異世界かるてっと×2   作:アニアス

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第七話 デッサン

4組の生徒たちがこの世界に飛ばされて数日、学園生活にも徐々に慣れてきていた。

昼食を一緒に食べたり、放課後にどこかへ寄ったりと互いに交流を続けることで友好的な関係を築くことができていた。

 

「ふわぁ~…」

 

そんなことが続いている日の朝、真人たち一向は学校へ向かうべく住宅地内を歩いていた。

先頭を歩いている真人はまだ眠いのか欠伸をしている。

 

「真人さんまだ眠いのですか?」

「どういう訳か昨日はよく眠れなかったんだよ」

「だったら学校に着いたらお母さんが膝枕をしてあげるわ。きっとぐっすり眠れる筈よ」

「やめてくれ母さん!」

 

真々子の提案を真人は即座に否定してしまう。

学校で母親に膝枕をされている光景を他のクラスメイトたちに見られたら確実にドン引きされてしまうのは目に見えている。

それはなんとしてでも回避しなければと思うと自然に眠気も薄れていった。

 

「あ、真人さん!それに皆さんもおはようございます!」

 

真人たちの後ろから挨拶の声が聞こえ振り向くとアクとルナが歩いてきていた。

 

「あら、アクとルナじゃない」

「おはようございます」

 

アクとルナに対して真人たちも挨拶を返し一緒に学校へ向かうことになった。

 

「2人はいつも元気ね。元気があることはいいことだわ」

「当然よ。私は三聖女の1人にして副委員長なのだから、眠そうにしていたら聖女の名が落ちるわ」

「ホント、どっかの同じ副委員長様とは大違いね~」

「わ、悪かったな…」

 

眠そうにせずにシャキッとしているルナを見てワイズは眠そうにしていた真人をからかいながらニヤニヤと見やる。

前回真人は委員会の仕事を忘れてしまっておりルナにサボっていたと勘違いされ、それからは真面目に委員会の仕事をこなしている。

しかし眠そうにしていたことをワイズに指摘され面目を少し潰されてしまう。

 

そうこうしている内に学校が見えてきた。

 

「さぁみんな!今日も頑張って学園生活を送りましょうね!」

『はーい!!』

 

真々子の掛け声と共に真人たちは返事をして学園の校門を潜るのであった。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「つまりこの英文に関してはこのように翻訳され…」

 

時間が経過し正午近くに差し掛かっている頃、4組では授業が行われており九内が黒板に書かれている英文の翻訳の仕方を教えていた。

4組の生徒たちはノートを取ったりと真面目に受けてはいるものの、ミュウのようなチビッ子たちにはまだ難しく困った表情を浮かべている。

 

すると4時限目の終わりを知らせるチャイムが鳴り、九内は開いていた教科書を閉じる。

 

「では本日の英語はここまで。午後からは美術室で授業を行うから遅れないように…あぁそれから、もう1つ伝えることがあった」

 

午後からの授業に関しての注意事項を伝えて教室を出ていこうとした時だった。

何かを思い出した九内はもう1つの注意事項を伝える。

 

「美術の授業は1組と合同で行うことになったからトラブルを起こさないように、以上」

 

それを伝えると九内は今度こそ教室を出ていくのであった。

最後に九内が伝えた1組と合同授業ということに4組は少しざわついてしまう。

 

「1組ってことは、尚文たちのクラスか…」

「他のクラスで交流があるのは、2組くらいしかないな」

「かなり面子が濃い連中って言ってたが、どんなヤツらなんだ?」

 

尚文以外で1組とまったく面識がないためどんなクラスなのだろうとサトゥーと真人とハジメは疑問を浮かべてしまう。

 

「わぁーい!フィーロちゃんと遊べるのー!」

「フィーロに会えるのです!」

「楽しみ~?」

 

対照的にミュウとタマとポチは仲良しのフィーロと一緒に授業を受けられることを喜ぶのであった。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

昼休みを過ぎ5時限目が始まる5分前、4組が美術室へ到着すると既に1組のクラスが到着していた。

『ラインハルト・ヴァン・アストレア』を筆頭にナザリック地下大墳墓の戦闘メイド『プレアデス』など4組に負けず劣らずの個性が強そうな面々が揃っている。

 

「いかにも普通じゃないメンバーが揃ってるな…」

「だから言っただろ。明らかに普通じゃない連中が揃っているって」

 

1組の面々を見て苦笑いを浮かべているサトゥーに尚文が話しかける。

ちなみにタマとポチとミュウとミーアはフィーロと楽しそうに話しており仲よさげにしている。

 

