異世界で頑張ったので出戻りますね あるいは彼女は如何にして悩むのを止め、現代をエンジョイするようになったか   作:大回転スカイミサイル

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第17話「よーし覚えてろてめーら……」

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崎見老人の車に乗って30分ほど。

 

森南河町の外れの一軒家が老人の家だった。

 

見た目は少し古めの和風建築で大きさはそれほど大きいとは言えない。

 

庭は広く、種々の木々や草花が生えていた。

 

そしてその中で一際目立っていたのが、おそらくは駅前から植樹されたであろう杏の樹だった。

 

崎見老人よりも年上の、樹齢百年に届くかという木は今は紅葉も終わり葉を散らせて冬支度をしている。

 

「どうです、これで間違いないでしょうか?」

 

崎見老人は車を車庫に止め、そこから見える杏を指差してそう言った。

 

その木は……齢を重ね、姿は変わってはいたがミナにははっきりと夢の木と同じであることがわかった。

 

「間違いないと思います……近くに行って見てもいいですか?」

 

「もちろん」

 

崎見老人は客人を促し、自分の家へ招き入れる。

 

直接庭を横断し、鉢植えの群れを超え、木々の間に足を踏み入れ、そして杏へとたどり着く。

 

昭和XX年7月1日植樹。

 

足元のプレートにはそう書かれていた。

 

今は冬の装いで寂しい木だが、生命力は十分に感じられた。

 

冬の間の蓄えで芽を作り、春にはまた花を咲かせ、実を結ぶだろう。

 

それがはっきりとミナとルルには感じられた。

 

他の木々も花々の鉢もよく世話されていることがわかる。

 

ダークエルフの子孫とは思えないほどしっかりとした庭園に二人は感心していた。

 

「どうです?これも生前の母がずっと世話をしていたのですよ。今は私が管理していますがね」

 

自慢気に崎見老人が話す。

 

ミナには確かに木々が喜んでいることがわかる。

 

そして―――そして。

 

杏の木の上に、何かを見た。

 

「!?」

 

ミナはバッグから木製のシンプルな拵えの弓矢を取り出し、木の上を狙った。

 

―――そこにはなにもない。

 

「どうされました?」

 

「いえ、木の上になにか居たような気がしまして…」

 

崎見老人の問いかけに、ミナは正直にそのことを話して弓矢をバッグにしまった。

 

すでに気配は消失している。

 

ミナは冷や汗を一滴流し、従者に向き直ってこう言った。

 

「……ルル、明日のバイトって休めたっけ?」

 

「……交渉してみましょう。とりあえず、崎見殿……こちらに僕の使い魔を一匹置いていきたいのですが、よろしいですか?」

 

丸顔の店長の死にそうな顔を思い出しながら、二人は崎見老人に対策を話す。

 

「ほう。どういったものですかな?」

 

「僕のファミリアーのカナリアですね。何かあったら僕に知らせてくれるはずです」

 

「もちろん構いませんよ。この通り周囲は少し開けていますからね」

 

崎見老人の了解を得たルルは呪文を唱える。

 

「偉大なるロジックよ。我が使い魔を彼岸より此岸へ連れ出し給え。コール・ファミリアー」

 

呪文を唱え終わると、ポンと音がして小さな煙が彼の掌に湧く。

 

それが晴れるとピンクのカナリアが現れた。

 

「ミルア、この杏の木になにかあったらすぐに教えておくれ」

 

ぴぃ、と一声鳴くとミルアと呼ばれたカナリアはその手を離れ、杏の木の枝の一つに停まる。

 

それを見た崎見老人が、「おお」と感嘆の声を上げた。

 

「すごいものですな。手品にも見えるが、少なくともこの眼にも種も仕掛けもあるようには見えない」

 

「本物の魔法ですから、看破の魔眼でもタネはわかりませんよ。貴方も……そうですね、クォーターのダークエルフですし、僕かミナさんが教えれば精霊術を少しは使えると思いますが……どうします?」

