一人のサルカズ   作:ネコの化身

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リアルが忙しかったせいで書いてなかった



狂える物

夜の埠頭に響き渡る金属音、その中心でサルカズとループスが激しくぶつかり合う

 

攻めの姿勢を崩さず確実に命を奪おうと、その手に握る武器をふるう。

その状況がもう三十分も繰り広げられている。

 

 

「ハハッ良いねぇ。ボクが生きてきた中でも上位に入るほどの殺し合いだぁ♪」

 

ループス、ラップランドは嬉々とした表情を浮かべながらも両手に握る剣を振り続ける、その様は何人屠ってきたのか全く無駄がない動きで油断すると一気にやられる

 

「………」

 

ラップランドが喜びながら斬りつけてくる姿にカイルはドン引きしていた、三十分も続くこのいざこざに辟易してたし終わらせようとしてもこちらの攻撃を軽々と捌き息をつかせぬ斬撃を繰り出してくる

 

「楽しい楽しいねぇ!でもキミはまだだねぇ」

 

唐突に飛びのき距離を置いたラップランドは顎に手を当てながら考えてるそぶりを見せる

 

「どうした?おわりにするのか」

 

「いやいや、こんな楽しいことまだまだ続けたいさ、でも不思議なんだ、なんでキミは本気を出さないんだろうって」

 

 

「…どういうことかさっぱりだな、私は本気でやってるさ」

 

「嘘はよくないよ?キミのその腰に隠してるものは何かな?凄く凄ーく良いね、なんでそれを使わないのか不思議で堪らないんだ、使ってくれたらこの楽しいこともさらにたのしくなるのに」

 

「お生憎様、これは今壊れてるんだ、使える代物じゃない。」

 

「んー?あっそっか!そういうことねボクが本気を出せばいいのか、簡単なことだね」

 

「は?んなこと言ってねぇ…」

 

反論すまもなく目の前のラップランドの纏う雰囲気がさらに濃く歪に変わっていく

周りに白い靄のようなオオカミの顔を模した物が漂い始めた

 

「さぁ、第二ラウンドだね。」

 

言い放つと同時に両手の剣をふるうと周りに漂うオオカミの顔をこちらに放ってくる

 

術攻撃!?ただの剣士じゃないのか!?

 

一瞬の虚を突かれ。回避が間に合わず手元のナイフでその術を防ぐ

ただの術攻撃防げば問題ないがこちらに遠距離がないから分が悪すぎる

 

「ほらほらァ!まだまだ行くよ!」

 

間髪入れずに先ほどの術攻撃を放ちながら距離を詰めてくるラップランドに対しカイルはコンクリートの地面に拳を叩きこみひっくり返す、ひっくり返った地面に術攻撃があたり弾ける

 

 

凄いね、彼膂力が並みの奴より遥かに!だけど自ら視界遮るのは悪手だよ!

 

その力を評価しながらラップランドはそのまま突っ込みひっくり返っている地面事斬りつけるがその先にカイルの姿はなく

 

「上だね!」

 

彼に気配を感じすぐさま斬りはらうが空振りに終わる、すでに彼は自分の懐に潜り込んでいた、

 

あぁやっぱり良いッ!!!!!

 

思いも一瞬、すぐさま自身の鳩尾に衝撃が来ると、瞬時に体中にその痛みが走り抜けるがラップランドは痛みよりも充足感を得ながら吹き飛んでいき、コンテナに激しくぶつかり止まる

 

「ふぅぅぅぅぅううう……」

 

大きく息を吐きカイルは突き出した手をおろす、久しぶりに全力で殴りつけたと思う

だからと言って死なせるほどの威力を放ったわけでもないし、コンテナに項垂れ倒れているラップランドを見ると、ようやくかと一安心する、

 

 

 

「アハっァ!あははははははハハハハハ!!」

 

「…マジか…」

 

振り向けば高笑いしながら剣を杖代わりにしながら立ち上がるラップランドの姿だった

 

「凄い!凄いね!キミ!!こんなに楽しいのはテキサス以外初めてだよ!!何帰ろうとしてるのさ!!まだ、まだぁ!続けよう!!!」

 