「サトゥーさん!」

「!?」

 

すると不意に聞き覚えのある声を掛けられサトゥーが振り向くと同い年くらいの女性がいた。

 

「ゼナさん!?」

 

それはサトゥーがいた世界のセリュー市の魔法兵『ゼナ・マリエンテール』だった。

今は訳あってサトゥーたちと共に旅をしていないが彼のことを一途に想っている。

 

「なんだ、知り合いだったのか」

「あ、あぁ…まぁな。ゼナさんもこっちに飛ばされて来たんですか?」

「は、はい。気がついたらここに…」

 

ゼナもこっちの世界に飛ばされサトゥーたちと同じく学園生活を余儀なくされているのである。

 

「それにしてもサトゥーさん、久しぶりですね…」

「え、えぇ。そうですね…」

 

モジモジしているゼナにサトゥーは気まずそうに視線を逸らす。

互いに長い間会っていなかったため、久しぶりに会話できることに戸惑っているのである。

 

「………どうやら俺は邪魔みたいだな。後は水入らずでやってくれ」

「なっ…!?」

「尚文さん!?」

 

2人の間に漂っている空気を察した尚文は軽く笑ってその場から離れていく。

尚文にからかわれているのではないかと思いながらサトゥーとゼナは戸惑ってしまうのであった。

 

「えぇぇぇ!?」

「…今度は何だ?」

 

すると驚いた声が聞こえ呆れながら尚文が顔を向けるとハジメと香織がもう1人の少女と向かい合っていた。

 

「どうして雫ちゃんがここに!?」

「やっぱりアンタたちも来てたのね。なんとなく察してたけど」

 

ハジメたちと向かい合っているのは『八重樫雫』

彼女もハジメたちと共にトータスへ飛ばされたクラスメイトであり香織とは幼なじみである。

 

「こっちに飛ばされたのは、お前だけか…」

「そんなところ。けど、南雲くんにとっては都合がいいんじゃない?」

「………」

 

殆んどのクラスメイトたちにいい思い出がないハジメは無意識に目線を逸らしてしまう。

 

「お知り合いですか?」

 

するとハジメたちの元にアクが歩いてきた。

 

「う、うん、私の親友の八重樫雫ちゃんだよ」

「雫さんというのですね。僕はアクと言います。今日はよろしくお願いします」

「…ま、取り敢えずよろしく」

 

自己紹介をするアクに雫は軽く挨拶をし少し重くなっていた空気が和らいだことに香織はホッとするのであった。

 

「ミカン、あれって…」

「あぁ、魔王と一緒にいた女の子だ…」

 

その光景を尚文の他に見ている2人がいた。

 

九内がいた世界で冒険者をしている『ミカン』と『ユキカゼ』の2人である。

2人は九内と話したことはあるがアクとはお互いに顔を知っているだけのため話したことがない。

 

「あの魔王がいるなら当然か…」

「教師であるおじ様と生徒の私の禁断の恋、体が疼いちゃう…」

「ユキカゼ、アンタ話聞いてる?」

 

九内に一途になっているユキカゼが体をクネクネと動かしている光景にミカンは呆れてしまう。

 

それぞれが様々な話をしていると美術室の扉が開かれレルゲンと愛子が入ってきた。

 

「君たち、もうすぐ5時限目が始まるぞ」

「そのままで構いませんのでこっちを見てください」

 

美術室には机がないため1組と4組の生徒たちは立ったまま教壇に立つ教師2人に注目する。

するとユキカゼが即座に挙手を行い質問をした。

 

「おじ様はどうして来てないの?」

「おじ様?………あぁ、九内先生のことか」

「午後からの授業は私とレルゲンで担当しますので」

「そ、そんな…!?」

 

九内が来ないことを知ってしまったユキカゼはショックのあまりにその場で四つん這いになってしまう。

それと同時にアクも少しガッカリしてしまったのは言う間でもない。

 

それを余所にレルゲンと愛子は授業の話を切り出す。

 

「今から君たちには二人一組になって互いの似顔絵を描いてもらう」

「使っていいのは鉛筆だけですので注意してくださいね」

 

互いの顔を見ながら相手の似顔絵を描く。

まさに美術の授業らしい内容であった。

更に深く言えば違うクラス同士との交流も深まるためうってつけの状況である。

 

「二人一組のメンバーはどう決めるのですか?」

「くじ引きです。この箱から番号が書かれた紙を1枚引いてください。同じ番号の人たちがペアとなりますので」

 

ユリ・アルファの質問に対して愛子が答えたと同時にクエスチョンマークが描かれている箱を教壇の上に置いた。

くじ引きということは1組と4組が確実に混合になるということになる。

 