 

「やめておきますよ。私は蜘蛛のヒーローが好きでしてね。その劇中の言葉に従い、私は大きな力は持たないようにしたいと思います」

 

精霊術の手ほどきを断った老人の心に浮かんだ言葉にルルは心当たりがなかったが、ミナにははっきりとあった。

 

アメリカン・コミックスのある超有名ヒーローが、その人生を悪との戦いに使うことを決めたヒーローの叔父の言葉だ。

 

「大いなる力には、大いなる責任が伴う……ですね」

 

コクリと頷くと、落ちてゆく夕日に染まる杏の木を見つめて笑う崎見老人であった。

 

 

 

その日のバイトは特に問題なく続いていた。

 

丸顔の店長はどうしても明日は遠い親戚の法事のため深夜作業などできないと泣いていたので、休むのは明後日以降にしてもらった。

 

(こんな時期に法事とは……とことん巡り合わせの悪い人なんだな……)

 

最悪人払いの結界となるアイテムなども所持しているので、それを用いて客が来ないようにしないといけないかも知れない、とミナは店長に心苦しい思いをいだきながらお弁当の並び替えを行っている。

 

半グレ暴走事件が収束してから数週間、町は平静を取り戻しつつあり、それは真夜中のコンビニにも問題客の来訪の減少という形で如実に現れていた。

 

そのうちには深夜バイトを行いたいという金に困った暇学生やフリーターも増えてくるのではないか、とは思うがそれは今すぐではない。

 

丸顔の店長の哀れな顔が脳裏に浮かんで、バイトはまだ続けようと二人は思っていた。

 

もともと冒険者で不規則な生活が基本、かつ魔法のチョーカーで殆ど寝なくていいミナやアンデッドのルルにはこのような深夜の静かな業務のほうが望むところである。

 

半グレ事件や幽霊戦車の件、そしてそれに連なると思われる邪神とバグの件は頭の痛いところであるが、ミナにとってはこの十年で一番安らいだ日々であった。

 

少なくとも邪神の手がかりを集め、多くの魔物や魔王と戦い勝利する日々に比べれば随分と。

 

……結局バイトや事件調査に時間を取られて、あまり技術の勉強は進んでいない。

 

結局の所、インターネットから無料で手に入れることができる知識だけでは仕事に使えるような知恵にはなりえない。

 

参考書や技術書を買い、e-learningでもなんでもいいから講義を受け、自習し、資格を取り、できればそれを実際の仕事として自分の身に成るようにしなければならない。

 

彼女は武具やアイテムを修復するために鍛冶師、マッパーとしての修行のために絵師、水没したダンジョンなどの探索のために海女……と複数の職業経験があるが、それと同じである。

 

落ち着いて勉強するためにも、今はバイトをしてお金を手に入れ、そして並行してなぜこの世界にグリッチ・エッグの存在があるのかを調べることが先決だとミナは結論を下していた。

 

「とかく世の中は簡単にはうまく行かないようにできてるわね……」

 

ミナは商品の並び替えを終えると、外の軽い清掃に赴きながら、そう独り言ちた。

 

「なんじゃとぉ!ビニール袋に金払わにゃならんじゃとぉ!?」

 

またいつものタッチパネル押さないジジイが現れ、12月半ばから遂にこのコンビニでも有料になってしまったレジ袋に対してがなり立てている。

 

それもまたルルがすぐに黙らせるのが見えた。

 

静かな夜であった。

 

ルルの使い魔から連絡が来ることもなく夜は更け、明けていく。

 

何事もなく。

 

 

 

翌日も、翌々日も、思い出鏡閉店の午後7時に合わせて8時過ぎに崎見邸を訪れてみたが、特に異変はなく使い魔も元気であった。

 

同時に幽霊戦車の目撃情報もパタリと止んでいたことが母を経由して伝わっている。

 

