特にコナラちゃんはツイッターの先行公開の時点でめっちゃ可愛いと思いまして。(同じくお気に入りのエキザカムちゃんと同じ絵師さんかな?)
しかし現実は非情で、55連で一人も出ませんでした・・・
しかしそんなことを忘れるくらい彼女が可愛かったので、今回SSを書かせて頂きました。
朝日が眩しく照らす中庭を、眠い目を擦りながら歩く。昨日は任務で忙しく、あまり寝る時間が無かった。熱帯夜が過ぎ去り、ようやく寝やすくなってきたので、今日こそちゃんと寝たい気分だ。
そう思っていると、向こうでコナラが走っているのが見えた。
「あ、団長さん! おはようございます!」
向こうもこちらに気付いたようで、ブンブンと腕を振って挨拶をしてくる。しかし足元に注意した方が良いのではないか、そう思った矢先、
「うわぁっ!」
コナラが何もないところでつまづき、そのまま一回転した。
「うぅ・・・すってんころりんしちゃいました・・・」
心配して足早に駆け寄り、彼女に手を貸す。
「あ、ありがとうございます団長さん。恥ずかしいところ見せちゃいましたね・・・」
彼女の小さな手が私の手を握り返す。軽い身体はヒョイっと簡単に立ち上がる。
コナラは運動神経は良いのだが、頻繁に転ぶ癖がある。
「自分でも直したいと思ってるんですけどね・・・」
トレードマークの大きな帽子を直しながら、コナラは恥ずかしそうにモジモシしていた。
ところでコナラは今日も日課の訓練をしていたのだろうか。
「はい! 私は他の花騎士さんより才能がないですし、その分努力しないといけませんからね」
コナラもちゃんと活躍しているのだし、他の花騎士より才能がないとは思えないのだが。
「えへへ・・・そう言ってもらえると嬉しいですけど、やっぱりシイちゃんみたいな天才と比べてしまうと・・・」
シイちゃんとは彼女と同郷の花騎士、シイタケのことだ。
「シイちゃんは本当に凄いんですよ~。私の訓練を見てただけで花騎士としての戦い方をマスターしちゃうんですから。それに魔力も凄いし」
確かにシイタケの魔力は花騎士たちの中でも並外れたものがある。
「そうなんですよ。私じゃまだまだ追いつけないです」
しかしコナラがシイタケより優れている所もあるだろう。例えばシイタケには体力が無い。これは明確にコナラの方が優れている点だ。
「あっ・・・そうですよね・・・そう言われると私、少し自信が出てきました。よーし今日はまだまだ走りますよー」
コナラのランニングに付き合っていると、日陰のベンチで寝ころんでいる一人と一匹を見つけた。
「あ、シイちゃん! それにドンさんも! もうこんな時間に何してるんですか~」
長い金髪の少女、シイタケがむくりと身体を起こす。
「コナラ? もう~せっかく気持ちよくお昼寝してたのに起こさないでよ~」
時計を見ると午前9時を指していた。昼寝にしては早すぎるのではないか。
「まぁボクは寝たい時に寝たい場所で寝るからね。それじゃお休み~」
「待って、シイちゃんも一緒に運動しよ? 誰かと一緒に走るのって、とっても気持ちいいんだよ。そうですよね、団長さん?」
コナラの言葉に頷く。
それにシイタケは余りにも体力が無いのだし、少しは運動した方が良いのではないか。
「うぅ~・・・団長までそんなことを・・・」
「たまにはいいでしょ? ね」
コナラの目がキラキラと輝きシイタケを見つめる。その視線にシイタケはたじろいでいるようだった。
「・・・分かったよ。少しだけなら・・・」
「えへへ、ありがとうシイちゃん!」
元気いっぱいの笑顔を見せるコナラが何とも可愛らしい。
その時、彼女の足元で小さな影のようなものが動いたように見えた。
「もちろん、ドンさんもですよ」
「!?」
「いちに、さんし・・・最近涼しくなってきましたからねぇ、運動するにはもってこいですよ」
そう言いながらストレッチをするコナラ。ぐったりとする一人と一匹。
「はぁ・・・はぁ・・・コナラ、少し休憩しよう」
「シイちゃんもドンさんも、まだ準備運動なんですからね」
「コナラの鬼軍曹・・・」
そう言って頬を膨らますシイタケ。
彼女のあまりの体力の無さにクスっと笑ってしまう。
「もう笑い事じゃないんだよ・・・ほらドンさんもへたばってるし、ちょっと休もうよ~」
「もうシイちゃんったら仕方ないんだから・・・」
コナラは何だかんだいいながらも、シイタケを座らせお茶を飲ませている。二人の様子がとても微笑ましく感じる。
「幼馴染ですからね、シイちゃんが体力無いのは重々承知ですよ」
コナラがそう言っている最中に、シイタケがぐだーっと寝そべり、コナラの太ももに頭をのせる。
「でも今日みたいに一緒に運動してくれることってほとんど無かったんですよ。だから不思議で・・・」
シイタケの頭を撫でながらコナラがそう告げた。
「さて、もう一頑張りしよう、シイちゃん」
シイタケも腹を括ったのか、むくりと起き出した。
