帰る時
「今日は一緒に帰らないか」
常闇に聞かれる
「嗚呼、構わない」
帰ろうと扉へ向かうと廊下には他科の生徒で埋め尽くされていた。
「ななな何ごとだぁ!?」
「出れねぇじゃん!何しに来たんだよ!」
「敵情視察だろザコ」
薄い金髪の少年が言う。
「そんなことしたって意味ねぇから。どけモブ共」
「知らない人のこととりあえずモブって言うのやめなよ!」
「噂のA組どんなもんかと見に来たが随分と偉そうだよなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」
「こういうの見ちゃうと幻滅するなぁ。普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴結構いるんだ」
「知ってた?そんな俺らにも学校側はチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって、その逆もまた然りらしいよ」
「敵情視察?少なくとも俺はいくらヒーロー科とはいえ調子に乗ってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」
「隣のB組のモンだけどよぉ!ヴィランと戦ったっつうから話聞こうと思ったんだがエラく調子づいちゃってんなオイ!」
「おめーのせいでヘイト集まりまくってんじゃねぇか!」
「上にあがりゃ関係ねぇ」
「く…シンプルで男らしいじゃねぇか」
「一理ある」
「確かに」
「言うね」
「いやいや騙されんな無駄に敵を増やしただけだぞ」
皆体育祭に向けて訓練をする。俺は暁月に言われた通りに幻術の正確性と精密性を上げる訓練をする。
当日の朝
「鬼丸」
暁月に呼び止められる。
「何?」
「優勝するなとは言わないが、無闇矢鱈に個性は使うな」
「勿論そのことは分かっている」
「ならいい、忘れるなよ鬼丸。お前はプロヒーローになるんだ。弱点を知られるようなことはするな。いいな」
暁月から念を押される。
「分かっている」
と言い俺は家を出た。
「まあ忘れていても俺も体育祭見に行くから何方でもいいがな」
と暁月が言っている声が聞こえた。
少し怖いなあ
「みんな準備は出来てるか!?もうじき入場だ!」
委員長が言う。
「緑谷」
「轟くん、なに?」
左右の髪と目の色が違う轟が緑谷に声をかける。
「客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う」
「えっ…うん」
「けどお前オールマイトに目ぇかけられてるよな。別にそこ詮索するつもりはねぇが…お前には勝つぞ」
「おお~クラス最強が宣戦布告?」
「おいおい急にケンカ腰でどうした!?直前にやめろって」
「仲良しごっこじゃねぇんだ。何だっていいだろ」
「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってんのかはわかんないけど…。そりゃ君の方が上だよ」
「実力なんて大半の人に敵わないと思う。客観的に見ても」
「緑谷もそういうネガティブな事言わない方が…」
赤髪の少年が言う。
「でも!みんな…本気でトップを狙ってるんだ。最高のヒーローに。遅れをとるわけにはいかないんだ」
「僕も本気で獲りに行く」
緑谷はいい顔していった。