「では1人ずつ前に来てくじを引きたまえ」

 

そして全員はレルゲンの掛け声と同時にくじを引き始めるのであった。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

全員がくじ引きを引き終えペアを作り、それぞれ二人一組で向かい合って椅子に座りキャンバスに似顔絵を描き込んでいる。

 

「………何でお前の似顔絵を描かないといけないんだ」

「仕方ないだろ。くじで決まったものは」

 

ペアになっているハジメと尚文は似顔絵を描き進めているものの、ハジメは愚痴を溢してしまっている。

 

「本当はユエかミュウを描きたかったのに…」

「いや少しは子離れしろよ」

 

ハジメのミュウに対する親バカぶりは尚文も知っているためツッコミを入れてしまう。

そんなことを言いながらも2人は手を止めずに似顔絵を描き続ける。

 

一方サトゥーはというとゼナとペアになり似顔絵を描いている。

特徴を押さえるべく、ゼナの顔をじっくりと見てしまう。

 

(…よく見たら、ゼナさんってまつ毛が長いな)

「こ、困りますサトゥーさん…そんなに見つめられたら…」

「えっ?」

 

こちらをじっと見つめているサトゥーにゼナは恥ずかしさのあまりキャンバスで顔を隠してしまう。

 

「あっ…!す、すみませんつい…!」

「うぅ~………」

 

サトゥーはハッとなり慌ててゼナに謝るも2人の間に何故か桃色の空気が漂っていた。

 

「きぃ~!何よいい感じになっちゃって!」

「ねぇ、ちゃんと描いてる?」

 

その光景を雫とペアになっているアリサが悔しそうに見ていた。

自分も一途にサトゥーを思っているというのに出し抜かた気分で鉛筆を噛んでしまう。

 

「呆れて何も言えないわね…」

「けどアリサさんの気持ちも分かりますけどね~」

 

ルナとシアは互いの似顔絵を書きながらもアリサを見て呆れたり苦笑いしたりしてしまう。

ルナは元の世界でラビの村という領地を治めており、そこに住む『バニー』という種族が兎人族のシアと似ているため何気に仲がいいのである。

 

「それにしても全然悔しそうじゃないわね。あの眼帯男とペアになれなかったのに」

「私はハジメさんとペアになれなかったくらいで悔しがる程小さい美少女ではありませんので。それよりも見てくださいよアレ」

「ん?」

 

シアが指を差した方を見ると、ナナとシズ・デルタのペアがお互いの似顔絵を描いていたのだが、

 

『……………』

 

2人ポーカーフェイスのまま見つめ合いながら手を高速で動かしてキャンバスに描き込んでいた。

 

「怖っ!?何あれ!?」

「先程から1度もキャンバス見ていないんですけど、描けてるんですかね?」

 

表情筋がピクリとも動かず手が激しく動いているため端から見たら不気味である。

そんな2人に驚いているルナとシアの近くでは真人とユキカゼのペアが似顔絵を描いていた。

 

「おじ様の顔をじっくりと見て描きたかった…」

「えぇ~…」

 

九内が来ないことにユキカゼはまだ愚痴を溢しており、それを聞いて真人は戸惑ってしまう。

 

(そんなに魔王先生が好きなのか……けどよく見たらポータに負けず劣らずの可愛さだな…)

 

白い肌に白い髪、そして小柄なユキカゼに真人は少し引かれてしまう。

するとその隣でクリスの似顔絵を描いていたユエが口を開いた。

 

「その人、多分男の子だと思う…」

「えっ?」

 

ユエの言葉に真人は反応してユキカゼの顔を改めて観察する。

しかしどこからどうみても女の子にしか見えずユエの勘違いではないかと思ってしまうが、それを否定するようにクリスが話しかける。

 

「その子女装してる男の子だよ。最初は私も分からなかったけどね」

「ウソだろ!?」

 

ユキカゼと同じクラスのクリスの話を聞いて真人は驚いてしまう。

 

それを見ていたワイズとユリウス・ユークリウスのペアは、

 

「うっわ、アンタ男もいけるってワケ?流石に引くわぁ~…」

「他人の趣味にどうこう言うつもりはないが、そういうものは晒さない方がいいぞ」

「誤解だぁぁぁ!」

 

真人に対して軽蔑の視線を送ってしまい、真人は即座に弁解するのであった。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

1時間後、全員が似顔絵を描き終えレルゲンと愛子に提出を終えた。

 

「これで全員か…では今から君たちが描いた似顔絵のいくつかをみんなに見てもらう」

「げっ!?みんなに見せるのかよ!?」

 

