あるモノのお話   作:赫い月

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あい、作者です。
大学入ってからまだ一回も大学内に入ってないです。
流石に家に飽きてきてしまった…
自分語りはさておき、第九話スタートします。



新居と制約

私が暴走してから一週間。あちこちに残っていた傷は癒えて塞がり、いつも通りの生活を送れるまでに回復した。お世話になった医者曰く足と腹、首の傷は残ってしまうらしい。実際結構な大きさの跡が残っている。まぁそこまで気にしていないけど。

 

「準備はできたか?」

 

妹紅さんだ。

 

なんかあの後色々あって霊夢の家から引っ越すことになった。霊夢からすれば殺しにかかってきた奴が四六時中自分のそばにいる状態だ。出て行けと言われるのに文句はない。そんな強く言われたわけではないけどね。

 

「うん。」

 

「そうか。じゃあ行くぞ」

 

妖獣に襲われてから約半月、やっと退院だ。最初霊夢の家を出ないといけないと言われた時、また野宿生活に戻るのかと思っていたが妹紅さんが家を貸してくれるらしい。他にもお見舞いに来てくれたり色々お世話になった。感謝してもしきれないな。

 

永琳さんと輝夜さんに挨拶を済ませ、永遠亭を後にする。あの騒動の後妹紅さんから無くした期間の記憶のことを教えてもらった。名前のこと、魔理沙さんのこととか色々。妖力については『そんなこと…』と半分不信に思いつつも言われた通りに強く想像したらなんかよくわからない球体が出てきたからびっくりした。スペルカードも最初見せてもらった時…いや何回かは見たことがあるはずだけども…とても綺麗で驚いた。

 

「もう傷は全部塞がったのか?」

 

「はい、多少後は残っているけど塞がりました。」

 

「そうか、良かった。…あ、一応言っておくけど敬語じゃなくていいぞ。堅苦しいのは嫌いだ。」

 

「…わかった」

 

敬語で話すのになれていたからちょっと変な感じがする。

 

永遠亭を出て黙々と竹林を歩く。妹紅さんから再三「離れるな」と釘を打たれた。ここは迷いの竹林と言われているらしく、歩きなれていない人が足を踏み入れるとすぐに方向がわからなくなり迷ってしまうらしい。

 

…それにしても結構歩いたけど、一向に竹林を抜ける気配がないな。そんなにこの竹林は広いのか?…もしかして迷ってるとかないよね。

 

「…妹紅さんの家ってどこにあるんですか?」

 

「この竹林の中だ、結構人里よりだけどな。あと呼び方。さん付けしなくていい、なんかムズムズする」

 

「…わかったよ。」

 

明らかに年上だし色々お世話になったから呼び捨てはまずいと思ったんだけど…まぁ本人から了承が得られれば呼び捨てにしてもいいかな。

 

「…あ」

 

何か建物が竹林に紛れて見えてきた、あれかな?

 

「あれだ、霊夢んとこみたいに広くはないが…まぁ二人が生活するのに問題ないくらいの広さはある。荷物も霊夢から預かってるから心配するな。」

 

知らないうちに色々やってもらってたみたいだ。なんか助けてもらってばっかりで申し訳ない。

 

「ありがとう。迷惑ばっかりかけてごめんなさい…」

 

「…タダでやってるわけではないから謝らなくていい。」

 

「…?どういうこと?」

 

「…まぁ隠しておくのもなんか嫌だし教えるか。

 前の一件で紫に目をつけられた、だから監視の目的を兼ねて住まわせることになった。」

 

「監視?」

 

「あぁ。気付いていないかもしれないが、お前はは大妖怪に並ぶくらいの妖力を持っている。お前からは悪意を感じないが…まぁ万が一ということがないように私が監視することになった」

 

「…」

 

結構大事になってたみたい。大妖怪に並ぶ妖力?そんなにあったの?予想以上に自分は規格外な存在みたいだ。しかも監視されるのか、どんな感じになるんだろう。

 

「監視って言ってもそこまで厳しくはない。殆どいつもと変わらないからあまり気にする必要はないと思う。私自身そこまで気にして過ごすつもりはない。」

 

気にするなと言われてもなぁ…でも深く考えないのが正解かな。

 

「ただし、一つだけ制約が設けられてな… 人里はの立ち入りは禁止とすることになった。」

 

「禁止…」

 

さっきからどんどんキツい言葉が出てきて言葉に詰まる。多分決めたのあの賢者の人だろうな。紫さんだっけ?あの人に目をつけられてしまったのか…なんか怖いな。

 

「さっきも言ったが万が一、ということがあるからな。もし人里で暴走されたらお前を退治することになっちまう。私らも好き好んで妖怪を退治してるわけではないんだ、そこは理解してくれるとありがたい。」

 

もちろんさっきの要求を蹴るつもりはない。こっちとしてもこれ以上迷惑をかけたくないし、目をつけられたくないからね…紫さんちょっと不気味だから苦手だ。いつも考えていることを見透かされてるような気がする。

 

「私も退治されたくないから従うよ。」

 

「助かる、着いたぞ。」

 

色々言ってるうちに妹紅さんの家に着いた。

 

「ただいまーっと。向こうの部屋は好きに使っていいから適当に時間を潰していてくれ、私は昼を作るから。」

 

「はーい」

 

自分の荷物の整理…は服と刀しかないからやる意味ないか。家の探検でもしようかな。

 

「…棚でっか」

 

1番上の段に手が届かない。妹紅さんはこれ届くのかな?背高いな。私はやっぱり三寸くらい足りない。…今思えば霊夢さんも慧音さんも背が高かった。妹紅さんは見た感じ五尺と三寸強くらいありそう。私は五尺もないからちょっと羨ましい。

 

「おぉー!」

 

隣に押し入れ、その中には新品のものと思われる布団が入っている。…私のためにわざわざ買ってくれたりしたのかな?そういえば食事の面倒も見てもらうことになるし…。急に申し訳なさが加速してきた、どうしよう。仕事のお手伝いとかしたほうがいいかな。

 

「後で聞いてみよ。」

 

「何をだ?」

 

「うわっ」

 

いつのまに、聞いていたのか。

 

「うわって…私の家なんだからいて当然だろ。飯ができたから早く来い。」

 

もうできたの?作るの早いな、まだ数分しか経ってないけど。まだ見てないところは後で回ればいいか。

 

「はーい」

 

記憶喪失だったりよくわからない衝動が襲ってきたりとかして不安だったけど大丈夫そうだ、妹紅さ…妹紅も優しいし。

 

このまま平和に時間が過ぎてくれるといいなぁ。




補足
一寸→3cm
一尺→30cm
一刻→一時間半〜二時間半くらい
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