夢もそれ以降見ることはなく、市中に特に何か起きるわけではなく、平穏なまま数日が経過していた。

 

「……あれで終わりだとは思えねーんだけど……」

 

「それを俺らに聞くのか、お前は」

 

ビールをグイと飲みながら、空悟は苦笑した。

 

「相談できるやつ、あとはうちのルルかカーチャンしかいねーんだもんしゃーねーじゃん」

 

同じくビールを片手にテーブルに突っ伏すのはミナだ。

 

それをジト目で見つめる男女は当然ルルと文である。

 

ミナは何を思ったのか、あるいはただ酒を飲みに行きたかったのか、空悟に電話して話がしたいことを伝えると、二つ返事で空悟はOKを出した。

 

出したのだが……何故かと言えばいいか、当然と言えばいいか、ついてきた文はひどく不機嫌であった。

 

「人の旦那をそんな用事で呼び出さないでください、先輩。あなた、自分が今女性であること忘れてやしませんか?浮気を疑いますよ、私は」

 

「そもそもこの人、普段は女性のような口調で話すだけで中身男性でも女性でもありませんよ。1世紀半付き合ってるからわかります。男の前でも女の前でも脱ぐのに躊躇がない。いつかなんて誰かが裸にならないと進めない嫌がらせ系のトラップで、僕含めて男しかいないのに躊躇なしで全裸になりましたからね」

 

「マジですか。羞恥心ってものがないんですか、粗忽物のTS野郎ですか」

 

言いたい放題であった。

 

「なぜだぁ~!オレは友達に相談しただけなのになんでここまで言われなきゃならねーんだぁ~!」

 

「だからオカルトのことを俺らに相談しようと思うのが間違いだっつーの。相談つーから何かと思ったじゃねーか」

 

涙目で机をドンドン叩くミナに、空悟はサラダを取り分けてため息をついた。

 

「張り込んでも無駄なら、放置するしかないんじゃないのか?うちにも幽霊戦車の通報は来てるけど、全部こっちの世界の常識じゃあ『見間違い』か『錯乱状態だった』としか判断できないケースばかりみたいだぞ。交通課の奴の話では」

 

ビールを一口飲んで空悟は続ける。

 

「写真は最初の一ケース、SNSで拡散したものだけ。10t以上もある車両のキャタピラで農道やアスファルトを走ればなんらかの痕跡ができるはずだが、それも見つからない。交通課の奴も困ってたよ」

 

空悟はそこまで言って、「質量がない幽霊様の相手するのは警察の業務範囲外だ。お前が何とかするしかないんじゃないか?」と続けてミナの開いているグラスにビールを注ぐ。

 

黄金の液体としゅわしゅわとはじける白い泡が注がれたグラスを受け取りミナは微笑んだ。

 

「ああ、ありがとう。つか、そりゃあ多分幽霊だろうし、質量なんかないとは思うけど……」

 

そのビールをんぐんぐと飲み干して、ぷはぁ、と息を継ぐと今度は文がグラスにビールを注ぎだす。

 

「当たり前の話ですね。ほら飲んで。どんどん飲んで。どうぞどうぞ」

 

「あ、うん……ありがとう、清水さん」

 

ミナの顔はすでに真っ赤である。

 

飲み放題のピッチャーはすでに一つなくなっている。

 

そのほとんどすべてはどこに入っているのかわからないが、この細い森人の内臓の中だ。

 

しかし、酔いつぶれてはいない。

 

いや、酔いつぶれることは彼女がその髪に結んでいるブラックリボンを解かない限り不可能だろう。

 

精神的にも肉体的にも、ただただ延々とほろ酔いの状態が続いているだけだ。

 

「すぐ顔真っ赤になるのは確かに水門先輩っぽいんですけどねえ」

 

「まだ言いますか、フミ殿」

 

「言いますとも」

 

日本酒のおちょこを傾けて、文はニコリと笑う。

 

