フラワーナイトガール短編妄想集   作:イッチー団長

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今回の主役はチャノキ。
実質無料で手に入れられるキャラですが、とても可愛いです。
しかし、彼女には色々複雑な事情もありまして・・・

※チャノキのキャラクエのネタバレがあります。


チャノキの愛

「団長くん、この夏もまた海に連れて行ってくれないか?」

 チャノキがそう言いだしたのは、仕事が片付き、辺りも暗くなった頃だった。

「も、もちろん、団長くんが良かったら、だが・・・」

 遠慮しがちな彼女が誘ってくれたことだ、断る理由は無かった。

「そうか・・・ありがとう・・・」

 執務室の窓から差し込む薄い月明かりに、彼女の微笑みが照らされている。その顔は何だか寂しそうに見えた。

 

 

 

 チャノキを連れ、再びバナナオーシャンの海にやって来た。以前の彼女は海を見てはしゃいでいたが、さて今回はどうだろうか。

「ふふ・・・さすがに二度目だ。そこまで驚きはしない。しかし、本当に綺麗だな・・・」

 優しく瞼を閉じながら、チャノキが微笑む。そんな彼女を何とも愛らしく感じる。

 

 チャノキは長い黒髪をなびかせながら、海の方を見つめている。その目に映るのは、海とそこで遊ぶ人々だ。

「なあ団長くん、あそこで遊んでいる男女はカップルだろうか?」

 チャノキの視線の先には、水着で遊んでいる若い男女の姿があった。

「あんな駆けずり回って、一体何が楽しいんだろうか・・・?」

 彼女の疑問ももっともだが、チャノキは遊ばないでいいのだろうか。

「な・・・私はそもそも水着を持っていないし、それにああいう遊びの楽しさがいまいち分からん!」

 顔を赤くしながら慌てたが、やがて、

「それでも・・・団長くんがああいうことをしたいなら、付き合ってもいい・・・」

 俯きがちにそう言った。

 別にチャノキが私に付き合う必要はない。チャノキがやりたいようにすればいいんだ。

「しかし、私はカップルがどうやって遊んでいるのか分からないんだ。前にも言ったが、私は外の世界にあまり触れてこなかったから・・・」

 以前彼女が話してくれたことだ。チャノキは茶道の名家の生まれだが、四番目に生まれたという理由だけで家族に軟禁されていたと。

 

「私なんかと居て、団長くんは楽しいのか?」

 楽しい、ただそれだけ答える。

「う・・・変わってるな、君も。私と一緒にいても、普通のカップルのように楽しむことはできないんだぞ」

 それでも構わない。私はチャノキが好きだし、一緒に居られればそれだけで幸せだ。

「団長くん・・・まったく君には敵わない。私と一緒に居れば幸せ、なんて言葉初めて言われたぞ」

 チャノキはそれだけ言うと、顔を赤くして口ごもった。

「・・・私も・・・私も、団長くんと一緒にいると幸せだ。好きだ、団長くん」

 珍しく素直な感情を見せた彼女を、私はそっと抱きしめた。チャノキの黒い美しい髪が揺れ、潮の香りがした。

「団長くん、しばらくこのままいていいか・・・?」

 もちろん。チャノキが思うままにするのが一番だ。

「そうか、それではお言葉に甘えて」

 そのまま二人で抱き合いながら、寄せては返す波を見ていた。

 

 

 

 日が沈み、辺りは薄暗くなった。夜の浜辺には人はほとんどいない。

「あれだけ賑わっていた海も、こうなると少し寂しいな・・・」

 チャノキの瞳にも寂しい色が映った。

「なあ、団長くん。私はちゃんと君を愛せているか?」

 何とも不思議な質問をしてくる。

「ふふ・・・おかしな話だろう。『純愛』の花言葉を持っているのに、人の愛し方が分からないんだ。今まで誰にも愛されなかったから・・・」

 親にすら愛されなかった彼女の苦しみは、私には想像もできない。もどかしさから、柔らかい頬に指で触れる。

「団長くん・・・私はどうやって君を愛せばいい? この気持ちはどこへ向かえばいいんだ・・・」

 ゆっくりでいい。ゆっくり自分と、そして私と向き合っていて欲しい。そうすれば、いつかは分かるはずだから。

「ん・・・そうだな。私が愛を分かるまで、そばにいてくれるか? 団長くん・・・」

 勿論だ。ずっとチャノキのそばにいる。青白く染まった浜辺で、そう誓った。

 

 彼女が愛を理解するには、きっと長い時間が必要だろう。

 しかし、私はその時が来るまで、彼女と寄り添っていたいと思っている。




チャノキですが、私はこういう儚げなキャラには弱いのです。
あえて団長を遠ざけようとしている所とか、もうね・・・

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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