今回の任務も大きなけが人を出すことなく、無事終えることができた。
「団長、今日の任務、問題なし。でも皆、疲労、蓄積?」
あまり強くはなかったが、害虫の数は多かったからな。しかし、クコはあまり疲れていないように見えるが。
「漢方、効能。疲労、回復、迅速」
なるほど。私もクコから処方された漢方を飲んでいるが、確かに疲れが貯まりにくくなっているように感じる。
「やはり花騎士、全員、漢方、必要?」
まあ、無理強いも良くないし、希望者には勧めておこう。
「あい」
というわけで、花騎士を引き連れ無事拠点に戻ることができた。明日からは城への帰路に就く予定だし、早めに休もう、そう思った時だった。
「団長、起きてる?」
簡易的に作られた個室のドアをクコがコンコンとノックした。
まだ起きているが、どうかしたか?と尋ねると、
「団長」
ドアを開け、クコがひょっこり顔を覗かせた。
「外見て、外」
外?と疑問に思いながらカーテンを開けると、暗い夜空に星が輝いていた。クコはこれを見せたかったのか。
「あい、星綺麗。団長と一緒、眺めたい。今日、七夕」
そういえば今日は七夕だったか。任務で忙しくて忘れていた。
「団長、願い、ある? ここには短冊、ない。でも、強く思う、願い、叶う、かも・・・」
夜空を眺めながらクコが尋ねてきた。願い・・・か。今あるのは花騎士が無事でいてくれることと、世界が平和になってくれることくらいか。
「ん、クコも同じ。平和、欲しい、いつまでも。でも・・・」
そこまで言ってクコは黙り込んだ。
どうかしたのか、と尋ねると、
「クコ、もっと欲しいもの、ある」
平和よりも欲しいものか・・・何だろう
「・・・家族、所望」
クコには過去の記憶がない。もちろん家族の顔も分からない。それがどれだけ辛いことなのか、私には知る由もない。ただ、クコには寂しい思いはさせたくない、それだけを思った。
「団長、なでなで、希望」
言われるままにクコの頭を撫でると、お返しとばかりにクコは私の腹を撫でてきた。
「団長、クコ、家族、違う。でも、なんとなく理解。家族、こういうもの。胸、温かい、優しい気持ち」
お互いを触り合い、お互いの熱を感じ合うと、確かに愛情というものを感じられる気がした。
「温かい。トリトニア調査隊の皆、花騎士の仲間、それに、団長。あなたといると、胸、ポカポカ・・・この気持ち、永久、所望」
その気持ちこそが、クコにとっての『家族』になるのかもしれない、そう思った。
その後、クコと他愛のない話をして、お互いを撫であっているうちに、七夕の夜は明けた。
「団長、帰還、早く。皆、待ってる」
そう急かすクコと一緒に城へ向かった。
クコが昨晩願ったこと、その願いを叶えるためにも、これからもクコとずっと一緒にいたい。ただその思いだけを強く胸に刻んだ。
2話続けてクコの話になりましたが、好きなキャラはまだ他にもいるので、次回以降は彼女たちにもスポットを当ててみたいなと思います。
読んで頂きありがとうございました。