口から血を吐くのもお構いなしに高らかに大声で戦闘続投の宣言をする

 

「もうやめとけ、多少は全力で殴ったんだ、肋骨が折れてるぞ」

 

「だから何さ!!そんなものは関係ないよ!!そんな些細なことでやめるわけないさ!!」

 

「………」

 

イカれてる、彼女に対する評価はそれしかない

 

「…………………………………………」

 

「どうしたのさ!さぁ早くやろう!!!」

 

「…あぁいいよ。貴女がそこまでやろうとするなら本気を出してやるよ」

 

今まで使用してたナイフを収め、腰に掛けた短剣を、私の内から生まれた物

 

「!!…それを使うんだね、ようやくキミも本気ってわけだ!!さぁ!殺しあおう!!」

 

「…行くぞ!…」

 

互いに駆け、本当の決着がつく瞬間

 

「そこまでだ。」

 

 

その声が聞こえた瞬間にカイルとラップランドを中心とした場所に剣が雨のように降り注いでくる

 

すぐさま回避行動をとったが剣の一本が自分の右腕に突き刺さり地面に血を散らす

ラップランドも肋骨の折れてたせいか少しの遅れが生じ何本かの剣が彼女の身体を掠め切っていた

 

腕の痛みが気になるがそれよりも先に乱入してきたものの正体を確かめる必要があった

 

剣雨の中心に降り立つ人物はラップランドと同じループス族の女性だった。白髪の色と対象の黒の長髪のオオカミが私に背を向けてラップランドに視線を向けていた

 

「なんだい…良いところだったのにテキサスじゃないか…」

 

「ラップランド…」

 

「ハハッ。今はキミに構ってる暇じゃないんだ、彼とやりあっててね。それとも彼を見て助けに入ったつもりかい?優しいねぇ」

 

テキサスと呼ばれた女性にラップランドは話し続けるがテキサスは沈黙を貫いたまま立ち尽くしている。

 

「…仕方がない。今日はここまでかなせっかく興が乗ったのにね。またね、カイル」

 

激痛が走っているはずなのにラップランドは変わらず最初に向けた時のままの笑顔をこちらに向けながらその場を後にしていく、てか名前

 

 

テキサスはその姿を見送るとこちらに振り向き話し始める

 

「すまない、巻き込んだな。」

 

テキサスは自分の放った技に当たってしまっている私の右腕を見ながら謝罪してくる

 

「いや、大丈夫です、寧ろ止めてくれて感謝してます。」

 

右腕に突き刺さった剣を引き抜きながら感謝を述べた、止めてくれなければ私自身もラップランドの事を容赦なく…とその先のことまでは考えずやめた

 

「なら、良いのだがところで君は…カイルと言っていたな…ここで何をしていたんだ?」

 

「何も、ただの散歩ですよ、そしたら厄介な人に絡まれた訳で。」

 

「流石にそれは見苦しすぎないか?」

 

「確かに自分で言っては何ですが、ですがほんとに散歩ですよ、夜風に当たりたかっただけです」

 

「あくまで明かすことは何もないというわけか」

 

「とりあえず企業秘密って感じですね。」

 

正直言ってワイフーさんを先に帰してよかったと安心してる、こんな夜の埠頭に学生の彼女なんて連れてるところ見られていたら誤解され近衛局に通報されていた。

 

 

「そうか、そういえば自己紹介が遅れたな。私はテキサス、ペンギン急便に所属している。」

 

「どうも、カイルといいます。」

 

ペンギン急便…あの時店主が言ってた会社か…テキサスさんは若そうなのに働いてるのか凄いな、まぁ私もだけど

 

「ところで…その右手、血がまだ少し出てるが大丈夫なのか、しかも無理やり引き抜いてたが…」

 

「え?あぁ大丈夫ですよ今来るので」

 

「来る…?なにが」

 

 

にゃ~ん

 

その鳴き声と共に影のように黒い猫が近づいてくる。ただの黒猫なら良いがその猫には全体が黒く染まり影が猫の形をしてるだけであったからだ、その猫に警戒心を現すテキサスだが、それを尻目にカイルはその猫に近づき抱きかかえる