自信がないのか似顔絵を公表することにフェルトはイヤそうな顔をしてしまう。

 

「絵はみんなに見てもらってこそ芸術というものですから。えっとまずは…」

 

教壇に置かれている多数のキャンバスから愛子が適当に1枚を選びそれを全員に見せる。

描かれていたのは子供か書いたような落書きでミーアに似ている。

 

「これは…」

「あ!それフィーロが描いたミーアちゃんの絵!」

 

愛子が持っている絵にフィーロが反応して指を差した。

抜群に上手とは言えないが髪型や目などは押さえているため一目でミーアと分かる。

 

「よく描けてるじゃないか。上手いぞフィーロ」

「似てる…」

「ありがとうご主人様!ミーアちゃん!」

「一生懸命描いた気持ちが伝わりますね。それにミーアさんも上手ですよ」

 

フィーロが尚文とミーアに褒められ照れていると、愛子がミーアが描いたフィーロの似顔絵を見せる。

キャンバスにはフィーロの顔だけでなく体も描かれており、特徴とも言える白い羽もついていた。

 

「わぁー!フィーロそっくりー!」

「…ありがと」

 

顔だけでなく体も描いてくれたことにフィーロは喜び、ミーアは少し照れながら礼を言う。

 

「2人ともよく描けているようで何よりだ。では次は…」

 

フィーロとミーアの絵を褒めたレルゲンは次の絵を見せるべく1枚のキャンバスを選び全員に見せる。

描けていたのはラインハルトの似顔絵で、髪型や顔のパーツ、更には顔に掛かっている影まで細かく描かれていた。

 

「これは中々の再現度だ…!」

「あ、それ私が描いた似顔絵です」

 

予想以上の絵の上手さにレルゲンが感心しているとラインハルトの似顔絵を描いた真々子が手を挙げた。

 

「ママさんお上手ですね!」

「うふふ、トールペイント教室で習ったから上手に描けたわ」

「流石母さん…」

 

ポータに褒められ照れている真々子に真人は苦笑いを浮かべてしまう。

 

「ん?」

 

するとレルゲンの目に1枚のキャンバスが止まり一瞬固まってしまったもののそれを全員に見せると、そこには真々子が描かれていた。

キャンバスには真々子の顔だけでなく体も描かれており、更に椅子に座っているポーズに後ろの背景など、まるでモノクロで撮影した写真をプリントアウトしたのではないのかと思う程の上手さであった。

 

「……ラインハルトくん、これ1時間以内で描いたのか?」

「すみません。『画家の加護』というものを持ってまして、思う存分発揮してしまいました」

「何なのだその加護は!?」

 

様々な加護を持ちチート級の強さがあるラインハルトの加護の1つを聞いてレルゲンは驚きながらツッコミを入れてしまう。

 

「まぁ上手!あの子凄く有名なトールペイント教室に通ってたのかしら?」

「いや話聞いてた?」

 

真々子の天然ぶりな発言を聞いたミカンは突っ込んでしまう。

 

「で、では次の絵を見てみましょう!」

 

気を取り直して愛子がキャンバスを1枚選び全員に見せると真人の似顔絵が描かれており、まるで少女漫画に出てくるイケメンヒロインのような描写だった。

 

「あら、マーくんったら凄くかっこよくなってるわね」

「いや美化しすぎだろ。ちゃんと描いてくれたのは嬉しいけど…」

 

あまりの絵の描写に真人は戸惑いながら自分の似顔絵を描いたであろうユキカゼを見る。

 

するとそれを見たユキカゼが口を開いた。

 

「私それ描いてないよ」

 

『えっ?』

 

発表されている真人の似顔絵を描いていないと発言したユキカゼにほとんどの人たちがキョトンとなってしまう。

 

「い、いや何言ってんだよ。俺とペアだったろ?」

「そうだけど、あんな風に描いてない。おじ様ならともかく」

「………じゃあこの絵は?」

 

ユキカゼの主張に納得した全員であったが発表されている真人の似顔絵は誰が描いたのだろうと戸惑っていると、絵を描いた張本人が手を挙げた。

 

「あ、それ描いたの私です」

 

全員が視線を向けた先にいたのはメディであった。

 

「メ、メディが描いたのか…!?」

「あ、あれ…?メディさんって確かナーベラルさんとペアでしたよね…?」

「はい。ですけどこちらの方が『何故人間のウジ虫風情の絵を描かなければならないのかしら』と言っていたので、私に似顔絵を描かれることを嫌がると察して描かなかっただけです」

