さて、遅くなってしまい申し訳ありません。しばらく不定期になりますが読んでいただけるとありがたいです。
「よし、鍛錬するぞ」
「…はい?」
朝ごはんを食べ終えてゆっくりしていたら突然なんか言い出した。鍛錬…?急にどうしたんだろう。
「急にどうしたの?」
「この竹林にも下級妖怪はいるから、ある程度戦えるようになってもらわないと困る。仕事が入って出かけないといけないこともあるから」
えっ、ここにも妖怪出るの?初耳です。…また喰い殺されかけたくないから戦えるようになっておこう。
「はーい、どこで?」
「家の前でいいだろ」
「わかった。どんなことするの?」
どんなことするんだろう、やっぱり素振りとかかな。
「まず妖力の使い方だな。お前が今思い浮かぶ妖力の使い方を言ってみろ。
「えーっと、この刀みたいに武器にしたり、弾幕として飛ばしたり…?」
他にあるかな、ない気がするけど…
「…まぁ及第点だな、他にもあるぞ。例えばこんなふうに空中に塊を作って足場にしたり…」
そういうと妹紅は空中に立った。弾幕みたいに飛ばさないで一定の場所に留めておけば足場にできるんだ、頭いいな。
「あとは、自分の周りに水みたいに妖力を纏って相手の動きを予測したり、もっと広い範囲に展開して侵入者を発見したりできる」
…どういうことだ?水みたいに展開して相手を予測。蜘蛛の巣みたいな仕組みかな。
「最後のは難しいと思うからまず糸を作ってみな」
「糸…糸…」
これくらいなら私もできる。糸…
「できたよ」
真っ白な糸が作れた、長さは八尺くらいかな。
「それを自分の前に浮かせろ、糸を張った状態でな」
「糸を張って浮かせるの?」
「そうだ、まずはやってみて」
物を浮かせるのか、自分で飛んでみるのはできたけど物は浮くかな?とりあえず飛んでる様子を強く想像すればいいと思うけど。
「こんな感じでいい?」
浮いた浮いた。けどすんごく疲れる、集中しないとすぐに落ちてしまいそうだ。
「よくできたな。その糸はお前の妖力の一部だ、目を閉じて」
「うん」
「…糸を触っているのがわかるか?」
「…うーん、離してみて」
「ほい」
確かに触れている間だけちょっと違う感覚がする。ただ、これも集中していないと気付かないな。
「一応わかった」
「最初にしては上出来だ。じゃあその糸を元の妖力に戻して、『妖力』の状態で糸を作ってみろ」
「…?」
何言ってるかわからないデス。妖力の状態でってこの糸も妖力じゃん?
「…あー、じゃあその後の周りに妖力を纏わせて」
それなら理解できる。妖力を纏わせてー、できた。
「できた」
「纏わせた妖力だけ残したまま糸を消せ」
「…」
そういえば一回作ったものを妖力に戻すのってどうすればできるんだろう。戻れって思えば戻るかな。
「…あっ、」
糸を元に戻せたけど周りの妖力まで吸収しちゃった。
「まぁ抽象的な形に固定するのは難しいからすぐにできなくても仕方ないさ、今日は妖力の糸を作る練習に集中しよう」
「はーい…」
朝鍛錬を初めて2、3刻くらいがたった。一応妹紅のいう妖力の糸を作って維持できるようになり、やっと次の段階に進むことができる。妖力の糸の方が妖力で作った実体のある糸よりも触られた感触が強かった。…自分でも何を言ってるかよくわからない、ややこしい。
「結構安定してきたな、次に進もう。妖力の糸を自分を中心とした蜘蛛の巣状に展開する。」
「…あー、もう難しそう」
「もう妖力の糸はできてるんだから意外と簡単だよ、」
つべこべ言っていても始まらないからとりあえずやってみよ。自分を中心にして蜘蛛の巣状に展開する。蜘蛛の巣…。蜘蛛きらい…
「ん?範囲は狭いができてるな。もっと広い範囲に伸ばせるか?」
「もっと広く?どのくらい」
「…半径4kmの球くらい」
「4きろめーとる?」