「だって今日は子供が幼稚園のお泊り会でいないんで、本当は久しぶりに空悟さんと二人っきりだったはずなんですもの」

 

おちょこの中身を一瞬で空にした文はその両手でミナの両肩を掴んだ。

 

そして、言い知れぬ圧力が肩を掴まれたミナに襲い掛かる。

 

目が怖い、笑顔が怖い、完全に怒っている。

 

恋愛ごとで怒った女性は魔王だの邪神だのよりもはるかに怖い。

 

それは彼氏いない歴634年、彼女いない歴33年(前世)の彼女が長い人生の中で得た数少ない恋愛がらみの教訓であった。

 

「ひぇっ……し、清水さん……?」

 

ゴゴゴゴ、と文の心底が鳴動しているのをミナは怒りの精霊の動きによって感じて後ずさる。

 

「どうしたんですか?何か恐ろしいことでもあったのでしょうか?」

 

「し、清水さんが怖いん……だけど……?」

 

「清水さんが怖いんだけど?じゃないが???いいですか、私が両親や義両親の反対を押し切ってこちらに移り住んだのはですね~~~~」

 

顔面に怒りマークを張り付けた人妻はミナの肩をガクンガクン揺らした後、アイアンクローの態勢に入った。

 

「やめっ!ちょ!空悟止めろ!」

 

「無理言うな間抜け。学生時代のことを思い出せや大馬鹿野郎」

 

「うぎゃああああああ!!!」

 

こうしてがしっと頭を掴まれたミナは、そのただならぬ様子の文に気合負けして、次の休みの日に今野夫妻の子供を預かることを承諾したのであった。

 

―――どうせ茜に預ければよいと考えていたミナであったが、茜が急に休日出勤することになってしまいその目論見は潰えることとなるのであるが、それは後日の話である。

 

そうして1時間半ほどが経過した。

 

「……ぐう」

 

ストレスが溜まっていたのか、文はミナを散々におもちゃにした後にそのまま酔いつぶれて寝てしまっている。

 

お酒の飲める3人の中で一番飲んでいなかったのにこれである。

 

渋々子供を預かることを承諾させられたミナは、散々に引っ張られた耳を抑えて空悟を睨めつけた。

 

「おめーの奥さんどーなってんだよ!学生時代よりひどくなってんじゃねーか!」

 

「いつか言ったろ。うちは両親も義両親も割とめんどくさくてな。孫構いと嫁構いっつーか、文への過保護が酷くてな。ガチ家庭板案件は御免こうむるんで転属願い出したんだよ。それが受理されたのがうちの双子ちゃんがちょうど1歳になった3年前ってわけだ。離れてだいぶ経つけど、ストレス溜まってんだよ、こいつ」

 

安いウィスキーをロックでをちびちび舐めつつ空悟は遠い目をした。

 

ミナはその顔に、やはり忘れさせられていた記憶を思い出す。

 

「わりぃ、完全にそれは忘れてた……すまん」

 

「良いってことよ。その邪神とやらのせいで俺は親友を見殺しにするところだったんだ。目の前にいるなら俺がぶん殴りてーよ」

 

氷がほとんど溶けて薄くなったウィスキーを男は煽った。

 

薄まったとはいえ20度はある強い酒精が喉と鼻を焼く。

 

「まあ多分そういうのを見て楽しんでたんでしょうね、あのクソ邪神。あーあーこれが肉を持つ系だったら実験台にして半世紀は遊んだのに」

 

ルルは残っていたとんかつを雑に咀嚼して、牙をむき出しにして笑った。

 

「おー、お前もそ~思うかーやっぱそーだよなー親友だもんなぁー」

 

空悟もだいぶ酔いが回ってきたのか、若干呂律の怪しい言葉でルルのグラスにピッチャーから烏龍茶を注いだ。

 

「親友よりは関係が深い気がしますが……それは置いておくとしましょう。アレはミナさんの運命を弄んだのだから、数世紀は殺し続けるべきでした。力不足が悔やまれます」

 