 

「すまない、よろしくね」

 

そう一言告げ撫でると猫はにゃーんと鳴くと同時に形を変えすっぽりとその怪我した右手をすっぽりと覆う、その光景に唖然としながらもその不思議なものに目が釘付けになるテキサス

 

10秒後、またその影は再度姿を猫に戻していく、覆われていた右手にあった怪我は最初からなかったかのように消え去っていった

 

「ありがとね。」

 

影猫に労いの言葉をかけると猫は上機嫌に鳴きながらその場を離れていった

見送った後にテキサスさんを見やるとまだ目の前で行われていた不思議な光景に驚きを隠せずに立ち尽くしていた

 

「テキサスさん?」

 

「あっあぁすまない、あまりにも凄すぎたものでな…」

 

「そういうことですか、まぁ驚きますよね私もあれを見た時は驚いたもので」

 

「今のは君のアーツではないのか?」

 

「そうですね、私の先生にあたる人のアーツで、まぁ説明が難しいんですけどとにかく凄いアーツなんですよ」

 

「まぁ見ればそうは思えるな」

 

先程落としてしまった短剣を拾いながら先生の事を考える、最近会えてないが今も元気にしてるといいな……ついでにもう一人の馬鹿の事も思い浮かべたがすぐさま頭から振り払った

 

「とりあえずお詫びに怪我の治療を考えたがもういいな」

 

「えぇ、心配してくださってありがたいですよ。」

 

「そうだ、一つ言っておくが先程の…ラップランドの事だが、あまり絡まれないように気を付けてくれ…」

 

「…また会うことがないように願うばかりです。」

 

「それには同感だ、では私はこれで失礼する。」

 

テキサスさんと別れを告げたすぐにどっと疲れが押し寄せてきた、今日は楽に終わったはずだったのにとんだ残業を食わせられたようなものだし、ちょっと最悪な気分になっていたが今はとりあえず家に帰り眠りにつくこと以外考えてなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍門   路地裏

 

 

「かはぁ…ハハッ久しぶりに痛手くらっちゃったね…」

 

壁にもたれながらラップランドは先ほどまで味わっていた、蜜月の時に思いを馳せ内から湧いてくる熱に身を焦がしていた

 

「カイル…カイル…いいねいいねいいイイね…また会いたいなぁ今度は邪魔されず最後までその一時を味わいたい…」

 

痛みなどもはや彼女には感じることがなく次また来るであろうその時を考えていた

 

「アハハハっ、また会おうねぇ…カイル…」

 

狂気に染まりつくした笑顔でラップランドはただただ笑う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PM 11:39 自宅

 

 

「ただいま~~って誰もいないけどさ」

 

ようやく自宅につきながら帰り道に買ってきた食べ物や飲み物を置きポストに入ってたものを整理してると先ほど治療してくれた影猫が現れてすりすりと頭をこすり付けてくるのを撫でながらある手紙を見つけその便の封を開け読み始める

 

 

愛しき部下へ

 

  今龍門にむかってます♪パーティの準備でもしててください!!!

 

                       貴方の理想の上司 シキより

 

 

その内容をみながら苛立ち半々と驚き半々でフリーズした

 

 

「…ここくるのかよあのバカがぁあああああああああああああああああああああああ」

 

疲れ切った体に止めを刺すかの如く我慢の限界と言わんばかりにカイルは叫び散らした

 

 

 




今回出したオリジナル設定の説明

折れた短剣→一見すればただの短剣に見える、だからといって甘く見れば貴方は身を滅ぼす事になる 彼自身に取っては自分への戒めでもある

影猫→前からちまちま出てる猫
カイルが先生と慕う人のアーツ、カイルが所持してる影猫は連絡治癒の2つが施されてる状態、



カイル君とか後々出番が控えてるオリジナル人物はまだあるので早く出したいもの あと技術的ななにかでは理解できない超常現象ってなんか良いよね。説明が難しいけど言うなればゴッドイーターの感応現象とか。(わかる人にはわかる)
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