「仕方ないなぁ・・・それじゃあもうちょっとだけ・・・」
その時、シイタケの目がチラリとこちらを向いたような気がした。
「皆お疲れ様でした」
コナラにタオルを渡される。
結局あの後は軽いランニングをしただけで終わった。おそらくシイタケに配慮したのだろう。
「はぁ・・・はぁ・・・も、もうダメ・・・」
しかしそれでもシイタケはへたばっている。こんな体力で大丈夫だろうか・・・
「さて、私はまだ訓練続けるんですけど、もしよかったら団長さんもどうですか?」
「あ、ちょっと待って。団長はボクとお昼寝しよう? 何だか疲れてるみたいだし」
二人から同時に誘われてしまった。
コナラの訓練にも付き合ってやりたいが、疲れているのも確かだ。うーむ、悩める。
「そういえば団長さん、昨日も夜遅くまで仕事してましたね。ごめんなさい、私ったら・・・」
別にコナラが謝ることではない。それに適度に身体を動かした方が寝付きも良くなるだろう。
「でも・・・分かりました。それじゃあ私も団長さんとお昼寝します」
急な申し出に私もシイタケも口をポカンと開けて唖然とする。
「コナラがお昼寝なんて珍しいね・・・どういう風の吹き回し?」
「団長さんのこと疲れさせちゃったんで、そのお詫びです。団長さんのこと寝かしつけてあげますからね!」
そう言われ腕をぐいぐいと引っ張られる。
シイタケと一緒にコナラの部屋にやってきた。良く整理整頓されていて、真面目なコナラらしい部屋だ。
「団長さん、ゆっくりしていって下さいね」
ピンク色の寝間着に着がえたコナラが現れる。頭には茶色い大きな帽子をかぶっている。いつもの帽子ではなく、就寝用のものなのだろう。
「えへへ・・・勢いで誘っちゃいましたけど、男の人を部屋に上げるのって何だか恥ずかしいですね・・・」
「大丈夫、ボクも居るから。二人だけだと変な雰囲気になりそうだし・・・」
「し、シイちゃん! なんてこと言うの!」
耳まで真っ赤にしてコナラが怒るが、シイタケはじとっとした目で彼女を見つめていた。
「さすがに三人は狭くない?」
「そうかな~」
コナラのベッドは一人用だ。二人がいくら小柄とは言え一緒に寝るのは難しいだろう。
「取り敢えずボクはベッドで寝たいよ・・・」
二人くらいなら寝られるだろう。私は床で布団を敷いて寝ることにしよう。
「ダメですよ~、お客さんを床で寝かせるなんて・・・それなら私が下で寝ますから」
「団長と二人・・・悪くないかも・・・」
シイタケの顔がいつの間にか真っ赤になっていた。
「それにしても最近本当に涼しくなりましたよね。私秋って凄く好きです。運動もたくさんできるし、眠りやすいし・・・」
ベッドに入って何分も経っていないが、コナラの寝息が聞こえてきた。本当に寝つきが良いな。運動で体力を消耗したのも関係しているのだろうか。
「コナラ、眠っちゃったみたいだね」
耳元でシイタケに囁かれたので彼女の方を向くと、相変わらずのジトっとした目で私を見つめていた。
「今日は久しぶりに運動したけど、案外悪くなかったよ。コナラと、キミと一緒だったからかな?」
コナラの静かな寝息に、シイタケの優しく囁く言葉が重なる。
「ボク、キミのこと結構気に入ってるのかもね・・・って言っても運動はしばらく無しね」
そう言われて、先程の息を切らしていたシイタケの様子を思い浮かべてしまう。
「きっとコナラも一緒だよ・・・キミのこと好きだと思う・・・」
そう言ってシイタケも眠りについた。私は胸の奥がじんわりと暖かくなる感覚を、いつまでも感じていた。
「んんぅ・・・あっ、団長さん」
目を覚ましたコナラがむくりと起き上がりベッドを覗く。
「あれ? シイちゃんは」
言われてみれば隣のシイタケの姿が無い。替わりにメモが置いてあった。
『自分の部屋でもう一眠りしてきます』
「もうシイちゃんったら・・・でも何だかんだでシイちゃん、団長さんのこと好きなんだと思います。そうじゃなきゃ今日だって一緒に運動してくれませんでしたよ」
ベッドの中で同じようなことを言われたとコナラに話す。
「やっぱりそうでしたか。でも・・・」
途中で言葉に詰まったコナラだったが、顔を赤く染めながら次の言葉を紡いだ。
「でも私も団長さんのこと好きですからね!」
大きな帽子がゆさっと揺れる。私がその頭を撫でると、彼女の頬はさらに赤くなった。
「だから三人でずっと一緒に居ましょうね、団長さん!」
コナラの言葉は私の胸の奥でずっと木霊していた。
しかし、最近涼しくなってきましたね。秋が一番好きな季節です。
そしてSS内の空気も秋めいてきました。
コナラちゃんとシイタケちゃん、本当に尊い。
活発少女とジト目少女の組み合わせ、いいですよねぇ。
というわけで今後もこの二人のSSはたまに書きたいなと思っています。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。