とあるゲームにハマってずっとやってしまった…
今回少々グロ要素がありますので
苦手な方は回れ右推奨です。
それでは第四話スタートです。
霊夢との模擬戦から数日。その間も飛ぶ練習とかすぺるかーどの練習とかいろいろやって結構慣れてきた。箸は相変わらずだが。
さて、今日は人里の見学に行くことになった。前にも言ってた「慧音」という人に挨拶しに行くとのこと。半人半妖という珍しい種族だとか。よく考えたら半分人とは言え他の妖怪に会うのは初めて。人里にはいろんなお店があるらしいし、楽しみだ。
この前は飛んで行くとか言ってたけどなんやかんやあって歩いていくことになった。神社から人里まで約半刻、散歩にちょうどいいくらい。
「紅月ちょっと来て」
呼ばれた。もう出発するのかな?
「何?」
「今妖怪退治の依頼が入っちゃってね…妖怪の山に行かなくちゃならなくなったから、一人で人里に行ける?」
「え…道わからないよ?」
「大丈夫よ、そこの階段降りて道なりに進むだけだから。着いたらこれを門番に見せなさい。そしたら慧音の家に連れて行ってくれるから」
「…はーい」
妖怪退治か。退治される対象ではないとはいえちょっと恐縮してしまう。
「それじゃ、私はもう行くから。気をつけていくのよ」
「うん。」
行ってしまった。私も出発しようかな。降りて真っ直ぐだったよね。すぺるかーどの案でも出しながら行こうかな。相手の弾幕に依存しないのが欲しいな。自分からいろいろ展開できるようなもの。あんまり弾幕を多く出しても疲れちゃうから……
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ーー
ーーー
「…よし、出発したみたいね。紫、お願い」
「はいはい。…本当にいいの?」
「ええ。」
前回の模擬戦で紅月はなんらかの封印を施されている可能性を感じたため、 紫に記憶の傍受と封印の探知を手伝ってもらうことにした。
歩いて行かせたのはその時間稼ぎだ。
「分かったわ。…でも彼女厄介な能力を持っていたわよね?あなたの能力で対処できそう?」
「…やってみないとわからない。 けど多分大丈夫だと思うわ。少なくとも今の状態なら能力練度で負けない」
「…よし。なら始めるわ。」
紅月は「精神的な干渉を受けない程度の能力」を持っている。その名の通りの能力で、普通なら今から私達がやろうとしている記憶の覗き見は能力により妨害されてしまうだろう。だから私の能力を使う。
「浮く程度の能力」
これが私の能力だ。紫にこの能力の効果を付与して覗き見してもらうという作戦だ。
「…どう?何がある?」
「…紅月は生まれて一年程度のはずよね?なら可笑しいわ。何かに妨害…もとい結界をはられててよくは見れないけど記憶の列が少なくとも
数千年あるわ…。霊夢のいう通りになりそうね」
「!やっぱり…」
やっぱり何が悪事を働いて…
「…でも不思議だわ。悪意を全く感じない。こういう類の妖怪は封印されても強い悪意を放つことが多いのに」
「…どういうこと?」
「もしかしたら彼女は何も悪事を働いていないのに、大妖怪っていう理由だけで封印された可能性があるってこと」
悪事を働かずして封印された…?ということは友好的な妖怪だったってことね。一方的に攻撃していたのに殺せず、やむなく封印したってこと?何か矛盾している気がする。
「それと…この封印、私でも解けないわ」
「え?そんに複雑なの?」
「…複雑というか…この類の封印術は見たことないわ。封印かどうかも怪しいし…」
紫でも見たことがない封印を…?紅月…あなたは一体何者なの?
ーーー
ーー
ー
同刻、紅月side
もうだいぶ歩いた。もうそろそろ着いてもいい頃だ。
「ガルルルッ!」
「…?」
唸り声が聞こえた…?犬でもいるのかな?
「ガルルル!」
「ガウッ!」
「ガウガウッ」
「…っ!」
違う…妖怪だ。妖怪の群れ。この前霊夢に教えてもらった。幻想郷にもまだ低級妖怪が存在してそいつらには知性がないからすぺるかーどるーるが通じないって…
「ガアッ!」
「きゃっ!」
私に目掛けて一斉に牙を剥いてくる。その一撃は弾幕なんて生温いものじゃない、本気で命を刈り取ってくる。霊夢曰く妖怪としての力はすごく弱いから私なら簡単に倒せるらしい。けどそれができなかった。
「ガアッ!」
「ひっ…!」
体が思うように動かない。魔理沙と霊夢の試合の時も霊夢との模擬戦の時も…私が感じていなかった、本気の殺気。それに私は圧倒されてしまっていた。
「ガウッ!」
「いたっ…!」
右腕を噛まれた。それだけで私の防御は一気に崩される。噛まれた痛みで体幹が傾いた。その瞬間を逃さず、他の2匹飛びかかってくる。
「ガアッ!」
「あがっ…」
1匹が私の首筋に噛み付き、肉を喰いちぎった。鮮血が舞う。かろうじて抵抗していた右腕も動かなくなり、倒れ込む。ここぞとばかりに倒れた私の上に乗り腕や足、腹の肉を喰いちぎる。精一杯の声を出して助けを求めようとする。
「あぇ…おぇ…」
しかしまともな声は出ず、嗚咽混じりの汚い声しか出ない。死ぬ。このままでは…でももう何もできない、痛みも何も感じなくなってきた。体はすでに微動だにしない。視界も少しずつぼやけてきた。
グチャ…グチャ…メキッ…
私の体を貪る音だけが聞こえる。もう…だめだ、考えることすらままならない。視界が真っ暗になった、意識ももう消えそうだ。もう助からない、完全に思考を放棄し…
「お前!大丈夫か!?ちっ…邪魔だ雑魚共!」
『滅罪・正直者の死』
誰かの声を最後に、私の意識は途絶えた。
と、いうことで次回、あの方が登場します。
スペルカードでわかる人も多いでしょう。
火曜日くらいにあげられるよう努力しますので
次回もぜひ読んでいただけると嬉しいです。