きろめーとるってなんだろう。長さの単位かな?尺とか町とか…尺度法(?)で言われないとわからない…
「…m法知らないのか。えーっと…一里か?」
「一里ね…一里!?」
広くない?妖力足りるかな…。今の展開できてる範囲の何倍だろう…千倍とか?半径一里の球…。いいや、とりあえず適当に全力で展開しちゃえ。
「…うぉっ、今度は広すぎだ。もっと抑えろ」
「えぇ…どのくらい?」
「今の三分の一程度でいい」
調整って難しい。三分の一、三分の一…このくらいかな。
「…うん、これなら十分だろ。これは最初に言ったと思うが探知の手法だ。理論上はこの竹林で動くもののほとんどを、お前は感知できる。」
「…本当に?何も感じないけど?」
「誰も触れていないだけだと思うが…一度妖力の糸を収めてくれ。」
「はーい」
「今から私はこの竹林の中のどこかに行く。この弾幕が強く光った瞬間にもう一度妖力を展開しろ。うまくいけば私の動きが探知されるはずだから私のところまで来い。」
早速実践か、できるかな〜。正直に言っちゃうと妖力の部分触られてもよくわかんないんだよね。「触られた」って感じより「違和感」。
「十秒後くらいに光るから、じゃあスタートだ。」
どっか行った、足速いなぁ。妖力…いや霊力か、霊力で強化してるのかな、もう姿が見えない。十秒だったらそこまで遠くまでいけないとか思ってたけどあの速さだと結構な距離まで行っちゃいそうだな。
「…あ、光った。」
よし、とりあえず展開しよう。うぅ…妖力が分散しちゃうのどうにかしないと効率が悪い…。ていうか妹紅いなくない?もうちょっと派手に動いてもらわないとわからない。
「…うーん」
…妖力の量を増やしてみようか、そうすれば感覚が強くなるかもしれない。密度を二倍にしてみよう。
…やっぱり変わらないかぁ、どうしたものか。
妹紅は妖力は体の一部だからわかるはずって言ってた。そういえば妹紅が私の刀を運んでくれたとき見てなかったのに「刀運んでくれてるなー」ってわかったっけ。あれは私の妖力でできた刀だったから…?
そうか!刀と同じでこの展開している妖力は私の腕や足と同じものだと思えばいいんだ。この妖力は私の腕、一部だ。見ていなくても自分の体の位置はわかる。どこを触れられてるのかわかるはず。
「…」
誰もいない。永遠亭だと思う場所に気配がするけど…永琳さんに輝夜さん、鈴仙さんとてゐちゃん…うん?
「あっ!一人多い」
永遠亭に人が五人いる、多分あそこに紛れ込んでるな。普通に患者さんの可能性もあるけど、まぁとりあえず行ってみよう。
…そういえばこの手法を使ったらこの竹林でも迷わずに移動できるね。妹紅はこれも見越してこの訓練を提案したのかな、ただの思いつきじゃなくて意外と考えていた。
そうこう言ってるうちに着いた。絶対ここにいるとは言い切れないからまず永琳さんあたりに聞いてみよ
「すみませーん、誰かいますか?」
「はいはーい、ってどうしたの紅月。何か不調でもあるの?」
輝夜さんが出てきた、他の人は取り込み中かな。
「突然すみません、妹紅きてませんか?」
「妹紅?来てるけど…」
お、当たった!良かった、これで妖力使った探知の基礎は習得できたことになるかな?今のままだと効率が悪いから、明日以降長時間この状態を維持できるように練習しよう。
「急に来たから何事かと思ったわ、なにかの訓練中?」
「あぁ」
「理由があるなら言ってよね、急に押し入ってくるなんて…」
「面倒臭い」
「えぇ…?」
「よし、帰るぞ紅月」
すっごい一方的な会話だった、この2人仲がいいのか悪いのかわからない。
「明日からは実用に向けての練習だな。他にも武術と剣術も教えてやる。お前の妖力なら短期間である程度戦えるようになる。…まぁちょっとキツい内容になるかもしれないが、まぁ頑張れ。」
「…はーい。」
ま、まぁ生き残るためだから仕方ない。でも痛いのは嫌だなぁ…。