「おーい、ルル?ここはあっちの国の場末の酒場じゃないわよ???空悟もおめー飲み過ぎだよ!」

 

ミナが空になった親友のウィスキーグラスに烏龍茶を注いで疲れた顔を従者へ向けた。

 

すでにピッチャー3つは開けているミナが言えた話ではないのだが、ルルは残っているつまみを咀嚼するのに忙しいらしく黙っていて、空悟は「だいじょーぶだいじょーぶ」と大丈夫じゃない酔っぱらい特有のダメさ加減を露呈しているので指摘するものは誰もいない。

 

「……うん、こうなるのはわかってた。わかってたけど、辛い」

 

転生した後のミナはいろいろな経験をした結果、ほろ酔い以上の酩酊感が大嫌いになってしまったため、今では酒を飲むときでも常に状態異常ほぼ完全無効効果を持つブラックリボンをしている。

 

しかしながら、それは酒癖の悪い人間と飲む時はいつも仇になっていた。

 

つまり酔っ払いの後片付けは、常にミナの仕事になってしまうのだ。

 

それは元来大食いであるミナが馬鹿みたいに酒を大量に飲むため、周りが釣られて飲みすぎてしまうということもあるので、半分はミナ自身の自業自得である。

 

そして、こういう時ルルは「だから他の人を釣るような飲み方はやめろと言ってるんです」と言って助け舟を出してはくれないのだ。

 

―――そして極めつけに残念なことに、泥酔と二日酔いという2つの酒にまつわるステータス異常を解除する魔法的な方法はミナをして本気にならなければいけない最高位の蘇生魔法……第九位階の神聖魔法リザレクション以外に存在しないのであった。

 

酒の神が、そんな無粋なことをするなと癒やしの神に楯突いたのが原因、という神話があちらの世界には存在するが、本当に憎らしい神様だとミナは内心憤る。

 

「どういうシステムになってんのかしらね、あの世界。ふざけてからに」

 

酔い醒ましの薬の持ち合わせが少ないことを嘆きつつ、これも自分の不手際か、と諦めて空悟と文を横にしてから席に戻り、ビールを一口飲むとそんな考えはどこかへ飛んでいってしまった。

 

そういえば前世では自分が七割以上の確率で真っ先に真っ赤になって酔いつぶれるため、この二人に迷惑をかけていたことを思い出す。

 

もちろん、残りの三割は文で、屈強な警察官になる男が酔いつぶれることはほとんどなかった。

 

自分が酔いつぶれた時は大体はタクシーに放り込まれて、そのままアパートまで直帰だったことを思い返し、ミナは苦笑した。

 

その後二人きりになった親友と後輩が何をしていたのかは容易に想像がつく。

 

(前世も今世も全然恋愛とか興味わかんし、別にいいんだけどね……)

 

あのとき感じた疎外感とは別の疎外感に、ミナは赤ら顔を笑顔に歪めてルルの額に腹いせのチョップを食らわすのだった。

 

時間はすでに23時を回っている。

 

「おい、空悟。そろそろ終わんねーと明日の仕事に差し支えるんじゃねーのか?」

 

無限のバッグから二人に飲ませるためのエルフの酔い醒ましを取り出しつつそう聞くと、空悟は手を振って答えた。

 

「あーおめーが相談なんて言うもんだから明日は休みにしてもらったんだよ。言わなかったっけ?」

 

「言ってねーよ……オレはなんのために清水さんに耳引っ張られたりほっぺた引っ張られたりしたんだ……」

 

「ぶわははははは!」

 

「あっはっはっは」

 

「よーし覚えてろてめーら……」

 

身も蓋もない空悟の答えに肩を落としたミナに向けて指を差して笑い出した親友と従者に、ミナは必ず仕返しをしてやることをなにかに誓ったのであった。

 

 

 




ごぽんっ

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