

 

 その様子を隣で微笑ましく赤子と男を眺めている女。こちらは上半身が黒く長い髪をした美しい人間の女性、反対に下半身は灰色の小さな鱗に包まれ、末端に近い部分には黒い斑点模様がある魚の尾ビレ。

 

 彼女はニザダイの人魚族。上半身が人間、下半身が魚か一部の水生生物であることが特徴で魚人島の主な住民の一つ。陸上での生活が困難であるという欠点があるものの、全生物中最高の遊泳速度を誇っている。

 主な生活環境が水中である事も相まって地上に住むものにとっては御伽噺の存在だと信じられるほどに珍しく、とりわけ女性は非常に美しい容姿を持つことが多いことから浅ましい欲望を抱いた地上の人間に狙われやすい。その為殆どはこの魚人島から離れることは無い。―――――それが自らの希少性をより高めてしまっているのは仕方の無いことだろう。

 

「――――所で、この子はどっちだと思う?多分、魚人だとは思うんだけど・・・ちょっとはっきりしなくてさ」

 

「そうね――――」

 

 不意に男が女に尋ねた。目の前の赤子に見られる特徴が自分達の知るミンクでも人魚でもましてや魚人でも無かったからだ。

 

 寝ている赤子の体表は艶やかで全体的に体が純白と言っても良いほどに白く、腕にはヒラヒラとした『ワノ国』でいう着物の袖を連想させる長いヒレと、指の間には膜のような水かきがあり、閉じられた両目の外側には()()()()にも見える奇妙な模様がある。

 これだけならば上半身に水生生物の特徴が引き継がれた魚人だと判断できただろう。

 

――――しかし、この赤子にヒトの両足とは別に人魚のような()()()までが生えていることが男に疑問を持たせた要因だった。

 

 魚人に尾びれは無い、その代わり人間の両足がある。人魚は尾びれは有るが、反対に歩行できる足がない。これでは魚にもう一つの尾びれがあるのと一緒で不自然だ。

 尾があるとすればミンク族だが、その他の特徴が完全に水生生物のそれ。基本的に陸上で生活する哺乳類の特色を受け継ぐミンクでは先ず見られない。

 

 自分の子供をまじまじと見つめ、寝ている我が子を起こさないように優しく触れる女。地元民故に人魚や魚人に詳しい彼女なら答えが分かるはず、と男は期待して見ていた。

 やがて確認を終えた女は男に向って笑顔を向けながら口を開く。

 

「―――多分、この子はミンクよ」

 

「・・・え?」

 

 予想外の返答に男は固まった。

 

「そ、そうなの?」

 

「ええ、この子エラが無いもの。だとすれば消去法でミンクになるんじゃないかしら」

 

 理由が少々短絡的ではないかと思うほどのシンプルな答え。女は割と難しいことはあんまり考えないタイプだった。これには男も苦言を呈するか―――

 

「・・・そっかぁ、はー疑問が解けてすっきりした。小骨が喉に引っかかったみたいに気になってたんだ」

 

 ―――と思えばあっさり信じ込んだこの男も中々に単純なのかもしれない。

 

 因みに、両者とも子供の種族だとか体格だとか身体的特徴等にはこだわりは無い。これは別に彼等が特別寛容だったというわけでも無い。

 何せミンク族は親と子供の特徴が違うなんて事は当たり前であるし、人魚族に至っては人魚と魚人どちらも生まれる可能性がある上、ミンク同様受け継がれる身体的特徴が違うのは普通であった。

 容姿の振り幅が大きい彼等にとって、見た目や人種はこの地上で最も繁栄している『人間』で言うところの「瞼が二重か一重か」程度にしか認識していない。美醜には多少関係するだろうがその程度。

 

 つまり、男は本当に唯気になっていただけなのである。

 

 満足そうにしていた男、不意に何かを思い出したらしく「あっ」と声を上げた。

 

「そうそう!一番大事なこと後回しにしてた!」

 

「大事な事って―――この子専用の部屋かしら?確かに早めに作らないと後々生活に不便だわ。明日大工さんに増築をお願いしに行かないと。それに沢山食べるでしょうからミルクに大きな料理器具に食器も買わないと。それから――――」

 

 口元に指を添え、捲し立てるように今後の予定を立てていく女。重要な事柄についてはしっかりと考える方らしい。

 その様子を男は「ちょ、ちょっと待って!」と腕を振りつつ慌てて止めた。彼が言いたかった事はそれでは無かった。

 

「いや、確かにそっちも大事だけどもっと肝心なこと忘れてるよ!この子の『名前』」

 

「・・・・・・?、もう決めてるわよ?」

 

「えぇ・・・」

 

 何を言ってるんだとばかりに事も無げに答えられた女の言葉に男は目の前に置かれた好物を取り上げられた顔で思わず声を漏らす。

 彼は密かに自分が子供に名付けたいと楽しみにしていたのである。そんな顔にもなろうというもの。

 

 女は少々申し訳なさそうな顔で純毛に覆われた男の手を握る。水中で生きる者故か少々冷たい手の感触が純毛越しでも感じ取れた。

 

「そんな顔しないで。私も本当ならあなたと一緒に考えるつもりだったの。・・・でも、この子を見た瞬間に頭に浮かんだのよ。この子の名前はこれしか無いって」

 

「・・・まあ、良いんだけどね。それで、思いついた名前って?」

 

「それは――――」

 

 

 女が考えた名前は、彼等にとって今の関係に至る切っ掛けとなった思い出深いもの。

 

 ある日の夜。地上に憧れてはこっそりと海中から顔を出しては地上を観察していた女を偶々男が見つけ、そして月明かりで照らされた女の美貌に一目惚れした男は出会うと同時に告白した。

 

 

 その日は、今にも落ちてきそうな程に大きな白い満月だった。

 

「――――『ムーン』・・・この子の名前は『ムーン』よ」

 

 

 

 この日、一見魚人に見える白鯨のミンク族。嘗て、ある世界であらゆる水生生物の頂点に立ち、たった一個体でありながら生態系を飛び越え、環境そのものへと至った生物。

 

 月すら呑み込む超重力を内包する鯨、種族名『ブラックホールホエール』のミンク『ムーン』がここに誕生した。

 




 無理矢理な設定だとは思いますが、原作後のトリコの世界のチャンネルを通じて鯨王の因子が紛れ込んだということでどうにか…。

 因みに鯨王以外だと非常に難しいと思い断念。ミンクだと他ではゾウで生まれますがーーー

馬王・ズニーシャが心労に耐えきれる気がしない
狼王・ズニーシャが心労に耐えきれる気がしない
鹿王・ズニーシャがry
猿王・遊びでうっかりズニーシャごと殺しかねない

 その他は悪魔の実でも無い限り再現は不可能だと感じ断念しました。
 というか、悪魔の実って幾らか差が有っても本人の素養、技術、錬度、発想次第って感じですし、強すぎる悪魔の実って何か違う気がします…唯自然系は除く。

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