「出た、腹黒メディ」

 

何の悪気もなく答えるメディに美術室にいた全員がタチが悪いなと思ってしまう。

 

「…まさか」

 

何かを察したレルゲンがナーベラルが描いた絵を手に取ると、そこには2組のアインズの似顔絵が描かれていた。

 

「…ナーベラルくん、何故アインズくんを描いているのだね?」

「知れたこと。人間の似顔絵など描きたくなかったが故に、至高なる御方の似顔絵を描いたまでです」

 

メディと同じようにナーベラルはアインズの似顔絵を描いた理由を淡々と答える。

 

流石にこれはダメだと思いレルゲンはメディとナーベラルの2人に書き直しを言い渡す。

 

「君たち、ちゃんとペアの似顔絵を描きたまえ。2人は今週中に互いの似顔絵を描いて私か畑山先生に提出を」

「そう言うと思って予備の絵を描いてます」

「奇遇ですね。私ももう1枚描いてます」

「じゃあ最初にそれを提出してくださいよ!」

 

こうなることを予測していたのか、予備でもう1枚似顔絵を描いていたメディとナーベラルに愛子はツッコミを入れてしまう。

呆れながらもレルゲンと愛子が2人の似顔絵を確認すると、どちらのキャンバスにも円の中に顔を描いただけのスマイルマークだった。

 

『どうして!?』

 

適当だろうとは予想していたレルゲンと愛子であったがあまりの適当さに2人のツッコミが炸裂する。

 

「適当にも限度があるだろ!」

「けど顔は描いてます」

「これはただのマークですよ!特徴が何もないじゃないですか!?」

「分かりました。ではこれに髪型をつけ足せば問題がないということですね」

「そういうことではない!」

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

そして一通り似顔絵の発表を終え下校の時間を迎えたが、後半からはツッコミ所が多彩でレルゲンと愛子は少し疲れていた。

 

「はぁ、はぁ…で、では、本日はこれにて終了とする…」

「各自、教室に戻って、自由解散してください…はぁ、はぁ…」

 

そう言って教師2人は息を切らしながら美術室から出て行った。

1組と4組の生徒たちが各々教室へ戻ろうとした時だった。

 

「ゼナさん」

「ん?どうされましたサトゥーさん?」

 

美術室を出ようとしたゼナをサトゥーが呼び止めた。

どうしたのだろうとゼナが首を傾げるとサトゥーが授業で描いたゼナの似顔絵を差し出した。

 

「えっ?これは…」

「レルゲン先生が似顔絵は持って帰ってもいいと言っていたので、よろしければどうぞ」

「あ、ありがとうございます!」

 

サトゥーが描いた似顔絵をゼナは嬉しそうに受け取り大事に抱える。

そんな2人に羨ましさや微笑ましい視線が向けられていたのは言う間でもない。

 

「あの2人、凄くお似合い」

「そうだな、まるで俺とユエみたいだな」

「…ハジメにそう言って貰えると、嬉しい」

「パパー!」

 

然り気無くユエと愛を深めているハジメにミュウが走り寄る。

 

「どうしたミュウ?」

「あのね、ミュウもパパの似顔絵を描いたの!」

 

そう言ってミュウが持っていた画用紙をハジメに見せると、クレヨンで描いたのか色がついており笑顔のハジメの似顔絵が描かれていた。

 

「おぉー!上手だなミュウ!俺そっくりじゃないか!」

「えへへ~!」

 

ミュウが似顔絵を描いてくれたことにハジメは嬉しさのあまりミュウの脇に手を添えて高い高いをしてしまう。

その光景にユエは頬を少し膨らませてしまい羨ましく思ってしまう。

 

こうして1組と4組の合同授業は終わるのであった。




おまけ

(誰かいるなら初めまして。俺、遠藤浩介って言います。普通に高校生活を送っていたら何故か『トータス』という異世界へ人類を救うためにクラスごと召喚されてしまったんだ。そこでみんなと協力しながらレベルアップとかしていたんだけど、気がついたらまた別の世界に飛ばされて何故かそこで学園生活を送ってる…けどこの学園にいる連中明らかに普通じゃないんだよ!骸骨にモンスター!幼女までいるし!それに加えてクラスメイトだった南雲までいるし!けどそれよりもっと叫びたいことは………)



「や、やった…!とうとうこのクラスにも転校生が来たわ…!これでようやくめぐみんを見返せる…!」


「どうして大好真々子と同じクラスじゃないのよ!?これじゃアイツに毎日嫌がらせができないじゃない!」



(何でこのクラス俺を入れて3人しかいないんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!??)
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