フラワーナイトガール短編妄想集   作:イッチー団長

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二話続けてお月見のお話。
ちょっと時期がずれてしまいましたね。

今回のお話はコンボルブルスちゃんのお月見ボイスを参考にしています。
本当に可愛いキャラなので、皆さんも次のスペチケで是非。

それと、今回ゲストでフクジュソウが出てきますが、彼女のキャラクエのネタバレがありますので、ご注意を。


コンボルブルスと昼のお月見

 涼しい風が頬を撫でる昼下がり。

 多くの花騎士たちは昼休憩を終え、各自の職務や訓練を行っている。

「はぁ~……」

 そんな中どんよりとしたため息が聞こえてきた。その主を探していると、壁にもたれて俯いている小さな影があった。

「あ、団長さん……」

 花騎士のコンボルブルスだ。

 彼女は私を見つけると、白く長い髪をたなびかせて私を見つめて来る。きっちりと別れた前髪の間から、綺麗なおでことジトっとした瞳が覗いていた。

 

 元気が無いようだが、一体どうしたのか尋ねる。

「花騎士の皆が盛り上がってる。皆でお月見するんだって」

 何となく分かった。コンボルブルスは夜になると眠ってしまう体質なので、月見が出来ないことを気にしているのだろう。

「うん……何だか私だけ置いてけぼりにされた気分……」

 しょんぼりと俯いた彼女の頭を撫でる。

 

 しかしこればかりはどうしようもない。

 以前も、コンボルブルスが夜も起きていられないか色々と試してみたが、どれも失敗に終わった。

「私もコイソリハ隊の皆や団長さんと夜更かししたい。それに夜戦任務だって、私だけ取り残されるのは辛い……」

 友人に置いて行かれてしまうこと、そんな彼女の辛さを理解できるとは決して言わない。しかし、少しでも寄り添ってあげたいとは思った。

 

 

 

 どうにかして、コンボルブルスにも月見を経験させてあげられないものか。仕事に戻ってからも、そればかりを考えていた。

「おや? どうしたんだい団長さん、そんな俯いちゃってさ」

 廊下で一人の花騎士に声を掛けられた。

 金色の髪に和装の花騎士、フクジュソウだった。

 皆の幸せを考えている彼女なら、良い案が浮かぶかも知れない。そう思ってコンボルブルスのことを相談してみた。

 

「なるほど、夜に起きていられないのにお月見をねぇ……」

 フクジュソウはうーむと考え込んでしまう。やはり難しいのだろうか。

 私も一緒になってあれこれ考えるが、中々良い考えが出てこない。

 

「おっと、二人とも頭がどんどん沈んでいってるね。これじゃあいけない」

 フクジュソウに声を掛けられ、二人で俯いていることに気付いた。

「難しいことかも知れないけど、俯いたままじゃ良案も浮かんでこないってもんさ!」

 フクジュソウの明るい声が響く。そう言えば以前にもこんなことがあった気がする。

「おぉ、懐かしいねぇ。確か害虫討伐に手こずって、皆ボロボロになった時に、団長さんが上を向かせてくれたんだっけ。あの日見た綺麗な夜空は未だに忘れられないよ」

 いや、あれはフクジュソウのおかげだろう。皆に上を向かせたのはフクジュソウだ。

「いやいや、あれはあたしじゃ気付かなかったし……って話がそれちゃったね」

 

 確かに上を向くことは大切だ。俯いていては気付けないこともあるだろう。

 空を見上げる。雲一つない青い空が広がっていた。ん……?

「どうかしたのかい、団長さん?」

 良い案が思い付いた。フクジュソウのおかげだ。

「本当かい? それは良かった」

 早速コンボルブルスに話してこようと思う。

「そっか。ふふ、今度はあたしともお月見しようね、団長さん」

 勿論だ。

 フクジュソウにお礼を言ってその場を後にした。

 

 

 

 中庭に白く長い髪が揺れているのが見えた。近づいてみると、やはりコンボルブルスだった。

「団長さん? どうしたの?」

 ジトっと見つめるコンボルブルスに、明日お月見をしないかと持ち掛ける。

「お月見? 出来ないよ。私が夜になると眠っちゃうの、団長さんも知ってるでしょ?」

 勿論。だから昼にお月見をしよう。

「昼のお月見……?」

 不思議そうに私を見つめる彼女に、上を向くよう指示する。

「上……? あっ! そっか、薄っすらだけど、ちゃんとお月さま見えてるもんね」

 彼女はそう言うと、にっこりと笑う。

 いつもクールなコンボルブルスが目を細めて笑うのが、とても愛おしく感じた。

 

 

 

 というわけで、討伐任務のない花騎士を昼の月見に誘った。

「うわぁ……結構集まったね。私、知らない人とか苦手なんだけど……」

 と言っても十数人程度だし、これを機会に他の花騎士たちとも親睦を深めてくれたら嬉しい。

「うぅ……ソリダゴもコイソリハ隊の皆も、今日は任務だし……」

 大丈夫だ。私が付いている。それにコンボルブルスと仲良くなりたい花騎士もたくさんいるだろう。

「……うん、分かった。頑張ってみる」

 

「なるほど、昼のお月見とは……考えたね、団長さん」

 フクジュソウも一緒に考えてくれたんだ。

「あ、ありがとう……」

 

「ねぇ~、一緒に飲もうよ~」

「うわっ、お酒臭い……昼間から飲んでるの?」

 ホップはいつもそうなんだ。気にしないでやってくれ。

 

「どんな害虫にも『怯ま』ないコンボルブルスさんのために、昼間のお月見をするなんて、団長も良く考えたんだよ」

「……」

 ……

 

「あ、クコさんとヘナさん……」

「お団子、美味。昼、お月見、新鮮、楽しい♪」

「ヘナ、コイソリハ隊、お話、聞きたい。同席、希望……なの」

「……うん!」

 笑顔で返事をしてクコとヘナの隣に座るコンボルブルス。楽しそうに会話する三人を見ていると、私も和んだ。

 

 

 

「団長さん、今日はありがとう」

 いつの間にか空はオレンジ色に染まっていた。もう大分日も短くなってきた。こんなところからも秋を感じる。

「お月見って、私には縁がないと思ってた。でも団長さんのおかげでお月見が出来た。色々な花騎士ともおしゃべりできた」

 人見知りなコンボルブルスも、今日は楽しそうに会話していたな。本当に良かった。

「うん、本当に楽しかった。えへへ、ありがとう団長さん」

 コンボルブルスは背伸びをして、私の頬にキスをする。

 彼女の顔を見ると、その柔らかい頬が夕焼けの色に染まっていた。




というわけでコンボルちゃんお月見回でした。

コンボルちゃん、クール且つ人見知りなのに団長には懐いてるところとか、本当に可愛いです。
今年の虹では一番のお気に入りキャラになりました。
このSSでコンボルちゃんの魅力が少しでも伝えられたら嬉しいです。

それと、今回ちょこっと出たフクジュソウも好きなキャラです。
いつか彼女単体のお話も書きたいですねぇ。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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